ECサイトの売上を拡大させる上で、既存顧客との関係構築(CRM)は欠かせない施策の一つです。その代表格である「メルマガ」や「自動配信メール」を始めたいけれど、「外部ツールは高機能すぎて使いこなせない」「毎月の固定費を抑えたい」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、Shopifyが公式に提供しているマーケティングアプリ「Shopify Messaging(旧名称:Shopifyメール)」をご紹介します。
このアプリは、Shopifyの管理画面から直接操作でき、ストアのデザインと統一感のあるメールを直感的に作成できるのが最大の特徴です。さらに、月間10,000通までは無料で利用できるため、コストパフォーマンスも抜群です。
本記事では、Shopify Messagingの主な機能やメリット、具体的な料金体系から、実際に「カゴ落ちメール」を配信するための設定手順までをわかりやすく解説します。これからメールマーケティングを強化したいマーチャント様は、ぜひ参考にしてください。
Shopify Messaging(旧:Shopifyメール)とは?

Shopify Messaging(旧:Shopifyメール)は、Shopify純正のメッセージ配信アプリです。このアプリを使用することで、Shopifyストア運営者はメルマガ作成から送信、データ分析、テンプレート管理、SMS配信までをShopify管理画面内で行うことができます。また、毎月最大10,000通まで無料でメールを送信でき、メール配信アプリの中ではとても費用が安いです。
Shopify Messagingの特徴・メリット
コストが安い
基本的な機能を無料で利用でき、毎月最大10,000通まで無料でメールが配信できます。
Shopifyの各データと連携可能

Shopifyストアの商品データや顧客情報と直接連携できます。エディター上で、Shopify内の商品やブログ記事などを検索し、メールに挿入することもできます。
直感的で使いやすい

直感的な操作で、専門知識がなくてもメールキャンペーンを作成できます。エディターではパーツを選択し、設定値やテキストを変更するだけで、簡単にデザインの整ったHTMLメールを作成する事ができます。
テンプレートが豊富

様々なデザインテンプレートが用意されており、簡単にデザインの整ったメールを作成できます。また、オートメーションメールのテンプレートも豊富にあり、テンプレートの中からカゴ落ちメールなど、配信したいオートメーションメールを選択し、設定することが可能です。
メールから商品購入へ直接進める
Shopify Messagingでは、商品のチェックアウトができる「エクスプレスチェックアウトボタン」をメール内に設置することができます。エクスプレスチェックアウトボタンを利用することで、お客様は、メールから直接商品の購入へ進むことができます。
分析機能で効果測定が可能

Shopify Messagingには、送信したメールの効果を詳細に分析できる機能が搭載されています。この機能を利用することで、マーケティング戦略の効果を正確に把握し、継続的な改善につなげることができます。
基本的な指標として、メールの開封率やクリック率を測定することができます。これにより、何人の受信者がメールを開いたか、またメール内のリンクをクリックした人数の割合を知ることができます。さらに、EC業界に特化した詳細なデータも提供されます。例えば、メールを見てストアを訪れた人数、メールを通じて発生した注文の数、そしてメールがきっかけとなって生まれた売上金額などが含まれます。
Shopify Messagingのデメリット
機能が物足りない
他のメール配信アプリと比べると機能が少なく、物足りなく感じる場合があります。
カスタマイズ性が乏しい
テンプレートで利用できるパーツが少なく制限があり、メールのカスタマイズ範囲が限られています。そのため、他のメール配信アプリでは実現可能な表現も、Shopify Messagingでは実現できない可能性があります。
複雑なメルマガ配信には不向き
大規模なメールキャンペーンや複雑なセグメンテーションには不向きな場合があります。
Shopify Messagingの料金プラン
Shopify Messagingの料金プランはシンプルで、毎月最大10,000通まで無料でメール送信ができ、10,000通を超えた場合、1,000通につき1ドルの従量課金となります。
この料金体系により、小規模から中規模のビジネスでも負担なくメールマーケティングを始められます。
Shopify Messagingの使い方
キャンペーンメールを配信する
- アプリ > Emailの順に移動します。
- 「キャンペーンを作成」を選択し、メールキャンペーンを選びます。
- テンプレートを選択し、内容をカスタマイズします。
- 送信先リストを選択し、スケジュールを設定して配信します。
オートメーションメールを配信する
- アプリ > Emailの順に移動します。
- オートメーションテンプレートから、実施したいオートメーションメールを選択します。
- トリガーとなるイベント(例:新規顧客登録)を修正します。
- 送信するメールの内容を修正します。
- オートメーションをアクティブにします。
カゴ落ちメールを配信する
- アプリ > Emailの順に移動します。
- オートメーションテンプレートから、「カゴ落ち」のテンプレートを選択します。
- カゴ落ちメールのテンプレートを選択し、カスタマイズします。
- Wait(送信タイミング)などを修正します(例:カゴ落ちから24時間後)。
- オートメーションを保存し、アクティブにします。
下記のブログ記事ではカゴ落ちメール以外にも実施できるカゴ落ち対策を紹介しています。ご参考にしてください。
Shopifyでカゴ落ち対策!原因や対策方法、Shopifyアプリも紹介
テンプレートを作成する

- メールのエディタを開きます。
- エディタの「(…)三連リーダー」をクリックします。
- 「テンプレートを保存」をクリックします。
- テンプレート名を入力し、「保存」をクリックします。
最後に
本記事では、Shopify公式アプリ「Shopify Messaging」の特徴や料金、導入方法について解説しました。
多機能な外部のメールマーケティングツール(KlaviyoやOmnisendなど)は、細かなセグメント配信や複雑なシナリオ構築ができる反面、コストや設定の難易度が高くなりがちです。
一方、Shopify Messagingは以下の点において、これからメール施策を始める事業者にとって最適な選択肢と言えます。
- 低コスト: 月10,000通まで無料、超過分も安価な従量課金制
- 簡単操作: 管理画面内で完結し、商品やロゴの配置もスムーズ
- 即効性: カゴ落ちメールなどの鉄板施策がテンプレートですぐに実施可能
まずはShopify Messagingを使って、コストをかけずに顧客へのアプローチを開始してみてはいかがでしょうか。そこで運用に慣れ、より高度な分析や複雑な自動化が必要になった段階で、外部ツールへの移行を検討するのも一つの賢い戦略です。
まだ導入されていない方は、ぜひ今日からインストールして、ストアのファン作りをスタートさせてみてください。
最後に、下記のブログ記事ではShopifyでおすすめのメール配信アプリを紹介しています。ご参考にしてください。
