Shopifyで分割払いを導入する方法|国内対応サービス3選とメリットを解説

Shopifyで分割払いを導入する方法|国内対応サービス3選とメリットを解説

購入金額を複数回に分けて支払える「分割払い」は、高額商品を取り扱うストアにとってはもちろん、比較的安価な商品を扱うストアでも、支払い方法の選択肢を広げるという意味で有効な手段です。分割払いを導入することで、顧客満足度の向上や売上の増加にもつながる可能性があります。

本記事では、「Shopifyで分割払いは可能なのか」「どのような決済サービスを使えば分割払いが導入できるのか」といった疑問をわかりやすく解説していきます。ぜひ、Shopifyで分割払い導入を検討する際の参考にしてください。

Shopifyに分割払いの支払い方法はある?

Shopifyの標準決済サービスであるShopifyペイメントには、残念ながら分割払いの支払い方法はありません。また、Shopifyが提供する決済サービス「Shop Pay」には分割払いの支払い方法がありますが、2025年5月時点において、日本のストアは分割払い決済の利用対象外です。

しかし、分割払いに対応した決済代行サービスを導入することで、日本のShopifyストアにも分割払いの支払い方法を実装することが可能です。詳しく解説していきます。

日本で使えるShopify分割払い対応サービス3選

日本のShopifyストアで利用可能な、分割払い対応の決済サービスを3つ紹介します。それぞれ特徴が異なりますので、ストアの規模や商材、ターゲット顧客に合わせて最適なサービスを選びましょう。

GMOイプシロン

GMOイプシロン

画像出典:GMOイプシロン

GMOイプシロンは、多様な決済手段を一括で導入できる決済代行サービスです。クレジットカードの分割払いやリボ払いに対応しており、Shopifyとの連携もスムーズに行えます。

初期費用と処理費用は無料。月額利用料も税抜2,980円〜で手軽に導入しやすい点が魅力です。(2025年5月時点)セキュリティ面でも信頼性が高く、42,000社以上で採用されています。ただし、利用開始には審査があります。

選択可能な分割払い回数は、3,5,6,10,12,15,18,20,24回、これにリボルビング払いを加えた計10種類。分割払いを導入する場合、月額費用として税抜き500円が追加でかかります。(2025年5月時点)分割払いの支払い方法を導入する際にも、別途審査があるので注意してください。

なお、分割払いは物品販売におけるクレジットカード決済のみで利用可能です。

Paidy

Paidy

画像出典:Paidy

Paidyは、クレジットカード不要で、メールアドレスと携帯電話番号だけで利用できる後払い決済サービスです。その手軽さから若年層などのクレジットカードを持たない顧客層に支持されており、加盟店は70万店以上に上ります。

購入者は翌月にまとめて支払う「翌月あと払い」のほか、3回、6回、12回の分割払いを選択できます。

Paidyは初期費用と月額使用料がなんと無料。事業者が支払う費用は決済手数料のみです。(2025年5月時点)分割払いでも加盟店には翌月に入金。売上金はPaidyが100%保証してくれるため、ストアはリスクなく始められます。なお、6回・12回あと払いの導入には、別途申し込みが必要です。

SBペイメントサービス

SBペイメントサービス

画像出典:SBペイメントサービス

SBペイメントサービスは、ソフトバンクグループが提供する決済代行サービスです。クレジットカード決済はもちろん、キャリア決済やコンビニ決済など、40種類以上の豊富な決済手段に対応しています。その中に分割払いやリボルビング払いも含まれています。

大手ならではの信頼性と安定したシステムが強みで、大規模なストアや多様な顧客層を持つストアに最適。Shopifyとの連携も可能で、事業者側のニーズに合わせた柔軟なカスタマイズにも対応しています。

ただし、導入には審査があり、システム構築にも時間がかかるため、余裕を持って申し込みましょう。費用は初期費用や月額費用、手数料等がかかります。(2025年5月時点)具体的な費用は業種や取扱高によって異なるため、詳しくはSBペイメントサービスにお問い合わせください。

Shopifyで分割払いを導入する主なメリット

分割払いを導入することは、Shopifyオーナーにとって多くのメリットをもたらします。ここでは、主なメリットを3つ紹介します。

高額商品の購入ハードルを下げられる

分割払いを導入する最大のメリットは、高額な商品に対する顧客の購入ハードルを効果的に下げられることです。一括での支払いが難しいと感じる商品でも、月々の負担を軽減することで、購入への心理的な抵抗感を和らげることができます。

例えば、家具や家電、高級ブランド品、あるいは高単価なオンラインコースなどは支払い総額が高くなりがちで、顧客が購入をためらう一因となるでしょう。しかし、この支払い総額を3回、6回、12回などに分割することで、一回あたりの負担は軽くなり、より手が届きやすくなります。

これにより、これまで価格がネックで購入に至らなかった潜在顧客層を取り込むことが期待でき、販売機会の拡大につながるでしょう。

客単価・売上アップが期待できる

分割払いの導入は、顧客一人当たりの購入金額(客単価)の向上にもつながります。

例えば、顧客が特定の商品を購入しようと考えている際に、関連商品やアップグレード商品を提案。「分割払いなら月々〇〇円の追加でこちらも購入できます」といった訴求ができれば、クロスセルやアップセルを促進しやすくなるでしょう。

結果として、当初の予算以上の買い物につながり、ストア全体の売上アップが期待できます。

顧客満足度・リピート率の向上につながる

顧客にとって支払い方法の選択肢が多いことは、利便性の向上に直結し、顧客満足度の向上にもつながります。特に分割払いのような柔軟な支払い方法を提供することで、「このストアは顧客のことを考えてくれている」という印象を与えやすくなります。

満足度の高い購買体験は、ストアへの信頼感を高め、リピート購入へとつながる可能性を高めるでしょう。また、分割払いを利用した顧客が、その後も継続的にストアを利用してくれる優良顧客になることも期待できます。

分割払い導入の注意点

分割払いはメリットが大きい一方で、導入にはいくつかの注意点があります。

分割払いキャンセル時の返金処理とリスク管理

顧客が分割払いを利用して商品を購入した後、何らかの理由でキャンセルや返品を希望するケースも考えられます。この際の返金処理は、一括払いの場合よりも複雑になることがあります。特に決済代行会社を通じて分割払いの手続きが進んでいる場合、どのタイミングでキャンセルが発生したかによって、事業者、顧客、決済代行会社の間で煩雑な手続きが必要になるでしょう。 また、悪質なケースとして、商品を受け取った後に支払い途中で連絡が取れなくなるなどの未払いリスクも考慮しなければなりません。多くの場合、決済代行会社がこれらのリスクを引き受けますが、契約条件や保証範囲などについて、念のため導入前に確認することをおすすめします。

分割払いの利用料体系と入金サイクル

分割払いを決済代行サービスで導入する際には、利用料体系と入金サイクルを必ず確認しましょう。

決済代行サービスによって、初期費用や月額利用料がかかるもの、分割払いの導入にはオプション料金がかかるもの、無料で利用できるものなど様々です。また、売上金の入金時に振込手数料がかかるものもあります。このような利用料や振込手数料の有無はストアの利益に直接影響するため、慎重な比較検討が必要です。

さらに、売上金が実際にストアの口座に入金されるまでの期間(入金サイクル)も決済サービスごとに異なります。キャッシュフローを健全に保つためにも、利用料体系だけでなく、入金サイクルなども含めて総合的に比較し、自社のビジネスモデルに合ったサービスを選びましょう。

自社のShopifyストアにあった分割払いのサービスを導入しよう!

この記事では、Shopifyに分割払いを導入する方法について解説しました。

Shopifyの標準決済サービスでは分割払いを導入できないものの、決済代行サービスを利用することで、ストアに分割払いを導入できます。

ただし、導入にあたっては各サービスの特性や手数料、入金サイクルなどを比較し、自社のストアに最適なものを選ぶことが重要です。

今回の内容を参考にして、分割払いの導入を検討してみてください。

最後に、下記のブログ記事では分割払い以外にShopifyで利用できる決済方法を紹介しています。決済方法の拡張を検討されている方は、ご参考にしてください。

ブログに戻る
1 6
  • Shopify Liquidとは|特徴や基本構文、学習リソースまで紹介

    Shopify Liquidとは|特徴や基本構文、学習リソースまで紹介

    Tsunライターチーム

    Shopify Liquidは、Shopifyが開発したオープンソースのテンプレート言語です。本記事では、Shopify Liquidの基本概念、主な特徴、そしてその学習に役立つリソースについて解説します。

    Shopify Liquidとは|特徴や基本構文、学習リソースまで紹介

    Tsunライターチーム

    Shopify Liquidは、Shopifyが開発したオープンソースのテンプレート言語です。本記事では、Shopify Liquidの基本概念、主な特徴、そしてその学習に役立つリソースについて解説します。

  • Shopify Polarisとは? 効率的なShopifyアプリ開発に!

    Shopify Polarisとは? 効率的なShopifyアプリ開発に!

    Tsunライターチーム

    Shopify Polarisは、Shopifyのエコシステムにおいて重要な役割を果たす包括的なデザインシステムです。本記事では、Shopify Polarisの概要やメリット、デメリット、Polarisを活用したShopifyアプリの事例、Shopify Polarisを使用する際のヒントとコツを紹介します。

    Shopify Polarisとは? 効率的なShopifyアプリ開発に!

    Tsunライターチーム

    Shopify Polarisは、Shopifyのエコシステムにおいて重要な役割を果たす包括的なデザインシステムです。本記事では、Shopify Polarisの概要やメリット、デメリット、Polarisを活用したShopifyアプリの事例、Shopify Polarisを使用する際のヒントとコツを紹介します。

  • 【Tips】Shopify の GraphQL Admin API で顧客総数を取得する

    ShopifyのGraphQL Admin API で顧客総数を取得する

    小笠原 京平

    Shopifyの GraphQL Admin API の小ネタです。 Shopifyの顧客総数を取得したい場合のクエリは、いざ探そうと思ってもパッと見つからないのでメモしておきます。 対象読者 Shopify GraphQL Admin API を使ったことがある方 顧客総数を取得するクエリ 2023-07 バージョンから CustomerSegmentMemberConnection に変更があったため、2023-07より前と以降で若干クエリが異なります。 ※ changelog 2023-07以降 { customerSegmentMembers(first: 1, query: "") { totalCount } } 2023-07より前...

    ShopifyのGraphQL Admin API で顧客総数を取得する

    小笠原 京平

    Shopifyの GraphQL Admin API の小ネタです。 Shopifyの顧客総数を取得したい場合のクエリは、いざ探そうと思ってもパッと見つからないのでメモしておきます。 対象読者 Shopify GraphQL Admin API を使ったことがある方 顧客総数を取得するクエリ 2023-07 バージョンから CustomerSegmentMemberConnection に変更があったため、2023-07より前と以降で若干クエリが異なります。 ※ changelog 2023-07以降 { customerSegmentMembers(first: 1, query: "") { totalCount } } 2023-07より前...

  • Shopify Vite Plugin でテーマ拡張機能の開発体験を改善する

    Shopify Vite Plugin でテーマ拡張機能の開発体験を改善する

    小笠原 京平

    今回は Barrel が提供する Shopify Vite Plugin を導入して、テーマ拡張機能の開発体験を改善する方法をご紹介します。 対象読者 テーマ拡張機能の開発経験がある方 はじめに Shopifyのテーマ拡張機能 (Theme app extensions) はShopify アプリ開発において、ストアフロントに機能を追加するための機能です。 Liquid、JavaScript、CSSなどを使って開発することができますが、通常のアプリ開発と比較すると、ローカルでの開発体験はそれほどよくありません。 そこで、今回は Shopify Vite Plugin を導入して、開発体験を改善していきます。 Shopify Vite Plugin とは Barrel が提供する Vite用プラグインです。ViteをShopify テーマ開発に組み込んで開発体験を改善することを目的として作られていますが、テーマ拡張機能においてもその恩恵を受けることができます。...

    Shopify Vite Plugin でテーマ拡張機能の開発体験を改善する

    小笠原 京平

    今回は Barrel が提供する Shopify Vite Plugin を導入して、テーマ拡張機能の開発体験を改善する方法をご紹介します。 対象読者 テーマ拡張機能の開発経験がある方 はじめに Shopifyのテーマ拡張機能 (Theme app extensions) はShopify アプリ開発において、ストアフロントに機能を追加するための機能です。 Liquid、JavaScript、CSSなどを使って開発することができますが、通常のアプリ開発と比較すると、ローカルでの開発体験はそれほどよくありません。 そこで、今回は Shopify Vite Plugin を導入して、開発体験を改善していきます。 Shopify Vite Plugin とは Barrel が提供する Vite用プラグインです。ViteをShopify テーマ開発に組み込んで開発体験を改善することを目的として作られていますが、テーマ拡張機能においてもその恩恵を受けることができます。...

  • Shopify Admin API GraphiQLとは? 使い方やメリット・デメリットを解説

    Shopify Admin API GraphiQLとは? 使い方やメリット・デメリットを解説します

    小笠原 京平

    ShopifyのAdmin APIにはGraphQLを用いたAPIがあります。手軽に試す方法としてGraphiQL (GraphQLではなくGraphiQLなのに注意) というIDEがありますので、今回はShopify GraphiQLの使い方やメリット・デメリットを解説します。 GraphiQLとは GraphQL公式が運営しているオープンソースプロジェクトです。GraphQLをブラウザ上でインタラクティブに操作・実行することができます。 グラフィカル (/ˈɡrafək(ə)l/) と発音します。(graphicalと同じ発音) GraphQLとは GraphQLはAPIのためのクエリ言語であり、既存のデータでクエリを実行するためのランタイムです。 GraphQLはAPI内のデータの完全で理解しやすい説明を提供し、クライアントに必要なものだけを要求する力を与え、APIを長期的に進化させることを容易にし、強力な開発者ツールを可能にします。 引用: GraphQL | A query language for your API Shopify GraphiQLの使い方 Shopify GraphiQLは各ストアにアプリをインストールするだけで使えますが、Shopify Devサイト上でデモを触れるので、まずは触ってみましょう! https://shopify.dev/docs/apps/tools/graphiql-admin-api Workshopをやってみよう! Shopifyが作成した「Learn...

    Shopify Admin API GraphiQLとは? 使い方やメリット・デメリットを解説します

    小笠原 京平

    ShopifyのAdmin APIにはGraphQLを用いたAPIがあります。手軽に試す方法としてGraphiQL (GraphQLではなくGraphiQLなのに注意) というIDEがありますので、今回はShopify GraphiQLの使い方やメリット・デメリットを解説します。 GraphiQLとは GraphQL公式が運営しているオープンソースプロジェクトです。GraphQLをブラウザ上でインタラクティブに操作・実行することができます。 グラフィカル (/ˈɡrafək(ə)l/) と発音します。(graphicalと同じ発音) GraphQLとは GraphQLはAPIのためのクエリ言語であり、既存のデータでクエリを実行するためのランタイムです。 GraphQLはAPI内のデータの完全で理解しやすい説明を提供し、クライアントに必要なものだけを要求する力を与え、APIを長期的に進化させることを容易にし、強力な開発者ツールを可能にします。 引用: GraphQL | A query language for your API Shopify GraphiQLの使い方 Shopify GraphiQLは各ストアにアプリをインストールするだけで使えますが、Shopify Devサイト上でデモを触れるので、まずは触ってみましょう! https://shopify.dev/docs/apps/tools/graphiql-admin-api Workshopをやってみよう! Shopifyが作成した「Learn...

  • ブログ記事 Shopifyの必須Webhooks (Mandatory Webhooks)とは? GDPRや対応例など

    Shopifyの必須Webhooks (Mandatory Webhooks)とは? GDPR...

    小笠原 京平

    今回はShopifyアプリ開発を始めたときに詰まるポイントの1つ「必須Webhooks」について解説します。実装をしていなかったり、実装が不十分なためにレビューが通らなかった経験をされた方は多いんじゃないでしょうか?レビューで詰まらないためにも、ぜひご確認ください! Webhooksとは? Shopifyの必須Webhooksを説明する前に、Webhooksについて理解しましょう。Webhooksとは、Webアプリケーションと連携するために用いられるイベント通知の仕組みです。Webhooksを使うことで、あるWebアプリケーションで特定のイベントが起きたときに、データを受け取ったり、何かしらの動作をすることが可能になります。 エンジニアにとって身近な例でいうと、GitHubにコードをプッシュしたときに自動でビルドやテストをするときにWebhooksが使われています。 ShopifyのWebhooks そんなWebhooksはShopifyでも使うことができます。Shopifyアプリ開発では、Shopify Admin APIからWebhooksを使うことができます。また、アプリ以外でもShopify管理画面からWebhookを作成することもできます。 ShopifyのWebhooksにはHTTPSのエンドポイントのほか、Amazon EventBridgeやGoogle Cloud Pub/Subといったメッセージングサービスを使うこともできます。購読するイベントやマーチャントによっては瞬間的に大量のWebhooksを処理する必要があるため、スケールさせやすいメッセージングサービスを使ってWebhooksを処理することをおすすめします。 必須Webhooks (Mandatory Webhooks) とは? 必須Webhooksとは、Shopifyアプリを開発するときに必ず実装しなければならない3つのWebhooksのことです。この3つのWebhooksはGDPRに対応するために必要なWebhooksで、EU加盟国に関わらず、すべてのShopifyアプリはGDPRに準拠しなければなりません。必須Webhooksを実装していない場合、アプリレビューで却下されます。 (3つの必須Webhooks以外のWebhooksは任意で実装すればOKです。) また、必須Webhooksの3つはHTTPSのエンドポイントでのみ作成可能です。上述したEventBridgeやPub/Subを利用することはできません。 GDPRとは? GDPR(General Data Protection Regulation:一般データ保護規則)は、ヨーロッパ連合(EU)の個人情報保護法規で、2018年5月25日から施行されています。これは、EU全域での個人情報のプライバシーを保護し、データの取り扱い方に関して個々の人々により多くの制御権を付与するためのものです。 GDPRは、EU市民または居住者の個人データを処理する全ての組織に適用されます。これには、EU内外の組織も含まれ、EUの市民や居住者のデータを処理する場合、世界のどこにその組織があろうともGDPRの規定を守る必要があります。 GDPRの主な目的は、個人が自分の個人データをどのように収集、保存、使用されるのかを知り、そしてその制御をする権利を持つべきであるという考え方を強化し、統一化することです。これは、個人情報の透明性、アクセスの権利、修正の権利、忘れられる権利(データ削除の権利)、データ移行の権利など、いくつかの重要な権利を個々の人々に付与します。 参考: ChatGPT 必須Webhooksの対応例 上記で説明したように、必須WebhooksとはGDPRに準拠するためのWebhooksなので、顧客情報、ストア情報をデータベースなどに保存しているかどうかで対応方法が変わります。...

    Shopifyの必須Webhooks (Mandatory Webhooks)とは? GDPR...

    小笠原 京平

    今回はShopifyアプリ開発を始めたときに詰まるポイントの1つ「必須Webhooks」について解説します。実装をしていなかったり、実装が不十分なためにレビューが通らなかった経験をされた方は多いんじゃないでしょうか?レビューで詰まらないためにも、ぜひご確認ください! Webhooksとは? Shopifyの必須Webhooksを説明する前に、Webhooksについて理解しましょう。Webhooksとは、Webアプリケーションと連携するために用いられるイベント通知の仕組みです。Webhooksを使うことで、あるWebアプリケーションで特定のイベントが起きたときに、データを受け取ったり、何かしらの動作をすることが可能になります。 エンジニアにとって身近な例でいうと、GitHubにコードをプッシュしたときに自動でビルドやテストをするときにWebhooksが使われています。 ShopifyのWebhooks そんなWebhooksはShopifyでも使うことができます。Shopifyアプリ開発では、Shopify Admin APIからWebhooksを使うことができます。また、アプリ以外でもShopify管理画面からWebhookを作成することもできます。 ShopifyのWebhooksにはHTTPSのエンドポイントのほか、Amazon EventBridgeやGoogle Cloud Pub/Subといったメッセージングサービスを使うこともできます。購読するイベントやマーチャントによっては瞬間的に大量のWebhooksを処理する必要があるため、スケールさせやすいメッセージングサービスを使ってWebhooksを処理することをおすすめします。 必須Webhooks (Mandatory Webhooks) とは? 必須Webhooksとは、Shopifyアプリを開発するときに必ず実装しなければならない3つのWebhooksのことです。この3つのWebhooksはGDPRに対応するために必要なWebhooksで、EU加盟国に関わらず、すべてのShopifyアプリはGDPRに準拠しなければなりません。必須Webhooksを実装していない場合、アプリレビューで却下されます。 (3つの必須Webhooks以外のWebhooksは任意で実装すればOKです。) また、必須Webhooksの3つはHTTPSのエンドポイントでのみ作成可能です。上述したEventBridgeやPub/Subを利用することはできません。 GDPRとは? GDPR(General Data Protection Regulation:一般データ保護規則)は、ヨーロッパ連合(EU)の個人情報保護法規で、2018年5月25日から施行されています。これは、EU全域での個人情報のプライバシーを保護し、データの取り扱い方に関して個々の人々により多くの制御権を付与するためのものです。 GDPRは、EU市民または居住者の個人データを処理する全ての組織に適用されます。これには、EU内外の組織も含まれ、EUの市民や居住者のデータを処理する場合、世界のどこにその組織があろうともGDPRの規定を守る必要があります。 GDPRの主な目的は、個人が自分の個人データをどのように収集、保存、使用されるのかを知り、そしてその制御をする権利を持つべきであるという考え方を強化し、統一化することです。これは、個人情報の透明性、アクセスの権利、修正の権利、忘れられる権利(データ削除の権利)、データ移行の権利など、いくつかの重要な権利を個々の人々に付与します。 参考: ChatGPT 必須Webhooksの対応例 上記で説明したように、必須WebhooksとはGDPRに準拠するためのWebhooksなので、顧客情報、ストア情報をデータベースなどに保存しているかどうかで対応方法が変わります。...

1 6

編集プロセス

EコマースやShopifyの初学者にとって、できるだけ “やさしく” “わかりやすく” “正確に” 難しいコマース用語やマーケティング用語、ストア構築から販売までの仕組み・ノウハウを伝えることを心がけて、記事コンテンツを作成しています。

掲載情報に関して

掲載している各種情報は、株式会社Tsunが経験および、調査した情報をもとにしています。できるだけ“最新“かつ“正確“な情報の掲載に努めておりますが、内容を完全に保証するものではありません。当サイトによって生じた損害について、株式会社Tsunではその賠償の責任を一切負わないものとします。掲載情報に誤りがある場合には、お手数ですが株式会社Tsunまでご連絡をいただけますようお願いいたします。