Shopifyの販売チャネルを徹底解説|一覧と追加手順、注意点も

Shopifyの販売チャネルを徹底解説|一覧と追加手順、注意点も

ECサイトを運営する上で、「どこで商品を売るか」は売上に大きな影響を与えます。Shopifyには自社オンラインストアだけでなく、SNSやモールなど、さまざまな販売チャネル(商品を販売するための接点やプラットフォーム)が用意されています。

販路を広げたいと考える方の中には、次のような疑問を持つ方も多いでしょう。

「Shopifyにはどんな販売チャネルがあるの?」 「Shopifyの販売チャネルを追加・削除する方法が知りたい」

本記事では、販売チャネルの概要やメリット・注意点、具体的な種類、そして追加・削除の手順までを解説します。この記事では、自社に合った販売チャネルを整理し、売上拡大につながるヒントをお伝えします。

Shopifyの販売チャネルとは?

Shopifyの「販売チャネル」とは、商品を販売するための場所や媒体を指します。

販売チャネルを活用することで、自社のオンラインストアだけでなく、SNSやモール、実店舗など複数のチャネルで商品を販売できるようになります。例えば、Instagramで商品をタグ付けして販売したり、Googleショッピングに出品したり、楽天市場やAmazonと連携して販売することも可能です。

Shopifyが優れているのは、どの販売チャネルで販売しても商品データや在庫を一元管理できることです。つまり、在庫数や価格を個別に調整する必要がなく、ひとつの管理画面からすべてのチャネルに同期できます。これにより、運営負担を減らしながら、販路拡大による売上アップを目指せます。

この販売チャネルはショップの成長段階に合わせて柔軟に追加・削除が可能です。小規模事業者はオンラインストアから始め、需要が高まればSNSやモールに広げる、といった段階的な拡張もできます。

Shopifyの販売チャネルを増やすメリット

Shopifyの販売チャネルを増やすことで得られる代表的なメリットを紹介します。

メリット1. 顧客接点の拡大

販売チャネルを増やす最大のメリットは、顧客との接点を増やせることです。自社のオンラインストアに加え、InstagramやTikTokなどのSNSで商品を紹介すれば、新しい顧客層にリーチできます。また、楽天市場やAmazonなどの大規模モールに出店すれば、モール内検索から流入する購買意欲の高い顧客を獲得できるでしょう

メリット2. 購買機会の最大化

顧客が普段利用しているプラットフォームからスムーズに商品を購入できるようになるため、購入のハードルが下がります。例えば、YouTubeライブで商品を紹介したときに、その場でShopifyの商品ページへ遷移して購入できるといったケースです。

このように販売チャネルを増やすことで、売上につながるチャンスを最大化できます。

Shopifyの販売チャネルを増やす際の注意点

販売チャネルを増やすとさまざまなメリットが得られる一方で、注意点もあります。

注意点1. 運営負荷の増加

Shopifyは複数チャネルの在庫・商品データを一元管理できますが、実際の運営では各チャネル特有の作業が残ります。たとえば、モールごとの出品ルールへの対応、SNSにおける定期的なコンテンツ更新やコメント対応などが必要です。これらはShopifyの自動同期機能だけではカバーできず、運営チームの負担が増える要因になります。

さらに、チャネルごとに「売れ筋商品が異なる」「ユーザー層が違う」といった特徴もあり、それに合わせた商品訴求やキャンペーン設計も求められるでしょう。

注意点2. ブランド体験の一貫性

複数チャネルで販売する際は、価格・顧客対応・デザインの一貫性に注意が必要です。チャネルごとに価格やキャンペーンが異なりすぎると、不信感やブランド価値の毀損につながります。顧客対応のスピードや丁寧さに差が出ることも、信頼を損ねる要因です。さらに、商品ページのデザインやメッセージのトーンがバラバラだと、ブランドの世界観が伝わりにくく、認知やファン形成の妨げになるでしょう。

販売チャネルを増やす際は、リソースや運営体制、ブランド体験などを考慮しながら段階的に拡大することが大切です。

Shopifyで利用できる販売チャネル一覧

Shopifyでは、自社オンラインストアだけでなく、SNSやGoogle、国内外のモール、実店舗販売など幅広いチャネルに対応しています。これらをすべてShopifyの管理画面から操作できるため、複数の販売経路を効率的に運営することが可能です。

この章では日本のストア向けに、主な販売チャネルとその特徴を紹介します。今回取り上げる販売チャネルは以下の通りです。

  1. オンラインストア
  2. Facebook & Instagram
  3. Google & YouTube
  4. TikTok Shop
  5. Pinterest
  6. 楽天市場
  7. Amazon
  8. Shopify POS
  9. 購入ボタン(Buy Button)
  10. Shopアプリ
  11. 卸売

ひとつずつ解説します。

オンラインストア

Shopifyの販売チャネルの基本となるのが「オンラインストア(ECサイト)」です。Shopifyのテーマテンプレートを活用して、ウェブページを作成。デザインのカスタマイズも可能です。

また、商品の販売、ブログの公開、会員制度の運用なども行えます。EC事業のスタート地点として最も多くの事業者に利用されています。

なお、各販売チャネルでは、Shopifyのアカウントだけで販売が開始できるわけではなく、連携先のアカウントや登録が必要な場合がほとんどです。チャネルによっては審査やアカウント開設にお金が必要な場合があるので注意してください。

Facebook & Instagram

FacebookショップとShopifyを連携することで、投稿や広告から商品ページに直接誘導できます。Metaピクセルを使えば広告効果の最適化やリマーケティングも可能で、特に広告運用との相性が抜群です。

また、Instagramショッピング機能を使えば、商品タグを投稿やストーリーズに設置し、シームレスに購入へつなげられます。ビジュアル訴求に強い商材(ファッションや美容系など)を扱うShopifyストアに特に有効です。

下記のブログ記事では、Facebook & Instagramを利用して、ShopifyにMetaピクセルを設定する方法を解説しています。ご参考にしてください。

Google & YouTube

GoogleとShopifyを連携すれば、Googleショッピング広告などで商品を表示可能に。検索意図が強いユーザーにリーチでき、CV率の高い集客チャネルとなります。

また、YouTubeショッピング機能を利用すると、動画やライブ配信に商品リンクを表示できます。長尺動画やレビュー動画とShopifyストアをつなぐことで、購買意欲の高い視聴者を効率的に取り込めます。

TikTok Shop

2025年6月にローンチされたTikTok ShopとShopifyを連携すると、動画やライブ配信に商品を直接タグ付け可能です。ショート動画を活用したZ世代向けマーケティングに適しており、新規顧客獲得チャネルとして有望です。

詳しくは下記のブログ記事を参考にしてください。

Pinterest

Pinterestは「アイデア探し」の利用が多いSNSです。Shopifyと連携すれば、保存(ピン)された画像から直接購入へ誘導できます。インテリアやライフスタイル商材、海外ユーザー向け越境ECとの相性が高いです。

楽天市場

日本最大級のECモールである楽天市場ともShopifyは連携可能です。在庫・受注を一元管理でき、モールと自社ECを両立させたい事業者に適しています。楽天市場の集客力を活かしつつ、自社サイトへの誘導導線も作れます。

Amazon

ShopifyからAmazonに商品を出品・管理できるため、在庫の一元化や受注処理の効率化が可能。世界的なECモールの集客力を活かしつつ、自社サイトとの併用戦略がとれます。

詳しくは下記のブログ記事を参考にしてください。

Shopify POS

Shopify POSを使えば、実店舗とオンラインストアを一元管理できます。オフラインの販売データもShopifyで集約でき、顧客管理や在庫管理を統合できるのが強みです。

詳しくは下記のブログ記事を参考にしてください。

購入ボタン(Buy Button)

たとえば、自社のブログやサイトに購入ボタンを設置できる機能です。簡易的に販売チャネルを拡大できるため、小規模事業者やテスト販売にも便利です。

Shopアプリ

Shopifyが提供するモバイルショッピングアプリ「Shop」に自動的に商品が掲載され、ユーザーがアプリ内で商品を検索・購入できます。ユーザー数1億人以上のShopユーザー基盤へのリーチが可能です。

卸売

Shopify Plusで利用できる卸売専用のチャネルです。BtoB向けに特化した価格表や注文条件を設定でき、法人取引やリピート購入を効率化します。

詳しくは下記のブログ記事を参考にしてください。

Shopify販売チャネルを追加・削除する方法

Shopifyでは、販売チャネルを柔軟に追加・削除できます。オンラインストアだけでなく、SNSやモールなど必要に応じて販路を広げたり、不要になったチャネルを整理したりすることが可能です。ここでは、販売チャネルの追加と削除の基本的な流れを解説します。

販売チャネルを追加する手順

販売チャネルの追加は、Shopifyアプリのインストールと手順が同じです。

まずShopifyのアプリストアにアクセスします。ヘッダーメニューの「アプリを閲覧する」をクリックし、「販売チャネル」を選択します。

Shopifyアプリストアのカテゴリ一覧

画像出典:Shopifyアプリストア

すると、販売チャネルを追加するためのアプリが表示されます。

Shopifyアプリストアの販売チャネルカテゴリ

この中から、インストールしたい販売チャネルを選択します。もちろん、検索バーに販売チャネル名を入力して、検索しても構いません。

今回の例では、販売チャネルアプリ「Google & YouTube」をインストールしてみます。アプリ画面で「インストール」をクリックします。

Google & YouTube|Shopifyアプリストア

画像出典:Google & YouTube|Shopifyアプリストア

確認画面が表示されますので、再度「インストール」をクリックします。

「インストール」をクリック

これでShopifyストアに販売チャネル「Google & YouTube」がインストールされました。

Shopifyの販売チャネル内に「Google & YouTube」がインストールされた様子

この後は、販売チャネルを有効化する設定を行っていきます。

販売チャネルを削除する手順

不要になった販売チャネルの削除手順です。Shopifyの管理画面より、「設定」 > 「アプリと販売チャネル」の順に選択します。

削除したい販売チャネルの横にある「⋯(三点リーダー)」をクリックし、「アンインストール」を選択します。

販売チャネルのアンインストール

注意事項が表示されますので、よく確認してください。問題なければ、チェックボックスにチェックを入れ、「アンインストール」をクリックします。

「アンインストール」をクリック

これで販売チャネルの削除は完了です。

Shopify販売チャネルを活用して販路を広げよう

この記事ではShopifyの販売チャネルについて解説しました。

販売チャネルはオンラインストア、SNS、モール、実店舗など、さまざまな場所・媒体で商品販売を可能にし、商品や在庫を一元管理できる点が大きな魅力です。ストア事業者は、自社の規模やターゲットに合わせて適切なチャネルを追加し、販路を拡大することで、新しい顧客層にリーチできるでしょう。

一方で、チャネルを増やすほど運営の負担やコストも増えるため、段階的に導入していくことが重要です。小規模事業者はSNS連携から始め、中規模以上であればモールやPOSを組み合わせるなど、成長に合わせた活用を検討してみてください。

販売チャネルを適切に活用すれば、売上の最大化が見込めます。自社に合ったチャネルを見極め、販路を広げていきましょう。

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