年末年始はEC需要が高まる重要な時期であり、多くのストアにとって年間の売上を左右する場面となります。
本記事では、調査データから読み取れる初売りセールを含む2025年の年末商戦の特徴を整理し、初売りセール施策に活用できるShopifyアプリを紹介します。
初売りセールがEC売上に与える影響
初売りセールは年末商戦の締めくくりとして実施されることが多く、年末に高まった購買意欲が年始まで続く傾向があります。福袋や数量限定品といった初売りならではの企画が需要を押し上げる点も特徴です。
ここでは、2025年の調査データをもとに、初売りセールの準備に関わる消費行動の傾向を整理します。Shopify Japanが公表した「2025年のBFCMおよび年末商戦に関する消費者調査」(2025年10月時点)(※1)では、日本国内の購買行動に関していくつかの特徴が示されています。
調査結果の概要(2025年10月時点)

出典:Shopify、2025年のBFCMおよび年末商戦に関する消費者調査を発表
- 2024年のBFCM期間(ブラックフライデー・サイバーマンデー)の日本国内ストア売上は前年比54%増
- 平均支出予定額は15,387円で過去最高
- 18〜34歳の42%が「5万円以上の支出を予定」
- 消費者の51%が割引情報の取得にAIを活用
- 情報収集と購買のチャネルは「実店舗とECを均等に利用」が30%
- 「ECで情報収集し実店舗で購入」が27%
これらの結果から、価格比較を含む商品情報の収集行動がECへ依存する傾向が見られ、店舗とオンラインを併用した購買行動が広がっている状況です。
また、BFCM期間の売上が前年比から増額していることから、年末〜初売りセールも前年から売上増加が期待できます。
調査結果から読み解く年末年始の販売傾向
Shopify Japanの調査を基に、年末年始の購買行動に関わる特徴をいくつか整理します。
ECは「購入の場」だけでなく意思決定の基盤としても機能
実店舗とECの併用が一般化しており、購入前にEC上で商品情報を確認する行動が見られます。ECの商品情報を整理し、比較しやすい状態に整えることで、実店舗における最終的な購入行動を後押しできます。
AI検索の利用拡大に伴い、AIO(AI検索最適化)が重要に
51%が割引情報の取得にAIを利用すると回答しており、AI検索時に情報が参照されるよう商品情報を構造化して整理する必要性が高まっています。一方で、「人から購入することが重要」と答えた割合も67%にのぼり、店舗で商品を確認する行動も根強いことが確認されました。
また、OpenAIはChatGPT内で買い物ができる新機能「Instant Checkout」を米国で提供開始しました。まだ日本は未対応ですが、Shopify店舗向けにも順次展開しています。「Instant Checkout」を利用すると、AIと対話をしながら取引を実行できる予定です。今後はEC、店舗に限らず様々なチャネルからの購入に対応する必要があります。
参考:「Shopify and OpenAI bring commerce to ChatGPT」
年末年始はより高額商品の比較検討が進みやすい
若年層を中心に高単価商品の購入意欲が高まっており、特に18〜34歳の支出額は5万円以上と高く見込まれています。比較検討の必要な高額商品のカテゴリは、年始商戦と相性が良いと考えられます。
(※1)参照:Shopify Japan「2025年のBFCMおよび年末商戦に関する消費者調査」
初売りに向けて採用される施策の例
初売りに向けた施策には、店舗だけではなくEC運用の現場でもよく活用されている取り組みがいくつか見られます。ここでは、その中でも採用されることの多い企画をいくつかご紹介します。
お年玉ポイント・期間限定ポイントの付与
年始限定のポイント施策を用意し、次回購入のきっかけを作る構成です。年始は顧客の購買意欲が高いため、単発施策ではなく「翌月以降の再訪」を促す設計としても活用されています。
オンライン福袋の企画
アパレルや食品カテゴリでは、オンラインで福袋を企画するケースが増えています。中身を一部公開する構成は内容を把握しやすく、購入判断を行いやすい形式です。
限定セットやまとめ売りの商品を展開
「限定」「セット」といった商品訴求は検索との相性が良く、初売りに合わせて採用されることが多い企画です。複数商品を組み合わせた販売は、年始のまとめ買い需要にも適しています。
年末から初売り関連商品を掲載し、販売告知
年末の段階から初売り商品を確認する利用者は多く見られます。早い段階で商品を掲載しておくことで、初売り開始時点の購買行動につながりやすくなります。
チャネルを組み合わせた事前告知
メール、SNS、LINEを組み合わせた事前告知は、EC運用における一般的な取り組みです。特に初売りの開始前日や期間中、終了前などのタイミングでリマインドを送る施策が多く見られます。
パーソナライズされたクーポンの発行
購入履歴や閲覧データに基づいて個別にクーポンを配布する施策です。年始は購買意欲が高まりやすいため、ユーザーごとに合ったオファーを届けることで、購入につながる可能性が高まります。
初売りセールの最適な実施時期と期間
ECストアで初売りを実施する際は、年始に需要が高まりやすいことを踏まえて期間を設定するケースが多く見られます。年末の購買意欲を引き継ぎやすいため、1月1日から数日間を中心にセール期間を設ける構成が一般的です。
実施期間で多く見られる構成
- 開始時期を1月1日とするケース
- 期間を3日から5日前後とするケース
購買が活発になりやすいタイミング
- 開始直後の深夜帯
- 元日の午前
- 年始2〜3日の昼から夕方にかけて
短期間で実施することで限定感を生みやすく、BFCMやクリスマス後の「買い逃しを避けたい」という心理が働く点も相まって、年始は購買が動きやすい傾向があります。
初売りセール前に準備しておきたい項目
初売りは短い期間に注文がまとまりやすく、初売りセール開始までにどこまで整備できるかが結果に影響しやすい施策です。
対象商品の設計
以下のようなカテゴリは初売りと相性が良く、多くのストアで取り入れられています。
- 過去にCVRが高かった定番商品
- 限定セットや福袋向けのアソート
- 在庫調整も兼ねた商品群
- セール価格が購入判断に反映されやすい高額商品
特に福袋は複数商品を自然に組み合わせられるため、構成次第でセール全体の売上に大きく寄与します。
初売りセールLP(ランディングページ)の最適化
Shopify Japanの調査では、消費者の51%がAIで割引情報を探すと回答しています。情報が整理されているほど比較されやすいため、AIO対策を意識したLPの構成を検討するのもおすすめです。
- 開催期間・割引率の明記
- 限定品・福袋をページ上部に固定配置
- ランキング・レビューの活用
- モバイル最適化
- カウントダウンで緊急性を演出
- 商品カテゴリを見出しで整理する
- 初売りの要点を章立てで整理する(AIO対策)
集客・プロモーションの事前仕込み
Shopify Japanの調査では 39%が送料無料・返品無料を魅力に感じる と回答しています。一方、これを実施するストアは5%と少なく、他ストアとのセール施策の差別化ポイントになります。
また、事前告知の基本フローとしては、SNSやメールでの事前告知、リマインドの送信が効果的です。
- メール:12月下旬までに事前案内
- SNS:カウントダウン投稿
- LINE:事前予約配信+前日リマインド
- BFCM新規顧客への優先告知
- 過去の初売り購入者への再訪メッセージ
初売りセールに役立つオススメアプリ3選
初売りセールの運営を効率化し、販売機会の最大化に役立つアプリを紹介します。
Shopifyアプリ「RuffRuff 予約販売」:発売予告 + カウントダウンを表示し、初売り前の期待感を演出

初売り当日を「販売開始日時」に設定し、前もって告知ページで「◯月△日0時スタート」「残り〇時間」のようなカウントダウンをサイト上に表示します。購入期限を表示することで顧客の購入意欲を高め、初売りセール期間中に注文を集中させることができます。 Shopifyアプリ「RuffRuff 予約販売」では商品ページ内に販売終了のカウントダウンや、初売りセール開始前に販売予定商品を掲載できます。

Shopifyアプリ「RuffRuff 予約販売」:施策導入イメージ
Shopifyアプリ「RuffRuff 注文制限」:「福袋 or セット販売」専用の商品グループ/コレクションに販売制限

福袋やセット販売用のコレクションに対して、「他の商品とは同梱不可」「単品購入不可」「セットのみ購入可能」といった同梱制限を設けることで、狙いどおりの販売体験を提供可能です。 Shopifyアプリ「RuffRuff 注文制限」ではバリエーション、商品、カート単位で購入制限を設定できます。また、顧客タグ単位でも制限ができるため「VIP顧客向けの福袋」などの特別感のある福袋にも対応しています。
Shopifyアプリ「RuffRuff 購入特典」:初売り限定ギフトで特別感!特定の購入条件で期間限定ギフトを配布

一定金額以上の購入でノベルティを自動付与するなど、初売りの特別感を出す施策に最適です。カート離脱防止にも役立ちます。Shopifyアプリ「RuffRuff 購入特典」では購入金額、購入点数などギフトの付与条件を詳細に設定でき、条件を満たした場合自動でチェックアウト画面にギフトを追加する設定も可能です。

Shopifyアプリ「RuffRuff 購入特典」:施策導入イメージ
初売りセールの成功は「仕組み化」が鍵
初売りセールは短期間に多くの注文が集まりやすく、事前の準備や販売体制の整え方が成果を左右します。年始の購買傾向やAI検索の利用が広がっている点を踏まえながら、商品構成や情報の見せ方、告知の方法を検討しておくことが大切です。また、販売開始後の負荷を減らすためには、アプリを活用した自動化が役立ちます。初売り施策を進める際のヒントとしてお役立ていただければ幸いです。