Shopifyストアで商品の販売制限を検討していますか?品薄商品の在庫管理や、希少品の転売防止のために購入個数を制限したいと考えている方も多いでしょう。本記事では、Shopifyで簡単に個数制限を実現できるアプリをいくつかご紹介します。
個数制限アプリを使えば、「1回の注文あたり5個まで」や「1人1個まで」といった細かな設定が可能になります。さらに、一部のアプリでは金額や重量による制限、販売単位の設定なども行えます。
それでは、各アプリの特徴や選び方のポイントを詳しく見ていきましょう。Shopifyストアの運営をより効率的にする個数制限アプリの選び方がわかるはずです。
個数制限(数量制限)とは?
「1回の注文あたり1個から5個まで」「1人1個まで注文可能」など1回の注文または1人当たり購入できる数量を制限することを個数制限(数量制限)と呼びます。
個数を制限する目的は各ストアで様々です。弊社で経験したケースでは「品薄のため在庫数以上の注文を防ぐため」や「希少価値が高く転売対策したいため」、「布・生地など切り売り商品で、一定の長さ以上から販売したいため」などの目的で制限をかけるストア様もいました。
下記のブログ記事は、Shopify FlowとRuffRuff 予約販売(または、RuffRuff 注文制限)を併用して1人1個までの販売を実施する方法を紹介しています。ご参考にしてください。
RuffRuff 予約販売と併用し、1人1個までの個数制限を実施する方法
RuffRuff 注文制限と併用し、1人1個までの個数制限を実施する方法
個数制限アプリの選び方は5つ
個数制限アプリの選ぶ際は下記の5つの項目を意識すると良いでしょう。
- 日本語対応してるかどうか
- Cart and Checkout Validation APIに対応しているか
- もとめる機能があるか
- ノーコードで導入できるか
- コストはいくらか
それぞれ、詳しく解説します。
日本語対応してるかどうか
Shopifyには多くの個数制限アプリがあります。
安いからと言って安易にアプリを選択すると見えない作業コスト(日本語変換やなにか問題が発生したときの問い合わせなど)が発生するため、十分に注意が必要です。
まずは、下記が日本語に対応されているか確認しましょう。
- ストアフロント部分(ユーザー側のサイト表示部分)
- アプリの管理画面
- ヘルプページ
- 問い合わせ担当者
Cart and Checkout Validation APIに対応しているか
Cart and Checkout Validation APIは2024年にShopifyから公開された新しい技術です。Cart and Checkout Validation APIに対応している個数制限アプリは下記のようなケースの購入もチェックアウトページ上でブロックすることができます。
- BuyButtonで生成したカートボタンでの購入
- お気に入りアプリなど第三者アプリで生成したカートボタンでの購入
- カートに残った制限対象商品の購入
- コーディングで無理やり表示したカートボタンでの購入
Cart and Checkout Validation APIに対応している個数制限アプリを選ぶことで、上記の意図しない注文を未然に防ぐことが出来ます。
もとめる機能があるか
個数制限アプリでも最小個数から最大個数の制限だけでなく、倍数の制限や翻訳など出来ることと出来ないことが異なります。
アプリを選択する前に絶対に必要な機能を洗い出しておくと良いでしょう。
ノーコードで導入できるか
個数制限アプリの中には、liquidファイルにスニペッドコードを挿入する必要のあるShopifyアプリと「埋め込みアプリ」や「アプリブロック」を提供しノーコードで導入できるShopifyアプリの2種類があります。
ノーコードで導入できるShopifyアプリの方が導入しやすく、アンインストール後もソースコードが残らないメリットがあります。
極稀にアンインストール後も残ってしまったソースコードが、サイトに悪影響を及ぼすことがありますので、できる限りノーコードで導入できるShopifyアプリを選びましょう。
コストはいくらか
自社のShopifyストアが「個数制限にどこまでの機能を求めるのか」の観点でいくらまでコストを割けるか検討しましょう。
個数制限を実施できるShopifyアプリ
RuffRuff 注文制限
「RuffRuff 注文制限」は完全日本語対応で、日本初のCart and Checkout Validation APIを利用したShopify アプリです。
「Cart and Checkout Validation API」を利用することにより、これまでフロントでしか対応できなかった注文制限の処理をサーバサイドで実現しました。そのため、既存の注文制限アプリに比べ、より突破されにくい堅牢な注文制限を実現することが可能です。
アプリを利用することで「1回の注文あたり1個まで」「1回の注文あたり3個から」「1回の注文あたり2個から5個までの範囲で」「指定した数量倍数で(2個ずつつや3個ずつ)」など様々な個数制限を実施できます。また、個数制限機能だけでなく、金額制限機能や翻訳機能、制限範囲の設定、商品メッセージ機能、デザインカスタマイズ機能など様々な機能があります。
料金:月額9ドル
※ 年払いの場合は年額90ドルで2ヶ月分のお得に契約できます。
OC Quantity Breaks Order Limit(旧:ORICHI Bundle Quantity Breaks)
「OC Quantity Breaks Order Limit(旧:ORICHI Bundle Quantity Breaks)」はShopifyでも人気の高い個数制限アプリの1つです。OC Quantity Breaks Order Limitは、Shopifyストア向けに様々なディスカウント機能や購入制限機能を提供するShopifyアプリです。数量割引やバンドル割引、段階的価格設定など、多彩なディスカウント機能を提供しており、商品に対して最大購入数や最小購入数を設定できる購入制限機能も提供しています。
2024年5月22日時点では、まだCart and Checkout Validation APIに対応していないです。
料金:月額6ドル〜
下記のブログ記事では、OC Quantity Breaks Order Limitの特徴や料金プラン、設定方法などを紹介しています。ご参考にしてください。
OC Quantity Breaks Order Limit(旧:ORICHI Bundle Quantity Breaks)とは?
Order Limits ‑ MinMaxify
「Order Limits ‑ MinMaxify」はShopifyでも人気の高い個数制限アプリの1つです。「1回の注文あたり1個から5個まで」のような個数制限ができるのに加え、重量や金額による販売制限も可能です。また、販売単位(3個ずつや5個ずつなど)の制限も可能です。
2024年5月22日時点では、まだCart and Checkout Validation APIに対応していないです。
料金:月額10ドル
下記のブログ記事ではOrder Limits ‑ MinMaxifyの特徴やセットアップ方法を紹介しています。ご参考にしてください。
Order Limits ‑ MinMaxifyとは?|料金プランやセットアップ方法を紹介
Min&Max Limits by Limitsify
「Min&Max Limits by Limitsify」は比較的安価に利用できる個数制限アプリの1つです。Order Limits ‑ MinMaxify同様に個数制限だけでなく、重量や金額による販売制限も可能です。Order Limits ‑ MinMaxifyとの違いは販売単位の設定ができない点などです。
2024年5月22日時点では、まだCart and Checkout Validation APIに対応していないです。
料金:月額4ドル〜
下記のブログ記事ではMin&Max Limits by Limitsifyの特徴や料金プラン、設定方法などについて詳しく解説しています。ご参考にしてください。
Min&Max Limits by Limitsifyとは?特徴や料金プラン、設定方法をご紹介
OrderLogic ‑ Min & Max Limits
「OrderLogic ‑ Min & Max Limits」は比較的安価に利用できる個数制限アプリの1つです。Standardプランの場合は商品単位とバリアント単位で個数制限を実施でき、Premiumプランにアップグレードすると任意の商品タグがついている商品で個数制限を実施できます。
2024年5月22日時点では、まだCart and Checkout Validation APIに対応していないです。
料金:月額4.99ドル〜
KOR Order Limit Quantity
「KOR Order Limit Quantity」も比較的安価に利用できるのが特徴で、商品に個数ルールが重複して適用された場合のルールの優先順位を設定することが可能です。
2024年5月22日時点では、まだCart and Checkout Validation APIに対応していないです。
料金:月額3.99ドル〜
下記のブログ記事では、KOR Order Limit Quantityの特徴や料金プラン、設定方法について詳しく紹介しています。ご参考にしてください。
KOR Order Limit Quantityとは?特徴や料金プラン、設定方法をご紹介
RuffRuff 予約販売
「RuffRuff 予約販売」はShopifyで簡単に予約販売を実施できる日本製のShopifyアプリです。予約販売だけでなく、期間限定販売やVIP会員限定販売、後払いなど様々な販売を実現できるのが特徴です。個数制限アプリではありませんが、商品に対して「1回の注文あたり1個まで」などの簡易な個数制限をかけることが可能です。英語が苦手という方は日本語対応している当アプリを選ぶのも良いでしょう。予約販売アプリとして唯一Cart and Checkout Validation APIに対応しています。
料金:月額9ドル〜
※ 開発ストアのみ無料で全機能をご利用できます。
下記のブログ記事では、RuffRuff予約販売とShopify Flowを利用して1人1個までの販売を実施する方法を紹介しています。ご参考にしてください。
Shopifyで1人1個までの個数制限を実施する方法|1人1回かつ1人1個までの購入制限
個数制限アプリの比較表
下記の表は各個数制限アプリで出来ることや特徴を整理した比較表です。アプリ選びのご参考にしてください。埋め込みアプリに対応しているShopifyアプリはノーコードで導入できます。
※ Cart and Checkout Validation APIを利用することで、より堅牢な注文制限が可能になります。Cart and Checkout Validationは、Shopify Editions | Winter '24に公開されたばかりのため、まだ対応できている注文制限アプリは少ないです。
項目 | RuffRuff 注文制限 | Orichi ‑ Quantity Breaks | Order Limits ‑ MinMaxify | Min&Max Limits by Limitsify | OrderLogic ‑ Min & Max Limits | KOR Order Limit Quantity | RuffRuff 予約販売 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
最小数の 制限 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | - |
最大数の制限 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
指定数の制限 0,2,6,9など |
- | ◯ | - | - | - | - | - |
倍数制限 2個ずつや5個ずつなど |
◯ | - | ◯ | - | - | ◯ | - |
Cart and Checkout Validation API 対応の有無 | ◯ | - | - | - | - | - | ◯ |
日本語対応 | ◯ | - | - | - | - | △ 一部日本語対応 | ◯ |
セットアップ方法 | 埋め込みアプリ | 埋め込みアプリ | 埋め込みアプリ | スニペットコードの自動挿入 | スニペットコードの自動挿入 | 埋め込みアプリ | 埋め込みアプリ |
下記のブログ記事では、指定した数量の倍数(2個ずつ、3個ずつなど)で商品を販売する方法をご紹介します。ご参考にしてください。
Shopifyで指定数量の倍数で販売する方法|カート追加可能数を3個ずつに制御する方法
最後に
本記事では、Shopifyストアで個数制限を実施するためのアプリをいくつかご紹介しました。個数制限アプリを選ぶ際は、以下のポイントを考慮することをおすすめします:
① 必要な機能
単純な個数制限だけでなく、金額や重量による制限、販売単位の設定など、ストアの要件に合った機能があるか確認しましょう。
② 日本語対応
管理画面やサポートが日本語対応しているかどうかは、導入や運用の手間に大きく影響します。
③ Cart and Checkout Validation API対応
より堅牢な制限を実施したい場合は、この新しい技術に対応したアプリを選びましょう。
④ 導入の容易さ
ノーコードで導入できるアプリは、技術的な知識が少なくても簡単に設定できます。
⑤ コスト
機能と価格のバランスを考慮し、ストアの規模や予算に合ったアプリを選びましょう。
適切な個数制限アプリを導入することで、在庫管理の効率化や転売防止など、ストア運営における様々な課題を解決できます。ぜひ、ご自身のストアに最適なアプリを見つけ、効果的な販売戦略を実現してください。
また、個数制限以外にも、Shopifyには様々な便利なアプリがあります。「集客」「売上拡大」「ブログ記事拡張」など、ストア運営に役立つアプリについては、こちらの記事もぜひご覧ください:
Shopifyアプリを上手に活用して、より効率的で成功するオンラインストアを作り上げていきましょう。