【ストアインタビュー後編】やりながら育てるShopify。「野菜をMOTTO」の試行錯誤:モンマルシェ株式会社 河野雄士さん

【ストアインタビュー後編】やりながら育てるShopify。「野菜をMOTTO」の試行錯誤:モンマルシェ株式会社 河野雄士さん

<Shopify事業者のインタビュー特集>

国産野菜を使った常温保存スープ「野菜をMOTTO」を運営するモンマルシェ株式会社。前編では、常務取締役 河野雄士さんに実店舗と電話注文から始まった事業がオンライン7割に至るまでの経緯と、リスティング広告に依存せず認知度で売るという考え方を伺いました。

そのオンラインを支えるカートが、Shopifyです。移行したばかりの頃は、日本製のカートに当たり前にあった機能がなかったり、チェックアウトの入力順にお客様が戸惑ったり。そうした穴を地道に直しながら埋めてきました。

後編では、オンラインサイトの構築と運用を担う販売促進課課長 竹中有紀子さんを交えて、Shopify移行の実際から、アプリの選び方、定期購入、そしてブランド哲学まで伺います。

野菜をMOTTO オンラインストア

インタビュー前編はこちらからご覧ください。

Shopify構築は3ヶ月。運用が落ち着くまでが長かった

「野菜をMOTTO」のオンラインサイトを支えるカートシステム。4つ目のカートとしてたどり着いたのがShopifyです。テンプレートとアプリを組み合わせることで比較的短期間で立ち上げられるのが、Shopifyの特徴。実際、構築そのものは速かったと竹中さんはいいます。

野菜をMOTTO オンラインサイト

(野菜をMOTTO オンラインサイト)

—— Shopifyへの移行はどのくらいの期間がかかったのでしょうか。

竹中有紀子さん(以下、竹中さん) Shopifyの構築自体は、実はあまり時間はかかっていなくて、一旦動かすところまでは3ヶ月くらいだと思います。ただ、その後、運用が滞りなく進むまでには少し時間がかかりました。

というのも、日本製のカートシステムなら初めからある機能が、実際に移してみるとなかったりするんですね。配送日時の指定もできなかったり、ポイントみたいなものも最初はなかったり。あとは、WMSとの連携も最初の方は思ったような数値が入ってこなかったり。そういう部分を、移行してからいろんなアプリを使って、徐々に拡充してきたので。

今、Shopifyに変えて2年ちょっとになるんですが、しっかり運用できるフェーズに至るまで移行してから3、4ヶ月はあったかなと思います。

—— ポイントの移行など、お客様に直接関係する部分での大変さはありましたか。

竹中さん ポイントはアプリを入れて一応移行できたんですけど、定期購入で使えなかったり。あと一番多かったのが、チェックアウトですね。カート画面からチェックアウトする流れに、お客様がなかなか慣れなくて。特に、入力する順番です。日本のサイトだと、最初に注文者を入れて、次にお届け先、という順番が多いんですけど、それが逆だったりして。最初は混乱があったと思います。

そういった部分をアプリやフローを使いながら、表示の文言を変えたり、ガイドを別で用意したり、本当に地道に、一つずつ解消していきました。お客様も徐々に慣れてきましたし、最近はShopifyのお店自体が増えたこともあって、だいぶ慣れていらっしゃるのかなと思います。

やりながら組み立てる。まだ道半ばのサイトづくり

—— 今のサイトは構成も商品カタログの出し方もとても洗練されている印象です。どのようにディレクションされたのでしょうか。

竹中さん 本当にやりながらですね。商品ページも、例えば選択肢がつけられなくて、それもアプリで補ったり。最初はすごくわかりづらかったし、選択肢の順番も表示制御みたいなものがなくて、入れなくていいところに入れちゃう、みたいなことがすごく多かったんですよ。

ただ、アプリが良くなって、Shopifyの中身も良くなって、うちも問題をどんどん把握していくにつれて、少しずつ良くしていきました。最初からバッチリこうしたい、というものではなくて。

—— 構築から運用まで、どのような体制で行われていますか?

竹中さん 社内のECチームは全員ある程度Shopifyを触っています。構築に関しては、通常のECサイトを全て構築しているベンダーさんと、Shopifyに精通していらっしゃる会社さんの2社に入っていただいて構築しています。

カスタマーサポートは社内で対応しています。メールとLINEがほとんどなんですけど、やっぱりLINEがどんどん増えていますね。

—— 理想を100とすると、今のサイトはどのくらいの完成度でしょうか。

竹中さん まだ全然50くらいと思ってますけど。買えるというところまでは来ているんですけど、情報量を増やしたいので、その見せ方みたいな部分が、まだまだ全然足りていないです。

お客様が商品についてもっと深く知りたくなっていると感じていて、例えば、原材料の産地はどこかといった細かい話とか、こういう年代の人にあげたいんですけどみたいな、パーソナルなご要望やご相談をいただくことが多いので、その情報をうまくわかりやすく入れ込めないかなと思っています。

野菜をMOTTO オンラインサイト

(野菜をMOTTO オンラインサイト)

かゆいところに手が届くか。アプリ選びの基準

Shopifyには機能を拡張するためのアプリが数多く用意されています。決済や配送、定期購入やレビュー表示まで、標準にない機能はアプリで足していくのが、このプラットフォームの基本的な考え方です。

どのアプリを選び、どう組み合わせるかで、サイトの使い勝手は大きく変わってきます。標準では届かない細かいところを、どう補うか。その選び方に、ストアごとの運用のこだわりが表れます。

—— Shopifyのアプリは、どういう基準で選定されているのでしょうか。

竹中さん 機能面もみていますが、すでにいろんなアプリが入っているので、それぞれの連携を見ますね。今使っているアプリと、ほかのアプリとの相性がいいものを選んでいます。あとは自社のモバイルアプリとの連携だったり。

RuffRuff 予約販売アプリも、配送系のアプリとかなり連動しているので。かゆいところに手が届くというか。予約機能だったり、配送日の出し分けだったり、できそうでできないことが結構あるので、すごく使わせていただいていますね。

—— 「野菜をMOTTO」は定期購入をやられていますが、どんなアプリで実現しているのでしょうか。

竹中さん Shopify公式の機能だけだといろんな設定ができないので、アプリで実現しています。定期購入自体はShopifyにする前からやっていて、移行するときは、お客様が商品を毎回選べる、入れ替えができるアプリを選びました。うちはスープでいろんなフレーバーがあるので、固定したものを送るんじゃなくて、お客様が自分で個数や種類を自由に変えられる機能のあるものを、と。

—— Shopifyでもう少し良くなってほしいと感じる部分はありますか。

竹中さん それも定期購入ですね。いろんな機能を入れている分、重くなってしまったり、マイページの操作性でお問い合わせをいただくことも多くて。力を入れたいからこそ、まだまだ改善の余地ありかなと思っています。

野菜をMOTTOの定期購入

(野菜をMOTTOの定期購入)

運用型広告から、ブランド認知を上げる動きへ

—— 今、手応えを感じている取り組みがあれば教えてください。

竹中さん 今うちでは、ECに特化したよくある運用型の広告から、ブランドを上げる動きにシフトしていっています。その一環で、有名俳優さんと独自に契約をして、一緒にコンテンツを作ったり、イベントをしたりという活動を行っています。

ちょうど今月、東京の用賀で菊地亜希子さんとイベントをして、300人から400人くらい来場がありましたね。InterFMというラジオ局でラジオもやっているので、オフラインのイベントで商品を紹介して、その様子をインスタに上げたり、出展者さんやInterFMさん、菊地さんと、みんなで告知し合ったり。少し立体的な活動をしていますね。

—— 竹中さんご自身も、ECだけでないマーケティングに取り組まれる立場なのですね。

竹中さん そうですね。弊社は人数も少ないので、みんなでいろいろな事を把握している状態なんです。私自身はもともと前職がECではなくて、どちらかというとブランドマーケティングの分野の経験だったので、そこも含めて今もやっています。

—— 反対に、ECで課題を感じている部分はありますか。

竹中さん ECは、本当に今厳しくなってきていると感じていまして。さっき出た認知の活動が、すぐコンバージョンに結びつかないんですね。

イベントをやって、リリースを出して、メディアに取り上げてもらうことは少しずつできているんですが、じゃあそこから、どうやったらECまで来てくれるか。そこが結構まだまだ試行錯誤しています。アンケートをしてみると、実店舗で知りましたという方も意外と多くて。その部分はまだまだ考えていかなきゃいけないなと思っています。

買う側に回ると、自分のサイトが見えてくる

河野さんも竹中さんも、もともとECの専門家ではなく、業務起点でECに関わってきたお二人。だからこそ、積極的に自分が買う側に回ってみるといいます。すると、これまで見えなかったものが見えてくる。使いにくいサイト、つい買ってしまう仕掛け、届いてがっかりした商品。その一つひとつが、自分たちのサイトを見直す手がかりになります。

河野さん この仕事を始めてから、自分の買い物は全部ECで買うようになりました。当初は週に3、4件は家にものが届いて、「何これ買ったの、いらないじゃん」と家族に言われることも結構ありました。

竹中さん 私も前より全然使うようになりました。モールとか全然使ったことがなかったんですけど、楽天とかも使ってみて。買いながら「ここ買いづらいな」とか、「もうちょっとこうした方がいいな」とか、思うようになりましたね。

—— 印象に残っているショップはありますか。

河野さん つい買っちゃったな、というのはあります。広告で「PCが1円で」みたいなのが出てくると、うまいなと、買わされちゃうなと思うんですよね。ただ、自分が買ったものは、正直あまり長くは使えなかった。充電式のライトだったんですけど、最初から充電された状態で届いて、切れたらもう充電できなくて。

でも、そういうのを実体験で知ってるか知らないかで、言葉の重みが違う。お客さんが気になるところは、じゃあ自分のサイトではどうかと考えるので、そこで説得力が増しますよね。

AIで一定の水準に達する時代。差がつくのは商品力

野菜をMOTTO

(野菜をMOTTO)

—— 最後に、これからのブランドやEC事業者に求められることについて、ご意見を伺えますでしょうか。

河野さん 今までは、ECを始めるにあたっては、ランディングページだったり、いい写真を撮るだったり、いいキャッチフレーズやコピーを考えるとか、時間がかかったりスキルが必要なことで皆さん差別化を図ってきたと思うんですね。

最近はAIが発達することによって、それが簡単になった。これからは、どのサイトを見ても、ある程度一定の水準には達するということですよね。

なので、私たちがやらなくちゃいけないことは、商品力をいかに上げていくか、そこに尽きますよね。あくまでもブランドを正しく知ってもらうことがまず軸で、その手段としてECをやっているだけ。商品にこだわるところを追求していくのを、さらにブーストをかけてやっていかなくちゃいけないと思っていますね。

 

 

カートを4つ乗り換え、機能の穴をアプリで埋め、ブランドを知ってもらう活動に力を入れる。そのひとつひとつの地道な改善はすべて、商品を誠実に届けるためのものでした。売る場所やシステムが変わっても、売り方の軸は変わらない。ECはあくまで手段。「野菜をMOTTO」は、顧客に商品をきちんと届けるために、試行錯誤を重ねています。

👆️目次はShopifyアプリ「RuffRuff 目次作成」を利用

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