【2025】Shopifyの消費税設定(税込表示・軽減税率)を徹底解説

【2025】Shopifyの消費税設定(税込表示・軽減税率)を徹底解説

ShopifyでECサイトを運営する上で、消費税の設定は避けて通れません。特に、2023年10月から始まったインボイス制度により、その複雑さは増しています。

「消費税の設定方法がわからない」「軽減税率対象商品はどうすればいいの?」といった悩みを抱えるストア運営者も多いのではないでしょうか。

この記事では、日本のShopifyストア運営者に向けて、消費税の基本知識から、具体的な設定手順、さらには海外販売やインボイス制度への対応まで、網羅的に解説します。

この記事を読めば、消費税に関する疑問や不安が解消され、自信を持ってストア運営に臨めるようになるでしょう。

※ 本記事の内容は、税理士監修による一般的な情報を元にしておりますが、事業の状況や経理上のルールによって実際の税務処理が異なる場合があります。最終的な判断は必ずご自身の顧問税理士にご確認ください。

Shopifyの消費税設定を始める前の必須知識

Shopifyで消費税設定を行う前に、日本の消費税制の基本的なルールを理解しておくことが重要です。ここでは、ご自身のストアにどの税率が適用され、納税義務があるのかどうかを判断するために、3つの重要なポイントを解説します。

あなたの商品の消費税率は何%?軽減税率対象商品とは

2025年現在、日本の消費税は標準税率10%と軽減税率8%の2種類が存在します。まずは、あなたのストアで取り扱う商品がどちらに該当するかを正確に把握しましょう。

  • 標準税率 10%:ほとんどの商品やサービスに適用される税率です。
  • 軽減税率 8%:「酒類・外食を除く飲食料品」と「定期購読契約がなされた週2回以上発行される新聞」が対象です。

ただし、おもちゃ付きのお菓子のように、食品と食品以外のものがセットになった「一体資産」には別途ルールが適用されます。また、みりん風調味料は軽減税率8%が適用、本みりんや料理酒は酒類として標準税率10%が適用されるなど、アルコールを含む調味料は種類によって税率が異なります。ご自身の商品が該当するか不明な場合は、国税庁のHPなどで詳細をご確認ください。

Shopifyでは、これらの異なる税率を商品ごとに設定することが可能です。

課税事業者と免税事業者

事業者は、消費税を国に納める義務がある「課税事業者」と、その義務が免除される「免税事業者」に分けられます。

  • 課税事業者:原則として、基準期間(個人事業主の場合は前々年、法人の場合は前々事業年度)の課税売上高が1,000万円を超える事業者
  • 免税事業者:基準期間の課税売上高が1,000万円以下の事業者

ただし、免税事業者であっても、後述するインボイス制度に対応するために、自ら選択して課税事業者になる(「適格請求書発行事業者」として登録する)ケースが増えています。その他、特定の条件下においては、課税事業者になる場合があるため、注意してください。

インボイス制度

2023年10月1日に開始された消費税の新ルール「インボイス制度」(適格請求書等保存方式)は、EC事業者にも影響があります。この制度は、売り手が買い手に対して、適用税率や消費税額などを正確に伝えるためのものです。

特に、あなたのストアの顧客が法人や個人事業主(課税事業者)の場合に重要となります。なぜなら、課税事業者の顧客があなたのストアの商品を購入する際に支払った消費税を、自社の納税額から差し引く「仕入税額控除」を受けるためには、あなたのストアが発行する「適格請求書(インボイス)」が必要になるからです。

Shopifyでインボイス制度に対応した適格請求書を発行するには、アプリや会計ソフトを使用するのがおすすめです。詳しくは、以下の記事を参考にしてください。

Shopifyストアの消費税・税込表示の設定手順

Shopifyで消費税を税込表示で設定する手順を解説します。

ステップ1:消費税率の設定

ストアの所在地が日本に設定されていれば、Shopifyは自動的に日本の消費税(標準税率10%)を適用します。

日本の税率がきちんと適用されているかどうかは、次の手順で確認できます。Shopifyの管理画面より「設定」 > 「関税と税金」の順に選択。「地域別の設定」の項目で「地域」に日本があり、「税金の徴収」にチェックがあれば、設定できています。

Shopify管理画面の関税と税金

画像出典:Shopify

なお、軽減税率(8%)対象商品の設定方法は、次章で解説します。

ステップ2:金額の表示方法を「税込表示」に変更

日本では、消費者に対して価格を表示する際に、消費税額を含んだ総額で表示することが法律で義務付けられています。Shopifyでこの設定を有効にしましょう。

「設定」>「関税と税金」画面を開きます。「グローバル設定」の項目までスクロールし、「商品価格と配送料に売上税を含める」と「配送料に売上税を請求する」にチェックを入れます。

「グローバル設定」の項目までスクロールし、「商品価格と配送料に売上税を含める」と「配送料に売上税を請求する」にチェックを入れます。

画面上部の「保存」をクリックします。この設定により、商品ページやカートに表示されるすべての商品価格、及び配送料が税込価格に切り替わります。

ステップ3:商品の価格を「税込価格」で登録

商品登録時に、価格を税込価格で登録します。例えば本体価格が2,300円の商品の場合、消費税10%分の230円を上乗せした、総額「2,530円」を価格欄に登録します。

また「価格」欄の直下にある「この商品に税を請求する」にチェックを入れます。

「価格」欄の直下にある「この商品に税を請求する」にチェックを入れます

ステップ4:送料の価格を「税込価格」で登録

配送料も税込価格で登録します。例えば送料価格が1,000円の場合、消費税10%分の「100円」を上乗せした価格を登録しましょう。

ステップ5:テスト注文で正しく表示されるか確認

すべての設定が完了したら、オンラインストア上で正しく表示されるか、必ず確認しましょう。

チェックアウト画面に遷移した時に、「¥◯◯の税金を含む」の欄が想定の消費税と一致していたら、設定は完了です。

チェックアウト画面に遷移した時に、「¥◯◯の税金を含む」の欄が想定の消費税と一致していたら、設定は完了です。

画像のサンプルは商品の本体価格が2,300円、送料が1,000円です。それぞれ消費税が230円と100円で、消費税の合計は330円でした。総額は3,630円となり、画像の価格と一致しています。

軽減税率の設定方法

もし、軽減税率(8%)対象商品を扱う場合、追加で設定が必要になります。仕組みを簡単に解説すると、軽減税率の対象商品でコレクション(カテゴリー)を作成し、そのコレクション商品には8%の税率を優先適用します。

まず軽減税率対象商品でコレクションを作成しましょう。

※注意:商品は「手動」で選択する必要があります。

軽減税率対象商品でコレクションを作成

画像出典:Shopify

続いて、管理画面より「設定」 > 「関税と税金」> 「地域別の設定」の項目にある「日本」をクリック。

Shopify管理画面の関税と税金

最下部にある「税の優先適用」の項目にて、「+優先適用を追加」をクリック。

最下部にある「税の優先適用」の項目にて、「+優先適用を追加」をクリック

ポップアップ画面の項目を以下のように設定します。

  • 税の優先適用の追加対象:商品
  • 税の優先適用を適用するコレクション:軽減税率対象商品のコレクション
  • ロケーション:日本
  • 税率:8%

設定後、「優先適用を追加」をクリックします。

最下部にある「税の優先適用」の項目にて、「+優先適用を追加」をクリック

対象となる商品をカートに追加し、チェックアウト画面で確認してみましょう。

本体価格400円の商品をカートに追加しました。軽減税率8%が適用されると、消費税は32円です。以下のサンプル画面では、「¥32の税金を含む」と表示されており、標準税率10%ではなく、軽減税率8%が適用されているのが確認できました。

軽減税率8%が適用されているのか確認

※先述の通り、日本では税込表示が義務付けられているため、商品登録時には本体代金400円と軽減税率の消費税32円を足した432円で登録します。

Shopifyの消費税に関するよくある質問

ここでは、Shopifyの消費税設定に関して特に多く寄せられる質問について、簡潔に回答します。

Shopifyの月額利用料やShopifyペイメントの決済手数料の消費税は?

Shopifyは海外事業者のため、消費税は非課税です。そのため、基本的には月額利用料に消費税はかかりません。ただし、あなたが課税事業者の場合、リバースチャージ方式の対象になります。

クレジットカードの手数料は金融取引にあたり非課税のため、Shopifyペイメントの決済手数料にも消費税はかかりません。

Shopifyはリバースチャージ方式と関係ある?

リバースチャージ方式とは、「外国の事業者からサービスを受けたときに、日本の買い手が代わりに消費税を計算・納税する」という制度です。

この制度は課税事業者のみが対象となり、免税事業者は関係ありません。あなたが課税事業者の場合、Shopifyの利用料やアプリの利用料などにかかる消費税を自ら申告・納税する必要があります。

Shopifyの消費税計算における端数処理は?

消費税を計算する際に、1円未満の端数が発生した場合の処理方法を解説します。Shopifyでは「注文単位で四捨五入する」のが標準の仕様です。

例えば、税込100円の商品における軽減税率8%の消費税は7円と表記されます。これは、消費税が7.40…円のため、小数点第一位の値が四捨五入で切り捨てられたためです。

Shopifyの消費税計算における端数処理

2種類の税込100円の商品を購入した場合、消費税は15円と表記されます。これは7円×2商品=14円となるのではなく、7.40…円×2商品=14.81…円となり、小数点第一位の値が四捨五入で切り上げられたためです。

2種類の税込100円の商品を購入した場合、消費税は15円と表記されます

商品ごとに端数処理を行うのではなく、注文全体の小計に対して税率を掛け合わせ、最終的に算出された税額の端数を四捨五入で処理します。

海外販売では消費税はどうなる?

海外の顧客に商品を販売(輸出)する場合、日本の消費税は課税されません。これを「輸出免税」と呼びます。課税事業者であれば、輸出免税取引においては、仕入れにかかった消費税の還付を申請することが可能です。

Shopifyの消費税設定を正しく理解して、安心なストア運営をしよう

本記事では、Shopifyにおける消費税設定の基礎知識から具体的な設定手順、よくある質問までを解説しました。

消費税の理解は、ECサイト運営において避けては通れません。正しく設定することは、法律を遵守するだけでなく、顧客からの信頼を得て、円滑なストア運営を行うために必要です。

本記事を参考に、消費税の正しい設定を行い、健全で安心なストア運営を実現してください。なお、実際の税設定や決算時の処理などについて詳しくは、税理士など専門家に確認することをおすすめします。

Shopifyで越境ECを始めようとしている方の中には、関税について詳しく知りたい方は下記のブログ記事をご参考にしてください。

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