Shopifyマーケットのカタログ機能とは?地域・B2B・小売の違いと設定手順を解説

Shopifyマーケットのカタログ機能とは?地域・B2B・小売の違いと設定手順を解説

Shopifyの管理画面には「カタログ」という項目があります。このカタログ機能は1種類ではなく、用途の異なる3つのタイプに分かれています。タイプを取り違えたまま設定を進めると、意図しない相手に価格が適用されるなどのトラブルにつながります。

この記事では、3種類のカタログそれぞれの役割と、具体的な設定手順を解説します。本記事で扱うのは、マーケット(販売先の国・地域や取引先)ごとに商品と価格を出し分けるカタログ機能です。

なお、AIエージェント向けに商品データを配信する「Shopify Catalog」という別の機能が存在します。こちらは本記事の対象とは異なる機能です。

Shopifyのカタログ機能とは?3つの種類と違い

はじめに3つのカタログ機能の違いについて整理しましょう。

カタログには3つの種類がある

Shopifyのカタログ機能は、「商品のラインナップと価格を、特定の顧客グループ向けにカスタマイズする仕組み」です。

カタログには以下の3種類があり、それぞれ対象とする販売形態が異なります。

  • 地域マーケット用カタログ:地域(国・エリア)ごとに商品や価格を出し分けるための機能
  • B2Bマーケット用カタログ:卸売先の企業ごとに専用の商品・価格を設定するための機能
  • 小売マーケット用カタログ:対面販売(POS)の店舗ごとに商品・価格を出し分けるための機能

自分のストアでやりたいことがどの種類に該当するかを確認したうえで、読み進めてください。

地域マーケット用カタログの概要

地域マーケット用カタログは、Shopifyの「マーケット」機能と連携して使います。マーケットとは、販売先の国や地域をグループ化して管理する仕組みのことです。

地域マーケット用カタログを使うと、マーケット(地域グループ)ごとに次のような設定ができます。

  • 特定の商品を非公開にする(例:日本では販売しない商品を除外する)
  • 地域ごとに価格を調整する(例:北米向けは10%引き上げ)
  • 商品ごとに個別の価格を設定する

地域マーケット用カタログは、Shopifyのどのプランでも利用可能です。

B2Bマーケット用カタログの概要

B2Bマーケット用カタログは、法人向けの卸売販売で使う機能です。取引先の企業(会社)やそのロケーション(拠点)ごとに、専用の商品ラインナップと価格を設定できます。

企業ごとに卸売価格を変える、特定の企業にだけ商品を公開する、数量ルールや大量購入時の値引き(量ベースの価格)を設定する、といったことが可能です。

基本的な機能(会社プロフィールの作成、量ベースの価格設定、マーケット経由で割り当てる最大3つのB2Bカタログ)は、2026年6月のアップデート(Spring '26 Edition)により、Basic・Grow・Advancedの各プランでも追加費用なしで利用できます。

会社ロケーションへの直接割り当てや分割払い・前払いなど一部の機能は、引き続きShopify Plusプランが必要です。

下記のブログ記事ではShopify B2Bに関して詳しく解説しています。ご参考にしてください。

小売マーケット用カタログの概要【POS Pro、Shopify Plus限定】

小売マーケット用カタログは、Shopify POSを使った対面販売向けの機能です。店舗ロケーションごとに、オンラインとは異なる価格や商品の公開ルールを設定できます。

たとえば、実店舗Aと実店舗Bで異なる価格を設定したり、特定の店舗でのみ販売する商品を管理したりといった使い方が可能です。

ただし、カタログのカスタマイズにはPOS Pro、またはShopify Plusプランが必要です。

以降では、地域マーケットとB2Bマーケット向けを中心に解説します。

カタログの作成手順【地域・B2B共通】

地域マーケット用・B2Bマーケット用のカタログは、どちらも同じ画面から作成します。大まかな流れは以下の通りです。

  1. 管理画面の「マーケット」 > 「カタログ」からカタログを作成する
  2. カタログ名、通貨、価格調整(全体調整または個別価格)を設定する
  3. カタログに含める商品を選択する
  4. 作成したカタログを地域マーケットまたはB2Bに割り当てる

カタログを新規作成する

管理画面の左メニューから「マーケット」 > 「カタログ」へ進み、「カタログを作成」をクリックします。

カタログを作成ボタンの位置

まず、カタログの名前を「タイトル」の箇所に入力します。この名前は管理用のもので、お客様には表示されません。「北米向け」「A社専用」など用途がわかる名前を付けておくと、カタログが増えたときに管理しやすくなります。

新規カタログの画面

画像出典:Shopify

タイトルの横にある公開状況は、「アクティブ」を選べばすぐに使い始めることができます。設定を確認してから使いたい場合は「下書き」を選択してください。

価格を設定する

カタログの「価格設定」セクションでは、2つの方法で価格を調整できます。

全体の価格調整

価格設定セクションの「価格調整」欄にパーセンテージを入力し、「引き上げ」または「引き下げ」を選びます。たとえば「10%引き上げ」に設定すると、カタログ内のすべての商品が10%アップで表示されます。

価格設定

個別の価格設定

特定の商品だけ別の価格にしたい場合は、「商品」セクションで個別に金額を入力します。個別価格を設定した商品は、全体の価格調整の影響を受けません。

たとえば、全体調整を10%引き上げにしていても、ある商品に個別で10,000円と設定すれば、その商品はお客様に10,000円で表示されます。

個別の価格設定

通貨の設定

また、「設定価格の通貨」では、カタログの通貨を選択できます。なお、お客様が実際に閲覧・決済する通貨は、カタログの通貨ではなくマーケットの通貨設定に従います。

通貨の設定

商品の追加・除外を設定する

「商品」セクションでは、カタログに含める商品を管理します。デフォルトではすべての商品が含まれるため、除外したい商品があればチェックを入れて、「カタログから除外する」をクリックしてください。

カタログから除外する

またデフォルトでは新規商品が追加された場合にカタログに自動で含める設定になっています。解除したい場合には、「新しい商品を自動的に含める」のスイッチをオフにしましょう。

カタログをマーケットや取引先に割り当てる

作成したカタログは、マーケットまたは取引先に割り当てることで初めて機能します。割り当て先によって手順が異なるため、自分の用途にあわせて確認してください。

タイトル入力欄下にある「マーケットを追加」をクリックし、「地域」「B2B」タブで切り替え。割り当てたいマーケットを選択しましょう。

マーケット地域の設定

地域マーケットでは、「カタログ」設定の横にある+アイコンをクリックして、割り当てたいカタログを選択することも可能です。

マーケット地域を北米に設定した様子

サブマーケットへのカタログ継承

地域マーケットでは、既存のマーケットの下に「サブマーケット」を作成できます。たとえば以下の画像のように「北米」マーケットの下に「カナダ」サブマーケットを作るような使い方です。

サブマーケットの設定

サブマーケットは、親マーケットのカタログ設定をデフォルトで引き継ぎます。そのうえで、サブマーケット独自のカタログを追加したり、価格を変更したりすることも可能です。

親カタログとサブマーケットのカタログの両方に同じ商品がある場合は、より具体的なサブマーケット側の価格が優先されます。

カタログ運用で押さえておきたいポイント

ここではカタログを運用する際に押さえておきたいポイントを3つ紹介します。

複数カタログを割り当てたときの価格ルール

1つの地域マーケットや会社ロケーションに複数のカタログを割り当てることが可能です。その場合、お客様に表示される価格は次のルールで決まります。

地域マーケット

各カタログに異なる商品が含まれていれば、すべての商品が表示されます。同じ商品が複数のカタログに含まれている場合は、より低い価格が表示されます。

B2Bマーケット

基本的な考え方は地域マーケットと同じです。ただし、会社ロケーションに直接割り当てたカタログと、B2Bマーケットに割り当てたカタログの両方に同じ商品がある場合は、会社ロケーション側の価格(より具体的な設定)が優先されます。

CSVを使った一括更新

商品数が多い場合は、CSVファイルを使ったカタログの一括更新が便利です。

管理画面の「マーケット」→「カタログ」から対象のカタログを開き、商品セクションにある「インポート」を選択します。csvファイルをアップロードしてプレビューを確認したら、インポートを実行すれば完了です。

インポートボタンの箇所

初めてインポートする際には、「エクスポート」でフォーマットを出力し、そのフォーマットの価格欄を変更するとスムーズです。変更箇所は「Fixed Price」の項目です。

【B2Bマーケット向け】数量ルール・量ベースの価格設定

B2Bマーケット用カタログには、卸売に便利な価格設定機能が用意されています。

数量ルールは、商品ごとに「最小購入数」「最大購入数」「購入の増分(ロット単位)」を設定する機能です。たとえば「最小10個から、5個単位で注文可能」のような条件を付けられます。

量ベースの価格は、一度に多く購入した場合に自動で値引きが適用される仕組みです。「50個以上の注文で単価を10%オフ」といった設定が可能で、商品ごとに最大10件の数量帯を設定できます。

これらの設定は、カタログ内の商品管理画面から商品ごとに設定可能です。

まとめ

Shopifyのカタログ機能は、商品と価格を「誰に」出し分けるかで3種類に分かれます。海外の顧客向けなら地域マーケット用、卸売の取引先向けならB2Bマーケット用、実店舗向けなら小売マーケット用です。

最初に確認すべきは、自分のやりたいことがこの3つのどれに当たるかです。たとえば「日本の実店舗で別価格を出したい」のに地域マーケット用カタログを設定しても、意図通りには動きません。対象がオンラインの地域なのか、特定の取引先なのか、実店舗なのかを切り分けてから設定を始めると、本記事で解説した手順がそのまま使えます。

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