【Shopify Flow】ディスカウント別に注文・顧客タグを自動付与する設定方法

【Shopify Flow】ディスカウント別に注文・顧客タグを自動付与する設定方法

Shopifyストアの運営では、利用されたディスカウント(クーポンコード)に応じて注文や顧客を分類し、その後のマーケティングや顧客対応に活用したいというニーズが頻繁に発生します。たとえば、特定のキャンペーンコードを利用した顧客に対してフォローアップメールを送信したり、初回購入限定のディスカウントを利用した注文を特別に管理したりする場合などです。

このような運用を手動で行うと、注文ごとにディスカウントの内容を確認してタグを付与する必要があり、非常に手間がかかります。しかし、Shopify Flowを活用すれば、この作業を完全に自動化することが可能です。

本記事では、Shopify Flowを利用して、注文時に使用されたディスカウントに応じて注文タグや顧客タグを自動付与する方法を詳しく解説します。ディスカウントの「適用方法(自動ディスカウント/クーポンコード)」と「ディスカウントタイプ(注文/商品/配送)」の組み合わせごとに設定方法が異なるため、各ケースに応じた具体的な手順をご紹介します。

ディスカウントの種類

Shopifyのディスカウントには、下記の種類が存在します。

適用方法

Shopifyのディスカウントには、「自動ディスカウント」と「クーポンコード」の2種類の適用方法が存在します。適用方法に応じて、Shopify Flowで利用する条件項目(変数)が異なるため、どちらの適用方法を利用しているディスカウントなのか事前に把握しておく必要があります。

  • 自動ディスカウント:自動ディスカウントは、条件に達成したタイミングで自動で割引が適用される方法です。
  • クーポンコード:クーポンコードは、条件に達成した状態で、お客様自身がチェックアウトページのクーポンコード入力フォームにコードを直接入力することで割引が適用される方法です。

自動ディスカウントとクーポンコードの違いについては、下記のブログ記事で詳しく紹介しています。ご参考にしてください。

ディスカウントタイプ

Shopifyのディスカウントには、「商品ディスカウント」と「注文ディスカウント」、「配送ディスカウント」の3種類のディスカウントタイプが存在します。ディスカウントタイプに関しても適用方法と同様に、Shopify Flowで利用する条件項目(変数)が異なるため、事前に把握しておく必要があります。

  • 注文ディスカウント:注文自体を割引するディスカウントです。ディスカウントページの「注文の定額割引」を利用して作成したディスカウントが該当します。
  • 商品ディスカウント:商品価格を割引するディスカウントです。ディスカウントページの「商品の定額割引」や「Buy X Get Y」を利用して作成したディスカウントが該当します。
  • 配送ディスカウント:配送料を割引するディスカウントです。ディスカウントページでは「無料配送」を利用して作成したディスカウントが該当します。

ディスカウントタイプについての詳しくは、下記のブログ記事をご参考にしてください。

ディスカウントに応じてタグを付ける方法

本章では、Shopify Flowを利用して「注文時に利用した自動ディスカウントに応じて、任意の注文タグや顧客タグを付与する方法」をご紹介します。Shopify Flowを導入していない方は「事前準備」から順番にご確認ください。すでにShopify Flowを導入している方は「ステップ1」からご確認ください。

事前準備:Shopify Flowをインストール

出典:

出典:Shopify Flow|Shopifyアプリストア

(1) Shopify App StoreよりShopify Flowのアプリページにアクセス

(2) 「インストール」をクリック

Shopify Flowとは?

Shopify Flowとはストア運営において発生するあらゆるタスクや処理を自動化してくれるShopify純正のアプリです。これまではプレミアムプランでしか利用できませんでしたが、2023年7月よりBasicプランからも利用できるようになりました。Shopify FlowはShopifyアプリストアより無料でインストールすることができます。ZapierやIFTTTなどのオートメーションツールに近いサービスです。

Shopify Flowに関する詳細は、下記のブログ記事をご参考にしてください。

ステップ1:トリガーで新規注文時(Order Created)を設定

「ワークフローを作成」をクリック

(1) Shopify Flowアプリを開く

(2) 「ワークフローを作成」をクリック

「トリガーを選択」をクリック

(3) 「トリガーを選択」をクリック

「order created」のトリガーを追加

(4) 「order created」のトリガーを追加

ステップ2:条件でディスカウントの変数を設定

(1) ステップ1で追加した「Order Created」にマウスをフォーカス

(2) 「+(プラス)アイコン」をクリック

(3) 「条件」をクリック

「変数を追加」をクリック

(4) 「変数を追加」をクリック

(5) 「適用方法」と「ディスカウントタイプ」によって下記の変数を追加

  • 自動ディスカウント&注文ディスカウントの場合:Order > discountApplications > AutomaticDiscountApplication > title
  • 自動ディスカウント&商品ディスカウントの場合:Order > lineItems > discountAllocations > discountApplication > AutomaticDiscountApplication > title
  • 自動ディスカウント&配送ディスカウントの場合:Order > shippingLines > discountAllocations > discountApplication > AutomaticDiscountApplication > title
  • クーポンコード&注文ディスカウントの場合:Order > discountApplications > DiscountCodeApplication > code
  • クーポンコード&商品ディスカウントの場合:Order > lineItems > discountAllocations > discountApplication > DiscountCodeApplication > code
  • クーポンコード&配送ディスカウントの場合:Order > shippingLines > discountAllocations > discountApplication > DiscountCodeApplication > code
Code(または、Title)を入力

(6) (5)で追加した変数の下記のCode(または、Title)を入力

  • 自動ディスカウント:変数のTitleへ、ディスカウントのタイトルを入力
  • クーポンコード:変数のCodeへディスカウントコードを入力

ステップ3:アクションでタグ付けを設定

(1) ステップ2で追加した条件にマウスをフォーカス

(2) 「真」をクリック

(3)「アクション」をクリック

(4) 付与したいタグのアクションを追加

  • 注文タグを付与したい場合:「Add order tags」のアクションを追加
  • 顧客タグを付与したい場合:「Add customer tags」のアクションを追加
アクションのTagsに付与したいタグを追記

(5) (4)で追加したアクションのTagsに付与したいタグを追記

ステップ4:ワークフローをオンにする

「ワークフローをオン」をクリック

(1) ステップ3までの設定が済んだら、「ワークフローをオン」をクリック

ステップ5:動作テスト

ディスカウントコードを利用した注文

(1) ディスカウントを利用して注文する

顧客タグが付与されている様子

(2) 意図通りにタグが付与されているか確認する

意図通りにタグが付与されていたら、設定は終了です。

ℹ️ 本記事では、適用方法がクーポンコード(コード:TEST_CODE)&注文ディスカウントを利用した場合に、顧客タグに「TEST」を自動で付与するワークフローを設定しています。

最後に

本記事では、Shopify Flowを利用してディスカウントに応じた注文タグや顧客タグの自動付与方法をご紹介しました。

ディスカウントの適用方法(自動ディスカウント/クーポンコード)とディスカウントタイプ(注文/商品/配送)の組み合わせによって、Flowで参照する変数が異なります。設定前に、対象となるディスカウントがどの種類に該当するか確認することが重要です。

この自動化により、ディスカウント利用顧客の管理やセグメント化が効率的に行えるようになり、その後のマーケティング施策や顧客対応の質を向上させることができます。

Shopify Flowには他にも多数のテンプレートや活用方法が用意されています。ストア運営の効率化にぜひ活用してみてください。

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編集プロセス

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