メルマガや広告など、さまざまなマーケティング施策を実施できるShopify。Shopifyではマーケティング施策の実施データを管理画面上で確認できます。またマーケティングのオートメーション(自動化)機能が提供されており、効率的な運用も可能です。
「管理画面のマーケティングはどんなデータが取得できるの?」 「管理画面のマーケティングの用語と見方を教えて」 「マーケティングの業務負担が大きい。自動化などの改善ができないか?」
この記事を読むことで上記のような疑問や課題が解決します。 マーケティング施策の改善は、実施データの取得と分析があってこそ。本記事の内容を参考にぜひマーケティングデータの取得と分析、施策の改善に取り組んでみてください。
Shopifyのマーケティング施策については以下の記事をごらんください。
Shopifyと相性の良いマーケティング施策15選|成功させるコツも紹介Shopify管理画面のマーケティングで取得できるデータ
Shopifyストアで取得したマーケティングデータは、管理画面の左サイドメニュー「マーケティング」で確認できます。
画像出典:Shopify
取得できるデータ項目には「コンバージョン率」や「平均注文金額」などの注文に関する基本情報の他に、「マーケティングに起因する売上」や「マーケティングアプリのCTR(クリック率)」など、マーケティングの詳細情報もあります。
また各チャネル(広告、検索流入、SNSなど)のアクセスデータや売上データなどの取得も可能です。これらのデータを前月比や前年度比など期間ごとにも比較できます。
詳しい画面の見方については、次章で解説します。
データ連携できるSNSや広告、アプリ
SNSや広告、Shopifyアプリを連携させてデータを取得し管理画面で確認することも可能です。連携できる代表的なSNSや広告、アプリは以下の通りです。
- Facebook、Instagram
- Google広告
- YouTube
- TikTok
- Shopifyメール
- Klaviyo
その他のデータ連携できるアプリなどは、ShopifyアプリストアのShopify マーケティングと連携を参考にしてください。データ連携が可能なSNSや広告、アプリを活用している運営者の方は、忘れずに連携しましょう。
連携方法は簡単です。「マーケティングアプリ」の項目より、該当のアプリを選択します。表示されていない場合には、「マーケティングアプリをさらに表示する」をクリックします。
アプリを選択して、「開く」をクリックします。まだインストールしていない場合には、先にインストールをします。
画像出典:Klaviyo|Shopifyアプリストア
データアクセスの確認画面が表示されるので、「更新」をクリックします。これで連携完了です。
Shopify管理画面のマーケティングの見方
この章では、主なマーケティング用語とマーケティング画面の見方について解説します。マーケティング画面は、ダッシュボードと各マーケティング施策ごとの画面にわけられます。
マーケティングで使用する用語解説
管理画面のマーケティングを確認する上で必要となる用語について解説します。
- セッション:Webサイトに訪問してから離脱するまでの一連の流れ。
- コンバージョン:Webサイト上で、企業が期待する成果につながる具体的なアクション。例:商品購入、会員登録
- インプレッション:広告や投稿が画面上に表示された回数。
- CPA (Cost Per AcquisitionまたはCost Per Action):1件の成果獲得にかかる費用のこと。広告費用÷コンバージョン数で算出。
- CTR (Click Through Rate):広告の表示回数に対するクリック数の割合。クリック数÷インプレッション数×100で算出。
- CAC (Customer Acquisition Cost):新規顧客1人を獲得するためにかかる総費用。新規顧客獲得にかかった総費用÷新規顧客獲得数で算出。
- チャネル:顧客とつながるための接点や媒体。例:実店舗、ECサイト、SNS
- ファネル:顧客が商品購入に至るまでの段階的なプロセス。
- エンゲージメント:ユーザーとブランドとの関わり合いの度合い。
ダッシュボード
Shopifyの管理画面にアクセスし、左サイドメニューの「マーケティング」を選択した際に表示される画面が、ダッシュボードです。ダッシュボードの左上で、表示期間を指定できます。
画像出典:Shopify
画面に表示されるデータ項目は以下の通りです。
- オンラインストアのセッション数
- オンラインストアのコンバージョン率
- 平均注文金額
- 販売合計
- マーケティングに起因する売上
- マーケティングに起因する注文数
- 上位マーケティングチャネル
- インストール済みのマーケティングアプリのアクティビティ
各データ項目の右上にあるレポートマークをクリックすることで、詳細レポートを確認できます。
例えばオンラインストアのセッション数では、期間における各チャネルごとの「売上」「セッション数」「注文数」「費用」「新しいお客様(新規ユーザー数)」「リピーター」などが確認できます。
この画面では広告の費用対効果やCPA、CTRなども確認できるため、マーケティング施策の効果測定が効率化されるでしょう。
各マーケティング施策ごとの画面
左サイドメニューよりマーケティングを選択した際に、さらにその下にも「マーケティング」の項目が表示されます。この項目を選択すると、各マーケティング施策の取得データが一覧表示されます。
項目をクリックすると該当のマーケティング施策の詳細データが確認できます。
確認できる項目は以下の通りです。
- 売上
- 注文数
- 平均注文金額
- コンバージョン率
- 費用
- CAC
- 広告の費用対効果
- インプレッション
- CTR
- 新規顧客とリピーターの比較
- 売上高別上位の注文
- キャンペーンエンゲージメント
- 販売された上位の商品
- デバイスタイプ別のセッション数
- ロケーションによるセッション
この画面では、各マーケティング施策がどれくらいコンバージョンに貢献しているか、その費用対効果はどのくらいか、どの商品が該当のマーケティング施策と相性が良いか、などさまざまな洞察を得ることが可能です。
注目するべきデータ
一般的に特に注目すべきは以下の項目です。
- コンバージョン率:売上に直結する重要指標であるため
- CAC:顧客獲得の効率性を示す重要指標であるため
- 新規顧客とリピーターの比較:長期的な事業成長の重要指標であるため
ただし、戦略や事業形態、商品・サービスによって、重要となる項目に違いがあります。自社において、どの項目に着目すべきかよく検討してください。
Shopifyのマーケティングオートメーション機能
Shopifyの管理画面項目「マーケティング」には「自動化」という項目があります。この自動化(オートメーション)について、メリットや活用シーン、設定方法を解説します。
マーケティングオートメーションとは?活用のメリット
オートメーションを活用することで、顧客との関係構築や面倒なメール送信などを自動化することができます。
マーケティングオートメーションの主なメリットは以下の通りです。
- 手作業を減らすことで時間とコストを節約
- 手作業によるヒューマンエラーの防止
- 24時間365日の対応が可能
これらのメリットをなんと無料で享受することができます。マーケティング施策を実施している方はぜひ設定してみましょう。
マーケティングオートメーションの活用シーン
マーケティングオートメーションはさまざまなシーンで活用できます。以下に例を挙げます。
- カゴ落ち顧客へのリマインド:購入途中で離脱した顧客に自動でメールを送信し、購入を促す。
- 新規顧客へもウェルカムメール配信:初めて購入した顧客に御礼と歓迎のメッセージを送り、ブランドロイヤリティを高める。
- 定期購入や再購入の促進:商品購入から一定期間が経過した顧客に対して、再購入を促す。
- 誕生月に特別オファーを配信:顧客の誕生月に、メッセージとクーポンを自動配信する。
上記の例以外にも、さまざまなシーンで活用できます。このマーケティングオートメーションはメールマーケティングと特に相性が良い機能です。メールマーケティングを行なっている方は、積極的に活用していきましょう。
マーケティングオートメーションの設定方法
マーケティングオートメーションの設定方法を解説します。テンプレートが用意されているため、初心者の方でも簡単に作成可能です。
なおマーケティングオートメーションの利用には、Shopify公式が提供する自動化アプリ「Shopify Flow」のインストールが必要です。
画像出典:Shopify Flow|Shopifyアプリストア
まず管理画面より「マーケティング」 > 「自動化」の順に選択します。画面に表示される「テンプレートを表示」をクリックします。
画像出典:Shopify
以下のようなオートメーションのテンプレートが表示されます。
- カゴ落ちを回復させる
- お客様の誕生日を祝う
- 登録者に新商品を通知する
など
テンプレートの中から目的に合ったものを選択しましょう。
今回の例では「カゴ落ちを回復させる」をクリックしてみます。テンプレートの解説と、テンプレート利用に必要なアプリが表示されます。このテンプレートの活用には「Shopify メール」のアプリが必要です。
条件を変更したい場合には「編集」をクリックします。「オートメーションをオンにする」をクリックすると、有効化されます。
自身でオートメーションを作成したい場合には、テンプレート選択画面の右上にある「カスタムオートメーションを作成する」のボタンをクリックしてください。
オートメーションの編集やカスタムオートメーションの作成は、アプリShopify Flowで行います。ShopifyFlowの使い方は以下の記事を参考にしてください。
Shopify Flowとは?|メリットやデメリット、設定方法を紹介管理画面のマーケティングを活用して、マーケティング施策を改善しよう
この記事ではShopifyの管理画面のマーケティングで取得できるデータと画面の見方、マーケティングオートメーションについて解説しました。
取得したデータを分析することで、マーケティング施策をより効果的に改善できるでしょう。またオートメーションを活用することで、効率的に実施することが可能になります。今回の内容を参考に、ぜひ設定してみてください。
最後に、下記のブログ記事では、マーケティング以外の商品管理や注文管理など管理画面の機能を紹介しています。ご参考にしてください。