本記事では、Shopifyペイメントの特徴、メリット、デメリット、そして手数料体系について詳しく解説します。これからShopifyストアを開設しようと考えている方や、既にストアを立ち上げ中の方にとって、Shopifyペイメントを利用すべきかどうかの判断材料となる情報をお届けします。
Shopifyペイメント(Shopify Payment)とは?
Shopifyペイメント(Shopify Payment)は、Shopifyが提供する決済サービスです。
初期費用や月額固定費が不要でクレジットカード支払いやApple Pay、Google Pay、Shop PayなどをShopifyストアに簡単に導入できます。また、決済事業者との契約なしに、すぐに利用できる点も特徴です。
Shopifyペイメント(Shopify Payment)のメリット
安価に始められる
Shopifyペイメントは初期費用も月額固定費もかからないため、外部の決済サービスに比べると比較的安価に始めることが出来ます。
参考として、GMOイプシロンでクレジットカード払いを行う場合は、初期費用は0円ですが、月額固定費1,000円が発生します。また、SBペイメントでは初期費用3,000円、月額固定費1,000円が発生します。
取引手数料が無料になる
Shopifyで発生する手数料には決済手数料以外に取引手数料があります。取引手数料はShopifyペイメント以外の外部決済サービスを利用する際に発生する手数料のことです。
Shopifyペイメントは取引手数料が発生しないため、外部決済サービスに比べて手数料を安価に抑えることができます。
Shopifyプラン別の取引手数料
決済手数料 | ベーシック | スタンダード | プレミアム | Shopify Plus |
---|---|---|---|---|
国内カード | 3.40% | 3.30% | 3.25% | 3.15% |
JCB | 4.15% | 4.10% | 4.05% | 3.75% |
海外カード(Amex) | 3.90% | 3.85% | 3.80% | 3.75% |
すぐに利用できる
Shopifyペイメントは、Shopify管理画面上でストア情報など必須情報を入力するだけで利用開始できます。審査に関してもJCB以外は特にありません。
外部決済事業者を利用する場合は、契約や審査などにある程度の時間を要し、利用開始までに数ヶ月かかるケースも稀にあります。
様々なShopifyアプリと親和性が高い
Shopifyストアで定期販売(サブスクリプション)や、一部前払い(デポジット払い)、商品出荷時に支払い(後払い)などを提供しているShopifyアプリを利用する場合、Shopifyペイメントしか利用できないケースがほとんどです。
それらのShopifyアプリはShopifyの「Selling plans」という仕組みを利用しており、「Selling plans」自体がShopifyペイメントやPayPalなどの一部決済にしか対応していません。
下記の記事では、おすすめのShopifyアプリをジャンル別に紹介しています。ご参考になさってください。
【完全版】Shopifyおすすめアプリ一覧:売上アップ・効率化・無料アプリまで徹底解説!
管理画面から決済情報を確認できる
Shopify ペイメントは、Shopifyの管理画面上で支払い額や支払い状況を確認できます。
決済サービスを利用している場合は、決済サービスの管理画面をわざわざ確認しないといけなかったり、注文のキャンセルを行う際も、決済サービスの管理画面から一度決済自体をキャンセルする手間も発生する場合があります。
Shopifyペイメント(Shopify Payment)のデメリット
決済種別が少ない
Shopifyペイメントでは後払いやコンビニ支払い、キャリア決済、電子マネー決済などの決済種別に対応していません。それらの決済種別に対応したい場合は、別途決済サービスと契約する必要があります。
下記の関連記事ではShopifyストアに各決済種別を導入するメリットや対応している決済サービスを紹介しています。ご参考になさってください。
チャージバック手数料が生じる
チャージバックとは、クレジットカード決済に対して、ユーザーが不正注文などを理由に利用代金の支払いに同意しない場合に、クレジットカード会社が売上を取り消してユーザーに返金する仕組みです。
Shopifyペイメント経由での決済においてチャージバックが発生した場合、チャージバック手数料として1,300円(日本の場合)が発生します。
オーソリ期間が短い
Shopifyペイメントのオーソリ期間は7日間と短いです。
受注生産の商品を取り扱っており、出荷時点で決済させたい場合は、このオーソリ期間が問題になる場合があります。出荷時点でオーソリ期間が過ぎた場合は決済ができないため、新しい注文を作成しお客様にもう一度クレジットカード情報を再入力してもらう必要があります。
※ Shopify Plusの場合は、7日間のオーソリ期間を最長30日間まで延長できるみたいです。
利用できる対象国が少ない
Shopifyペイメントは特定の国のストアでのみ利用できます。実際に利用できる国は下記の「サポートされている国の一覧」にある23ヵ国のみ(2023年5月時点)となっています。
サポートされている国の一覧
Shopify ペイメントは下記のサポートされている国のストアのみでご利用いただけます。
- 日本
- アメリカ
- イギリス
- オーストラリア
- オーストリア
- ベルギー
- カナダ
- チェコ
- デンマーク
- フィンランド
- フランス
- ドイツ
- 香港特別行政区
- アイルランド
- イタリア
- オランダ
- ニュージーランド
- ポルトガル
- ルーマニア
- シンガポール
- スペイン
- スウェーデン
- スイス
エビデンス: Shopifyヘルプセンター
規約で禁止されている商品では利用できない
Shopifyペイメントでは、「医薬品」や「生きている動物」など禁止されている商品やサービスが存在します。該当する商品やサービスをShopifyストア上で販売している場合は、Shopifyペイメントを利用できません。利用開始時には厳密に審査されませんが、予告なくShopifyペイメント自体が利用できなくなるリスクもありますので、禁止されている商品やサービスを取り扱っている場合は、別の決済サービスの利用を検討しましょう。
規制カテゴリの利用制限の緩和申請も可能に!
2023年7月27日のShopify Editions 23夏(Shopify Editions Summer ‘23)で、CBD、タバコ、性関連健康商品、医薬品などの規制カテゴリにおいて、緩和申請が出来るようになるとの発表がありました。規制カテゴリのためにShopifyペイメントをご利用できていなかったストア様はぜひチェックしてみてください。
参考:Shopify Editions 23夏(Shopify Editions Summer ‘23)
Shopifyペイメントの手数料(決済手数料や取引手数料)
決済手数料について
Shopifyペイメントは初期費用や月額固定費は発生しませんが、決済手数料は発生します。決済手数料は、契約しているShopifyプランに応じて決済金額の3.15%〜4.15%が発生します。
下記の記事では、Shopifyプランについて決済手数料以外でも徹底比較しています。ご参考になさってください。
【徹底比較】Shopifyのプランの選び方|費用・手数料・決済方法の違いについて
Shopifyプラン別の決済手数料率
取引手数料 | ベーシック | スタンダード | プレミアム | Shopify Plus |
---|---|---|---|---|
Shopifyペイメント | 0% | 0% | 0% | 0% |
その他、外部決済サービス | 2% | 1% | 0.50% | 0.15% |
取引手数料について
Shopifyペイメントでは、外部決済サービスを利用する場合に発生する取引手数料は発生しません。
一方で、外部決済サービスを利用する場合は、契約しているShopifyプランに応じて、決済金額の0.15%〜2%の取引手数料が発生します。そのため、決済手数料に加えて取引手数料も追加で支払う必要があります。
下記では、Shopifyで利用できる主要な決済サービスを利用した場合の費用を表にまとめています。ご参考になさってください。
主要決済サービスの費用
決済サービス | 初期費用 | 月額費用 |
クレカ決済の 決済手数料 |
取引手数料 |
---|---|---|---|---|
Shopifyペイメント | 0円 | 0円 | 3.15%~4.15% | 0% |
GMOイプシロン | 0円 | 1,000円 | 3.2%~3.5% | 0.15%〜2% |
SBペイメント | 3,000円 | 1,000円 | 3.1%~3.4% | 0.15%〜2% |
KOMOJU | 0円 | 0円 | 3.6%~3.85% | 0.15%〜2% |
Shopifyペイメントの入金サイクル
Shopifyペイメントの入金サイクル(支払スケジュール)は、「毎週」または「毎月」の2種類から選択することができます。
Shopifyペイメントの入金サイクルの詳細や設定方法は下記のブログ記事も参考にしてください。
Shopifyの入金サイクルを解説|決済方法別の時期や支払いスケジュール設定方法も紹介
Shopifyペイメントからの支払いが保留中になる原因
保留中になる原因として下記が考えられます。下記に該当しない場合は、Shopifyサポートまでお問い合わせください。
2段階認証が有効になっていない
Shopifyペイメントの支払いを受け取るには、アカウントオーナーがアカウントにて2段階認証を有効する必要があります。
参考情報:【徹底解説!】Shopifyペイメントからの支払いが保留に!?対処法
銀行側の処理に時間がかかっている
銀行側の処理に数営業日かかることがあります。特に週末や祝日を挟むと、処理が遅れる場合があります。
銀行口座の情報に誤りがある
登録している銀行口座情報に誤りがあると入金が保留されることがあります。銀行口座情報が正しいかどうかを確認してください。
Shopifyペイメントを自動で非表示にできるShopifyアプリ
「予約商品に関しては、オーソリ期間の短いShopifyペイメントを非表示にしたい」などShopifyペイメントを非表示にしたいケースが発生するかと存じます。
本章では、あらゆる条件でShopifyペイメントを非表示にできるShopifyアプリを紹介します。
RuffRuff 注文制限
「RuffRuff 注文制限」は完全日本語対応で、日本初のCart and Checkout Validation APIを利用したShopify アプリです。
「Cart and Checkout Validation API」を利用することにより、これまでフロントでしか対応できなかった注文制限の処理をサーバサイドで実現しました。そのため、既存の注文制限アプリに比べ、より突破されにくい堅牢な注文制限を実現することが可能です。
アプリ1つで個数制限や金額制限、同梱制限、顧客制限、決済非表示を実施できます。
本アプリを利用することで、下記のようなことが実現できます。
・カート内の合計金額が3,000円以上になったら、Shopifyペイメントを非表示
・カート内に予約商品が含まれている場合は、Shopifyペイメントを非表示
・ゲスト会員だけ、Shopifyペイメントを非表示
Shopifyペイメントでテスト注文を行う方法
Shopifyペイメントはテストモードに切り替えることでテスト注文を行う事ができます。制約としてテスト注文額は、どの通貨でも1米ドル相当よりも大きい額である必要があります。
本章では、Shopifyペイメントでテスト注文を行う方法を紹介します。
下記のブログ記事では、Shopifyペイメント以外にもShopifyでテスト注文を行う方法を紹介していますので、ご参考にしてください。
Shopifyでテスト注文を行う方法 4選|ShopifyペイメントのテストモードやBogusゲートウェイなど
ステップ1:Shopifyペイメントをテストモードへ切替える
(1)「設定 > 決済」の順にアクセス
(2)Shopifyペイメントセクションの「管理」をクリック
(3)テストモードセクションで、「テストモードを使用する」を選択
(4)「保存」をクリック
ステップ2:Shopifyペイメントでテスト注文を行う
(1)商品をカートに追加し、チェックアウトページへアクセス
(2)請求者情報等を入力
(3)支払方法にて、クレジットカードを選択
(4)クレジットカードの項目に下記の情報を入力
カード名 | 2文字以上の任意のテキスト |
---|---|
有効期限 | 将来の日付 |
セキュリティコード | ・American Expressの場合は4桁の任意の数字 ・その他のカードは3桁の任意の数字 |
カード番号 | (テストカード番号一覧)の表のいずれかのテストカード番号 |
(テストカード番号一覧)
カードタイプ | テストカード番号 |
---|---|
Visa | 4242424242424242 |
Mastercard | 5555555555554444 |
アメリカンエキスプレス | 378282246310005 |
Discover | 6011111111111117 |
Diners Club | 30569309025904 |
JCB | 3566002020360505 |
BCcardとDinaCard | 6555900000604105 |
UnionPay | 6200000000000005 |
Cartes Bancaires/Visa | 4000002500001001 |
Cartes Bancaires/Mastercard | 5555552500001001 |
EFTOPS (オーストラリア)/Visa | 4000050360000001 |
EFTOPS (オーストラリア)/Mastercard | 5.55505E+15 |
まとめ
Shopifyペイメントは、他の決済サービスと比較して、初期費用や月額費用、取引手数料が発生しない点で安価に始めることができ、審査もJCB以外はほとんど無いのですぐに始めることが出来ます。
ただし、他の決済サービスよりも扱える決済種別が少ない点や事業規模によっては、決済手数料やチャージバック手数料などの観点で他の決済サービスのほうが安くなる場合があります。
禁止されている商品やサービスを扱っておらず、本記事のターゲット読者のようにストアの立ち上げ期であれば、Shopifyペイメントを選択すると良いと考えています。また、Shopifyペイメントでは対応できない決済種別もありますので、KOMOJUなど比較的安価に始められる決済サービスと組み合わせることもおすすめします。
下記のブログ記事ではKOMOJUに関して詳しく紹介しています。ご参考にしてください。