Shopifyのストア改善をするとき、「とりあえず変えてみる」「結果を見てから考える」という進め方になりがちです。しかし、思わぬ売上の低下やムダな修正作業につながることも少なくありません。
そこでおすすめなのが、Shopify公式が提供するAIシミュレーションアプリ「SimGym」です。SimGymを活用すれば、改善したストアの公開前にその効果検証が可能になります。
この記事では、SimGymの概要や機能、導入前に押さえておきたいポイントを整理します。
ShopifyのAIシミュレーションアプリ「SimGym」とは?

SimGymは、Shopifyが提供するAIシミュレーションアプリです。顧客の行動を模した「AIショッパー(AI買い物客)」を使い、あなたのストアでテーマ変更やデザイン調整、新しい施策アイデアがどのように働くかを公開前にテストできます。
実際のユーザーが訪れる前に、買い物の流れや反応をAIでシミュレーションできるため、変更の影響を事前に把握しやすくなります。
2026年1月時点でリリースされているのは、AIリサーチプレビュー版(試験版)です。今後、正式版のリリースが見込まれます。
SimGymの主な機能・できること
ここではSimGymの主な機能やできることを紹介します。
AIショッパーで顧客行動をシミュレーションする
SimGymの中心となる機能は、AIショッパーがあなたのストアを「仮想で訪問し、実際の顧客のように動く」ことです。これにより、実際に顧客がサイトに訪問する前に、サイト内の使いにくい・迷いやすいポイントなどを見つけることができます。
ストアの変更を公開前にテストできる
ストア変更を公開後に、実際の顧客行動を検証するツールはいくつかあります。しかし、SimGymはストア変更を「公開する前に試せる」ところが、これまでのツールと異なる点です。
たとえばテーマの変更やページの配置を事前にテストすることで、公開後のアクセス数や売上減少リスクを抑えられます。実際の訪問者が来る前に問題点を見つけられるので、安心してストア改善の判断ができるようになるでしょう。
AIが改善のヒントを教えてくれる
SimGymは単なるシミュレーションだけでなく、AIショッパーの行動結果に基づいた改善のヒントを提供してくれます。
たとえば、「欲しい商品を見つけるのが大変でした。このサイトのナビゲーションは良くありません。」「検索フィルターが機能せず、興味のない商品を除外できませんでした」といった形で、具体的な改善のヒントが得られるため、改善の方向性を考える際のヒントとして活用しやすくなります。
指標を見ながら効果を比較できる
SimGymでは、AIショッパーの行動をもとにカート追加率や遷移パターンなどのデータ指標も確認できます。これにより、どの変更が購買体験に良い影響を与えているか、客観的に比較しやすくなります。
数値を見ながら改善の優先順位を決める際にも役立つでしょう。
ShopifyにSimGymを導入するメリット
ShopifyストアのSimGymを導入するメリットを紹介します。
売上を下げる原因も、今うまくいっている点も事前にわかる
SimGymを使うと、AIが実際の顧客のようにストアを回遊し、「どこで迷いやすいか」「どこで購入を止めやすいか」といった売上を下げている原因を事前に把握できます。それだけでなく、「どの導線やページがスムーズに機能しているか」といった、今うまくいっているポイントも教えてくれるのも大きな特徴です。
そのため、直すべき場所だけを的確に改善でき、反対に、本当は機能している部分をうっかり壊してしまうような誤った修正を防ぐことができます。「変えたら売れなくなった」という失敗を避けながら、売上につながる改善だけを効率よく積み重ねられる点は、SimGymならではの大きなメリットと言えるでしょう。
ムダな改修ややり直しを減らせる
通常の改善作業は、変えてみる → 様子を見る → また直すという試行錯誤が多くなりがちです。SimGymを使えば、変更前に結果をある程度予測できるため、やり直しの回数を大きく減らせるでしょう。
結果として、外注費や作業時間などのコスト削減にもつながり、少ない労力で効率よくストアを改善できるようになります。
顧客目線でストアを見直せる
ストアを長く運営していると、「自分には当たり前」の導線や表現が、顧客にはわかりにくいことがあります。SimGymのAIショッパーは、初めて訪れる人に近い目線で動くため、客観的な視点で課題を見つけられるでしょう。
これにより、固定観念や既成概念を排除して、より買いやすく、迷いにくいストア作りができるようになります。
ShopifyアプリSimGymの導入方法とウェイトリストの登録手順
ここからはSimGymを導入し、ウェイトリストに登録する手順について解説します。
はじめにShopifyアプリストアより、「SimGym」をインストールします。

画像出典:SimGym|Shopifyアプリストア
Shopifyストアで再度インストールの確認が表示されますので、「インストール」をクリックします。

これでインストール完了です。
続いて、アプリの管理画面で「ウェイトリストに登録」をクリックします。ウェイトリストとは順番待ちリストのことです。

これでウェイトリストに登録されたので、Shopifyからの連絡を待ちましょう。
ShopifyアプリSimGymを使用する際の注意点
様々な効果が期待できるSimGymですが、使用に際して注意点もあります。よく確認してから、導入を検討してください。
日本語には対応していない
SimGymの管理画面は日本語化されておらず、英語が中心です。そのため、英語の読解に不安がある場合は、導入前後に内容をしっかり確認したり、翻訳ツールを併用したりしましょう。
理解や操作のハードルが上がる可能性がある点には注意が必要です。
シミュレーションごとに料金が発生する
SimGymは無料でインストール可能ですが、シミュレーションを実行するごとに追加料金が発生する従量課金モデルです。つまり、無制限にAIシミュレーションを実行できるわけではなく、利用量に応じたコストがかかります。
シミュレーションは実行するたびに1クレジットを消費し、クレジット残高を使い切った後は10ドルずつ費用がかかります。やみくもにシミュレーションを行うと、多大なコストが発生しかねない点には注意が必要です。
なおクレジット配布の詳しい条件は、アプリ内で確認してください。
※本記載は2026年1月時点の情報を元にしています。
リサーチプレビュー段階のため検証が必要
SimGymは現在、リサーチプレビュー段階のアプリであり、正式リリース前の試験版です。
そのため、機能や挙動が今後変更される可能性があり、実際のストア運用でどの程度役立つかは導入後に検証する必要があります。また、日本国内での正式な提供やサポート体制が整うかどうかも今後のアップデート次第でしょう。
試用中は、他の改善ツールや実データとの比較も行いながら効果を判断することをおすすめします。
AIシミュレーションは実際の顧客行動を完全には再現しない
SimGymのAIショッパーは、実際の顧客行動を模したものですが、「完全な予測」ではありません。AIの動きは統計的な傾向を基づいており、リアルユーザーの多様な行動や感情的な判断までは反映されない点は押さえておきましょう。
AIシミュレーションツール「SimGym」を活用して、ストアを最適化しよう
この記事ではShopifyが提供するAIシミュレーションアプリ「SimGym」について、概要や機能、メリット、そして注意点を解説しました。
SimGymは、AIショッパーによるシミュレーションを通じて、効果的で効率的なストア改善を支援する新しいタイプのアプリです。感覚や経験に頼らず、事前に“結果を予測してから改善できる”点は、今後のストア運営において大きな武器になるでしょう。
現在はリサーチプレビュー段階かつウェイトリスト制のため、すぐに使えるわけではありませんが、競合より一歩先に改善の精度を高めたいストアにとって、今から注目しておく価値は十分にあるアプリと言えるでしょう。