マルチベンダーマーケットプレイス化するShopifyアプリ|マケプレのメリット・デメリットも紹介

マルチベンダーマーケットプレイス化するShopifyアプリ|マケプレのメリット・デメリットも紹介

マルチベンダーマーケットプレイスとは、複数の独立した販売者が一つのオンラインプラットフォーム上で商品やサービスを提供する仕組みを指します。この形式のマーケットプレイスは、消費者にとって多様な商品を一元的に購入できる利便性を提供し、販売者(ベンダー)にとっては広範な顧客層にリーチする機会を提供します。本記事では、マルチベンダーマーケットプレイスの特徴、メリット・デメリット、そしてShopifyストア運営者向けのおすすめアプリについて詳しく解説します。

マルチベンダーマーケットプレイスとは?

マルチベンダーマーケットプレイス(Multi-Vendor Marketplace)とは、複数の独立した販売者が一つのオンラインプラットフォーム上で商品やサービスを販売するマーケットプレイスのことです。この形式のマーケットプレイスは、多様な商品・サービスを一元的に提供し、消費者にとっては一つのサイトで複数のベンダーの商品を購入できる便利さがあります。

例えば、AmazonやEtsy、楽天市場などがマルチベンダーマーケットプレイスの典型例であり、これらのプラットフォームは多数のベンダーからの商品を提供しています。

マルチベンダーマーケットプレイスの特徴

多様な商品・サービス

複数のベンダーが参加することで、消費者は一つのプラットフォーム上で多種多様な商品やサービスを探して購入できます。

統一されたエクスペリエンス

消費者にとって、同じ操作性やデザインが提供されるため、どのベンダーから購入しても統一感のある購入体験が得られます。

ベンダー管理ツール

プラットフォーム運営者は、各ベンダーに対して在庫管理、注文管理、支払い管理などのツールを提供し、ベンダーはこれを使って商品販売を効率よく管理できます。

手数料と支払いシステム

プラットフォームは通常、売上の一部を手数料として徴収します。また、消費者からの代金を各ベンダーに分配するための支払いシステムが整っています。

ユーザー評価とレビューシステム

消費者は商品の評価やレビューを残すことができ、これにより他の消費者が購入の際に参考にできます。

マルチベンダーマーケットプレイスのメリット・デメリット

プラットフォーム運営者のメリット

収益の多様化

各ベンダーからの手数料や販売手数料を通じて、安定した収益源を確保できます。

商品バリエーションの拡大

多くのベンダーが参加することで、商品ラインナップが豊富になり、顧客の選択肢が広がります。

運営コストの削減

在庫管理や物流の負担をベンダーに分散させることで、運営コストを削減できます。

市場の拡大

多様なベンダーが参加することで、異なる市場や顧客層にリーチすることが可能です。

プラットフォーム運営者のデメリット

品質管理の難しさ

多くのベンダーが参加することで、商品の品質やサービスの一貫性を保つのが難しくなります。

カスタマーサポートの複雑化

各ベンダーごとに異なる対応が必要となり、カスタマーサポートが複雑化します。

競争の激化

同一カテゴリーの商品を扱うベンダー間での競争が激化し、価格競争が発生する可能性があります。

技術的な課題

プラットフォームの運営には高度な技術が必要であり、システムの維持やアップデートが求められます。

ベンダーのメリット

市場アクセスの拡大

マルチベンダーマーケットプレイスを通じて、広範な顧客層にリーチすることができます。

低コスト

自社でオンラインストアを構築し運営するよりも低コストで販売・運営が可能になる場合があります。

マーケティング支援

プラットフォーム運営者によるマーケティング活動の恩恵を受けることができます。

運営の簡便さ

プラットフォームが提供するツールやサポートを利用することで、運営が容易になります。

ベンダーのデメリット

手数料の負担

プラットフォーム運営者に対する手数料が発生し、利益が圧迫される可能性があります。

競争の激化

同一プラットフォーム内で他のベンダーと競争する必要があり、価格競争が発生することがあります。

ブランドの希薄化

プラットフォーム内での販売により、自社ブランドの認知度が低下する可能性があります。

依存リスク

プラットフォームに依存することで、運営方針の変更や手数料の引き上げなどのリスクにさらされることがあります。

マルチベンダーマーケットプレイスアプリ 5選

以下は、Shopifyストア運営者向けにおすすめのマルチベンダーマーケットプレイスアプリです。これらのアプリを使用すると、すでに構築されたECサイトに簡単にマルチベンダー機能を追加できます。

Multi Vendor Marketplace

Multi Vendor Marketplace|Shopifyアプリストア
出典:Multi Vendor Marketplace|Shopifyアプリストア

Multi Vendor Marketplaceは、Shopifyストアをマルチベンダーマーケットプレイスに変換するためのShopifyアプリです。ベンダーごとの商品管理、注文処理、支払い分配を自動化し、運営を効率化します。柔軟な手数料設定、ベンダープロフィールページ、CSVファイルによる商品一括管理など、多機能を備えています。直感的なインターフェースで、初心者から経験豊富なユーザーまで簡単に利用できます。

Multi Vendor Marketplaceの料金プラン

プラン名 料金 内容
Basic Plan $15/月 セラー数(ベンダー数) 3
商品登録数 無制限
セラープロフィールページと商品ページのカスタムフィールド
セラープロフィールページ用カスタムCSS
Executive $40/月 Basic Planの全機能
セラー数(ベンダー数) 10
商品登録数 無制限
Pro $60/月 または、$650/年 Executive Planの全機能
セラー数(ベンダー数) 無制限
商品登録数 無制限
セラープロフィール用カスタムJS/CSS
セラーシッピング
請求書発行
ホワイトラベル
ライブチャット

Onport Multivendor Marketplace

Onport Multivendor Marketplace|Shopifyアプリストア

出典:Onport Multivendor Marketplace|Shopifyアプリストア

Onport Multivendor Marketplaceは、マーケットプレイスとドロップシッピングの運営を自動化し、小売業者やブランドがオンラインマーケットプレイスを効率的に管理・拡大するのを支援します。主要機能には在庫同期、注文ルーティング、配送ワークフロー、支払い自動化、返品管理が含まれ、複雑なバックエンド操作を簡素化します。

Onport Multivendor Marketplaceの料金プラン

要問い合わせ

Center Marketplace

Center Marketplace|Shopifyアプリストア

出典:Center Marketplace|Shopifyアプリストア

Garnet Marketplaceは、Shopifyストアを簡単にマルチベンダーマーケットプレイスへと変換するためShopifyアプリです。直感的で使いやすいインターフェースを提供し、ベンダーのアカウント設定、商品追加、支払いプロセスを簡素化します。Garnetは、豊富な機能と優れたカスタマーサポートを提供し、常に新機能をリリースして改善を続けています。初心者から経験豊富なユーザーまで、誰でも簡単に導入できるように設計されています。

Center Marketplaceの料金プラン

要問い合わせ

ShipTurtle Marketplace Creator

ShipTurtle Marketplace Creator|Shopifyアプリストア

出典:ShipTurtle Marketplace Creator|Shopifyアプリストア

ShipTurtle Marketplace Creatorは、Shopifyストアを簡単に多ベンダーやC2Cマーケットプレイスに変換するためShopifyアプリです。シンプルなインストールと設定で、在庫同期、注文管理、配送追跡、支払い自動化などの機能を提供し、運営を効率化します。50以上の国に対応し、各ベンダーにはAmazon Seller Centralのような専用ダッシュボードが用意されています。コード不要で、迅速にマーケットプレイスを立ち上げることができます。

ShipTurtle Marketplace Creatorの料金プラン

プラン名 料金 内容
Business $49/月または $499/年 無制限の注文
セラー数(ベンダー数)25
商品数 5,000
送料無料クレジット1,000
専用ベンダーダッシュボード
メールサポート
Peak $109/月または$1,049/年 無制限の注文
セラー数(ベンダー数)50
商品数 10,000
送料無料クレジット3,000
バルク機能
ホワイトラベリング
WhatsAppチャットサポート
Enterprise $179/月または$1,649/年 無制限の注文
セラー数(ベンダー数)250
商品数 20,000
送料無料クレジット5,000
コミッション自動化

Puppet Vendors ‑ Multi Vendor

Puppet Vendors ‑ Multi Vendor|Shopifyアプリストア

出典:Puppet Vendors ‑ Multi Vendor|Shopifyアプリストア

Puppet Vendors ‑ Multi Vendorは、Shopifyストアを簡単に多ベンダーマーケットプレイスに変換するためのシンプルで直感的なShopifyアプリです。ベンダーごとの商品管理、注文処理、支払い分配を自動化し、運営を効率化します。柔軟な手数料設定やカスタムレポート機能を備え、小規模から大規模なマーケットプレイスまで対応可能です。

Puppet Vendors ‑ Multi Vendorの料金プラン

プラン名 料金 内容
Basic $19/月 セラー数(ベンダー数)30
ベンダーまたはSKUごとのコミッション
リアルタイム通知
無制限の注文とレポート
ベンダーログインとレポート
無制限の請求書とパッキングスリップ
Business $49/月 Basic Planの全機能
セラー数(ベンダー数)100
無制限のチャットとメールサポート
Enterprise $99/月 Business Planの全機能
セラー数(ベンダー数)300
初回オンボーディングとセットアップ
優先チャットとメールサポート

最後に

マルチベンダーマーケットプレイスは、消費者と販売者の双方に多くの利点をもたらす一方で、運営者にとっては品質管理やカスタマーサポートの複雑化といった課題も存在します。しかし、適切なツールと戦略を用いることで、これらの課題を克服し、成功するマーケットプレイスを構築することが可能です。特にShopifyストア運営者にとっては、Multi Vendor Marketplace、Onport Multivendor Marketplace、Garnet Marketplace、ShipTurtle Marketplace Creator、Puppet Vendors ‑ Multi VendorといったShopifyアプリを活用することで、簡単にマルチベンダー機能を追加し、効率的に運営を行うことができます。これらのShopifyアプリを利用することで、消費者にとって魅力的なプラットフォームを提供し、販売者にとっても利便性の高い環境を整えることができるでしょう。

最後に、今回はマルチベンダーマーケットプレイスを構築できるShopifyアプリについて紹介しましたが、下記のブログ記事で「LTV向上」や「売上拡大」をサポートする様々なおすすめアプリをジャンル別に紹介しています。ご参考にしてください。

Shopifyアプリ おすすめ一覧:売上アップ・効率化・無料アプリまで徹底解説!

ブログに戻る
1 6
  • Shopify Liquidとは|特徴や基本構文、学習リソースまで紹介

    Shopify Liquidとは|特徴や基本構文、学習リソースまで紹介

    Tsunライターチーム

    Shopify Liquidは、Shopifyが開発したオープンソースのテンプレート言語です。本記事では、Shopify Liquidの基本概念、主な特徴、そしてその学習に役立つリソースについて解説します。

    Shopify Liquidとは|特徴や基本構文、学習リソースまで紹介

    Tsunライターチーム

    Shopify Liquidは、Shopifyが開発したオープンソースのテンプレート言語です。本記事では、Shopify Liquidの基本概念、主な特徴、そしてその学習に役立つリソースについて解説します。

  • Shopify Polarisとは? 効率的なShopifyアプリ開発に!

    Shopify Polarisとは? 効率的なShopifyアプリ開発に!

    Tsunライターチーム

    Shopify Polarisは、Shopifyのエコシステムにおいて重要な役割を果たす包括的なデザインシステムです。本記事では、Shopify Polarisの概要やメリット、デメリット、Polarisを活用したShopifyアプリの事例、Shopify Polarisを使用する際のヒントとコツを紹介します。

    Shopify Polarisとは? 効率的なShopifyアプリ開発に!

    Tsunライターチーム

    Shopify Polarisは、Shopifyのエコシステムにおいて重要な役割を果たす包括的なデザインシステムです。本記事では、Shopify Polarisの概要やメリット、デメリット、Polarisを活用したShopifyアプリの事例、Shopify Polarisを使用する際のヒントとコツを紹介します。

  • 【Tips】Shopify の GraphQL Admin API で顧客総数を取得する

    【Tips】Shopify の GraphQL Admin API で顧客総数を取得する

    小笠原 京平

    Shopifyの GraphQL Admin API の小ネタです。 Shopifyの顧客総数を取得したい場合のクエリは、いざ探そうと思ってもパッと見つからないのでメモしておきます。 対象読者 Shopify GraphQL Admin API を使ったことがある方 顧客総数を取得するクエリ 2023-07 バージョンから CustomerSegmentMemberConnection に変更があったため、2023-07より前と以降で若干クエリが異なります。 ※ changelog 2023-07以降 { customerSegmentMembers(first: 1, query: "") { totalCount } } 2023-07より前...

    【Tips】Shopify の GraphQL Admin API で顧客総数を取得する

    小笠原 京平

    Shopifyの GraphQL Admin API の小ネタです。 Shopifyの顧客総数を取得したい場合のクエリは、いざ探そうと思ってもパッと見つからないのでメモしておきます。 対象読者 Shopify GraphQL Admin API を使ったことがある方 顧客総数を取得するクエリ 2023-07 バージョンから CustomerSegmentMemberConnection に変更があったため、2023-07より前と以降で若干クエリが異なります。 ※ changelog 2023-07以降 { customerSegmentMembers(first: 1, query: "") { totalCount } } 2023-07より前...

  • Shopify Vite Plugin でテーマ拡張機能の開発体験を改善する

    Shopify Vite Plugin でテーマ拡張機能の開発体験を改善する

    小笠原 京平

    今回は Barrel が提供する Shopify Vite Plugin を導入して、テーマ拡張機能の開発体験を改善する方法をご紹介します。 対象読者 テーマ拡張機能の開発経験がある方 はじめに Shopifyのテーマ拡張機能 (Theme app extensions) はShopify アプリ開発において、ストアフロントに機能を追加するための機能です。 Liquid、JavaScript、CSSなどを使って開発することができますが、通常のアプリ開発と比較すると、ローカルでの開発体験はそれほどよくありません。 そこで、今回は Shopify Vite Plugin を導入して、開発体験を改善していきます。 Shopify Vite Plugin とは Barrel が提供する Vite用プラグインです。ViteをShopify テーマ開発に組み込んで開発体験を改善することを目的として作られていますが、テーマ拡張機能においてもその恩恵を受けることができます。...

    Shopify Vite Plugin でテーマ拡張機能の開発体験を改善する

    小笠原 京平

    今回は Barrel が提供する Shopify Vite Plugin を導入して、テーマ拡張機能の開発体験を改善する方法をご紹介します。 対象読者 テーマ拡張機能の開発経験がある方 はじめに Shopifyのテーマ拡張機能 (Theme app extensions) はShopify アプリ開発において、ストアフロントに機能を追加するための機能です。 Liquid、JavaScript、CSSなどを使って開発することができますが、通常のアプリ開発と比較すると、ローカルでの開発体験はそれほどよくありません。 そこで、今回は Shopify Vite Plugin を導入して、開発体験を改善していきます。 Shopify Vite Plugin とは Barrel が提供する Vite用プラグインです。ViteをShopify テーマ開発に組み込んで開発体験を改善することを目的として作られていますが、テーマ拡張機能においてもその恩恵を受けることができます。...

  • Shopify Admin API GraphiQLとは? 使い方やメリット・デメリットを解説

    Shopify Admin API GraphiQLとは? 使い方やメリット・デメリットを解説します

    小笠原 京平

    ShopifyのAdmin APIにはGraphQLを用いたAPIがあります。手軽に試す方法としてGraphiQL (GraphQLではなくGraphiQLなのに注意) というIDEがありますので、今回はShopify GraphiQLの使い方やメリット・デメリットを解説します。 GraphiQLとは GraphQL公式が運営しているオープンソースプロジェクトです。GraphQLをブラウザ上でインタラクティブに操作・実行することができます。 グラフィカル (/ˈɡrafək(ə)l/) と発音します。(graphicalと同じ発音) GraphQLとは GraphQLはAPIのためのクエリ言語であり、既存のデータでクエリを実行するためのランタイムです。 GraphQLはAPI内のデータの完全で理解しやすい説明を提供し、クライアントに必要なものだけを要求する力を与え、APIを長期的に進化させることを容易にし、強力な開発者ツールを可能にします。 引用: GraphQL | A query language for your API Shopify GraphiQLの使い方 Shopify GraphiQLは各ストアにアプリをインストールするだけで使えますが、Shopify Devサイト上でデモを触れるので、まずは触ってみましょう! https://shopify.dev/docs/apps/tools/graphiql-admin-api Workshopをやってみよう! Shopifyが作成した「Learn...

    Shopify Admin API GraphiQLとは? 使い方やメリット・デメリットを解説します

    小笠原 京平

    ShopifyのAdmin APIにはGraphQLを用いたAPIがあります。手軽に試す方法としてGraphiQL (GraphQLではなくGraphiQLなのに注意) というIDEがありますので、今回はShopify GraphiQLの使い方やメリット・デメリットを解説します。 GraphiQLとは GraphQL公式が運営しているオープンソースプロジェクトです。GraphQLをブラウザ上でインタラクティブに操作・実行することができます。 グラフィカル (/ˈɡrafək(ə)l/) と発音します。(graphicalと同じ発音) GraphQLとは GraphQLはAPIのためのクエリ言語であり、既存のデータでクエリを実行するためのランタイムです。 GraphQLはAPI内のデータの完全で理解しやすい説明を提供し、クライアントに必要なものだけを要求する力を与え、APIを長期的に進化させることを容易にし、強力な開発者ツールを可能にします。 引用: GraphQL | A query language for your API Shopify GraphiQLの使い方 Shopify GraphiQLは各ストアにアプリをインストールするだけで使えますが、Shopify Devサイト上でデモを触れるので、まずは触ってみましょう! https://shopify.dev/docs/apps/tools/graphiql-admin-api Workshopをやってみよう! Shopifyが作成した「Learn...

  • ブログ記事 Shopifyの必須Webhooks (Mandatory Webhooks)とは? GDPRや対応例など

    Shopifyの必須Webhooks (Mandatory Webhooks)とは? GDPR...

    小笠原 京平

    今回はShopifyアプリ開発を始めたときに詰まるポイントの1つ「必須Webhooks」について解説します。実装をしていなかったり、実装が不十分なためにレビューが通らなかった経験をされた方は多いんじゃないでしょうか?レビューで詰まらないためにも、ぜひご確認ください! Webhooksとは? Shopifyの必須Webhooksを説明する前に、Webhooksについて理解しましょう。Webhooksとは、Webアプリケーションと連携するために用いられるイベント通知の仕組みです。Webhooksを使うことで、あるWebアプリケーションで特定のイベントが起きたときに、データを受け取ったり、何かしらの動作をすることが可能になります。 エンジニアにとって身近な例でいうと、GitHubにコードをプッシュしたときに自動でビルドやテストをするときにWebhooksが使われています。 ShopifyのWebhooks そんなWebhooksはShopifyでも使うことができます。Shopifyアプリ開発では、Shopify Admin APIからWebhooksを使うことができます。また、アプリ以外でもShopify管理画面からWebhookを作成することもできます。 ShopifyのWebhooksにはHTTPSのエンドポイントのほか、Amazon EventBridgeやGoogle Cloud Pub/Subといったメッセージングサービスを使うこともできます。購読するイベントやマーチャントによっては瞬間的に大量のWebhooksを処理する必要があるため、スケールさせやすいメッセージングサービスを使ってWebhooksを処理することをおすすめします。 必須Webhooks (Mandatory Webhooks) とは? 必須Webhooksとは、Shopifyアプリを開発するときに必ず実装しなければならない3つのWebhooksのことです。この3つのWebhooksはGDPRに対応するために必要なWebhooksで、EU加盟国に関わらず、すべてのShopifyアプリはGDPRに準拠しなければなりません。必須Webhooksを実装していない場合、アプリレビューで却下されます。 (3つの必須Webhooks以外のWebhooksは任意で実装すればOKです。) また、必須Webhooksの3つはHTTPSのエンドポイントでのみ作成可能です。上述したEventBridgeやPub/Subを利用することはできません。 GDPRとは? GDPR(General Data Protection Regulation:一般データ保護規則)は、ヨーロッパ連合(EU)の個人情報保護法規で、2018年5月25日から施行されています。これは、EU全域での個人情報のプライバシーを保護し、データの取り扱い方に関して個々の人々により多くの制御権を付与するためのものです。 GDPRは、EU市民または居住者の個人データを処理する全ての組織に適用されます。これには、EU内外の組織も含まれ、EUの市民や居住者のデータを処理する場合、世界のどこにその組織があろうともGDPRの規定を守る必要があります。 GDPRの主な目的は、個人が自分の個人データをどのように収集、保存、使用されるのかを知り、そしてその制御をする権利を持つべきであるという考え方を強化し、統一化することです。これは、個人情報の透明性、アクセスの権利、修正の権利、忘れられる権利(データ削除の権利)、データ移行の権利など、いくつかの重要な権利を個々の人々に付与します。 参考: ChatGPT 必須Webhooksの対応例 上記で説明したように、必須WebhooksとはGDPRに準拠するためのWebhooksなので、顧客情報、ストア情報をデータベースなどに保存しているかどうかで対応方法が変わります。...

    Shopifyの必須Webhooks (Mandatory Webhooks)とは? GDPR...

    小笠原 京平

    今回はShopifyアプリ開発を始めたときに詰まるポイントの1つ「必須Webhooks」について解説します。実装をしていなかったり、実装が不十分なためにレビューが通らなかった経験をされた方は多いんじゃないでしょうか?レビューで詰まらないためにも、ぜひご確認ください! Webhooksとは? Shopifyの必須Webhooksを説明する前に、Webhooksについて理解しましょう。Webhooksとは、Webアプリケーションと連携するために用いられるイベント通知の仕組みです。Webhooksを使うことで、あるWebアプリケーションで特定のイベントが起きたときに、データを受け取ったり、何かしらの動作をすることが可能になります。 エンジニアにとって身近な例でいうと、GitHubにコードをプッシュしたときに自動でビルドやテストをするときにWebhooksが使われています。 ShopifyのWebhooks そんなWebhooksはShopifyでも使うことができます。Shopifyアプリ開発では、Shopify Admin APIからWebhooksを使うことができます。また、アプリ以外でもShopify管理画面からWebhookを作成することもできます。 ShopifyのWebhooksにはHTTPSのエンドポイントのほか、Amazon EventBridgeやGoogle Cloud Pub/Subといったメッセージングサービスを使うこともできます。購読するイベントやマーチャントによっては瞬間的に大量のWebhooksを処理する必要があるため、スケールさせやすいメッセージングサービスを使ってWebhooksを処理することをおすすめします。 必須Webhooks (Mandatory Webhooks) とは? 必須Webhooksとは、Shopifyアプリを開発するときに必ず実装しなければならない3つのWebhooksのことです。この3つのWebhooksはGDPRに対応するために必要なWebhooksで、EU加盟国に関わらず、すべてのShopifyアプリはGDPRに準拠しなければなりません。必須Webhooksを実装していない場合、アプリレビューで却下されます。 (3つの必須Webhooks以外のWebhooksは任意で実装すればOKです。) また、必須Webhooksの3つはHTTPSのエンドポイントでのみ作成可能です。上述したEventBridgeやPub/Subを利用することはできません。 GDPRとは? GDPR(General Data Protection Regulation:一般データ保護規則)は、ヨーロッパ連合(EU)の個人情報保護法規で、2018年5月25日から施行されています。これは、EU全域での個人情報のプライバシーを保護し、データの取り扱い方に関して個々の人々により多くの制御権を付与するためのものです。 GDPRは、EU市民または居住者の個人データを処理する全ての組織に適用されます。これには、EU内外の組織も含まれ、EUの市民や居住者のデータを処理する場合、世界のどこにその組織があろうともGDPRの規定を守る必要があります。 GDPRの主な目的は、個人が自分の個人データをどのように収集、保存、使用されるのかを知り、そしてその制御をする権利を持つべきであるという考え方を強化し、統一化することです。これは、個人情報の透明性、アクセスの権利、修正の権利、忘れられる権利(データ削除の権利)、データ移行の権利など、いくつかの重要な権利を個々の人々に付与します。 参考: ChatGPT 必須Webhooksの対応例 上記で説明したように、必須WebhooksとはGDPRに準拠するためのWebhooksなので、顧客情報、ストア情報をデータベースなどに保存しているかどうかで対応方法が変わります。...

1 6

編集プロセス

EコマースやShopifyの初学者にとって、できるだけ “やさしく” “わかりやすく” “正確に” 難しいコマース用語やマーケティング用語、ストア構築から販売までの仕組み・ノウハウを伝えることを心がけて、記事コンテンツを作成しています。

掲載情報に関して

掲載している各種情報は、株式会社Tsunが経験および、調査した情報をもとにしています。できるだけ“最新“かつ“正確“な情報の掲載に努めておりますが、内容を完全に保証するものではありません。当サイトによって生じた損害について、株式会社Tsunではその賠償の責任を一切負わないものとします。掲載情報に誤りがある場合には、お手数ですが株式会社Tsunまでご連絡をいただけますようお願いいたします。