ECサイトでは、商品情報や顧客情報、注文情報などさまざまなデータを扱いますが、適切にバックアップは取れていますか?
この記事ではShopifyでバックアップを取るべき理由や、手動によるバックアップの取得方法、バックアップアプリについて解説します。
Shopifyでバックアップを取るべき理由
多くのデータを扱うShopifyストアにおいて、データのバックアップを取ることは必須です。その主な理由を解説します。
データ消失を防ぐ
Shopifyストアの運営において、商品情報や顧客情報などのデータは極めて重要な資産です。しかしどれだけ注意をしていても、システム障害や人為的なミスなど、データが消失してしまうリスクは避けられません。
定期的なバックアップを実施することで、万が一の事態にも迅速にデータを復旧し、ストア運営への影響を最小限に抑えることが可能です。
顧客の信頼を失わない
顧客情報や注文情報の消失は、顧客の購買体験にダイレクトに悪影響を及ぼす可能性があります。
例えば注文履歴や顧客情報に基づいたキャンペーンを行っていた場合、それらが適切に機能しなくなります。(例:誕生月のクーポン発行など)
「自分にだけキャンペーンが来ない」「過去に適用されていた割引が適用されない」など、顧客の購買体験を低下させた場合、ストアに対する信頼低下を引き起こすでしょう。当然、売り上げの低下に繋がります。
バックアップを活用して顧客情報を安全に保護することで、顧客との信頼関係を維持し続けることが可能です。
バックアップを取ることで守れるデータ
Shopifyストアのバックアップは、手動で取得する方法とアプリで自動取得する方法があります。手動で取得するか、アプリで取得するかによってバックアップを取ることができるデータが異なります。
手動で取得できるデータ
- 商品情報(画像を除く)
- 顧客情報
- 注文情報
- ギフトカードコード
- クーポンコード
- 財務データ
これらのデータは、CSVファイル形式でストアから出力可能です。
アプリで取得できるデータ
アプリでバックアップを取得する場合、取得可能なデータはアプリによって違いがあります。多くのアプリでは以下のデータを取得できます。
- 手動バックアップで取得できるデータの全て
- 画像や動画ファイル
- コレクション
- テーマ
- ブログ
- ページ
- メタフィールド
- 他多数
アプリを使用すると、ほぼ全てのストアデータのバックアップを取得することが可能です。
Shopifyのバックアップを手動で取得する方法
この章ではバックアップを手動で取得する方法について解説します。
手動バックアップの手順
手動でバックアップを取得する場合には、Shopifyの管理画面から操作を行います。商品情報を例に、手動バックアップの方法を解説します。
まず管理画面の左サイドメニューにある「商品管理」を選択。商品管理画面が表示されるので、右上にある「エクスポートする」をクリックします。エクスポートとは、「データを出力する」という意味です。
画像出典:Shopify
「商品をエクスポートする」という画面がポップアップ表示されます。エクスポートの対象と、エクスポートの種類を選択し、「商品をエクスポートする」をクリックします。
エクスポート対象が「現在のページ」「選択済: xx個の商品」を選択した場合には、csvファイルがすぐにダウンロードされます。
「すべての商品」を選択してエクスポートした場合、登録アドレス宛てにメールでダウンロードURLが送付されます。リンクをクリックするとエクスポートしたデータがCSVファイル形式でダウンロード可能です。
「いつバックアップしたのか、何のデータなのか」が分かるように日付とデータ名称を組み合わせたファイル名に変更しておきましょう。(例:20240901_product.csv)
続いてバックアップデータを元に、データを復元する方法についても解説します。
商品管理画面の右上にある「インポート」をクリックします。「ファイルを追加」をクリックし、インポートするファイルを選択します。
現在のデータを上書きする場合には、「一致するハンドルの商品を上書きします。」にチェックを入れます。「アップロードとプレビュー」をクリックします。
プレビューで問題なければ、「商品をインポートする」をクリックしてインポートします。
これで復元完了です。
他のデータにおけるバックアップ手順も同様です。
手動バックアップのメリットとデメリット
手動バックアップをする際のメリットとデメリットを紹介します。
一番のメリットは、バックアップをするタイミング、バックアップの対象範囲を自由に選べることです。バックアップファイルの数もそこまで多くはならないでしょう。またバックアップアプリを利用すると料金がかかりますが、手動バックアップは無料です。
デメリットは、バックアップ作業に時間と手間がかかることです。また、バックアップできるデータの種類にも限りがあります。さらに人為的なミスの発生やバックアップ漏れが発生するリスクもあります。いざという時、かなり古いバックアップデータしかない、という事態にもおちいりがちです。
ストアが軌道に乗り出したら、バックアップアプリを活用することがおすすめです。
Shopifyのバックアップを自動取得するアプリ
Shopifyのバックアップを自動取得するおすすめアプリを紹介します。
Marixify
画像出典:Matrixify| Shopifyアプリストア
Matrixifyは優れたデータ管理アプリです。手動バックアップでは取得できないコレクションやブログ、メタフィールドなど多くのデータを取得できます。
またファイル形式はCSVだけでなく、ExcelやGoogleスプレッドシートも可能です。定期的にバックアップを行う機能も有り、作業漏れを防ぎます。
このアプリは無料から利用開始できます。(2024年9月時点)
以下の記事で詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
Shopifyデータをインポート&エクスポートする「Matrixify」とは?
Rewind Backups
画像出典:Rewind Backups| Shopifyアプリストア
Rewind Backupsは、自動バックアップに特化したアプリです。画像を含む商品情報やコレクション、テーマ情報などを毎日自動バックアップします。復元したい時には、日付をクリックするだけでバックアップデータを元にストアが復元されます。
このアプリは月額9ドルから利用可能です。(2024年9月時点)
月額79ドルのProtection Suiteプランでは、24時間365日ストアを監視してくれます。
BackupMaster Backups
画像出典:BackupMaster Backups| Shopifyアプリストア
BackupMaster Backupsも自動バックアップに特化したアプリです。このアプリもあらゆるストアデータのバックアップを毎日取得し、万が一障害が発生した際には、サイトを迅速に復元します。
このアプリのPROプラン以上では、Googleドライブ上にバックアップデータを保存することも可能です。このデータを元にストアを複製することも容易なため、例えば海外向けにサイトを複製したい場合などには重宝するでしょう。
このアプリは月額19ドルから提供されています。(2024年9月時点)
TinyBackup: Backup & restore
画像出典:TinyBackup: Backup & restore| Shopifyアプリストア
TinyBackupは、無料で利用できるバックアップアプリです。(2024年9月時点)
バックアップ対象は商品・コレクション・ページと限定的ですが、毎日自動でバックアップを行います。インストールしたら有効化するだけで、細かい設定は不要です。復元の操作も簡単で迷うことはありません。
まだバックアップすべきデータが少ない小規模なストアにおすすめのアプリです。
Goshu
画像出典:Goshu| Shopifyアプリストア
これまで紹介してきたアプリは全て英語でしか利用できません。このGoshuというアプリは日本語に対応している貴重なアプリです。このアプリもShopifyストア運営に必要なデータのバックアップを自動で取得してくれます。
Goshuは無料で利用を開始できますが、注文数や取得データ、保管期間などで料金が変わります。(2024年9月時点)
多くのストアは月額29.99ドルのBasicプラン以上になるでしょう。
バックアップを取得して、万が一の事態に備えよう!
この記事ではShopifyにおけるバックアップの重要性、手動バックアップの方法、自動バックアップできるアプリについて解説しました。ECサイト運営において、データのバックアップは必須です。この記事を参考に自社サイトに必要なバックアップを行なってみてください。