Shopify POSの完全ガイド!導入メリットや設定方法を解説

Shopify POSの完全ガイド!導入メリットや設定方法を解説

Shopifyには実店舗での販売にも役立つPOSシステムが標準搭載されています。POS(ポイント・オブ・セールス)とは、実店舗での売上や在庫の管理を行うシステムのこと。オンラインサイトと実店舗の両方を運営している事業者の場合は、POSを導入することで在庫や売上等を連携して管理することができ、業務効率がぐっと向上します。

この記事では、Shopify独自のPOSシステムであるShopify POSのメリットや設定方法を徹底解説します。Shopifyを導入している事業者の方で、実店舗販売を検討している方はぜひごらんください。

※記事内の情報はすべて2024年8月現在のものです。

Shopify POS|Shopify公式サイト

画像引用:Shopify 公式サイト


Shopify POSとは?

Shopify POSは、Shopifyが独自に提供する実店舗向けの販売管理システムです。Shopify POSを導入すると、実店舗で商品が売れたときの在庫状況などをリアルタイムで管理することが可能になります。

Shopify POSには、商品管理、在庫管理、顧客管理、売上分析などの基本機能はすべて備わっており、実店舗を運営をする事業者にとっては大変心強いツールといえます。


Shopify POSの導入メリット

在庫を一元管理できる

Shopify POSの最大のメリットは、実店舗とECサイトが一元管理できることです。

在庫管理は、実店舗とECサイトの両方を運営しているときの大きな課題のひとつです。売上が集中したり販売状況の連携に誤りが起こったりすると、欠品や過剰在庫になるおそれがでてきます。誤った在庫管理は、機会損出や顧客からのクレームにもつながります。

Shopify POSではECサイトと実店舗での販売状況がリアルタイムで連携・反映されるため、適切な在庫管理を自動で行うことができます。

顧客満足度が上がりリピートにつながる

実店舗とECサイトを一元管理することで、より顧客に寄り添った購買体験を提供することができます。

例えば、実店舗で購入した際に付与されるポイントをECサイトで利用できたり、ECサイトで購入した商品を店舗で受け取ることができたり、実店舗とECサイトを横断した施策も可能です。顧客満足度があがることで、リピーターの獲得にもつなげることができます。

Shopify POSを導入することで、より精度の高いマーケティング戦略をたてることも可能になります。

コスト削減につながる

Shopify POSの導入で販売管理が効率化することによって、スタッフの業務負担の軽減にもつながります。今まで手動で管理していた在庫や販売レポート分析などを自動で管理できるようになるため、日々の業務がスムーズに進行しコスト削減につながります。

また、Shopify POSの使い方はとてもシンプルなので、簡単に業務へ導入することができ、スタッフへの研修なども短時間で済みます。

Shopify POSの利用場所

Shopify POSにデメリットはある?

Shopify POSの導入は、ECサイトと実店舗の両方で販売をしている事業者にとって良いことばかりですが、導入には一定のコストがかかります。

Shopifyの契約が必要

Shopify POSはShopify独自のPOSシステムなので、導入するためにはShopifyの契約が必須になります。POSシステムの管理もShopifyの管理画面で行います。

決済サービスとの契約が必要

Shopify POSでクレジットカード決済などを行うためには、決済端末を提供している外部の決済サービスとの契約が必要になります。

決済サービスごとに使用できる決済方法や入金期間、決済手数料が異なるため、自社にあった決済サービスを選定する必要があります。

連携できるShopifyアプリが少ない

Shopifyにはオンラインストアを拡張するための8000以上のShopifyアプリが存在します。しかし、多くのアプリがPOSに連携できていない状況です。

例えば、Shopifyアプリを利用してオンラインストアで予約販売や新商品の発売予告を実施している場合、POSの商品へ反映されていないケースがあります。

Shopify POSの運用イメージ

複数店舗を運営している

上位プランであるShopify POS proでは、複雑になる在庫管理や顧客管理、売上分析も一元管理し自動連携できるため、大規模な店舗運営を行っていたり、複数の実店舗を展開している事業者におすすめです。

小規模な実店舗を運営している

Shopify POSは手軽に導入できることが大きな特徴です。Shopify POS liteはすべてのShopifyプランに無料でついているので、コストを抑えて販売を一元管理することができます。

イベントやマルシェに出店する

実店舗の販売以外にも、ポップアップやマルシェなどの販売でも役立ちます。手軽に持ち歩けるワイヤレス決済端末を導入すれば、外での販売や期間限定の販売も可能です。また、販売状況や在庫管理をリアルタイムに集計することもできます。

Shopify POSプランの選び方

Shopify POSには2通りのプランがあります。基本的なShopify POS Liteは、全てのShopifyプランに無料でついているので、プランに迷ったらまずはLiteで試してみるとよいでしょう。

Shopify POS Proは月額制で、より多くの機能が利用できるようになっています。自社の実店舗の規模や運営スタイルに合わせてプランを選んでください。

Shopify POSプランの特徴を比較

プラン名 Shopify POS Lite Shopify POS PRO
向いている店舗規模 ひとつの実店舗を運営 複数の実店舗を運営
料金 無料(すべてのShopifyプランに付与) 1店舗につき月額89ドル
在庫管理 ・オンラインと実店舗の在庫連携 ・バーコードスキャナーを利用した在庫カウント
・需要予測など複雑な在庫分析
スタッフ管理 ・登録スタッフ数に制限あり ・登録スタッフ数に制限無し
・スタッフごとに権限を付与可能
返品 販売した店舗でのみ可能 どの店舗でも返金が可能

Shopify POS Lite

Shopify POS Liteは、すべてのShopifyプランに無料でついています。在庫連携、販売管理など、実店舗での基本的な販売に必要な機能はすべてついており、コストをかけずに導入することができます。小規模な店舗や個人経営のビジネスなどに適した基本的なプランです。

下記のブログ記事ではShopifyプランに関して詳しく解説しています。ご参考にしてください。

【徹底比較】Shopifyのプランの選び方|料金・手数料・決済方法の違いについて

Shopify POS Pro

Shopify POS Proは、複数の店舗を運営していたりスタッフの数が多かったり、より複雑で高度な販売管理を必要とする事業者向けのプランです。

このプランでは、スタッフの権限設定、詳細な売上分析、カスタマイズ可能なレシートなど、大規模な店舗や複数の店舗を運営する事業者にとって役立つ機能が備わっています。

Shopify POSの設定方法

ステップ1:Shopify POSアプリのダウンロードとインストール

Shopify POSを使うためにはアプリのインストールが必要になります。アプリはパソコン、iOSやAndroidのデバイスでインストールが可能です。Shopifyの管理画面、App StoreまたはGoogle Playからダウンロードしてください。

インストール後、Shopifyアカウントにログインし、アプリ内でPOSの設定をおこなっていきます。

ステップ2:販売チャネルにPOSを追加

次に、Shopifyの管理画面で販売チャネルにPOSを追加します。

販売チャネルに追加することで、実店舗での販売データがShopifyの管理システムと同期され、オンラインとオフラインの販売状況を一元管理できるようになります。

販売チャネルにPOSを追加

ステップ3:商品と在庫の管理設定

販売する商品の販売チャネルを設定します。実店舗でのみ販売しているのか、ECサイトと実店舗の両方で販売していのか、商品ごとに設定を行います。

また、商品の登録が完了した後は、商品の在庫数が正しく反映されているか確認してください。これによって、実店舗とECサイトの両方で販売される在庫状況が正しく反映されます。

ステップ4:決済端末の導入

カードリーダーなどの決済端末を導入します。Shopify POSは、クレジットカード、デビットカード、モバイル決済など、さまざまな支払い方法に対応しており、外部の決済端末との連携もスムーズです。

これにより、顧客に対して多様な支払いオプションを提供できます。

Shopify POSと連携できる決済端末

Shopify公式からPOSに関するさまざまなハードウェアが提供されています。ただし、2024年8月現在、すべてのハードウェアは日本では適用外となっています。

ShopifyPOSにクレジットなどの決済端末を導入する場合は、任意の決済端末サービスと契約をしてください。決済端末を購入する場合とレンタルの場合や、決済手数料など、サービスによって特徴が異なります。店舗の規模や販売スタイル似合わせてサービスを選びましょう。

下記のブログ記事ではShopify公式が発売しているモバイル決済端末「Shopify POS Go」(※日本ではまだ未対応)について詳しく解説しています。近い将来の日本での対応に備えて、Shopify POS Goの詳細をチェックしましょう。

Shopify POS Goとは?Shopify公式のモバイル決済端末を徹底解説

    決済端末以外の機器を活用する

    Shopify POSでは、クレジット端末機などだけでなく、バーコードスキャナー、レシートプリンター、キャッシュドロワーなど、実店舗の決済に役立つさまざまなハードウェアとも連携できます。

    Shopify POS導入時の注意

    Shopify POSを導入する前や導入した後にも、スムーズな店舗運営をするために確認しておきたいポイントを紹介します。

    使用する機種との互換性を確認する

    Shopify POSを導入する前に、使用する決済サービスや使用する機器との連携が可能か確認しましょう。また、互換性の他にも、必要な機能が備わっているかも確認してください。

    スタッフへの事前研修

    POSシステムを導入するにあたり、店舗の業務フローにいつ・どのように組み込むか事前に計画し、スタッフへの研修を実施することが重要です。顧客との実際の決済を行う前に、事前にすべての決済パターンでシミュレーションを行い、実際にテストで決済を行っておきましょう。

    メンテナンスやアップデートを行う

    Shopify POSを利用しているときに発生するトラブルとして、ハードウェアの接続不良や、在庫データの同期ミスがあります。こういったトラブルを防ぐために、定期的なソフトウェアのアップデート情報や、システム稼働や連携状況の確認が重要です。

    また、トラブルが発生した際に顧客を待たせることなく解決できるように、契約している決済サービスやShopifyへの問い合わせ経路を確認し、社内で共有しておくことをおすすめします。

    Shopify POS を活用し売上拡大へ

    Shopify POSは上手に活用することで、業務を効率化し顧客満足度の向上につなげることができます。まだ店舗販売を始めていない事業者の方でも、Shopify POSを活用することでまずは小規模にスタートさせることも可能です。まずは気軽に始めることができるShopify POS liteで、事業の可能性を広げていきましょう。


    ブログに戻る
    1 6
    • Shopify Polarisとは? 効率的なShopifyアプリ開発に!

      Shopify Polarisとは? 効率的なShopifyアプリ開発に!

      Tsunライターチーム

      Shopify Polarisは、Shopifyのエコシステムにおいて重要な役割を果たす包括的なデザインシステムです。本記事では、Shopify Polarisの概要やメリット、デメリット、Polarisを活用したShopifyアプリの事例、Shopify Polarisを使用する際のヒントとコツを紹介します。

      Shopify Polarisとは? 効率的なShopifyアプリ開発に!

      Tsunライターチーム

      Shopify Polarisは、Shopifyのエコシステムにおいて重要な役割を果たす包括的なデザインシステムです。本記事では、Shopify Polarisの概要やメリット、デメリット、Polarisを活用したShopifyアプリの事例、Shopify Polarisを使用する際のヒントとコツを紹介します。

    • 【Tips】Shopify の GraphQL Admin API で顧客総数を取得する

      【Tips】Shopify の GraphQL Admin API で顧客総数を取得する

      小笠原 京平

      Shopifyの GraphQL Admin API の小ネタです。 Shopifyの顧客総数を取得したい場合のクエリは、いざ探そうと思ってもパッと見つからないのでメモしておきます。 対象読者 Shopify GraphQL Admin API を使ったことがある方 顧客総数を取得するクエリ 2023-07 バージョンから CustomerSegmentMemberConnection に変更があったため、2023-07より前と以降で若干クエリが異なります。 ※ changelog 2023-07以降 { customerSegmentMembers(first: 1, query: "") { totalCount } } 2023-07より前...

      【Tips】Shopify の GraphQL Admin API で顧客総数を取得する

      小笠原 京平

      Shopifyの GraphQL Admin API の小ネタです。 Shopifyの顧客総数を取得したい場合のクエリは、いざ探そうと思ってもパッと見つからないのでメモしておきます。 対象読者 Shopify GraphQL Admin API を使ったことがある方 顧客総数を取得するクエリ 2023-07 バージョンから CustomerSegmentMemberConnection に変更があったため、2023-07より前と以降で若干クエリが異なります。 ※ changelog 2023-07以降 { customerSegmentMembers(first: 1, query: "") { totalCount } } 2023-07より前...

    • Shopify Vite Plugin でテーマ拡張機能の開発体験を改善する

      Shopify Vite Plugin でテーマ拡張機能の開発体験を改善する

      小笠原 京平

      今回は Barrel が提供する Shopify Vite Plugin を導入して、テーマ拡張機能の開発体験を改善する方法をご紹介します。 対象読者 テーマ拡張機能の開発経験がある方 はじめに Shopifyのテーマ拡張機能 (Theme app extensions) はShopify アプリ開発において、ストアフロントに機能を追加するための機能です。 Liquid、JavaScript、CSSなどを使って開発することができますが、通常のアプリ開発と比較すると、ローカルでの開発体験はそれほどよくありません。 そこで、今回は Shopify Vite Plugin を導入して、開発体験を改善していきます。 Shopify Vite Plugin とは Barrel が提供する Vite用プラグインです。ViteをShopify テーマ開発に組み込んで開発体験を改善することを目的として作られていますが、テーマ拡張機能においてもその恩恵を受けることができます。...

      Shopify Vite Plugin でテーマ拡張機能の開発体験を改善する

      小笠原 京平

      今回は Barrel が提供する Shopify Vite Plugin を導入して、テーマ拡張機能の開発体験を改善する方法をご紹介します。 対象読者 テーマ拡張機能の開発経験がある方 はじめに Shopifyのテーマ拡張機能 (Theme app extensions) はShopify アプリ開発において、ストアフロントに機能を追加するための機能です。 Liquid、JavaScript、CSSなどを使って開発することができますが、通常のアプリ開発と比較すると、ローカルでの開発体験はそれほどよくありません。 そこで、今回は Shopify Vite Plugin を導入して、開発体験を改善していきます。 Shopify Vite Plugin とは Barrel が提供する Vite用プラグインです。ViteをShopify テーマ開発に組み込んで開発体験を改善することを目的として作られていますが、テーマ拡張機能においてもその恩恵を受けることができます。...

    • Shopify Admin API GraphiQLとは? 使い方やメリット・デメリットを解説

      Shopify Admin API GraphiQLとは? 使い方やメリット・デメリットを解説します

      小笠原 京平

      ShopifyのAdmin APIにはGraphQLを用いたAPIがあります。手軽に試す方法としてGraphiQL (GraphQLではなくGraphiQLなのに注意) というIDEがありますので、今回はShopify GraphiQLの使い方やメリット・デメリットを解説します。 GraphiQLとは GraphQL公式が運営しているオープンソースプロジェクトです。GraphQLをブラウザ上でインタラクティブに操作・実行することができます。 グラフィカル (/ˈɡrafək(ə)l/) と発音します。(graphicalと同じ発音) GraphQLとは GraphQLはAPIのためのクエリ言語であり、既存のデータでクエリを実行するためのランタイムです。 GraphQLはAPI内のデータの完全で理解しやすい説明を提供し、クライアントに必要なものだけを要求する力を与え、APIを長期的に進化させることを容易にし、強力な開発者ツールを可能にします。 引用: GraphQL | A query language for your API Shopify GraphiQLの使い方 Shopify GraphiQLは各ストアにアプリをインストールするだけで使えますが、Shopify Devサイト上でデモを触れるので、まずは触ってみましょう! https://shopify.dev/docs/apps/tools/graphiql-admin-api Workshopをやってみよう! Shopifyが作成した「Learn...

      Shopify Admin API GraphiQLとは? 使い方やメリット・デメリットを解説します

      小笠原 京平

      ShopifyのAdmin APIにはGraphQLを用いたAPIがあります。手軽に試す方法としてGraphiQL (GraphQLではなくGraphiQLなのに注意) というIDEがありますので、今回はShopify GraphiQLの使い方やメリット・デメリットを解説します。 GraphiQLとは GraphQL公式が運営しているオープンソースプロジェクトです。GraphQLをブラウザ上でインタラクティブに操作・実行することができます。 グラフィカル (/ˈɡrafək(ə)l/) と発音します。(graphicalと同じ発音) GraphQLとは GraphQLはAPIのためのクエリ言語であり、既存のデータでクエリを実行するためのランタイムです。 GraphQLはAPI内のデータの完全で理解しやすい説明を提供し、クライアントに必要なものだけを要求する力を与え、APIを長期的に進化させることを容易にし、強力な開発者ツールを可能にします。 引用: GraphQL | A query language for your API Shopify GraphiQLの使い方 Shopify GraphiQLは各ストアにアプリをインストールするだけで使えますが、Shopify Devサイト上でデモを触れるので、まずは触ってみましょう! https://shopify.dev/docs/apps/tools/graphiql-admin-api Workshopをやってみよう! Shopifyが作成した「Learn...

    • ブログ記事 Shopifyの必須Webhooks (Mandatory Webhooks)とは? GDPRや対応例など

      Shopifyの必須Webhooks (Mandatory Webhooks)とは? GDPR...

      小笠原 京平

      今回はShopifyアプリ開発を始めたときに詰まるポイントの1つ「必須Webhooks」について解説します。実装をしていなかったり、実装が不十分なためにレビューが通らなかった経験をされた方は多いんじゃないでしょうか?レビューで詰まらないためにも、ぜひご確認ください! Webhooksとは? Shopifyの必須Webhooksを説明する前に、Webhooksについて理解しましょう。Webhooksとは、Webアプリケーションと連携するために用いられるイベント通知の仕組みです。Webhooksを使うことで、あるWebアプリケーションで特定のイベントが起きたときに、データを受け取ったり、何かしらの動作をすることが可能になります。 エンジニアにとって身近な例でいうと、GitHubにコードをプッシュしたときに自動でビルドやテストをするときにWebhooksが使われています。 ShopifyのWebhooks そんなWebhooksはShopifyでも使うことができます。Shopifyアプリ開発では、Shopify Admin APIからWebhooksを使うことができます。また、アプリ以外でもShopify管理画面からWebhookを作成することもできます。 ShopifyのWebhooksにはHTTPSのエンドポイントのほか、Amazon EventBridgeやGoogle Cloud Pub/Subといったメッセージングサービスを使うこともできます。購読するイベントやマーチャントによっては瞬間的に大量のWebhooksを処理する必要があるため、スケールさせやすいメッセージングサービスを使ってWebhooksを処理することをおすすめします。 必須Webhooks (Mandatory Webhooks) とは? 必須Webhooksとは、Shopifyアプリを開発するときに必ず実装しなければならない3つのWebhooksのことです。この3つのWebhooksはGDPRに対応するために必要なWebhooksで、EU加盟国に関わらず、すべてのShopifyアプリはGDPRに準拠しなければなりません。必須Webhooksを実装していない場合、アプリレビューで却下されます。 (3つの必須Webhooks以外のWebhooksは任意で実装すればOKです。) また、必須Webhooksの3つはHTTPSのエンドポイントでのみ作成可能です。上述したEventBridgeやPub/Subを利用することはできません。 GDPRとは? GDPR(General Data Protection Regulation:一般データ保護規則)は、ヨーロッパ連合(EU)の個人情報保護法規で、2018年5月25日から施行されています。これは、EU全域での個人情報のプライバシーを保護し、データの取り扱い方に関して個々の人々により多くの制御権を付与するためのものです。 GDPRは、EU市民または居住者の個人データを処理する全ての組織に適用されます。これには、EU内外の組織も含まれ、EUの市民や居住者のデータを処理する場合、世界のどこにその組織があろうともGDPRの規定を守る必要があります。 GDPRの主な目的は、個人が自分の個人データをどのように収集、保存、使用されるのかを知り、そしてその制御をする権利を持つべきであるという考え方を強化し、統一化することです。これは、個人情報の透明性、アクセスの権利、修正の権利、忘れられる権利(データ削除の権利)、データ移行の権利など、いくつかの重要な権利を個々の人々に付与します。 参考: ChatGPT 必須Webhooksの対応例 上記で説明したように、必須WebhooksとはGDPRに準拠するためのWebhooksなので、顧客情報、ストア情報をデータベースなどに保存しているかどうかで対応方法が変わります。...

      Shopifyの必須Webhooks (Mandatory Webhooks)とは? GDPR...

      小笠原 京平

      今回はShopifyアプリ開発を始めたときに詰まるポイントの1つ「必須Webhooks」について解説します。実装をしていなかったり、実装が不十分なためにレビューが通らなかった経験をされた方は多いんじゃないでしょうか?レビューで詰まらないためにも、ぜひご確認ください! Webhooksとは? Shopifyの必須Webhooksを説明する前に、Webhooksについて理解しましょう。Webhooksとは、Webアプリケーションと連携するために用いられるイベント通知の仕組みです。Webhooksを使うことで、あるWebアプリケーションで特定のイベントが起きたときに、データを受け取ったり、何かしらの動作をすることが可能になります。 エンジニアにとって身近な例でいうと、GitHubにコードをプッシュしたときに自動でビルドやテストをするときにWebhooksが使われています。 ShopifyのWebhooks そんなWebhooksはShopifyでも使うことができます。Shopifyアプリ開発では、Shopify Admin APIからWebhooksを使うことができます。また、アプリ以外でもShopify管理画面からWebhookを作成することもできます。 ShopifyのWebhooksにはHTTPSのエンドポイントのほか、Amazon EventBridgeやGoogle Cloud Pub/Subといったメッセージングサービスを使うこともできます。購読するイベントやマーチャントによっては瞬間的に大量のWebhooksを処理する必要があるため、スケールさせやすいメッセージングサービスを使ってWebhooksを処理することをおすすめします。 必須Webhooks (Mandatory Webhooks) とは? 必須Webhooksとは、Shopifyアプリを開発するときに必ず実装しなければならない3つのWebhooksのことです。この3つのWebhooksはGDPRに対応するために必要なWebhooksで、EU加盟国に関わらず、すべてのShopifyアプリはGDPRに準拠しなければなりません。必須Webhooksを実装していない場合、アプリレビューで却下されます。 (3つの必須Webhooks以外のWebhooksは任意で実装すればOKです。) また、必須Webhooksの3つはHTTPSのエンドポイントでのみ作成可能です。上述したEventBridgeやPub/Subを利用することはできません。 GDPRとは? GDPR(General Data Protection Regulation:一般データ保護規則)は、ヨーロッパ連合(EU)の個人情報保護法規で、2018年5月25日から施行されています。これは、EU全域での個人情報のプライバシーを保護し、データの取り扱い方に関して個々の人々により多くの制御権を付与するためのものです。 GDPRは、EU市民または居住者の個人データを処理する全ての組織に適用されます。これには、EU内外の組織も含まれ、EUの市民や居住者のデータを処理する場合、世界のどこにその組織があろうともGDPRの規定を守る必要があります。 GDPRの主な目的は、個人が自分の個人データをどのように収集、保存、使用されるのかを知り、そしてその制御をする権利を持つべきであるという考え方を強化し、統一化することです。これは、個人情報の透明性、アクセスの権利、修正の権利、忘れられる権利(データ削除の権利)、データ移行の権利など、いくつかの重要な権利を個々の人々に付与します。 参考: ChatGPT 必須Webhooksの対応例 上記で説明したように、必須WebhooksとはGDPRに準拠するためのWebhooksなので、顧客情報、ストア情報をデータベースなどに保存しているかどうかで対応方法が変わります。...

    • Shopifyアプリの課金ってどうやるの? 課金方法とサブスクリプション設計を解説

      Shopifyアプリの課金ってどうやるの? 課金方法とサブスクリプション設計を解説

      小笠原 京平

      Shopifyアプリの課金とは? Shopifyアプリの課金方法は、大きく分けてShopify内で決済する方法とShopify外で決済する方法の2つあります。 Shopify内で決済する場合、Shopifyアプリの料金は、マーチャントからShopifyに支払われ、税金や手数料を除いた料金がShopifyからアプリベンダーに支払われます。 Shopify内で決済する一番のメリットはマーチャントが課金する際にクレジットカード等の入力が不要なため、そのぶんの課金ハードルが低いことです。 デメリットは手数料をShopifyに支払う必要があることですが、現状ではよっぽど稼ぐアプリを作らない限り気にするほどではないので、Shopify内で決済させるのがよいと思います。 Shopify外で決済する場合、アプリベンダーは独自の決済フローを用意する必要があります。 こちらについては今回は触れません。以下はすべてShopify内の課金についての説明になります。 Shopifyアプリの課金の流れ Shopifyアプリで課金するための道具はすべてShopify側が用意してくれています。 したがって、Shopifyアプリは決められたパターンの実装するだけで、簡単に課金が行なえます。 Shopifyアプリの課金はざっくりと以下の流れで行われます。 【アプリ】Shopifyアプリの画面内に配置された課金ボタンをユーザーがクリック 【サーバー】課金の種類(種類については後述します)、課金額、プラン名などを元にShopify GraphQL APIにリクエストを送る 【サーバー】ユーザーに課金してもらうためのURLを含むデータをAPIから受け取り、アプリに渡す 【アプリ】課金用のURLにリダイレクト 4で表示された課金用のページでユーザーが課金を選択したら、課金が行われます。 (もちろん、キャンセルを選択して離脱する可能性もあります) 課金の種類 Shopifyでの課金方法はいくつかあります。 1つ目は定額料金プラン(固定額プラン)です。 定額料金には月払いと年払いのどちらかを選ぶことができます。 2つ目は使用状況に基づくプランで、いわゆる従量課金と呼ばれるプランです。 何の使用状況によって、どのくらいの課金をするかはアプリが決めることができます。 (メール配信をするアプリならメールの配信量、商品販売に関連するアプリなら販売された商品金額など) 3つ目は1と2を組み合わせたプランです。 ここでは定額料金の年払いは選択できませんので、月払い + 従量課金の組み合わせのみになります。...

      Shopifyアプリの課金ってどうやるの? 課金方法とサブスクリプション設計を解説

      小笠原 京平

      Shopifyアプリの課金とは? Shopifyアプリの課金方法は、大きく分けてShopify内で決済する方法とShopify外で決済する方法の2つあります。 Shopify内で決済する場合、Shopifyアプリの料金は、マーチャントからShopifyに支払われ、税金や手数料を除いた料金がShopifyからアプリベンダーに支払われます。 Shopify内で決済する一番のメリットはマーチャントが課金する際にクレジットカード等の入力が不要なため、そのぶんの課金ハードルが低いことです。 デメリットは手数料をShopifyに支払う必要があることですが、現状ではよっぽど稼ぐアプリを作らない限り気にするほどではないので、Shopify内で決済させるのがよいと思います。 Shopify外で決済する場合、アプリベンダーは独自の決済フローを用意する必要があります。 こちらについては今回は触れません。以下はすべてShopify内の課金についての説明になります。 Shopifyアプリの課金の流れ Shopifyアプリで課金するための道具はすべてShopify側が用意してくれています。 したがって、Shopifyアプリは決められたパターンの実装するだけで、簡単に課金が行なえます。 Shopifyアプリの課金はざっくりと以下の流れで行われます。 【アプリ】Shopifyアプリの画面内に配置された課金ボタンをユーザーがクリック 【サーバー】課金の種類(種類については後述します)、課金額、プラン名などを元にShopify GraphQL APIにリクエストを送る 【サーバー】ユーザーに課金してもらうためのURLを含むデータをAPIから受け取り、アプリに渡す 【アプリ】課金用のURLにリダイレクト 4で表示された課金用のページでユーザーが課金を選択したら、課金が行われます。 (もちろん、キャンセルを選択して離脱する可能性もあります) 課金の種類 Shopifyでの課金方法はいくつかあります。 1つ目は定額料金プラン(固定額プラン)です。 定額料金には月払いと年払いのどちらかを選ぶことができます。 2つ目は使用状況に基づくプランで、いわゆる従量課金と呼ばれるプランです。 何の使用状況によって、どのくらいの課金をするかはアプリが決めることができます。 (メール配信をするアプリならメールの配信量、商品販売に関連するアプリなら販売された商品金額など) 3つ目は1と2を組み合わせたプランです。 ここでは定額料金の年払いは選択できませんので、月払い + 従量課金の組み合わせのみになります。...

    1 6

    編集プロセス

    EコマースやShopifyの初学者にとって、できるだけ “やさしく” “わかりやすく” “正確に” 難しいコマース用語やマーケティング用語、ストア構築から販売までの仕組み・ノウハウを伝えることを心がけて、記事コンテンツを作成しています。

    掲載情報に関して

    掲載している各種情報は、株式会社Tsunが経験および、調査した情報をもとにしています。できるだけ“最新“かつ“正確“な情報の掲載に努めておりますが、内容を完全に保証するものではありません。当サイトによって生じた損害について、株式会社Tsunではその賠償の責任を一切負わないものとします。掲載情報に誤りがある場合には、お手数ですが株式会社Tsunまでご連絡をいただけますようお願いいたします。