Shopifyストアを運営していると、商品の購入に対して販売個数や購入者を制限したいと感じることがあるかもしれません。例えば、「仕入数が限られているため1人1個だけ購入できるようにしたい」、「医薬品などは来院者や患者の状態に応じて販売したい」、「海外配送に対応していないため、海外からの訪問者が購入できないようにしたい」など、さまざまな理由が考えられます。しかし、これらの制限をうまく設定できずに悩んでいる方も多いでしょう。
本記事では、購入制限(販売制限)の種類や、それに対応するためのShopifyアプリについて詳しくご紹介します。これを読めば、あなたのShopifyストアで効果的な購入制限を実施するためのヒントが得られることでしょう。
商品に購入制限をかける理由
転売を抑止・抑制するため
商品を転売されてしまうと「通常価格よりも高値になる」「正規で購入していないためメーカー保証での商品修理・交換対応が受けられない」「賞味期限切れや不適切な保存状態による劣化」など買い手側が不利益を被り、企業や商品のブランドイメージが毀損されるリスクがあります。
転売を抑制するために、1人1点までしか購入できないように販売個数を制御する対策が考えられます。
商品を安全に利用してもらうため
市販薬や療法食などは、「用法用量を超えての服用」や「そもそも服用してはいけない人やペットによる服用」は、身体に悪影響を及ぼす恐れがあります。
上記を未然に防止するために、お客様の状態を基に販売を制御したり、必要以上の商品を販売しない様に制御する対策が考えられます。
海外発送に対応していないため
Shopifyストアをオンライン上に公開している以上、海外からのアクセスを避けることは困難です。また海外在住者に購入されてしまった場合、外国語でのキャンセル対応が必要になり、普段以上にキャンセル対応に時間を取られることもあります。
限定感を出すため(ブランディング目的のため)
商品の購入制限をかけることで商品に限定感が出て、ブランディングを強化する役割を果たすこともあります。ストア内に残り◯個と表示されているとユーザーの購入意欲も高める効果も期待できます。
販売が禁止されているため
お酒やタバコなど未成年に対して販売してはいけない商品があります。
最近ではシーシャやCBDタバコなどを取り扱っているShopifyストアも増えてきています。
年齢確認(年齢認証)の機能をShopifyストアに導入することで、未成年への販売を事前に防ぐことが可能です。
購入制限の種類とShopifyで出来る対策
購入点数で購入制限する(個数制限)
在庫が少なかったり、転売を防いだりするために、1度に購入できる点数を制御したいケースがあると思います。
Shopifyアプリ「RuffRuff 注文制限」を利用することで、「1回の注文あたり1個まで」「1回の注文あたり3個から」「1回の注文あたり2個から5個までの範囲で」など様々な個数制限を実施できます。
下記デモページもありますので、ご参考にしてください。
下記の記事では個数制限を実施できるShopifyアプリを紹介しています。ご参考にしてください。
購入金額で購入制限する(金額制限)
発注金額や配送料、関税など様々な理由で注文金額に対して購入金額の制限をかけたいケースがあると思います。
Shopifyアプリ「RuffRuff 注文制限」を利用することで、「 合計金額3,000円まで購入を可能にする」「合計金額1,000円以上から購入を可能にする」「ストア内の特定ジャンルだけ購入可能金額を5,000円未満にする」など様々な金額制限を実施できます。
下記デモページもありますので、ご参考にしてください。
下記の記事では金額制限を実施できるShopifyアプリを紹介しています。ご参考にしてください。
会員で購入制限する
会員登録しているユーザーや「VIP」など特定の顧客タグがついているユーザーのみ商品を購入できるように制限したいケースがあると思います。
Shopifyでは「RuffRuff 予約販売」などのShopifyアプリを利用することで実現することが可能です。
RuffRuff 予約販売では「会員限定販売」や「会員限定セール」、「VIP会員限定販売」など様々な販売が可能です。
質問に対する回答で購入制限する
医薬品などは、その医薬品を使用してはいけない人への販売を未然に防ぎたいケースがあると思います。
「Globo Product Options, Variant」など、条件分岐機能もあるオプションアプリを利用することで、購入者の問診情報(年齢や性別、妊娠・授乳の有無など)を確認し、販売させないようにブロックすることが可能です。
地域で購入制限する
海外発送がまだ完備されてないShopifyストアの場合、海外在住の訪問者からの購入を未然に防ぎたいケースがあると思います。
Shopifyの配送設定で、そもそも配送エリアとして海外配送を含めないように設定したり、「LockSmith」など地域によってShopifyストアにそもそもアクセスできないように制御できるShopifyアプリを利用したりして対応可能です。
年齢で購入制限する
お酒やタバコなど未成年に対して販売してはいけない商品を取り扱っている場合、未成年への販売を未然に防ぎたいのではないかと思います。
Shopifyで年齢確認(年齢認証)を実現する方法として、Shopifyテーマで対応する方法とShopifyアプリで対応する方法があります。
Shopifyテーマの場合は、Shopifyストア内で「年齢認証」の項目で該当のShopifyテーマを絞り込むことができます。
Shopifyアプリの場合は、「年齢確認サポーター」など年齢確認できるShopifyアプリを利用して対応することも可能です。
下記のブログ記事では、Shopifyで年齢制限を実施する方法や年齢制限アプリを紹介しています。ご参考にしてください。
Shopifyで年齢制限(年齢確認)を実施する方法|おすすめアプリも紹介
期間で購入制限する
期間限定商品や使用期限・消費期限のある商品、発売開始前の新商品などは、期間で販売を制御したいケースがあると思います。
開始日や終了日を条件に設定できるShopifyアプリを選ぶことで、購入を制限することができるでしょう。
Shopifyアプリ「RuffRuff 販売期間」は、開始日や終了日を利用して、カートボタンを表示・非表示したり、商品へメッセージを出し分けたりも可能です。
下記デモページもありますので、ご参考にしてください。
購入制限におすすめのShopifyアプリ
RuffRuff 注文制限【個数や金額での購入制限に】
「RuffRuff 注文制限」は完全日本語対応で、日本初のCart and Checkout Validation APIを利用したShopify アプリです。
「Cart and Checkout Validation」を利用することにより、これまでフロントでしか対応できなかった注文制限の処理をサーバサイドで実現しました。そのため、既存の注文制限アプリに比べ、より突破されにくい堅牢な注文制限を実現することが可能です。
アプリを利用することで「1回の注文あたり1個まで」「1回の注文あたり3個から」「1回の注文あたり2個から5個までの範囲で」など様々な個数制限を実施できます。
また、「合計金額3,000円まで購入を可能にする」「合計金額1,000円以上から購入を可能にする」「ストア内の特定ジャンルだけ購入可能金額を5,000円未満にする」など様々な金額制限も実施できます。
RuffRuff 販売期間 【期間での購入制限に】
RuffRuff 販売期間は「新商品の発売予告」や「期間限定販売」を簡単に実施できるShopifyアプリです。
商品が販売期間外の時はカートボタンを自動で非表示にし、販売期間中のときは自動で表示します。また、販売前や販売中、販売後でそれぞれ異なる商品メッセージを表示することも可能です。
日本で初めてCart and Checkout Validation APIを利用した販売期間設定アプリのため、既存アプリでは対応できないケースの販売期間外の商品購入を防ぐことも可能です。
下記の記事では、「新商品の発売予告」や「期間限定販売」を実施するメリットやおすすめアプリを紹介しています。ご参考にしてください。
Shopifyで発売予告(Comming Soon表示)ができるアプリ
Shopifyで期間限定販売や期間限定セールを行う方法|アプリも紹介
RuffRuff 予約販売【会員や顧客タグでの購入制御に】
「RuffRuff 予約販売」はShopifyストアで簡単に予約販売を可能にするShopifyアプリです。本アプリの予約販売ルールを上手く活用することで、予約販売だけでなく「期間限定販売」や「VIP会員限定販売」、「1人1個までの販売」などの様々な販売も可能です。
下記のブログ記事では、実際にRuffRuff 予約販売を利用して会員限定販売を実施する方法を紹介しています。参考にしてください。
Shopifyで会員限定販売やVIP会員限定セールを設定する方法
また、下記のブログ記事では、RuffRuff予約販売とShopify Flowを利用して1人1個までの販売を実施する方法を紹介しています。ご参考にしてください。
Shopifyで1人1個までの個数制限を実施する方法|1人1回かつ1人1個までの購入制限
Order Limits ‑ MinMaxify【個数や重量による購入制限に】
「Order Limits ‑ MinMaxify」はShopifyでも人気の高い個数制限アプリの1つです。「1回の注文あたり1個から5個まで」のような個数制限ができるのに加え、重量や金額による販売制限も可能です。また、販売単位(3個ずつや5個ずつなど)の制限も可能です。
料金:月額10ドル
下記のブログ記事ではOrder Limits ‑ MinMaxifyの特徴やセットアップ方法を紹介しています。ご参考にしてください。
Order Limits ‑ MinMaxifyとは?|料金プランやセットアップ方法を紹介
Globo Product Options, Variant 【問診による購入制限に】
「Globo Product Options, Variant」は商品(及びバリアント)にオプション項目を表示できるShopifyアプリです。 条件によって、オプション項目の出し分けや、テキストの表示などが出来るため、購入者の状態によって販売を制御したい場合におすすめのShopifyアプリです。
※ 本アプリは、あくまで条件に応じて販売できない旨の注意メッセージを出せるだけで、販売させないようにはできません。
料金 無料
LockSmith 【地域や特定ユーザーによる購入制御に】
「LockSmith」は特定ページへのアクセスを制御できるShopifyアプリです。
特定地域からしかアクセスできないようにしたり、特定のパスワードを知っている人や特定のタグが付与された会員しかアクセスできないように制御できたりします。
料金 $9/月〜
※ 15日間のトライアル期間あり
年齢確認サポーター【年齢での購入制限に】
「年齢確認サポーター」は日本語対応の年齢確認アプリです。
アプリを導入することで、Shopifyストアのカートページで年齢の確認を実施でき、設定年齢未満のユーザーが商品の購入させないように制御できます。
料金 $9/月
※ 14日間のトライアル期間あり
購入制限アプリの選び方:5つのポイント
購入制限アプリを選ぶ際は、以下の5つの項目に注目すると良いでしょう。
- 日本語対応しているか
- Cart and Checkout Validation APIに対応しているか
- 求める機能があるか
- ノーコードで導入できるか
- コストはいくらか
それぞれのポイントについて詳しく解説します。
1. 日本語対応しているか
Shopifyには多くの購入制限アプリがありますが、言語対応は重要なポイントです。安価なアプリを選んだ結果、見えない作業コスト(日本語変換や問い合わせ対応など)が発生することがあります。以下の点を確認しましょう:
- ストアフロント部分(ユーザー側のサイト表示部分)
- アプリの管理画面
- ヘルプページ
- 問い合わせ担当者
2. Cart and Checkout Validation APIに対応しているか
Cart and Checkout Validation APIは2024年にShopifyから公開された新しい技術です。このAPIに対応している購入制限アプリを選ぶことで、以下のようなケースの購入をブロックできます:
- BuyButtonで生成したカートボタンでの購入
- 第三者アプリで生成したカートボタンでの購入
- カートに残った制限対象商品の購入
- コーディングで無理やり表示したカートボタンでの購入
このAPIに対応しているアプリを選ぶことで、意図しない注文を未然に防ぐことができます。
3. 求める機能があるか
購入制限アプリでも提供される機能は様々です。最小個数から最大個数の制限だけでなく、倍数の制限や多言語対応など、必要な機能を事前に洗い出しておくことが重要です。
4. ノーコードで導入できるか
購入制限アプリには、liquidファイルにスニペットコードを挿入する必要があるものと、「埋め込みアプリ」や「アプリブロック」を提供しノーコードで導入できるものがあります。ノーコードで導入できるアプリの方が簡単で、アンインストール後もソースコードが残らないメリットがあります。
5. コストはいくらか
自社のShopifyストアが「購入制限にどこまでの機能を求めるのか」の観点から、いくらまでコストを割けるかを検討しましょう。
最後に
購入制限は、転売の抑制や商品の安全な利用、地域や年齢による制限など、さまざまな理由で必要となる重要な機能です。適切な購入制限を導入することで、顧客の満足度を高め、ブランドイメージを守ることができます。
本記事では、購入制限の種類や具体的な対策、そしておすすめのShopifyアプリについて詳しく解説しました。これらの情報を活用して、あなたのShopifyストアに最適な購入制限を設定し、より良い顧客体験を提供してください。
さらに、購入制限アプリの選び方についても触れました。日本語対応や求める機能の有無、ノーコードでの導入の可否、コストなど、選定時に考慮すべきポイントを押さえることで、最適なアプリを見つける手助けとなるでしょう。
最後に、購入制限以外にも、集客や売上拡大、ブログ記事の拡張など、さまざまな目的に対応したおすすめのShopifyアプリを紹介しています。ぜひ、以下の記事も参考にして、あなたのShopifyストアをさらに強化してください。