Shopifyには、ストア運営をサポートするAI機能「Sidekick」が用意されています。チャットで質問するだけで売上データの確認や設定方法の案内ができるだけでなく、顧客セグメントの作成やワークフローの構築など、管理画面上のタスクを直接実行できるAIアシスタントです。
2025年12月のWinter '26 Edition、2026年6月のSpring '26 Editionで、Sidekickは大きく進化しました。アプリの生成、Sidekick Pulse、スキル機能、サードパーティアプリとの連携、Apple Watch対応など、ストア運営者の作業環境全体をカバーするAIアシスタントへと拡張されています。
この記事では、Shopify Sidekickの基本機能だけではなく、Winter '26・Spring '26 Editionで発表された最新アップデート内容までをまとめて解説します。「Sidekickで何ができるのか」「どう使えば実務に役立つのか」を理解する際の参考としてご覧ください。
Sidekickと従来のAI機能との違い
Sidekickは、Shopifyストアの立ち上げから日々の運営、ビジネスの成長までをサポートするAI搭載のコマースアシスタントです。2025年4月には、日本語を含む20言語に対応し、日本のストアでもSidekickのサポートを利用できるようになりました。
これまでのAIツールは、文章作成や画像生成など特定の作業を支援するものが中心でした。それに対して、Sidekickはストア全体のデータをもとに回答するアシスタントです。商品データ、注文履歴、顧客情報、売上データなどを参照しながら質問に答えます。一般的なアドバイスではなく、実際のストア状況に基づいた回答が得られる点が特徴です。
Shopify公式では、Winter '26 Edition で公開されたSidekickのアップデートをまとめた動画も公開されています。
出典:Shopify公式 YouTube「Shopify Sidekick gets major AI upgrades in Winter '26 Edition」
Shopify Magicとの違い
Shopify Magicは、Shopifyに搭載されたAI機能の基盤です。ストア構築、マーケティング、カスタマーサポート、バックオフィス業務など、EC運営に関わるさまざまな作業をAIでサポートします。
Shopify Magicが「AI機能全体を支える基盤」であり、Sidekickはその技術を活用した「会話型AIアシスタント」という関係です。Sidekickを利用することで、日常的な言葉でAIに質問しながら、ストア運営のタスクを進めたり、意思決定のヒントを得たりすることができます。
Shopify Magicを活用した機能には、次のようなものがあります。
- 商品説明やメール件名、ブログ記事などのテキスト生成
- 画像編集や背景削除などのメディア生成
- テーマ生成
- テーマブロック生成
- アプリレビューの要約
- カスタマーセグメントの作成
- Sidekick(会話型AIアシスタント)
以下のような操作を、チャット形式で進めることができます。
- ストアの売上データを確認する
- アプリの選定を相談する
- 設定方法を質問する
Shopify Magicについて詳しくは以下の記事をご覧ください。
Shopify Sidekickでできること
Sidekickでは、ストア運営に関わるさまざまな操作をチャットで行うことが可能です。
ストアデータの分析
Sidekickはストアのデータをもとに、売上や顧客情報を分析できます。
- 先月のベストセラー商品は?
- 在庫が少ない商品は?
- 特定商品の売上推移は?
Sidekickに上記のような質問を入力すると、ShopifyQLのクエリが生成されます。生成されたクエリをレポートに適用することで、必要なデータを確認できます。

Sidekick:レポート機能でShopifyQLクエリを反映
管理画面のタスク実行
Sidekickは質問に答えるだけでなく、管理画面の操作をサポートします。たとえば次のような依頼が可能です。
- 新しいコレクションを作成
- 商品価格の変更
- 商品の検索
チャットで指示を出すだけで操作を進められるため、管理画面内で操作箇所を探す手間を減らせます。
管理画面の設定サポート
設定ページを開いた状態で質問すると、現在の画面に合わせた説明を表示します。この設定は何を意味するのか、おすすめの設定方法は何かといった疑問にも回答してくれます。
Shopifyを使い始めたばかりのストア運営者にとって便利な機能です。

Sidekick:配送料の設定方法について質問

Sidekick:Shopifyの管理画面>設定>発送と配達の画面を表示しながら、追加で質問をすると表示している画面を参照しながら回答
商品や顧客データの確認
Sidekickを使うと、特定のデータもすぐに確認できます。複数の管理画面を行き来する必要がなく、検索からデータを閲覧するまでの作業をスムーズに行えます。
- SKUから商品を検索
- 特定顧客の注文履歴を確認
- 商品の在庫状況を確認
データを確認するには、各機能へのアクセス権限が必要です。Sidekickに依頼する前に、自分のアカウントに必要な権限が付与されているか確認しておきましょう。
Shopify Sidekickの使い方
Sidekickの基本の使い方を紹介します。
Sidekickを起動する
Shopify管理画面にログインすると、画面右上にSidekickのアイコンが表示されます。このアイコンをクリックするとチャット画面が開き、すぐに質問できます。どのページからでも起動でき、現在表示しているページの内容を踏まえて回答します。

Shopify管理画面:Sidekickのアイコンをクリック

Shopify管理画面:Sidekickとテキストベースで課題解決を実施
Sidekickに質問する
Sidekickを起動後、入力欄に質問やサイト内で検索したいデータについて入力すると、回答やデータを表示することができます。 質問する際は画像データやファイルを参照したり、現在表示している画面を選択して、その機能について質問したりすることも可能です。

Sidekick:入力欄

Sidekick:「対象」を選択

Sidekick:画面内で、質問したい項目をクリック

Sidekick:クリックしたsectionに関する回答
Shopify Sidekickの活用例
Sidekickは入力された質問に回答するだけでなく、マーケティング施策や顧客分析にも活用できます。
顧客セグメント作成で休眠顧客を掘り起こす
Sidekickを使えば、特定の条件に合う顧客グループを簡単に作成するだけではなく、その後のアプローチもセットでサポートしてくれます。
ただし、意図通りのワークフローやセグメントが100%正確に作成できるとは限りません。作成したワークフローやセグメントが意図通りのセグメントになっているか、施策実行前に確認しましょう。

Sidekick:「東京在住で過去3ヶ月購入していない顧客セグメントを作成」を依頼

顧客管理:「東京在住で過去3ヶ月購入していない顧客セグメント」のクエリをSidekickが作成

Sidekick:作成したセグメントに対してのアプローチ方法をSidekickに相談

Sidekick:提案されたアプローチ方法のうち、Shopify Flowを利用した施策のサポートを依頼

Sidekick:Sidekickがターゲットに合わせてワークフローを作成
Shopifyアプリを検索・比較
ShopifyアプリをSidekick上で検索できるようになりました。おすすめのアプリの紹介や、アプリの機能を比較した一覧を表示してくれます。
アプリの情報はShopify App Storeの記述を参照しています。実際に利用できる機能やサポート内容は、アプリのサポートページやドキュメントを実際に確認してからインストールを検討しましょう。

Sidekick:おすすめのレビューアプリを検索

Sidekick:アプリの比較表
Shopify Sidekickの最新アップデート(2026年6月時点)
サードパーティアプリ連携(Spring '26)
Judge.me、Klaviyo、Loop、Smile、Yotpoなど15以上のサードパーティアプリと、Sidekickが直接連携できるようになりました。
たとえば、Klaviyoのキャンペーン成果、Loopの返品データ、Smileのロイヤルティ状況などを、Shopify管理画面のSidekickチャット内で確認できます。一部のアプリでは、Sidekickの会話からそのままアプリ内の該当画面に移動して、タスクを完了させることも可能です。
連携可能なアプリは、Shopify App StoreのSidekick対応アプリ一覧で確認できます。
モバイル・音声対応(Winter '26 → Spring '26で拡張)
Winter '26で音声通話機能がShopifyモバイルアプリで利用可能になり、Spring '26ではモバイルアプリのどの画面からでもテキスト入力または音声でSidekickを呼び出せるようになりました。フルスクリーン占有がないため、ストア編集中も並行してSidekickに相談できます。
さらに、Spring '26ではApple WatchからもSidekickに質問でき、外出先でもストアの状況を確認できます。
ただし、Shopifyの設定をSidekickが直接変更することはできないため、実際の操作はストア側で実行する必要があります。

Sidekick:入力欄右アイコンから音声通話機能を利用

Sidekick:音声で質問に回答

Sidekick:音声通話の履歴はトーク画面に
Sidekick Pulse(Winter '26 → Spring '26で拡張)
Sidekick Pulseは、ストアの売上・在庫・トラフィックなどのデータを自動で分析し、パーソナライズされた推奨事項を生成する機能です。
Winter '26で導入され、Spring '26では管理画面ホームの中央に統合されました。ストアにログインするたびに、集客・コンバージョン・リピート販売に役立つヒントが自動表示されます。

画像出典:Winter '26 Edition
Sidekick Pulseを利用するには、事前にShopify Network Intelligenceを有効にする必要があります。Shopify Network Intelligenceは顧客のデータを他のマーチャントの顧客データと安全に組み合わせてインサイトを生成し、以下のような機能を提供します。
-
ストアとお客様向けの改善された商品とパーソナライゼーション
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ストアパフォーマンスの向上
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マーケティング予算を最大限に活用するための広告ターゲティングの改善

Shopify管理画面:Shopify Network Intelligenceの有効化
Shopify Network IntelligenceについてはShopifyヘルプセンター「Sidekick Pulseで推奨事項を得る」から詳細を確認できます。
Shopify Network Intelligenceについて、詳しくは以下の記事もご覧ください。
スキル機能(Winter '26)
スキルは、Shopify管理画面内でアプリが提供する専門的な機能やツールにアクセスできる仕組みです。Sidekickがインストール済みのアプリの機能を活用して、より高度なタスクを実行できるようになります。
また、アプリに関する作業だけではなく、よく利用するプロンプトをスキルとして登録すると、ストア内の作業が楽になります。
例えば、「新しい商品の商品説明を作成して欲しい」というスキルを登録すると、プロンプトを都度入力することなくSidekickで商品説明を作成することができます。
スキルの詳しい利用方法はShopifyヘルプセンター「Sidekickで保存されたプロンプトを使用する」を確認してください。

Sidekick:「スキル」を選択する

Sidekick:新規でスキルを作成

Sidekick:ショートカット名とプロンプトを記入。ブランドの特色に合わせて文章のテイストを指定する指示や、文字数などを指定できます。

Sidekick:既存スキルは一覧で表示され、クリックすると利用可能

Sidekick:登録したスキル「Create Product Description」を利用して、商品説明を作成
アプリの生成サポート(Winter '26 → Spring '26で拡張)
Sidekickを使用してShopify管理画面用のアプリを生成できます。アイデアを説明すると、Sidekickが最初のプロンプトに基づいてアプリを作成し、その後のプロンプトで調整を行います。
Spring '26では、生成したアプリのエディタが改善され、コード編集、デスクトップ・モバイルでのプレビュー、バージョン履歴の追跡が可能になりました。
ただし、利用できるのは管理画面内のみで、テーマのカスタマイズには利用できません。
今回「お気に入り登録アプリ」の作成を指示してみましたが、作成したアプリを利用できる範囲は管理画面内のみで、ストアのフロントストアやアプリブロックの追加はできませんでした。
アプリを生成する際は、Shopifyヘルプセンターも合わせて確認してください。

Sidekick:アプリを生成をクリック

Sidekick:「お気に入り機能の追加」を指示

Sidekick:作成したアプリをインストール

Sidekick:お気に入り登録アプリの作成を指示

Sidekick:お気に入り登録アプリの利用制限
マルチタスク・追加質問機能(Spring '26)
Spring '26では、Sidekickがバックグラウンドで作業を継続するようになりました。新しいタスクを開始したり、複数のチャットを並行して実行したり、ウィンドウを閉じても、進行中の作業は中断されません。
また、Sidekickが情報を必要とする場合、複数選択肢を提示するようになりました。曖昧な指示でも、選択肢から選ぶだけで意図を明確化でき、やり取りの往復回数を減らせます。
管理画面操作のサポート(Spring '26)
Spring '26では、以下の管理画面操作もSidekickでサポートされるようになりました。
- 顧客の自動作成:顧客の特性を言葉で説明するだけで、Sidekickが顧客管理フォームを自動で入力
- Shopify Flowのオートメーションテスト:Sidekickを使用してFlowのテストイベントを生成し、ロジックが意図通りに動くかを検証
- モバイルアプリでのオンラインストア編集:Shopifyモバイルアプリ内でテーマ編集が可能になり、Sidekickを組み込んだ編集体験が利用できる
Shopify Sidekickの料金
Sidekickは、すべてのShopifyプランで追加料金なしで利用できます。基本的な質問、データ分析、タスクサポートなどの機能は無料です。
ただし、アプリの生成機能に関しては以下の記載があり、今後利用制限が設けられる可能性があります。(2026年6月時点)
Sidekick を使用したアプリの生成は、Grow プラン、Advanced プラン、および Shopify Plus プランのストアでのみご利用いただけます。
※引用:Shopifyヘルプセンター「Sidekickでアプリを生成する」
トラブルシューティング
Sidekickを利用するにあたって、課題になりやすいポイントをまとめました。
Sidekickが表示されない場合
Sidekickのアイコンが表示されない場合は、次の点を確認してください。
- ブラウザを最新版に更新する
- 広告ブロッカーを一時的に無効化する
- モバイルWeb管理画面から閲覧していないか
- https://admin.shopify.com/store/ストア名/sidekick が開けるかどうか
Sidekickで解決できない場合は、ShopifyヘルプセンターもしくはSidekickからサポートチームへの問い合わせをおすすめします。
Sidekickへの質問のコツ
Sidekickに質問する際は、できるだけ具体的に聞くのがおすすめです。商品名や期間を含めるとより詳しい情報を取得しやすくなり、意図通りの回答が得やすくなります。
例: × 売上を教えて ○ 先月のメープルシロップ商品の売上は?
また、一度に複数の依頼を入力するのではなく、作業内容を分割して依頼すると進行しやすくなります。「休眠顧客向けにメルマガを配信したい」という場合は、まず休眠顧客のセグメントを作成し、その後にメルマガの作成やテキスト案をSidekickに依頼するとスムーズです。
まとめ
Shopify Sidekickは、Winter '26・Spring '26の2回のEditionで、音声サポート、スキル機能、Sidekick Pulse、サードパーティアプリ連携、Apple Watch対応など、ストア運営を支援するAIとして機能が拡張されています。
まずは管理画面のSidekickアイコンから、売上データの確認や設定に関する質問など、簡単な操作から試してみるのがおすすめです。
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