ECサイトを運営していて、makeshopからShopifyへの移行を検討しているけれど、データ移行やコスト、作業内容について悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
本記事では、makeshopとShopifyの違いをわかりやすく解説し、移行にともなうメリット・デメリットや、具体的なデータ移行の手順について詳しく紹介します。SEOや売上への影響を最小限に抑えつつ、スムーズにShopifyへ移行するための方法を解説します。
makeshopとShopifyの違いは?
まずはmakeshopとShopifyの違いについて確認しましょう。
売上向上で利益があがりやすいmakeshop
画像出典:makeshop
makeshopは、流通額が多く日本でも多くのショップが利用しているECプラットフォームです。特に魅力なのは、販売手数料が0円で、クレジットカード決済手数料が業界最安水準の3.14%から利用できる点です。これにより、売上が増えるほど利益をしっかり確保できる仕組みになっています。
また、makeshopはサポートも充実しています。お店の立ち上げからオープン後まで、売上アップやデザインに関する相談に対して、専門のサポートチームが無料でバックアップします。makeshopが発表するサポート満足度は98%と、多くのユーザーから信頼を得ていることが伺えます。
越境ECがしやすくカスタマイズ性が高いShopify
画像出典:Shopify
Shopifyは日本以外の170以上の国でも利用されており、開設されたショップは現在までに全世界で数百万にものぼります。Shopifyは多言語・多通貨対応に優れており、50以上の言語と130以上の通貨に対応しているため、越境ECを展開し世界中の顧客に向けた販売をスムーズに行うことができます。
Shopifyはマーケティングや在庫管理などの機能をニーズに合わせて追加できる点も大きな魅力です。商品登録数が無制限のため、幅広い商品を扱う企業にも最適です。
makeshopとShopifyにかかる費用の違い
Shopifyは初期費用が0円で、月額使用料はプランにより異なり、ベーシックプランで3,650円、Advancedプランで44,000円など幅があり、カード決済手数料もプランごとに異なります。Shopifyペイメントを利用すれば取引手数料は0円です。ただし、Shopifyペイメントを利用しない場合は0.2~2%の手数料がかかります。
一方、makeshopは初期費用が11,000円、月額使用料は12,100円と高めの設定になっています。しかし、取引手数料が0%で、カード決済手数料もプレミアムプランで3.19%と低いため、売上が増えるほど利益も増加する仕組みになっています。
Shopifyは低コストで始められる点が魅力ですが、取引回数や売上の増加により手数料がかかるため、自社の売上規模や必要な機能に合わせて選択することが大切です。
サービス名 | Shopify(2024年10月時点) | makeshop(2024年10月時点) |
---|---|---|
初期費用 | 0円 | プレミアムプラン:11,000円 エンタープライズプラン:11,000円~ |
月額使用料 ※年払い選択 |
ベーシック:3,650円 Shopify:10,100円 Advanced:44,000円 ※Plusは最低料金2,300ドル |
プレミアムプラン:12,100円 エンタープライズプラン:55,000円~ |
カード決済手数料 | ベーシック:3.55~3.9% Shopify:3.4~3.85% Advanced:3.25~3.8% Plus:2.9~3.75% ※カードブランドにより変動 |
プレミアムプラン:3.19% エンタープライズプラン:3.14% |
取引手数料 | Shopifyペイメント利用:0% ※利用しない場合は0.2~2%までプランにより変動 |
0% |
makeshopとShopifyの機能・カスタマイズの違い
Shopifyは、190種類以上のデザインテーマがあり、初心者でも簡単にショップを開設できる点が魅力です。また、独自のLiquid言語を使用することで、より自由にデザインをカスタマイズできます。さらに、8,000種類以上のアプリが利用することでショップの拡大に伴って機能を追加していくこともできます。
一方、makeshopは、無料で利用できる17種類のテーマと89種類の拡張機能があります。さらに、WorldShopping BIZとの連携により、228の国へ配送が可能ですが、対応言語は4つに限られています。
どちらのプラットフォームも独自ドメインの使用が可能で、自社のブランドイメージに合わせたオンラインストアの構築ができます。
サービス名 | Shopify(2024年10月時点) | makeshop(2024年10月時点) |
---|---|---|
デザインテーマ | 190種類以上(無料・有料) | 17パターン(無料のみ) |
テーマのカスタマイズ | HTML/CSS/Liquid | HTML/CSS |
拡張機能(アプリ) | 8,000種類以上 | 89種類 |
商品登録 | 無制限 | プレミアムプラン:10,000点 エンタープライズプラン:50,000点 |
独自ドメイン | 〇 | 〇 |
SSL/TLS | 対応 | プレミアムプラン:13,200円/年 エンタープライズプラン:無料(独自SSLも対応可) |
海外対応 | 50以上の言語130か国以上の通貨対応 | WorldShopping BIZに自動連携 ※228の国と地域に配送 ※4言語対応 |
makeshopとShopifyの月商ごとの費用シュミレーション
以下の表では、月商ごとにかかるコストの違いを独自に計算しました。
月の売上が300万円以下のケースでは、Shopifyの方が運営コストが低くなることがわかります。
売上 |
makeshop プレミアムプラン |
Shopify ベーシックプラン |
---|---|---|
月商10万円 | 14,205円 | 6,062円 |
月商20万円 | 16,311円 | 8,475円 |
月商30万円 | 18,416円 | 10,887円 |
月商40万円 | 20,522円 | 13,299円 |
月商50万円 | 22,627円 | 15,712円 |
月商100万円 | 33,154円 | 27,773円 |
月商300万円 | 75,262円 | 76,019円 |
月商500万円 | 117,370円 | 124,265円 |
<算出条件>※初期費用は含んでいません
- makeshop プレミアムプラン
- 月額使用料:12,100円(税込)
- カード決済手数料:3.19%(VISA/MASTER/JCB AMEX/DINERS)
- 取引手数料:0%
- Shopify ベーシックプラン
- 月額使用料:3,650円(税込)※年払いした場合の月額
- カード決済手数料:VISA/MASTER/JCB 3.55%・AMEX/DINERS 3.90%
- 取引手数料:0%(Shopifyペイメント利用想定)
※カード売上構成比を60%、注文単価を10,000円、VISA・MASTER構成比を70%、JCB構成比を24%、その他決済構成比を6%で計算し算出
makeshopからShopifyへの移行メリット
グローバル展開を目指す企業や、ブランドイメージを強化したい企業には、Shopifyへの移行をおすすめします。
国際市場を視野に入れた越境EC運営、独自デザインの構築が容易であるなど、自社の展望に合わせてストアをカスタマイズしていくことが可能です。また、低コストで始めたい人にとっては月額3,650円のベーシックプランも魅力的です。
こうした強みから、Shopifyはグローバル展開を考える企業やより独自性のあるストア展開をしていきたい企業にとっては優れたプラットフォームといえるでしょう。
makeshopからShopifyへの移行手順
makeshopからShopifyに移行する手順は主に2通りの方法があります。
- ShopifyのCSVファイルにmakeshopのデータをコピーしてShopifyにアップロードする
- Shopifyアプリ「Matrixify」を使用して移行する
CSVファイルだけでは移行できない項目もあるため、基本的にはMatrixifyの活用がおすすめです。
makeshopからShopifyに移行可能なデータ
makeshopからShopifyに移行可能なデータをまとめました。商品データ、受注データ、顧客データはShopifyのCSVファイルを加工することで移行ができます。
画像についてはCSVファイルに移行する前にShopifyに画像データを登録してファイル名を指定しましょう。商品を購入することで貯まったポイントについては、Shopifyアプリを使うことで移行ができます。
データ | 方法 |
---|---|
商品データ | CSVでインポート Shopifyアプリ「Matrixify」を使用する |
顧客データ | CSVでインポート Shopifyアプリ「Matrixify」を使用する ※makeshopの顧客のパスワード情報は移行できない ※makeshopの顧客データは姓名が1枠にまとまっているため、ShopifyのCSVに移行する際は姓・名に分ける必要がある |
受注データ | CSVでインポート Shopifyアプリ「Matrixify」を使用する |
商品画像データ | Shopifyの商品登録画面からメディアに手動で画像を入れる CSVでインポートするときに画像のファイル名を指定する |
ポイントの移行 | アプリによっては可能なケースもあり 詳しくは各 ポイントアプリベンダーへ事前に問い合わせてください |
ShopifyのCSVデータを使ったデータ移行
ここでは、CSVファイルを使って移行ができる商品データと顧客データの移行方法をご紹介します。
1.Shopifyを開設する
Shopify公式サイトにアクセスし、メールアドレスを入力してアカウントを登録します。
「オンラインまたは実店舗での販売をすでに行っています」をクリック
「メイクショップ」を選択
以降は販売する商品などを選択して開設を進めます。
なお、Shopifyストア開設の手順は下記のブログで詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
Shopifyの始め方(構築方法)|会員登録からストア開設(立ち上げ)までの流れ
2.makeshopのデータを移行するため、ShopifyからサンプルCSVをダウンロードする
商品データをインポートする場合は、商品管理からインポートを選択し「サンプルCSVをダウンロード」をクリックする。
顧客データを移行する場合は、顧客管理からインポートを選択し、サンプルCSVをダウンロードしてください。
3.ShopifyからダウンロードしたサンプルCSVをGoogleスプレッドシートにインポートする
Googleスプレッドシートを新規作成し、左上のファイルからインポートをクリック。文字化けを防ぐためにもGoogleスプレッドシートでの作業をおすすめします。
インポートの画面が表示されたら、アップロードを選択
ShopifyのCSVファイルとmakeshopのCSVファイルをアップロード
- インポート場所:新しいシートを挿入する
- 区切り文字の種類:自動的に検出する
4.makeshopのCSVデータをShopifyのサンプルCSVデータにあわせて貼り付ける
Shopifyはカナダ発のECプラットフォームのため、CSVファイルは英語表記になっています。
項目ごとの詳しい内容は
を確認してください。
まずはShopifyのサイトに直接makeshopの商品を登録することをおすすめします。登録データがある状態でShopifyからCSVファイルをエクスポートすると、サンプルCSVファイルと見比べながら作業ができます。
5.作成したShopifyシートをダウンロード
ファイルからダウンロードを選択し、カンマ区切り形式(.csv)でダウンロードします。
6.商品管理または顧客管理からそれぞれのCSVファイルをインポート
CSVファイルをインポートをするとプレビューが表示されます。プレビュー画面を確認してインポートを完了させましょう。
Matrixifyを使ったデータ移行
画像出典:Shopify app store
Matrixifyはmakeshopのデータを一括でShopifyにインポートできる便利なアプリですが、日本語に対応はしていません。また、Demo版は商品データ10件までは無料ですが、プランごとに月額で費用が発生する点には注意が必要です。
なお、Matrixifyについては下記のブログで詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。 Shopifyデータをインポート&エクスポートする「Matrixify」とは?
移行中に注意したいポイント
makeshopからShopifyへ移行する際には、リダイレクト設定が欠かせません。リダイレクトとは、既存のページURLを新しいURLに自動的に転送する仕組みです。
この設定を行うことで、「お探しのページが見つかりません」という404エラーページを防ぎ、SEO評価の低下を避けることができます。特に、既存のお客様が旧URLをブックマークしていた場合、リダイレクトが設定されていないと、アクセスできずにがっかりされてしまう可能性があります。これが原因で、二度と訪問されなくなるかもしれません。
このように、リダイレクト設定をしないと、ユーザーの信頼を失ったり、集客機会を逃す可能性があるため、移行時には必ずリダイレクトを設定しましょう。
具体的なリダイレクトの手順は下記のブログで紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
Shopifyでリダイレクト設定する方法|リダイレクトの種類やタイミングもご紹介
makeshopからShopifyに移行して売上を拡大しよう
makeshopからShopifyへの移行は、グローバル展開や高度なカスタマイズ性、拡張性を求める事業者にとって大きなメリットがあります。makeshopからShopifyへ移行にあたってはShopifyにCSVファイルをインポートする方法もありますが、無駄なく確実にデータを移行するためにはMatrixifyを活用しましょう。