インターネット上に店舗があるECサイト。集客はどのサイトでも課題になりがちで、広告運用を検討している方も多いでしょう。
「初心者でもできる広告運用の方法が知りたい」
「アフィリエイトを導入したいけど、どうやったらいいの?」
「まるっと集客ってどんなアプリ?どんなメリットがあるの?」
この記事を読むことで上記のような疑問やニーズが解決します。
一般的に、広告は初期費用や月額費用がかかり、費用対効果を出せていないサイトも多いようです。まるっと集客を活用することで、費用対効果の高い広告運用が可能になるでしょう。
Shopifyストアの広告運用を検討している方は、本記事の内容を参考に導入を検討してみてください。
Shopifyの広告運用アプリ「まるっと集客」とは?

画像出典:まるっと集客|Shopifyアプリストア
「まるっと集客」はShopifyストアの集客をサポートする広告運用アプリで、日本企業である株式会社ハックルベリーが提供しています。
このアプリの最大の特徴は、通常固定費がかかるWeb広告などを、初期費用も固定費も0円で始められる点です。広告費用は売上に連動した成果報酬型となっているため、小規模店舗や広告初心者でも安心して利用できます。
また、クリック型広告とアフィリエイト広告を一括管理できるワンストップサービスとなっており、複雑なタグ設定も不要。わずか数ステップの簡単な設定で、さまざまな広告チャネルを活用できるようになります。
まるっと集客で利用できる広告手法
まるっと集客で利用できる広告手法を解説していきます。
クリック課金型広告(PPC広告)
クリック課金型広告は、訪問ユーザーが広告をクリックするたびに費用が発生する広告手法です。代表的なクリック課金型広告は、Google広告やFacebook広告です。
広告出稿者は、予算と入札額(1クリックあたりの支払い上限額)を設定し、広告を出稿します。その後、Google検索結果やSNSなどに広告が表示され、誰かがその広告をクリックすると出稿者に料金が請求(課金)されます。
通常、売上の有無に関わらずクリックだけで費用が発生するため、広告の費用対効果は高くありません。まるっと集客は、このクリック課金型広告を成果報酬型(売上が発生したら料金を請求)に変換できるため、高い費用対効果を実現します。
アフィリエイト広告
アフィリエイト広告は、実際に商品が売れたときだけ広告費を支払う成果報酬型の広告手法です。
出稿者が報酬条件を設定し、アフィリエイター(ブロガーやインフルエンサーなど)が商品を自分のWebサイトやSNSで紹介します。その紹介から訪問者が購入し、成約が確定するとアフィリエイターに報酬が支払われます。実績に応じた支払いのため広告費の無駄がありません。また、様々なジャンルのWebサイトやSNSで商品が紹介されるため、幅広い層へのアプローチが可能です。
アフィリエイト広告はASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダ)を経由してアフィリエイターに紹介されます。
下記のブログ記事では、Shopifyでアフィリエイト広告を実施するメリットやデメリット、おすすめアプリを紹介しています。ご参考にしてください。
その他の広告手法
まるっと集客では、LINEブランドカタログ(旧:LINEショッピング)というLINE上に広告を出稿できる広告手法も利用できます。
このLINEブランドカタログは通常、月額50,000円+成果報酬(4%〜)となっていますが、まるっと集客を利用することで成果報酬のみで広告出稿できます。
Shopifyアプリまるっと集客の主な機能・できること
まるっと集客の主な機能とできることを紹介します。
主要媒体との簡単連携
まるっと集客は、以下の広告媒体との連携が簡単に行えます。
- LINE
- A8.net
- バリューコマース
- アクセストレード
- Ameba Pick
通常、各媒体やASPへの個別申込みや設定が必要になりますが、まるっと集客を使えば一つの管理画面からすべての媒体に簡単にアクセスできます。これにより、少ない作業で幅広い顧客層へアプローチでき、Shopifyストアの認知度向上と売上拡大を効率的に行えるでしょう。
各種広告の成果報酬型一括管理
まるっと集客では、クリック課金が一般的なGoogle広告やFacebook広告も含め、すべての広告とアフィリエイトを「成果報酬型」で一括管理できます。つまり、商品が売れた時だけ費用が発生するため、初期投資や毎月の固定費がかかりません。(契約するASPによっては、初期費用・月額費用がかかります。)
報酬率も自由に設定できるため、予算に合わせた集客戦略を立てられます。(LINEブランドカタログは報酬率が固定)また、成果承認作業も一カ所で完結するため、複数の広告媒体を個別に管理する手間が削減されます。
各種タグのワンクリック導入
Web広告では通常「タグ」(追跡用コード)の設置が必要であり、さまざまな媒体に出稿すると、その分タグの管理が煩雑です。まるっと集客では、このタグ導入作業がボタン一つで完了します。
Google広告やFacebook広告のコンバージョンタグ、アフィリエイト計測用のタグなど、様々なタグが自動的に適切な場所に設置されるため、エンジニアがいなくても簡単に広告運用を始められます。
売上分析の一元管理
まるっと集客のダッシュボードでは、マーケティング効果を測定する様々な指標を一元管理できます。売上の広告経由比率、CVR(訪問者が購入などのアクションを起こした割合)、CPA(顧客獲得単価)、ROAS(広告費用対効果)など、重要な数値を簡単に確認可能。
通常なら複数の管理画面を行き来して集計する必要がある分析作業が、リアルタイムで自動的に行われ、比較しやすい形で表示されます。
Shopifyにまるっと集客を導入するメリット
Shopifyにまるっと集客を導入するメリットを3つ紹介します。
初期費用・固定費0円で集客を始められる
例えばLINEブランドカタログでは月額50,000円が固定費としてかかります。また、クリック型広告では商品ジャンルにより異なりますが、1クリック数十円程度がかかり、月の広告費用は数万円〜数十万円程度に上ります。
まるっと集客の最大の魅力は、これらの月額固定費やクリック費用がまったくかからずに始められることです。これは特に開設したばかりのストアや、広告予算に限りのある小規模ストアにとって、大きなメリットとなるでしょう。
「広告は効果が出るか不安で手が出せない」という悩みを抱えるストアオーナーでも、安心してスタートできます。
※ASP経由で広告を出稿する場合、媒体によっては初期費用や月額費用が発生します。
売上連動の成果報酬型なのでリスクが低い
通常、Google広告やFacebook広告はクリック課金で、商品が売れなくても広告費用がかかります。しかし、まるっと集客経由で出稿すれば、成果報酬型にでき、商品が売れた時だけ費用が発生します。
報酬率も自由に設定できるため、自社の利益構造に合わせた設定が可能です。例えば利益率の低い商品は報酬率を低く、高い商品は高く設定することで、収益を確保しながら効率的なマーケティング活動ができるでしょう。広告費用が売り上げに比例するため、赤字リスクを抑えつつ、売上拡大を目指せる安心設計となっています。
エンジニア不要で簡単に設定・運用ができる
まるっと集客は、Web広告やマーケティングの専門知識がなくても、簡単な申し込み手続きで利用開始できます。設定作業もボタン一つで完了。
直感的な管理画面で広告効果も一目で確認できるため、専任のWebマーケティング担当者がいない小規模ストアでも、効率的な広告運用が可能です。
Shopifyアプリまるっと集客を使用する際の注意点
メリットが多いまるっと集客ですが、使用する際の注意点についても解説します。
出稿先の媒体によっては初期費用や月額費用が発生する
まるっと集客自体の初期費用と月額費用は0円です。しかし、連携するASPによっては、審査通過後に初期費用や月額費用が発生します。また一部のASPでは初期費用と合わせて6〜7ヶ月分の月額費用が前納になります。事前に各媒体の費用体系をしっかりと確認しておきましょう。
また、広告媒体ごとに成果報酬費用やASP手数料がかかります。費用体系を把握した上で、段階的な広告出稿を行うとよいでしょう。
詳しい費用体系については、次章の「Shopifyアプリまるっと集客の費用体系」をご確認ください。
審査に通らない可能性がある
出稿先媒体によっては審査基準が厳しく、場合によっては審査に通らないこともあります。審査の基準や不合格の理由は公開されておりませんが、一般的に、特定商取引法に基づく表記の不備、サイトの信頼性不足、禁止商材の取り扱いなどが考えられます。
申し込みの前に、ショップの基本情報や商品説明、特商法ページなどをしっかり整備しておくことで、審査通過率を高めることができるでしょう。なお、審査に合格できなかった場合でも、コンテンツを修正すれば再審査を受けられる場合があります。ただし、「ASP審査NG」になると再審査ができませんので注意してください。
成果報酬費用の設計をうまく考慮する必要がある
まるっと集客では成果報酬の料率(商品が売れた際に支払う手数料の割合)を自由に設定できますが、この設定は広告効果に大きく影響します。
報酬率が低すぎると、アフィリエイターの宣伝意欲が下がり十分な露出が得られません。逆に高すぎると、利益率が圧迫される可能性があります。適切な報酬率は商品のジャンルや価格帯、利益率によっても異なるため、自社の収益構造をしっかり分析した上で設定する必要があります。
季節商品や期間限定キャンペーンなどでは、タイミングに合わせて報酬率を柔軟に調整することも効果的です。継続的なデータ分析と調整が成功のカギとなるでしょう。
Shopifyアプリまるっと集客の費用体系
まるっと集客を利用して広告出稿する際の費用体系について解説します。
なお、集客ゴリラとはアプリ提供元のハックルベリー社が提供するサービスです。集客ゴリラを活用することで、クリック課金型のGoogle広告とFacebook広告を成果報酬型で利用できます。
LINEブランドカタログ(旧:LINEショッピング)を利用する場合には、バリューコマースとの提携が必要です。
初期費用 | 月額費用 | 最低利用期間 | 成果報酬費用 | ASP手数料 | 注意点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
集客ゴリラ | 無料 | 無料 | なし | 任意 | 成果報酬費用の35% | |
Ameba Pick | 無料 | 無料 | なし | 任意 | 成果報酬費用の35% | |
アクセストレード | 無料 | 税別60,000円 | 7ヶ月 | 任意 | 成果報酬費用の35% | 法人のみ |
バリューコマース | 税別60,000円 | 税別60,000円 | 7ヶ月 | 5%〜任意 ※1 | 成果報酬費用の35% | DNS設定が必要 |
エーハチネット | 税別60,000円 | 税別60,000円 | 7ヶ月 | 任意 | 成果報酬費用の35% | DNS設定が必要 |
2025年3月時点
※1. LINEブランドカタログの成果報酬率は一律15%です。
広告費用の計算方法について、「商品の価格が10,000円、成果報酬費用を5%」と設定している場合を例にして解説します。成果報酬費用は10,000円の5%で500円、ASP手数料は500円の35%で175円です。合計675円が広告費用になります。
詳しくはアプリ導入後に表示されるヘルプで確認してください。
Shopifyアプリまるっと集客の導入方法と申し込み手順
まるっと集客の導入方法と広告媒体への申し込み手順について解説します。
はじめにShopifyアプリストアより、「まるっと集客」をインストールします。

画像出典:まるっと集客|Shopifyアプリストア
Shopifyストアで再度インストールの確認が表示されますので、「インストール」をクリックします。

画像出典:Shopify管理画面
まるっと集客の利用規約が表示されますので、内容を確認後、「同意して次へ」をクリックします。

「今すぐ無料ではじめる」をクリックします。

まずは「集客ゴリラ」を選択して申し込みます。

申し込み者情報を入力します。

入力する主な情報は以下の通りです。
- 事業体(法人 or 個人事業主)
- 会社名(法人の場合)
- 法人番号(法人の場合)
- 代表者氏名
- メールアドレス
- 所在地・住所
- 電話番号
- 運営サイト名
- 運営サイトURL
続いて、運営担当者情報を登録します。

請求担当者情報を登録します。

以上で申し込みが完了しました。

続いてまるっと集客の埋め込みアプリを有効化します。ホーム画面の「埋め込みアプリ有効化はこちらから」をクリックします。

「埋め込みアプリ有効」をクリックします。

ストアのカスタマイズ画面が自動で表示されますので、「まるっと集客スクリプト」のスイッチを有効にし、「保存する」をクリックします。

これで初期設定も完了です。
最後に各ASPへの申し込み手順です。サイドメニューにある「未提携の広告」をクリックすると、申込みできるASPが表示されます。申し込みたいASPの「申請する」をクリックすると申込みが行われます。

集客ゴリラを例に広告(オファー)の作成方法を紹介します。メニューにある「提携済み広告」をクリックし、集客ゴリラの項目にある「編集」をクリックします。

「全商品対象にオファー設定する」を選択し、「次へ」をクリックします。

Google広告とFacebook広告へのオファーを設定します。入力する項目は主に「オファー情報」「クリエイティブ登録」「サイトカテゴリ等の登録」です。項目の詳細は以下の画像を参考にしてください。
全て入力・登録したら、「申請する」をクリックします。




申請が承認されれば、配信が開始されます。配信設定等はハックルベリー社が行ってくれます。
まるっと集客を活用して、効果的な広告配信を始めよう!
この記事ではShopifyの集客アプリ、まるっと集客について解説しました。
まるっと集客を活用すれば、固定費がかかりがちなWeb広告を成果報酬型で運用することが可能になります。また一元管理もでき、運用効率も上がるでしょう。一方で、成果報酬率の設定は慎重に行う必要があり、ASPを活用する場合には固定費がかかることにも注意が必要です。
自社の商材の利益構造をしっかりと把握した上で、まるっと集客の活用を検討してみてください。