ユーザーと直接対話ができないECサイトでは、サイトの問題点がわかりづらく、頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。そのような方には、行動分析ツールの「Lucky Orange」がおすすめです。
「Lucky Orangeってどんなツール?」
「Lucky OrangeをShopifyに導入する方法を知りたい」
「ヒートマップやセッション録画の使い方を教えて!」
この記事を読むことで、上記のような疑問やニーズが解決します。
Lucky Orangeを活用すれば、サイトの問題点を明らかにすることができ、効率よくサイト改善ができるでしょう。ぜひ参考にしてください。
Shopifyで使える行動分析ツールLucky Orangeとは?

画像出典:Lucky Orange
Lucky Orangeは、ShopifyやWordpressで作られたウェブサイトにおいて、訪問ユーザーの行動を詳細に把握できる行動分析ツールです。
Lucky Orangeを活用すれば、訪問ユーザーがサイト上でどこをクリックしたのか、どこまでスクロールしたのか、どのページで離脱したのか、などを可視化することが可能です。これにより、画面の使いやすさ(ユーザビリティ)の問題点の発見や、サイト改善のための具体的なデータ収集が可能です。
また、リアルタイムでの訪問ユーザーの行動追跡やアンケート機能により、コンバージョン率の改善に役立つさまざまな洞察も得られるでしょう。
Lucky Orangeの主な機能・できること
Lucky Orangeの主な3つの機能とできることを紹介します。
機能1. ヒートマップ
ヒートマップとは、ウェブサイト上でユーザーがどこを見ているのか、どこをクリックしているのか、などを色で可視化する分析機能です。ページ上でユーザーに注目されている箇所は暖色系の色で、注目されていない箇所は寒色系の色で表示されます。
ヒートマップを確認することで、CTAボタンの効果や、コンテンツの表示位置の最適化など、サイト改善に直結する具体的な洞察を得ることができるでしょう。収集したデータは、スクリーンショット機能で簡単にチーム内に共有可能です。
機能2. セッション録画
セッション録画とは、サイトに訪問したユーザーの行動を、実際の映像として再生できる機能です。ユーザーがどのページを訪れ、どこをクリックし、どのような過程で購入や離脱に至ったのかを、あたかもその場に立ち会うかのように確認することが可能です
セッション録画はユーザーの属性や行動ごとにセグメント分けされています。新規のユーザーはサイト上でどのような行動をとっているのか、ユーザーがどのページや操作でわかりづらさやストレスを抱えているのか、などを詳細に確認できます。
さらに、ライブビューではリアルタイムでの行動観察もでき、困惑しているユーザーに対してチャットでサポートやガイドをすることも可能です。
なお、顧客の個人情報は録画されません。
機能3. アンケート機能
Lucky Orangeには独自のアンケート機能があり、訪問ユーザーから直接フィードバックを収集できます。商品に対する評価や、サイトの使いやすさなど、さまざまな観点で意見を得られます。
特徴的なのは、アンケートの表示タイミングやターゲットを細かく設定できる点です。
表示タイミングの例は、
- 1分経ったら表示
- 特定ページを訪問したら表示
- 70%以上スクロールしたら表示
表示ターゲットの例は、
- 新規訪問ユーザー
- 特定の流入元からの訪問ユーザー
- 最後に訪問してから◯日以内のユーザー
などです。
シンプルな選択式アンケートやフリーテキストのアンケート、5つ星評価アンケートなど、確認したい内容に合わせて作成でき、回答率などの指標と共に個別の意見も分析できます。
Lucky Orangeの注意点|管理画面が日本語に対応していない
Lucky Orangeの管理画面は、残念ながら日本語に対応していません。
ただし、ヒートマップやセッション録画を使用する場合、初期設定は不要なため、日本語に対応していなくても導入に困ることはないでしょう。また、取得情報の確認画面の操作も容易です。アンケート機能の質問と回答は、日本語を入力しても問題ありません。
最近はブラウザの翻訳機能の精度も高まっているため、英語が苦手な方は翻訳機能を用いて利用するのがおすすめです。ただし、少し変に翻訳されてしまう箇所もあるため、注意が必要です。
ShopifyにLucky Orangeを導入するメリット
ShopifyストアにLucky Orangeを導入するメリットについて解説します。
メリット1. 訪問ユーザーの行動パターンを可視化できる
ヒートマップ機能を使えば、ユーザーがどのコンテンツに注目し、どこまでスクロールしているのかが一目でわかります。また、セッション録画機能では、実際にユーザーがどのように操作しているのかを動画として確認できるため、ページ上で迷いやすい箇所などを具体的に把握できます。
このように可視化した訪問ユーザーの行動を元に、具体的なサイト改善が進められるでしょう。
メリット2. 売上の機会損失ポイントを特定できる
カート放棄や離脱が起きた瞬間の操作を録画で確認できるため、「なぜ購入に至らなかったのか」という原因究明が可能です。さらに、アンケート機能を使えば、カート放棄した理由を直接ユーザーから集めることもできます。高額カートを保持したまま離脱したユーザーなど、重要な行動に絞ることも可能なため、自社の課題に基づいて的確に分析できるでしょう。
メリット3. 改善効果を効率的に検証できる
ボタンの配置変更や、商品説明の改善後も、ヒートマップで反応を継続的に確認できます。また、改善前後の行動の違いをセッション録画で比較できるため、すぐに効果検証が可能です。複数人でスクリーンショットを共有できるため、チームでの改善活動もスムーズに進められるでしょう。
ShopifyアプリLucky Orangeの料金プラン
ShopifyでLucky Orangeを利用する際の料金プランを紹介します。公式サイトの料金表記とは若干異なるため注意しましょう。
プラン名 | Free | Launch | Build |
---|---|---|---|
月額料金 | 0ドル | 19ドル | 39ドル |
年払い料金 | 0ドル | 182.40ドル | 374.40ドル |
セッション数 | 100/月 | 500/月 | 5,000/月 |
データストレージ | 30日〜 | 30日〜 | 60日〜 |
プラン名 | Grow | Expand | Scale |
月額料金 | 89ドル | 229ドル | 899ドル |
年払い料金 | 854.40ドル | 2,198.40ドル | 8,630.40ドル |
セッション数 | 15,000/月 | 50,000/月 | 300,000/月 |
データストレージ | 60日〜 | 60日〜 | 60日〜 |
2025年2月時点
セッション数とは、ユーザーがウェブサイトにアクセスしてから離脱するまでを1セッションとし、その合計回数のことです。
データストレージは、ヒートマップやセッション録画のデータを保存する期間のことです。表記はプランにおけるデフォルトの期間で、Launchプラン以上では追加料金を支払うことで延長することもできます。その際、期間は30日、60日、90日、180日、365日から選択できます。追加に必要な料金はプランによって異なり、月額+6ドル〜100ドルです。
また、月額+5ドルでLucky Orangeを利用するサイトを追加できます。
ShopifyにLucky Orangeを導入する手順
ShopifyにLucky Orangeを導入する手順について解説します。
まず、Shopifyアプリストアより、Lucky Orangeのアプリをインストールしましょう。

画像出典:Lucky Orange|Shopifyアプリストア
Shopifyストアで再度インストールの確認が表示されますので、「インストール」をクリックします。

画像出典:Shopify管理画面
Lucky Orangeの管理画面に遷移します。
ショップ名、フルネーム、メールアドレスを入力して、「Connect with Shopify(Shopifyに接続)」をクリックします。

画像出典:Lucky Orange管理画面
パスワードを設定し、「利用規約・プライバシーポリシーに同意」のチェックを入れ、「Continue Set Up(セットアップを続ける)」をクリックします。

続いて、以下の項目が順番に表示されますので、回答していきます。
- 利用目的
- 組織名
- ショップにおける役割
- まず使ってみたい機能
- ショップのドメイン
全て回答し、以下の画面のようなダッシュボードが表示されれば、ShopifyストアへのLucky Orangeの導入は完了です。

画面の情報取得は導入が完了したときから始まりますので、初期設定などは不要です。
ShopifyアプリLucky Orangeの具体的な使い方
Lucky Orangeの具体的な使い方について解説します。
ヒートマップ|Dynamic Heatmaps
Lucky Orangeを導入した時からヒートマップデータの取得を開始しており、初期設定は不要です。この項目ではヒートマップの確認方法を紹介します。
管理画面のサイドメニューより、「Analytics」を選択し、Analytics画面を開きます。

画像出典:Lucky Orange
アクセスがあったページのヒートマップ一覧が表示されます。一覧は、対象ユーザーや期間、デバイス、ページなどで絞り込みをすることも可能です。
閲覧したいページをクリックすると、新しいタブでストアページが開き、ヒートマップがオーバーレイ表示された画面が表示されます。


※サンプル画像はクリックのヒートマップ
画面上部の「Heatmap」を選択し、Event type(イベントタイプ)を変更することで、「Clicks(クリック)」「Moves(カーソルの動き)」「Scroll(画面のスクロール)」それぞれのヒートマップに変更できます。

画面右上の「Screenshot」をクリックすると、スクリーンショットを取得し、チームに共有できます。

セッション録画|Session Recordings
セッション録画についても、Lucky Orangeの導入後は自動的に録画取得が開始されています。
管理画面のサイドメニューより、「Visitors」を選択し、Visitors画面を開きます。

サイトに訪問したユーザーのセッション録画が一覧で表示されます。一覧には、「Date/Time(日にち/時間)」「Pages(セッション中に閲覧したページ数)」「Duration(滞在時間)」などが表示されています。
この一覧は、対象ユーザーや期間、デバイス、ページなどで絞り込みをすることも可能です。

閲覧したいユーザーをクリックすると、セッション録画が再生されます。画面右側にはタイムラインが表示され、クリックしたタイミングや遷移したタイミングが表示されており、クリックすると該当のイベントまでジャンプします。

以下の動画のように、セッション中のユーザーの操作をビデオで確認できます。
アンケート機能|Surveys
特定のユーザーや、ユーザーの特定の行動に応じてアンケートフォームを表示する「Surveys」(アンケート機能)は、事前に設定を行う必要があります。
管理画面のサイドメニューにある「Communicate」を選択。「New Survey」をクリックします。

4つのアンケートタイプから、作成したいアンケートを選びます。
-
Multiple Choice(複数選択)
-
Like or Dislike(好きか嫌いか)
-
Rating(評価)
-
Open-ended(オープンクエッション)

この設定例では、Multiple Choiceを使用します。
続いて、質問の数を選択します。例はMultiple Questions(複数質問)にしました。

アンケートフォームに名前を付けます。ユーザーには表示されません。

初めに、アンケートの回答依頼メッセージを作成します。効率的に回答を集めたい場合、インセンティブとして割引クーポンなどを配布すると良いでしょう。

注)Lucky Orangeにはクーポンの発行機能はありません。Shopifyのディスカウント機能などでクーポンを発行し、コードを記載しましょう。
質問を作成します。テキストエリア欄には質問を、Choicesには選択肢を入力します。「+Add another choice」をクリックすると、回答の選択肢の数を増やせます。

「+Add Another」をクリックすると、次の質問を追加できます。質問の数が多すぎると、ユーザーが離脱してしまいますので注意してください。

お礼のメッセージを作成します。このメッセージにクーポンコードを記載するか、ボタンにリンクを設けて案内すると良いでしょう。

アンケートフォームを表示するトリガー(条件)を設定します。「Simple」では単純な設定が、「Advanced」では複雑な設定が可能です。この箇所では、アンケートを表示するページを指定したり、ユーザー属性を指定したり、操作や行動を指定したりできます。

最後に、表示期間を設定します。
-
Ongoing(継続中|指定なし)
-
1 Week(1週間)
-
2 Weeks(2週間)
-
1 Month(1カ月)

最後にレビューを確認して公開しましょう。

管理画面で作成したフォームとその回答の有無が、一覧表示されます。フォームをクリックすると、回答の内容を確認できます。

Lucky Orangeでユーザーの行動分析をして、サイトを改善しよう!
この記事では行動分析ツールのLucky Orangeについて、主な機能やメリット、導入方法から使い方まで解説しました。
Lucky Orangeを活用することで、顧客がサイト内でどのような行動をしているのか、サイトにどのような問題があるのか、などが明らかになり、サイト改善が効果的に進むことでしょう。
この記事を参考に、ぜひ導入を検討してみてください。
最後に、下記のブログ記事ではMicrosoft(マイクロソフト)が提供している無料のヒートマップ解析・行動分析ツール「Clarity」について解説しています。行動分析ツールの導入を検討している方は、Clarityも併せてご検討してみてください。