Shopifyストアを運営しているオーナーの中には、WordPressでブログやブランドサイトを運用している方もいるのではないでしょうか。そして、「WordPressで作った記事を読んでくれた人が、そのまま商品を購入できたら便利なのに」と感じた経験があるかもしれません。
これまではWordPress内にリンクボタンを設置してShopifyストアへ誘導する、という方法が一般的でした。しかし、2025年9月に公開されたShopify公式アプリ「Sell on WordPress」を使えば、WordPressとShopifyを直接連携し、商品をその場で表示・販売できるようになります。
この記事では、Sell on WordPressの機能やメリット、使い方をわかりやすく解説します。WordPressサイトを活用して売上を伸ばしたい方は、ぜひ参考にしてください。
Shopify公式アプリ「Sell on WordPress」とは?

画像出典:Sell on WordPress|Shopifyアプリストア
Sell on WordPressは、Shopifyの商品をWordPressのサイト上で販売できるようにするShopify公式アプリです。既にブログやブランドサイトをWordPressで運用している場合、そのサイトに商品やコレクションを簡単に埋め込めるようになります。
コードの知識がなくても設定でき、Shopify側で管理している商品情報や在庫を自動で反映可能。そのため、複数のサイトを運営していても情報を一元化しながら販売チャネルを広げられます。
このSell on WordPressの料金はなんと無料。WordPress側で必要になるプラグイン(機能拡張のためのプログラム)も無料で利用できます。
「Sell on WordPress」の主な機能・できること
Sell on WordPressの主な機能、できることを紹介します。
WordPressの記事や固定ページで商品・コレクションを表示
Sell on WordPressを使えば、Shopifyの商品やコレクションをWordPressの記事や固定ページへ簡単に埋め込むことができます。ブロックエディターで好きな場所に配置できるため、レビュー記事の途中やLPのCTA部分など、読者が興味を持ちやすい位置にピンポイントで設置することも可能です。
ページのデザインを崩さずに、読者が「欲しい」と思った瞬間に購入に進める導線を作れるため、コンテンツを活かした自然な販売につながるでしょう。
在庫・価格を自動で同期
Shopifyで変更した在庫数や価格は、WordPress側にも自動で反映されます。WordPressで手動更新する必要がないため、管理が煩雑にならず、売り切れ商品を誤って販売してしまうリスクも避けられます。
EC運営では「複数の場所で同じ情報を管理する」という作業が負担になりやすいですが、このアプリならShopifyを中心に情報を一元管理できるため、日々の更新作業を大幅に減らせるでしょう。
購入処理はすべてShopify側で完結
WordPress上に商品を表示しても、決済はShopify側で安全に行われます。WordPressに決済機能を追加したりセキュリティ対策を強化したりする必要はありません。普段使っているShopifyのチェックアウトがそのまま利用されるため、利用中の決済方法・割引・配送設定も維持されます。
販売チャネルが増えても管理場所が増えないため、運営負担を抑えながら売上機会を広げられる点は大きなメリットです。
Shopifyに「Sell on WordPress」を導入するメリット
Sell on WordPressを導入して、ShopifyとWordPressとを連携するメリットについて解説します。
WordPressのアクセスをそのまま売上につなげられる
Sell on WordPressを使えば、WordPressのブログ記事や固定ページに商品やコレクションを直接表示でき、読者が「欲しい」と思った瞬間にページを離れず購入へ進めます。これにより離脱を減らし、コンテンツから成約までの流れがスムーズになります。
また、既存のWordPressサイト自体が新たな販売チャネルとして機能するため、記事のアクセスを無駄にせず、自然な形で売上につながる導線を追加可能。Shopifyストアだけに依存しない複数チャネル化は、中長期の成長にも有効です。
在庫・価格の自動同期で運用負荷が減る
Shopifyで更新した在庫数や価格は、WordPressにも自動で反映されます。手動で二重管理する必要がなく、更新漏れによる「売り切れ商品の誤販売」などのトラブルも防げます。
特に複数サイトをまたいで発信しているストアでは、更新作業そのものが負担になりやすいですが、Sell on WordPressを使うことで管理の中心をShopifyに一本化でき、日常の作業コストを大きく削減できるでしょう。
Shopifyアプリ「Sell on WordPress」の導入方法と連携手順
ここからはSell on WordPressを導入し、WordPressと連携する手順について解説します。
連携の準備
はじめにShopifyアプリストアより、「Sell on WordPress」をインストールします。

画像出典:Sell on WordPress|Shopifyアプリストア
このアプリはShopify管理画面の「販売チャネル」に追加されます。
続いて、ShopifyとWordPressを連携するには、WordPress側にプラグインを導入する必要があります。プラグインはShopify公式のページで取得可能です。
公式ページにある「プラグインをダウンロード」をクリックし、zipファイルを端末にダウンロードしましょう。

続いて、WordPress側の設定になります。まず管理画面にログインし、メニューより「プラグイン」 > 「プラグインを追加」の順に選択してください。

画面上部に表示される「プラグインを追加」をクリックします。

画面上部に表示される「プラグインのアップロード」をクリックし、先程ダウンロードしたShopifyのプラグインのzipファイルをアップロードします。

インストールが完了したら、「プラグインを有効化」をクリックします。

これでWordPress管理画面のメニューに「Shopify」が追加されました。
ShopifyストアとWordPressの連携
続いて、Shopifyストアと接続します。WordPressの画面には、以下の画像のように、接続に関する表示がでます。まだShopifyストアを開設していない方は「Start free trial(無料トライアルを始める)」を、すでにストアをお持ちの方は、「Connect your store(あなたのストアを接続する)」を選択してください。

ここからは、すでにShopifyストアをお持ちの方向けに、接続手順を解説していきます。
Shopifyの管理画面に戻り、Sell on WordPressの画面を開いて、「Shopifyアクセストークン」の欄に表示される文字列をコピーします。

WordPressの管理画面に戻ります。メニューに表示されている「Shopify」を選択。「General(一般設定)」のタブにある「Shopify access token」の入力欄に、先程コピーしたアクセストークンを貼り付けます。「Connect(接続する)」をクリックします。

「Successfully connected(接続に成功)」と表示されれば、接続完了です。

「Advanced(高度な設定)」のタブでは、商品やコレクションの表示に関するカスタマイズが可能です。表記が英語のため、ブラウザの翻訳機能を使用することをおすすめします。

WordPressに商品・コレクションを表示
ここからは、固定ページや投稿ページに商品・コレクションを表示する方法について解説します。
埋め込みにはWordPressのブロックエディターを用います。ブロック追加の「+」をクリックし、検索バーに「Shopify」と入力しましょう。ブロックが2つ表示されます。
- Add a Shopify Product(Shopifyの商品を追加)
- Add a Shopify collection(Shopifyのコレクションを追加)

単一の商品を表示したい場合には、「Add a Shopify Product」を選択し、ブロックのメニューに表示される「SEARCH PRODUCTS(商品を探す)」から、表示したい商品を選択します。

コレクションの商品一覧を表示する場合には、「Add a Shopify Collection」を選択し、ブロックのメニューに表示される「SEARCH COLLECTIONS(コレクションを探す)」から、コレクションを選択します。

コレクションでは、商品の最大表示数も設定できます。
ページを保存して公開すれば、WordPressのサイトに商品やコレクションが表示されるようになります。
Shopify管理画面上のアプリページでは、WordPress経由での注文額などが確認可能です。

アプリの導入方法と連携手順は以上です。
Sell on WordPressでShopifyとWordPressを連携しよう
この記事ではShopifyの公式アプリ「Sell on WordPress」について解説しました。
Sell on WordPressを使えば、WordPressのサイトにShopifyストアの商品を簡単に掲載できます。在庫や価格もShopifyと自動で同期されるため、情報管理の手間を増やすことはありません。また、決済はすべてShopify側に統一されるため、安全に運用可能です。
すでにWordPressのサイトを持っているShopifyストアオーナーにとって、メリットの大きいアプリと言えるでしょう。ぜひ導入を検討してみてください。