機能性に優れたECプラットフォーム「Shopify」。Shopifyには「顧客セグメント」と呼ばれるお客様を分類する機能があり、ストアのマーケティングに大いに役立ちます。
「顧客セグメントでどんなことができるの?」
「顧客セグメントの作り方が知りたい」
「マーケティングで顧客セグメントを最大限活用できるアプリを教えて」
この記事を読むことで、上記のような疑問が解決します。
顧客セグメントについて理解すると、適切なターゲット層にリーチできるようになり、自社ストアのマーケティングがより効率化されるでしょう。今回の内容を参考に、ぜひマーケティングに取り入れてみてください。
Shopifyの顧客セグメントとは?
セグメントとは共通の特徴・条件で分類したグループのことです。Shopifyの顧客管理のセグメント(顧客セグメント)では、ストアの顧客を特定の条件によって分類することが可能です。
セグメント方法は「購入金額の多いVIP」「◯月が誕生月の顧客」「30代女性」「東京在住」などさまざまな切り口で設定できます。
注意点として、セグメントできる顧客データは以下のいずれかに該当する人に限られます。
- 過去にShopifyのオンラインストアで注文したことがある
- 注文後にチェックアウト離脱したことがある
- メルマガや会員に登録したことがある
- 管理者側で手動で入力した顧客情報
顧客セグメント以外の顧客管理については以下の記事を参考にしてください。
顧客セグメントの活用例
顧客セグメントの具体的な活用例を紹介します。
商品購入後、一定期間経過した顧客へのメール配信
使用期間がある商品などを販売している場合には、一定期間後に顧客へのサポートメールを配信することがとても効果的です。
例えば、浄水器など数年で交換が必要になる製品では、交換タイミングを先読みして顧客に連絡することで、再購入の促進や新製品へのアップグレードなど売上アップが見込めます。また他製品への乗り換え防止にもつながるでしょう。
優良顧客へのクーポン配布
一定の購入金額があった顧客や注文回数が一定数以上の顧客を、「優良顧客」として分類することも可能です。条件には期間を設定することも可能なため、優良顧客をさらに細分化することもできます。
贔屓(ひいき)にしてくれていることへの感謝を伝えつつ、割引クーポンなどを提供すれば、顧客ロイヤリティの向上が期待できるでしょう。
特定の国や都市の在住者に対してキャンペーンを適用
顧客セグメントでは顧客の住所データを元にセグメントを作成することも可能です。オンラインストアと実店舗の両方がある場合、特に有効に活用できます。
例えば、実店舗が東京にある場合、オンラインストアに登録されている顧客データの中から、東京近郊に住んでいる顧客をピックアップし、実店舗で使えるクーポンやキャンペーンの配信が可能です。
既にブランドの顧客になっている人に対して、実店舗への来店を促進できれば、さらなる売上アップが見込めるでしょう。
顧客セグメントの作成方法
顧客セグメントはプログラムを組むことで、自動的にグルーピングされます。顧客セグメントのプログラム作成は、テンプレートが用意されているため、初心者でも作成可能です。
顧客セグメントの作成方法は以下の2つです。
・テンプレートを活用した作成
・絞り込みによる作成(手動で作成)
顧客セグメントの作成画面は、Shopifyの管理画面にて「顧客管理」 > 「セグメント」 > 「セグメントを作成」の順に選択します。
画像引用:Shopify
作成画面の上部で「テンプレート」と「絞り込み」が選択できます。
作成方法ごとに画像付きで解説します。
テンプレートを活用した作成手順
「テンプレート」を選択するとテンプレートメニューが表示されます。テンプレート項目は以下の6つです。
- 初回のお客様エンゲージメントを高める
- 価値の高いお客様のエンゲージメントを高める
- お客様のリエンゲージメントを高める
- ターゲットストアフロントでの行動
- 購入行動をターゲットにする
- 特定のロケーションをターゲットにする
項目を選択するとテンプレートが複数表示されますので、目的に応じて選択しましょう。テンプレートの具体例を紹介します。
- 最近、ストアで購入した顧客
- 最近コレクションを閲覧した顧客
- 特定の商品を購入した顧客
- メールを開封したが購入しなかった顧客
- 特定の都市の顧客
目的に合致したテンプレートを見つけたら、「このテンプレートを使用」をクリックします。
「特定の都市のお客様」のテンプレートを用いて作成手順を解説します。
テンプレートを選択すると画面上にプログラムが表示されますので、「’’」の中に都市名を入力。今回は「hachiouji」と入力しました。候補が表示されますので、該当の都市を選択します。(東京の都市コードはJP-13)
追加で絞り込み条件を設定することができます。「なし」「OR」「AND」の中から選択します。
- A OR B:Aの条件またはBの条件のどちらかを満たすとき
- A AND B:Aの条件とBの条件の両方を満たすとき
今回は「OR」を選択しました。追加条件を選択します。今回は「市区町村」を選択します。
処理を選択します。特定の都市を含む場合にセグメントに追加されるように、「CONTAINS」を選択しました。
「yokohama」を入力すると候補が表示されましたので、該当するものを選択します。(神奈川の都市コードはJP-14)
プログラムの設定が完了したら、「適用」をクリックします。
プログラムが適用され、該当した顧客だけがリストに表示されました。「セグメントを保存する」をクリックします。
セグメントにわかりやすい名称を付けておきます。「保存」をクリックします。
テンプレートを用いた作成手順は以上です。普段プログラミングを行わない方には不慣れなコードや用語が出てきますが、日本語で解説が表示されますので、ひどく迷うことはないでしょう。
絞り込みによる作成手順
ロジックを手動で作成する「絞り込み」による手順を解説します。新しいセグメントの作成画面で「絞り込み」を選択すると、項目が一覧表示されます。
今回は「2022年4月1日以降に注文があった顧客」のセグメントを作成します。
項目「過去の注文」を選択し、「日付範囲」を選択します。
「開始(◯月◯日以降)」を選択します。
日付をカレンダーより選択します。「2022年4月1日」を選択しました。
注文の有無を選択します。「注文が行われました」を選択します。
プログラムが作成されましたので、「適用」をクリックします。
指定した「2022年4月1日以降に注文があった顧客」だけがリストに表示されました。
わかりやすい名称を付けて保存します。
絞り込みを用いた作成手順は以上です。絞り込みによるセグメント作成は柔軟性が高い一方で、やみくもに作成をし始めると混乱したり、エラーが発生したりしかねません。コツはセグメントしたい顧客の条件を綿密に検討してから、作成を始めることです。
顧客セグメントを最大限活用するアプリ
顧客セグメントが作成できたら、それらを有効活用しましょう。以下で紹介するアプリと併用することで、効果的なマーケティングを行うことができます。
Shopify メール
画像出典:Shopify メール|Shopifyアプリストア
「Shopify メール」はShopify公式が提供するメールマーケティングアプリです。顧客セグメントを用いて分類した顧客リスト宛にメール配信が可能です。
例えば、「注文金額が◯万円以上の顧客に対してキャンペーンメールを配信する」「一定期間購入がない顧客に対し、クーポンを配信する」などのマーケティング施策が実施できます。
10,000通まで無料で利用可能なため、小規模事業者にもおすすめです。
Shopify メールの設定方法は、以下の記事で詳しく説明していますので参考にしてください。
Shopifyメールとは?特徴や料金プラン、使い方をご紹介Shopify Flow
画像出典:Shopify Flow|Shopifyアプリストア
Shopify Flowは、Shopifyの業務自動化アプリです。このアプリを用いることで、顧客セグメントを活用したマーケティングの自動化が可能です。
例えば、「実店舗近隣の顧客」というセグメントを用意しておき、「実店舗の近隣顧客が追加された際に、実店舗の案内とクーポンを自動発行する」という施策が実施できます。これにより、オンラインストアと実店舗のシームレスな連携を図ると同時に、作業の手間や漏れを削減することが可能です。
Shopify Flowの設定方法は、以下の記事で詳しく説明しているので参考にしてください。
Shopify Flowとは?|メリットやデメリット、設定方法を紹介CRM PLUS on LINE
画像出典:CRM PLUS on LINE|Shopifyアプリストア
「CRM PLUS on LINE」ではShopifyの顧客セグメントを元に、LINEでメッセージ配信をすることが可能です。
例えば、「特定の商品Aの購入履歴がある顧客に対して関連商品Bを提案する」、「誕生月の顧客にクーポンを配信する」などのマーケティング施策を実施できます。
LINEはメールよりも開封率が高いため、公式LINEの運用と合わせて行うと良いでしょう。
顧客セグメントを活用して効果的なマーケティングを実施しよう!
本記事では顧客セグメントの概要と作成方法、最大限活用するアプリについて解説しました。
顧客セグメントを活用することで、ターゲット顧客の絞り込みが適切に行え、マーケティング施策の効率アップと効果の最大化が図れるでしょう。
今回の内容を参考に、ぜひ顧客セグメントの活用に取り組んでみてください。