Shopifyのディスカウント機能は、ECサイト運営において売上向上や顧客獲得に欠かせない重要なツールです。この機能を活用することで、新規顧客の獲得、リピート購入の促進、購入単価の向上、在庫管理の効率化など、さまざまな目的を達成することが可能です。
本記事では、Shopifyのディスカウント機能について詳しく解説し、クーポンコードの種類や発行方法、活用のメリット、注意点など、ストア運営者が知っておくべきポイントをわかりやすくお伝えします。
Shopifyのディスカウント機能とは?

Shopifyのディスカウント機能は、特定条件を満たした注文に対して、商品金額の割引や、注文金額の割引、配送料無料などの割引を実施できる機能です。割引の適用方法としてクーポンコードの直接入力や自動ディスカウントから選ぶことができます。
ディスカウント機能を利用することで、新規顧客獲得や購入単価の向上、リピート購入の向上などストアの売上向上を図ることができます。
Shopifyで発行できるディスカウントの種類

ディスカウント機能できることは下記4種類になります。
- 商品の割引金額
- 注文の割引金額
- 無料配送
- Xを購入するとYをプレゼント
それぞれ詳しく説明します。
商品の割引金額
特定の商品または、特定のコレクションを購入する際に、クーポンコードを入力することで適用される割引クーポンです。
割引額は定額もしくは定率で選択することが出来ます。
例えば、下記の場合に利用できます。
- 商品Xを10%OFFや100円引きしたい
- コレクションYに設定されている全ての商品を10%OFFや100円引きしたい
- 商品Xを初めて購入する際に10%OFFや100円引きしたい
- など
下記のブログ記事では、商品の割引金額を活用して、特定商品でボリュームディスカウントを実施する方法を紹介しています。ご参考にしてください。
注文の割引金額
注文時に特定条件を達成した場合に、クーポンコードを入力することで利用できる割引クーポンです。
商品の割引クーポンと異なる点は、特定の商品または、特定のコレクションを選択できない点だけです。それ以外は商品の割引クーポンとほぼ変わらないです。
例えば、下記の場合に利用できます。
- 商品関係なく全ての注文で10%OFFや100円引きしたい
- 初回注文だけ10%OFFや100円引き
- 2個以上商品を買った場合に10%OFFや100円引きしたい
- 5000円以上を購入した場合に10%OFFや100円引きしたい
- など
下記のブログ記事では、注文の割引金額を活用して誕生日クーポンや社員向け割引クーポンを発行する方法を紹介しています。ご参考にしてください。
無料配送
注文時に特定条件を達成した場合に、クーポンコードを入力することで注文の配送料を無料にできる割引クーポンです。
例えば、下記の場合に利用できます。
- 初回注文のみ送料無料にしたい
- 特定期間のみ送料無料にしたい
- 一定金額購入した場合のみ送料無料にしたい
- 特定の国だけ送料を無料にしたい
- など
下記のブログ記事では、無料配送を利用した「商品を3個以上購入時に自動ディスカウントで送料無料」にする設定方法や「新規会員登録したユーザーのみ初回だけ送料無料にできるクーポンコード」の発行方法を解説しています。ご参考にしてください。
Xを購入するとYをプレゼント
特定の商品Xまたは、特定のコレクション内の商品Xを購入する際に、クーポンコードを入力することで、特定商品Yまたは、特定のコレクション内の商品Yを割引価格もしくは無料で手に入れることのできるクーポンです。
例えば、下記の場合に利用できます。
- Xを購入した場合に、その関連商品であるYをプレゼントしたい
- 特定期間だけXを購入した場合に、Yをプレゼントしたい
- Xを3個以上購入した場合にYをプレゼントしたい
- Xを3個以上購入した場合にYを値引きしたい
- など
下記のブログ記事では、「Xを購入するとYをプレゼント」を利用して特定商品購入時に無料プレゼントを実施する方法や1個買うと1個タダ|BOGO(Buy One Get One)の実施方法を紹介しています。ご参考にしてください。
Shopifyのディスカウント機能を使うメリット
新規顧客の獲得を期待できる
初回だけ◯%オフクーポンや送料無料など、初回購入から利用できるクーポンを発行することで、一度も購入したことのない顧客に対して購入を促す事ができます。
リピート購入を期待できる
次回利用できるサンクスクーポンや○回目購入後に使えるクーポンなどを配布することで、既存顧客に対してリピート購入を促すことが出来ます。
購入単価の向上を期待でいる
「〇個以上購入でX%OFF」や「△円以上で◇円オフ」など、クーポンを使用するのに条件を設けることで、その条件を達成するために顧客についで買いを促すことができ、単価アップを図ることが出来ます。
特定商品の在庫を減らせる
「商品Xを◯%オフ」「商品Xを購入すると商品Yをプレゼント」など、商品の購入に連動したクーポンを発行することで、特定商品の在庫を減らすこともできます。
ストアを盛り上げれる
クーポンを利用することで、楽天市場やYahooショッピングなどのECモールがよく行っている定期的なイベントを開催し、ストア自体を盛り上げる事ができます。
たとえば、「毎月5のつく日のみに使える5%OFFクーポン」を発行したり、「毎週日曜日だけ使える送料無料クーポン」を発行したりすることで、定期的なクーポンイベントを開催するなど出来ます。
カゴ落ち対策になる
カゴ落ち対策アプリなどを利用して、カートページから離脱しようとしたタイミングなどに、今だけ利用するタイムセールクーポンを自動発行することで、お客様に対して今買うきっかけを作ることができ、カゴ落ちの防止につなげることが出来ます。
下記の記事ではShopifyでできるカゴ落ち対策を紹介していますので、参考になさってください。
Shopifyで出来るカゴ落ち対策|原因やShopifyアプリも紹介
レポート機能でディスカウント施策の効果測定ができる

Shopifyのディスカウント機能を活用することで、ディスカウント施策の効果を詳細に測定できる点が大きなメリットです。Shopifyには売上や顧客行動を分析するためのレポート機能が搭載されており、ディスカウント施策のパフォーマンスを具体的なデータで確認できます。
「ストア分析 > レポート > ディウカウント別の売上」の順にアクセスすることで、ディウカウント施策の効果を確認することができます。
Shopifyでクーポンコードを発行する方法
本章では、Shopifyのディスカウント機能を利用して、クーポンコードを発行するまでの簡易なステップをご紹介します。
Shopifyでクーポンを発行する方法は下記になります。
- ステップ1: 管理画面から「ディスカウントを作成」をクリック
- ステップ2: ディスカウントの種類を選ぶ
- ステップ3: クーポンコードを決める
- ステップ4: ディスカウント割引を設定する
- ステップ5: 条件などの詳細設定
それぞれ詳しく解説します。
ステップ1: 管理画面から「ディスカウントを作成」をクリック

Shopify管理画面からディスカウントページにアクセスし、「ディスカウントを作成」をクリックします。
ステップ2: ディスカウントの種類を選ぶ

下記の4種類のクーポンの種類から、適したものを選択する
それぞれの詳細は前章で説明していますので、ご参考にしてください。
ステップ3: クーポンコードを決める

次は、クーポンコードを決めます。
クーポンコードは自身で任意のコードを設定することできますし、「ランダムコードを生成」をクリックし、自動生成することもできます。
自身で任意のクーポンコードを設定する場合は、お客様に推測されないような文字数が多く、複雑なクーポンコードを設定するように意識しましょう。
ステップ4: ディスカウント割引を設定する

「商品の割引金額」や「注文の割引金額」の場合は、定額および定率で値引き額を設定できます。
「無料配送クーポン」は送料無料のみとなります。
「Xを購入するとYをプレゼントクーポン」はY商品および、Y商品を無料プレゼントするか、割引および割引率を設定する必要があります。
ステップ5: 条件などの詳細設定

下記の項目から必要な条件を設定します。ディスカウントタイプによって設定できる条件は異なりますので、ご注意ください。
購入タイプ
下記、3種類から選ぶことができます
- 一度限りの購入(通常注文で利用可能)
- サブスクリプション(定期注文で利用可能)
- 両方(通常注文でも定期注文でも利用可能)
最低購入の要件
最低購入条件は設定した条件を満たした場合にクーポンを利用できる条件になります。
設定できる最低購入の要件は下記3種類です。
- 最低要件なし(常に利用できる)
- 最低購入額(〇〇円以上購入したら、利用できる)
- アイテムの最低数量(X個以上購入したら、利用できる)
資格
お客様の資格は、特定のお客様にのみクーポンを利用させたい場合に設定します。
設定できる項目は下記になります。
- すべてのお客様(誰でも利用できる)
- 特定のお客様セグメント(特定のお客様セグメントに所属するお客様のみ利用できる)
- 特定のお客様(ここで選択した特定のお客様のみ利用できる)
※お客様セグメントは、顧客管理画面より作成することが出来ます。
最大ディスカウントを使用する
「最大ディスカウントを使用する」はクーポンの利用回数を制限するための項目です。
下記の項目を設定できます
- このディスカウントを使用できる合計回数を制限する
- お客様1人につき1回のみの使用とする
組み合わせ
組み合わせはクーポンを併用させたい場合に設定します。
ただし、クーポンの種類によっては、併用できないクーポンも存在しますのでご注意ください。
有効期間
有効期間はクーポンを利用できる期間を設定できます。
開始日時から終了日時まで細かく設定することが出来ます。
ディスカウント機能の注意点
ディスカウントの組み合わせには制限がある
Shopifyでは下記のディスカウントのみ組み合わせが可能です。
- 注文のディスカウントと無料配送のディスカウント
- 商品のディスカウントと無料配送のディスカウント
- 商品のディスカウントと他の商品のディスカウント
- 商品のディスカウントと注文のディスカウント(📍)
- 注文のディスカウントと他の注文のディスカウント(📍)
(📍)checkout.liquid のカスタマイズやLicensify アプリを使用している場合は、併用できません。
1回の注文で利用できるクーポンコードは最大5件まで
各クーポンコードは、組み合わせて利用することができます。しかし、1回の注文で利用できるクーポンコードは最大5件までとなります。
有効化できる自動ディスカウントは最大25件まで
自動ディスカウントは最大25件まで有効設定ができます。またこの制約には、Shopifyアプリで作成した自動ディスカウントも含まれます。
1回の注文で利用できる自動ディスカウントは最大25件まで
同時に有効化できる自動ディスカウントの件数が最大25件までとなりますので、同じ注文に適用できる自動ディスカウントも最大25件までとなります。
特定ユーザーのみ利用できるクーポンは配布に気を付ける
特定ユーザーのみ利用できるクーポンを発行する場合、クーポンを利用できる対象ユーザーに行き渡るようにしっかり配布しましょう。折角クーポンを発行しても、対象ユーザーに知らせないことには、使ってもらえなければ成果に繋がりません。
また、対象外のユーザーに配布しないように気をつけましょう。
使えないクーポンばかり受け取ってしまうと、メリットを感じてもらえなくなりメルマガ購読の解除や、退会など顧客離れに繋がってしまうかもしれません。
Shopifyでは対象ユーザーを絞ってメール送信することが可能です。また、KlaviyoやOmnisendなどのメール配信アプリを活用することで、簡単に対象ユーザーへクーポンを配布することも可能です。
下記の記事ではKlaviyoやOmnisendについての料金や初期設定方法を解説しています。参考になさってください。
見せ方に気をつける
クーポンの条件を複雑に設定している場合は、お客様が理解できるようにわかりやすく明記するように心がけましょう。せっかくクーポンを発行しても、使われないことには意味がないです。
また、クーポンの見せ方によっては、景品表示法の規制対象になってしまう恐れがあるためご注意ください。下記、消費者庁から一部情報を抜粋します。詳しくは消費者庁のHPをご確認ください。
Q. 単体で販売している商品Aと商品Bを組み合わせて、「商品Aと商品Bをセットで○○円」として販売したいと考えているのですが、このような販売方法は景品規制の対象となりますか。
A. 単体で販売している2つ以上の商品を組み合わせて販売していることが明らかな場合は、取引に付随する提供には当たらず、景品規制の適用対象とはなりません。
ただし、商品Aの購入者に対し懸賞により商品Bを提供する場合や、取引の相手方に商品Aの購入を条件として商品Bを提供するかのように認識される告知を行うなど景品類であると認識されるような方法で提供する場合(例 「商品Aを買えば商品Bをプレゼント」、「商品Aを買えば商品Bが付いてくる」、「商品B無料」など)は、取引に付随する提供に当たることとなり、景品規制の対象となります。
引用元 :景品に関するQ&A|消費者庁
クーポンの発行頻度に注意する
クーポンを発行頻度が高いと、ストア自体に「安売り店」の印象が付いてしまい、定価での販売が難しくなってしまいます。ただ闇雲にクーポンを発行するのではなく、目的をしっかり設定し、時期やタイミング、ターゲットを検討した上で、クーポンの発行頻度を調整しましょう。
ディスカウントにおすすめのShopifyアプリ
RuffRuff 予約販売はShopifyストアで予約販売を可能にするだけでなく、ディスカウント機能により、特定条件下で特定商品のみを割引販売することができます。
例えば、期間限定割引や会員限定割引、VIP会員限定割引、毎週水曜割引などを実施することできます。また、Shopifyのディスカウント機能では実現が厳しい商品ページで割引後価格を表示し、割引後価格でそのまま販売することも可能です。
下記に「RuffRuff 予約販売」を利用した割引商品のデモページがありますので、参考になさってください。
ディスカウント機能に関するよくあるQA
クーポンコードと自動ディスカウントとの違い
クーポンコードはお客様が購入時にコードを入力した場合に割引が適用されますが、自動ディスカウントは条件に合致した場合に自動で割引が適用されます。
下記のブログ記事では、クーポンコードと自動ディスカウントとの違いについて、割引の適用タイミングだけでなく、設定できる条件違いや発行件数の違いなどを徹底解説しています。ご参考にしてください。
クーポンコードとギフトカードとの違い
クーポンとギフトカードは、どちらも商品の支払いに使える点では共通していますが、以下のような重要な違いがあります。
用途と性質の違い
- クーポンコード:商品の値引きを目的とした割引券
- ギフトカード:金銭的価値を持つ商品券として機能
販売と発行方法
- クーポンコード:販売することはできず、ストアが発行
- ギフトカード:通常の商品として販売可能で、贈答用としても利用可能
設定の柔軟性
クーポンコード:
- 利用回数の制限
- 対象商品・コレクションの指定
- 最低注文個数・金額の設定
- 有効期限の設定が可能
ギフトカード:
- 基本的な利用条件以外の細かい設定は不可
- 金額分を自由に使用可能
他の割引との併用
- クーポンコード:種類によって併用制限あり
- ギフトカード:ほとんどのクーポンと併用可能
これらの特徴を理解することで、販促活動やカスタマーサービスに適した方法を選択できます。
下記の記事では、Shopifyのギフトカードについて詳しく説明しています。ご参考にしてください。
クーポンコードの発行上限はある?
はい。あります。
クーポンコードは、各ストアで2000万件までの発行上限があります。
バリエーション単位でディスカウントは可能?
はい。可能です。
Shopifyのディスカウント機能では、ディスカウントを適用できる商品をバリエーション単位で設定することがでいます。
ディスカウント機能以外で割引を実施する方法はある?
はい。存在します。
Shopifyアプリを利用することで、クーポンを自動発行したり、商品価格を直接割引したりできます。
下記のブログ記事ではVIP会員限定割引やボリュームディスカウント、初回割引、送料割引など多様なディスカウントを可能にするShopifyアプリを紹介しています。ご参考にしてください。
最後に
Shopifyのディスカウント機能は、ECサイト運営において非常に強力なツールです。新規顧客の獲得、リピート購入の促進、単価アップ、在庫管理など、様々な目的に活用できます。本記事で紹介した4種類のクーポン(商品の割引、注文の割引、無料配送、Xを購入するとYをプレゼント)を適切に使い分けることで、ビジネスの成長を加速させることができるでしょう。
ただし、クーポンの発行には注意点もあります。併用可能性の確認、対象顧客への適切な配布、わかりやすい説明、発行頻度の調整などに気を付ける必要があります。また、景品表示法などの法規制にも注意が必要です。
ディスカウント機能を最大限に活用するには、Shopifyの標準機能だけでなく、RuffRuff 予約販売のようなアプリを利用することも検討しましょう。目的に応じて適切なツールを選択し、効果的なクーポン戦略を立てることが、ECサイトの成功につながります。
Shopifyのディスカウント機能を理解し、適切に活用することで、あなたのオンラインストアの売上向上と顧客満足度の向上を実現できるはずです。