ECサイトで売上を伸ばすためには、割引やキャンペーンの活用が欠かせません。しかし、割引コードの入力や複雑な設定は、顧客にとってもストア運営者にとっても負担になることがあります。そこで役立つのが、Shopifyの自動割引アプリ「Automatic Discounts」です。このアプリを使えば、クーポンコード不要で多様な割引を自動適用でき、顧客体験をスムーズにしつつ売上アップも狙えます。
本記事では、Automatic Discountsの特徴や機能、導入のメリット、使い方、そして注意点などをわかりやすく解説します。割引施策の実施を検討しているShopifyオーナーの方は、ぜひ参考にしてください。
Shopifyの自動割引アプリ「Automatic Discounts」とは?

画像出典:Automatic Discounts|Shopifyアプリストア
Shopifyの自動割引アプリ「Automatic Discounts」は、顧客がカートに商品を入れた時点で割引を自動的に適用できるアプリです。従来のようにクーポンコードを入力する必要がなく、購入体験をスムーズにするのが大きな特徴です。割引方法も、注文全体の値引きやまとめ買い割引、無料ギフトの追加など多彩に用意されており、シーンに合わせた柔軟なプロモーションを展開できます。
直感的な操作で設定できるため、専門知識がないストアオーナーでも扱いやすく、セールやキャンペーンの実施を効率化できるでしょう。
Automatic Discountsの主な機能・できること
Automatic Discountsの主な機能やできることを紹介します。
多様な割引機能
Automatic Discountsには多数の割引機能が備わっています。それぞれ解説します。
注文全体割引(Whole order)
カートに入っている商品すべてに一括で割引を適用する機能です。例えば「全商品10%オフセール」など、シンプルでわかりやすい施策に向いています。キャンペーンやシーズンセールで幅広い顧客にアピールでき、操作も簡単なので初心者にも使いやすい割引設定です。
段階的割引(Tiered discounts)
購入金額や数量に応じて割引率を段階的に変えられる機能です。例えば「5,000円以上で5%オフ」「1万円以上で10%オフ」といった設定が可能です。買えば買うほどお得になるため、顧客にまとめ買いを促しやすく、客単価アップにつながります。
特定の商品・コレクションの割引(Specific products/collections)
割引を適用する対象を特定の商品やコレクションに限定できます。セールしたい在庫商品や新商品の販促など、特定のアイテムに注目を集めたいときに効果的です。
購入特典(Gift with purchase)
一定の購入金額や商品数に達した場合、自動でギフトをカートに追加できる仕組みです。例えば「1万円以上でギフトを無料プレゼント」といった施策に使えます。
固定価格バンドル(Buy X items for $Y)
特定の商品を複数まとめて、固定価格で販売する方法です。例として「3本セットで4,000円」といったバンドル販売が可能です。顧客にお得感を与えるだけでなく、在庫をまとめて消化したいときや関連商品の同時購入を促す場面でも役立ちます。
最安または最高額の商品(Cheapest item in cart)
カートに入っている商品のうち、最も安いもの、または最も高いものに限定して割引を適用できます。例えば「高額商品だけ10%オフ」といった使い方が可能です。
BOGO(Buy One, Get One)
定番の「1つ買うと1つ無料」や「2つ目が半額」といった割引を自動で適用できます。顧客はお得に感じやすく、販売数を増やす施策として効果的です。
複合ディール(Combined Deals)
上記の割引施策を自由に組み合わせて使える機能です。例えば「全品10%オフ+5,000円以上でギフト進呈」といった複数条件の同時適用が可能です。より柔軟にプロモーションを設計でき、他店との差別化につながるでしょう。
テンプレートのワンクリック適用
Automatic Discountsには、あらかじめ用意された割引テンプレートが揃っています。代表的な施策(購入特典やBuy More / Save Moreなど)をワンクリックで有効化できるため、複雑な設定をしなくてもすぐにキャンペーンを始められます。特に初めて割引アプリを導入する方や、短時間でセールを準備したい場合に便利です。
プロモーションを知らせるポップアップ表示
割引やキャンペーンを自動で顧客に伝えるポップアップを表示できます。たとえば「今なら2点購入で10%オフ」や「カートに追加するとギフト進呈」といった情報を即座に知らせることで、顧客の購入意欲を高められます。目立つ形で告知できるため、プロモーションの効果を最大限に引き出せる機能です。
送料無料を促すバー表示
カートページに「あと○○円で送料無料」といったバーを表示し、購入額を増やすきっかけを作れます。顧客にとってはゴールが明確になり、追加購入の動機づけにつながるでしょう。客単価や購入完了率の向上が期待できます。
ShopifyにAutomatic Discountsを導入するメリット
さまざまな割引施策を導入できるAutomatic Discountsを、Shopifyストアに導入するメリットを紹介します。
クーポン不要で購入体験がスムーズに
Shopifyの基本機能でもクーポンを用いた割引施策が可能です。しかし、クーポンではユーザーがクーポンコードを入力する手間が発生してしまいます。
Automatic Discountsを導入すると、顧客はクーポンコードを入力せずとも割引を受けられます。これにより購入途中のストレスが減り、購入体験の質が向上。離脱率の低下にもつながるでしょう。
平均注文額(客単価)アップにつながる
「◯円以上の購入で割引」や「まとめ買いで割引」といった条件を設定することで、顧客には購入金額を増やそうとするインセンティブが働きます。これにより、顧客一人ひとりの購入単価アップが期待でき、平均注文額も向上します。
セールやキャンペーンの準備が簡単
大規模セールやシーズンキャンペーンも、プリセット(事前設定)されたテンプレートを選ぶだけで素早く設定できます。複雑なコード作業や細かな設定をしなくても、即座にプロモーションを展開できるため、忙しいストア運営者にとって大きな助けになるでしょう。
ShopifyアプリAutomatic Discountsの料金プラン
Automatic Discountsの料金プランは以下の通りです。
プラン名 | Test the waters | Basic Essentials | Startup | BUSINESS |
---|---|---|---|---|
月額料金 | 無料 | 9.99ドル | 19.99ドル | 49.99ドル |
成功報酬 | 2.90% | 1.20% | 9% | 0.60% |
※本記載は2025年9月時点の情報を元にしています。
Automatic Discountsの料金は、月額料金に加えて、アプリ経由で発生した売上に対して成功報酬がかかります。
例えば、BUSINESSプランを利用していて、アプリを通じて1,000ドルの売上があった場合、49.99ドルの月額料金に加え、成功報酬として6ドル(1,000ドル×0.6%)が請求されます。合計すると、月の利用料金は55.99ドルです。
この料金プランによって、売上が伸びればそれに応じたコストが発生しますが、少額のストアでは負担が比較的軽く、大きなセールを行うストアでも成果に応じて柔軟に利用できる料金体系になっています。
なお、料金プランによる機能の違いはありません。
ShopifyアプリAutomatic Discountsの導入方法と初期設定
Automatic Discountsの導入方法と初期設定について解説します。
はじめにShopifyアプリストアより、「ADU: Automatic Discounts」をインストールします。
画像出典:ADU: Automatic Discounts|Shopifyアプリストア
Shopifyストアで再度インストールの確認が表示されますので、「インストール」をクリックします。

画像出典:Shopify管理画面
Shopifyの管理画面内でAutomatic Discountsの設定画面が表示されます。続いて、画面上部の「Enable ADU Theme Helper」をクリックします。

テーマ編集画面が表示されますので、「アプリを埋め込む」にある「ADU Automatic Discounts」のスイッチを有効にし、「保存」をクリックします。

以上で初期設定は完了です。
ShopifyアプリAutomatic Discountsの具体的な使い方
ここではAutomatic Discountsを用いて、割引施策を実施する方法を解説します。メニューの「Promotion」を選択し、「Custom deal」を選択。切り替わった画面の「Type of deal(割引タイプ)」に以下の割引施策が表示されます。
- Whole order(注文全体割引)
- Tiered discounts(段階的割引)
- Specific products/collections(特定の商品・コレクションの割引)
- Gift with purchase(購入特典)
- Buy X items for $Y(固定価格バンドル)
- Cheapest item in cart(最安または最高額の商品)
- BOGO - discount pairs(1つ買うともう1つ)
- Combined Deals(複合ディール)

今回は定番割引施策のBOGOを用いて解説します。ラジオボタンでBOGOを選択すると、画面の表示が切り替わります。
各項目の設定内容は以下の通りです。
- ①割引を適用する同一商品の点数を入力します。
- ②割引率を入力します。
- ③チェックを入れると、異なる商品の組み合わせも対象になります。
- ④チェックを入れると、複数数量にも割引が適用されます。 ※チェックを外した場合、カートにいくつ追加されても、割引は1組のみに適用されます。
- ⑤特定の商品、または特定のコレクションを選択します。
- ⑥チェックを入れると、対象商品の一部のバリエーションやSKUを選ぶことができます。
- ⑦チェックを入れると、プロモーションウィジェットを非表示にします。

続いて「Extra benefits」の項目では、提供する特典の設定をします。
- ⑧チェックアウト前に、割引または無料の商品を提案します。
- ⑨この注文には送料無料が適用されます。

⑧にチェックを入れると、商品を選択し、割引率や数量制限を設定できます。「Auto add gift」を「ON」にすると、自動で商品がカートに追加されます。ただし、自動で追加するのは、無料で提供する場合のみにしましょう。

「Cart behaviour」ではカートのふるまいを設定します。
- Skip the cart and add the products directly to the order
カートをスキップして、商品を直接注文に追加する - Add the products to the cart and let the customers edit it
商品をカートに追加し、顧客に編集させる
⑨にチェックを入れると、 特典の適用制限を指定できます。指定した場合、条件を満たした時にのみ、送料無料特典が適用されます。指定しない場合、その注文には基本的に送料無料が適用されます。
- Apply for any order
すべての注文に適用する - Apply only if the following products are present. No other products.
以下の商品が含まれている場合のみ適用する。他の商品は不可。 - Apply only if the following products are not present. Any other products.
以下の商品が含まれていない場合のみ適用する。他の商品は可。

「Additional settings」では追加の設定が行えます。設定項目は以下の通りです。
- ⑩Cart requirement (none) カート条件
- ⑪Usage limit (none) 利用制限
- ⑫Customer eligibility (all) 対象顧客
- ⑬Active dates (all) 有効期間

()内はデフォルト値です。チェックを入れると各項目について、設定可能です。今回の例では省略します。
設定が終わったら、画面右下の「Create deal(割引を作成する)」をクリックしましょう。続いて、自動化の確認がポップアップ表示されますので、「Automate it!」をクリックします。

最後に「Automatic」のタブを選択し、作成したdealを「ON」にします。

この例では、「シャツを2 枚購入すると20%OFF」という設定をしています。
実際の画面で確認してみましょう。対象商品をカートに入れてチェックアウト画面に進むと、自動的に20%の割引が適用されていました。

他にもさまざまな割引施策がありますので、気になる方は試してみましょう。使い方の解説は以上です。
ShopifyアプリAutomatic Discountsを使用する際の注意点
割引を自動で適用できたり、月額無料で利用できたりと便利なAutomatic Discountsですが、注意点もあります。
設定は英語のみ
Automatic Discountsの設定画面はShopifyの管理画面内にありますが、現状は英語表記に限定されており、日本語には対応していません。ブラウザの自動翻訳を利用しても、この設定画面は翻訳されません。またカスタマーサポートも英語のみです。
そのため、英語が苦手な方は内容を理解するために外部の翻訳ツールを併用する必要が生じますが、専門用語も多く、操作や設定に多大な時間がかかることがあるでしょう。割引設定を誤ると、思わぬ損失を出してしまったり、トラブルの元になったりするので、十分注意してください。
日本語で操作できる割引アプリをお探しの方は、次章で紹介する「RuffRuff購入特典」をチェックしてみてください。
Shopifyで割引施策を実施するならRuffRuff購入特典がおすすめ
Shopifyで割引キャンペーンを行う際に、日本語で直感的に操作できるアプリを探している方には「RuffRuff購入特典」がおすすめです。RuffRuff購入特典の設定画面は日本語に対応しており、日本語によるカスタマーサポートもあるため、初心者の方でも安心です。
このアプリでは、以下のように多彩な割引条件を設定することが可能です。
- 送料無料
- 無料ギフト配布
- 初回割引
- 数量割引(ボリュームディスカウント)
- 会員限定割引
- 期間限定セール
- 段階的な割引 など
RuffRuff購入特典もクーポンコード不要で、自動割引を適用できます。これらの条件は複数組み合わせることも可能なため、自社ECのマーケティング戦略に沿った割引施策の実施が可能です。
RuffRuff購入特典はコードを編集することなく簡単な操作で設定でき、プログラミングの知識がない方でもご利用いただけます。
アプリの利用料金は月額9ドルで、3日間の無料体験期間があります。割引施策の実施を検討している方はぜひお試しください。
自動割引アプリを導入して、Shopifyの売上アップを目指そう!
この記事ではShopifyの自動割引アプリ「Automatic Discounts」について解説しました。
Automatic Discountsは多様な自動割引施策をストアで実施できる有用なアプリです。このアプリを導入することで、客単価アップ・売上アップなどの効果が期待できるでしょう。
一方で、設定画面はやや複雑で、さらに英語のみの対応になるため、英語に不慣れな方には扱うのが難しいかもしれません。そのような方には、日本語対応の割引アプリ「RuffRuff購入特典」がおすすめです。
自社に適した割引アプリを導入して、ストアの売上アップを目指しましょう。