あなたのShopifyストアでは、どのような商品を取り扱っていますか?既製品を販売している方も多いと思いますが、中には受注生産を検討している方もいるのではないでしょうか。受注生産とは、お客様からの注文を受けてから製造を開始する方式のことを指します。
本記事では、Shopifyストアで受注生産を実施する際のメリット・デメリットを解説するとともに、受注生産の運用に役立つおすすめのShopifyアプリをご紹介します。受注生産の導入を検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。
受注販売(受注生産)とは
受注生産は、お客様から注文を受けてから商品の製造を開始する生産形態のことです。
例えば、伝統工芸品やオーダーメイド家具、オーダーメイドスーツ、注文住宅、機械設備など「お客様の要望に併せてカスタマイズが必要な商品」や「大量生産が難しい商品」、「原価が高く在庫を持ちたくない商品」などを販売する場合に適しています。
Shopifyで受注販売(受注生産)を行うメリット
(売り手側)余剰在庫を持たなくてすむ
受注生産では、商品の製造は注文を受けてから開始されるため、売れ残りの在庫を抱えるリスクを大幅に減らすことができます。これにより、在庫管理のコストや倉庫スペースの確保に悩む必要がなくなります。
(売り手側)汎用製品に比べて付加価値をつけることができる
受注生産では、顧客の要望に応じてカスタマイズした商品を提供できます。これにより、汎用製品にはない独自の価値を付加することが可能です。特別感のある商品は、顧客満足度の向上や、ブランドイメージの強化にもつながります。
(買い手側)要望に沿った物を生産してもらえる
受注生産では、買い手は自分の要望を細かく指定して商品を注文できます。これにより、自分好みの商品を手に入れることができ、満足度が高まります。また、既製品では実現が難しいようなオリジナリティのある商品を手に入れるチャンスにもなります。
Shopifyで受注販売(受注生産)を行うデメリット
(売り手側)商品を出荷するまでに時間と手間がかかる
受注生産では、注文を受けてから製造を開始するため、商品の出荷までに一定の時間がかかります。この期間は、顧客を待たせることになるため、納期管理が重要になります。また、個別の注文に対応する必要があるため、手間もかかります。
(売り手側)生産途中で仕様変更を求められる場合がある
受注生産では、顧客からの要望に応じて商品をカスタマイズするため、生産途中で仕様変更を求められる可能性があります。これに対応するためには、柔軟な生産体制が必要になります。仕様変更に伴う追加コストが発生する場合もあるため、対応方針を事前に決めておくことが重要です。
(売り手側)生産途中でキャンセルされる場合がある
受注生産では、生産途中で顧客からキャンセルされるリスクがあります。キャンセルされた商品は、他の顧客に販売できない可能性があるため、損失が発生します。キャンセルポリシーを明確にしておくとともに、キャンセルリスクを最小限に抑える工夫が必要です。
(買い手側)商品が手元に届くまでに時間がかかる
受注生産では、商品の製造は注文を受けてから開始されるため、買い手は商品が届くまでに一定の時間を待つ必要があります。これは、既製品と比べると不便に感じられる場合もあります。納期については、事前に明確に伝えておくことが大切です。
(買い手側)汎用製品よりもコストが掛かる場合がある
受注生産では、個別の要望に応じて商品をカスタマイズするため、汎用製品と比べてコストが高くなる場合があります。買い手は、自分の要望を実現するためのコストを負担する必要があります。ただし、付加価値の高い商品を手に入れられるというメリットもあるため、コストと価値のバランスを考えることが重要です。
Shopifyで受注販売(受注生産)を行う際に意識したいこと
受注生産品であることを明記する
販売している商品が受注生産品なのか明記することが大事です。お客様が受注生産品だと認識せずに注文すると商品がなかなか届かないことに対して問い合わせが来たり、最悪のケースでクレームに発展する場合があります。
商品の発送目安を明記する
受注生産品が注文からいつごろまでにお客様の手元に届くのかを明記することで、問い合わせやクレームの件数を削減することができます。また、お客様も手元に届く目安がわかることで安心して商品を購入することができます。
発送直前に支払回収をする(発送までに長期間を要する場合)
受注生産品の中でも商品によっては注文から発送までに数ヶ月以上かかる場合があります。
商品の発送目安を記載してお客様の不安をある程度軽減することは出来ますが、お金を支払ってから商品が届くまで時間がかかるほど、お客様の不安は増します。
そこで、支払回収のタイミングを商品の発送直前ににずらすことも検討の余地があります。支払回収のタイミングを発送直前などにずらすことで、お客様の不安を軽くすることができるでしょう。
受注販売アプリを選ぶポイント
受注販売(受注生産)であることを明記できるか

前章の「受注生産品であることを明記する」や「商品の発送目安を明記する」などを紹介しました。このように受注生産であることを明記するために、カートボタンのテキストを変更できたり、カートボタンの近くにメッセージを表示できるShopifyアプリを選ぶと良いでしょう。
カートボタンのテキスト変更やメッセージ表機能は、予約販売アプリによく見かけますので、予約販売アプリの中から選ぶのも良いかと思います。
下記のブログ記事では、Shopifyでおすすめの予約販売アプリを紹介しています。ご参考にしてください。
【徹底比較】Shopifyの予約販売 アプリ 7選 | 予約購入のメリット・デメリットも紹介
日本語対応しているか
Shopifyには有名な海外製の予約販売アプリがあります。 有名だからと言って安易にアプリを選択すると見えない作業コスト(日本語変換やなにか問題が発生したときの問い合わせなど)が発生するため、十分に注意が必要です。 まずは、下記が日本語に対応されているか確認しましょう。
- ストアフロント部分(ユーザー側のサイト表示部分)
- アプリの管理画面
- ヘルプページ
- 問い合わせ担当者
2023年10月時点では、全ての予約販売アプリの中で、RuffRuff予約販売のみ完全日本語対応しています。
後払い対応しているか

前述の通り、取り扱う受注生産品が発送までに長期間を要する場合は、お客様の不安を解消するためにも支払回収のタイミングを遅らせることの出来る「後払い機能」をもった予約販売アプリを選ぶ必要があります。
2023年10月時点で、後払い機能のある予約販売アプリの中では後述するRuffRuff 予約販売とPreProduct next‑gen pre‑orderの2つしかありません。
同梱制御に対応しているか

受注生産品だけでなく在庫品も取り扱っている場合、どちらの商品も同時に購入されると発送タイミングが異なるため、注文管理が煩雑になります。同梱制御機能があることで受注生産品と在庫品が同時に注文されないように制御することが出来ます。予約販売アプリの中では後述するRuffRuff 予約販売などは同梱制御機能があります。
下記のブログ記事ではShopifyで同梱制御を実施する方法を紹介しています。ご参考にしてください。
Shopifyで同梱制御を実現する方法(同時購入不可の制御)
注文タグを付与できるか

Shopifyの注文一覧の中でどの注文が受注生産商品を含む注文なのかを見分けるためにも注文タグの自動で付与できる機能があると便利です。
個数制限機能があるか
製造能力が限られる場合に、大量の受注が発生すると製造できず多くの注文をキャンセルしないといけなくなる場合があります。個数制限機能を利用することで、注文1回あたりの販売件数を制御したり、1人あたりの販売数を制御することができます。
下記のブログ記事では、Shopifyで個数制限を実施する際におすすめのアプリを紹介します。ご参考にしてください。
Shopifyで個数制限を実現!おすすめアプリ7選と選び方のポイント
細かな条件設定ができるか
受注生産品がいつでも何件でも注文を受け付けられるのであれば、特に細かな設定は必要ありませんが、「12月の1ヶ月間だけ受注生産を受け付け」たり、「在庫切れの場合のみ受注生産を受け付け」たり、「数量限定で受注生産を受け付け」たりと様々な受注生産の受付方法を行いたい場合は、受注生産を受け付る条件を細かく条件設定できる予約販売アプリを選ぶと良いでしょう。
RuffRuff 予約販売では、期間や在庫数、会員登録の有無などで受注生産の受け付けを設定できます。
受注販売(受注生産)におすすめのShopifyアプリ
Shopifyストアで受注生産を実施するのにおすすめのShopifyアプリは下記にあります。
- RuffRuff 予約販売
- PreProduct next‑gen pre‑order
それぞれ、詳しく紹介します。
RuffRuff 予約販売
「RuffRuff 予約販売」は在庫切れや新商品販売前、入荷待ちなどのタイミングで発生する機会損失の削減をサポートします。 自身のShopifyストアに驚くほど簡単に予約販売を実現し、無制限での予約商品を登録および無制限で予約注文を受け付けることが可能です。また、予約商品と通常商品を同時に注文させないように制限したり、入荷時期が未定な場合は再入荷通知も可能です。
他の予約販売アプリにはない商品出荷前に支払回収できる「後払い」機能などのユニークな機能もたくさん存在します。
スピード、使いやすさ、安心性などの基準を満たしたShopify公式の最高品質アプリの証「Built for Shopify」も獲得しています。
RuffRuff 予約販売には、受注生産を実施するうえで必要な機能である「受注生産の商品であることを明記出来る機能」や「後払い機能」、「同梱制御機能」、「注文タグの自動付与機能」がすべて揃っています。
下記は、RuffRuff 予約販売を利用した受注生産のサンプル商品です。ご参考にしてください。
PreProduct next‑gen pre‑order

Preorder next genは数ある予約販売アプリの中でも、後払い機能がある予約販売アプリです。後払い機能だけでなく、デポジット機能もあるため、注文時に合計金額の一部だけ支払回収し、発送前に残りを支払回収するなどの販売も可能です。英語に抵抗感が無い方はPreorder next genを選択するのも良いでしょう。
Shopifyで受注販売(受注生産)を行う方法
前章の「受注生産を行う際に意識したいこと」を満たす方法を紹介します。
Shopifyアプリを導入する
はじめに、Shopifyアプリを利用する方法です。
Shopifyアプリを利用するメリットは、様々なShopifyテーマに導入できる点や機能が豊富な点、安価に導入できる点があります。また、発送直前に支払回収したい場合は後払い機能があるShopifyアプリを導入する必要があります。
予約販売機能のあるShopifyテーマを利用する
次に、Shopifyテーマを利用する方法です。
Shopifyテーマを利用するメリットは支払が1回限りですむ点です。一方で、機能が必要最低限だったり、予約販売機能があるShopifyテーマを探すのが手間だったりする点がデメリットです。
下書き注文を作成する
3番目に、Shopifyで下書き注文を作成する方法です。
お客様からの受注をお問い合わせフォームなどで受け付けて、下書き注文を作成することで、受注後に見積もらないと実際の金額が出せない場合や発送直前に支払いを回収したい場合などに対応することができます。
デメリットは、下書き注文を作成する手間が発生する点です。
下記のブログ記事では、下書き注文の作成方法を紹介しています。ご参考にしてください。
ソースコードをカスタマイズする
最後にソースコードをカスタマイズする点です。
ShopifyアプリやShopifyテーマよりも求める機能を実現できる可能性が一番高いです。ただし、自身で実装する場合はプログラミング知識が必要だったり、外注する場合は外注費やメンテンナンスコストが膨大にかかったり、求める機能を実装し終わるまでに膨大な時間がかかったりなどのデメリットがあります。
受注販売(受注生産)に対応する際の注意事項
受注生産を成功させるためには、特定の注意事項を考慮する必要があります。
商品の詳細を明記する
受注生産では、完成品を顧客に事前に見せることができないため、製品の仕様や特徴を詳細に説明し、しっかりとした情報提供を行うことが重要です。これにより、顧客との誤解を防ぎ、信頼関係を築くことができます。
特に、顧客のイメージと実際の製品とのギャップを最小化するために、過去の試作品の写真を提示することや、可能な限り詳細な商品説明を行うことが役立ちます。また、事前の打ち合わせで互いのイメージをしっかりすり合わせることも大切です。こうした取り組みは、顧客満足度を向上させ、トラブルを未然に防ぐことにつながります。
お届け時期などを明記する
受注生産では、商品の到着までに時間がかかることがあり、製造過程で予期せぬトラブルが発生する可能性もあります。このため、あらかじめお届け時期の見込みを顧客に明確に伝えておくことが非常に重要です。
また、納期が延びる可能性がある場合には、その際にどのような対応を取るか(例えば、補償やキャンセルの選択肢など)を事前に定めておくと、顧客との信頼関係を築きやすくなります。こうした情報を明示することで、顧客の期待を適切に管理し、満足度の向上につながります。
支払い回収タイミングを明確にする
受注生産においては、商品の完成までに時間がかかるため、「先に商品代金を全額支払うのは不安」と感じる顧客が多くいます。そこで、支払いタイミングを明確にし、キャッシュフローを安定させることが重要です。
顧客の不安を軽減するために、事前に一部金額を支払い納品時に残りを支払う方法や、納品時に全額支払いとする方法など、柔軟な支払いオプションを用意しましょう。これにより、顧客の安心感を高めつつ、自社の資金繰りも安定させることができます。各支払い方法の条件やプロセスをしっかりと説明し、顧客との信頼関係を築くことが大切です。
サポート体制を整える
受注生産では商品の到着までに時間がかかるため、顧客からの問い合わせが増えやすくなります。そのため、疑問や不安に迅速かつ適切に対応できるサポート体制を整えることが不可欠です。
顧客対応が不十分だと、顧客に不信感を与え、注文のキャンセルにつながる可能性があります。そこで、受注生産を導入する際には、顧客の不安を解消するための万全なサポート体制を確立し、問い合わせに迅速に対応できるようスタッフのトレーニングやFAQの整備などを行いましょう。これにより、顧客満足度を高め、受注生産の成功へとつなげることができます。
最後に
本記事では、Shopifyで受注生産を行う際のメリット・デメリットや注意点、おすすめのアプリなどを詳しく解説しました。受注生産を行うことで、在庫リスクを抑えつつ、お客様のニーズに合わせた商品を提供することができます。一方で、商品の発送までに時間がかかることや、途中でのキャンセルやスペック変更などのリスクもあります。
これらのリスクを軽減するためには、以下の点に気をつけましょう。
- 受注生産品であることを明記する
- 商品の発送目安を明記する
- 発送までに長期間かかる場合は、支払回収のタイミングを工夫する
また、Shopifyアプリを活用することで、受注生産業務を効率化することができます。アプリ選びの際は、日本語対応や後払い機能の有無、同梱制御への対応などをチェックしましょう。
本記事で紹介した内容を参考に、自社の受注生産業務を見直してみてはいかがでしょうか。受注生産とShopifyアプリを上手く活用することで、お客様満足度の向上と業務効率化を実現できるはずです。
さらに、Shopifyアプリに関する情報は日々アップデートされています。当サイトでは、Shopifyアプリに関する最新情報を定期的に発信していますので、ぜひチェックしてみてください。