Shopify MCPとは?種類やできること、ストア運営者への影響をわかりやすく解説

Shopify MCPとは?種類やできること、ストア運営者への影響をわかりやすく解説

Tsun ライターチーム

Shopifyでも、AIと商品情報や購入機能などをつなぐためにMCPが活用されています。MCPはAI開発向けの技術と思われがちですが、ShopifyではAIが商品を検索したり、カートやチェックアウトを操作したりする場面にも利用されています。

本記事では、Shopify MCPの仕組みや種類、AIショッピングでの役割、ストア運営者への影響を解説します。

Shopify MCPとは

この記事では、Shopifyで利用される複数のMCPサーバーや関連する仕組みを、分かりやすく「Shopify MCP」と表記します。

Shopifyでは、開発支援や商品検索、カート、チェックアウトなど、用途に応じた複数のMCPサーバーが提供されています。UCPに準拠したMCP群がそろったことで、AIとの対話の中で商品が見つかり、そのまま購入までつながる流れが整いつつあります。

ストア運営者がMCPを直接実装する必要はありませんが、AI経由の商品発見や購入はこれらのMCPの上で動きます。まずは商品情報を正確かつ具体的に登録することから始め、あわせて自社ストアでのAI接客の活用も検討してください。

MCPはAIとShopifyの情報や機能をつなぐ仕組み

MCPは「Model Context Protocol」の略称です。AIが外部のデータやツールと共通の方法でやり取りするための規格です。

2026年8月時点で、Shopifyでは主に次のMCPが提供されています。

MCP 主な役割
Dev MCP Shopifyアプリやテーマなどの開発をAIで支援
Global Catalog MCP Shopify上の複数マーチャントから商品を検索
Storefront Catalog MCP 特定のShopifyストアから商品を検索
Cart MCP カートを作成し、商品や数量などを変更
Checkout MCP チェックアウトセッションを作成・管理
Order MCP AIエージェント経由で作成した注文情報を取得
Storefront MCP 特定ストアの商品検索やポリシー確認、購入体験を提供
Customer Accounts MCP 認証済み顧客の注文やアカウント情報を利用

本記事の記載は2026年8月時点の情報を基にしています。

通常、AIがShopifyの情報や機能へ自由にアクセスできるわけではありません。MCPサーバーを介することで、AIが利用できる情報や実行できる操作を決められた形式でやり取りできます。

たとえば、Shopifyの商品を検索するMCPでは、AIから「オーガニックコットンのセーターを探して」といった条件を送信し、条件に合う商品情報を取得できます。商品を選んだ後は、別のMCPを使ってカートやチェックアウトにつなげることも可能です。

Shopifyでは開発支援とAIショッピングでMCPが活用されている

ShopifyにおけるMCPの用途は、大きく「Shopify開発の支援」と「AIショッピング」の2つに分けられます。

開発支援ではDev MCPを利用することで、CursorやClaude CodeなどのAIツールからShopifyの開発情報を参照できます。Shopify APIやLiquidなどについてAIに質問したり、コード作成を支援してもらったりする用途です。AIショッピングでは、商品検索やカート、チェックアウト、注文確認などをAIから扱うためにMCPが利用されています。

Shopify MCPとUCPの関係

AIショッピングに関連する規格がUCP(Universal Commerce Protocol)です。MCPがAIと外部のデータや機能をやり取りする方法を定める規格なのに対し、UCPは商品検索、カート、チェックアウトなどのコマース機能を共通の形式で扱うための規格です。Shopifyでは、UCPに準拠したCatalog MCP、Cart MCP、Checkout MCP、Order MCPなどが提供されています。

UCPについて詳しくは、次の記事をご覧ください。

Shopify MCPの種類とできること

Shopifyでは用途に応じて複数のMCPサーバーが提供されています。すべてのShopifyストア運営者が各MCPを直接設定する必要はありません。開発するAIサービスやアプリによって必要なMCPを使い分けます。

Dev MCP|AIを使ったShopify開発を支援する

Dev MCPは、AIによるShopify開発を支援するMCPサーバーです。主な利用者は、Shopifyアプリ、テーマ、カスタムストアフロントなどを開発するエンジニアやShopifyパートナーです。

Shopifyの開発リソースをAIから利用でき、Shopify APIの仕様確認やコード作成などに活用できます。Shopify公式のAI Toolkitでも、MCPを利用する場合の接続先としてDev MCPが案内されています。

Shopify AI Toolkitについて詳しく知りたい場合は、次の記事もご覧ください。

Catalog MCP|AIがShopifyの商品を検索する

Catalog MCPは、AIがShopifyの商品を検索・取得するために利用されます。Shopifyでは検索範囲によって、Global CatalogとStorefront Catalogが用意されています。

Global Catalog MCPは、Shopify全体のマーチャントの商品を対象に検索するためのMCPです。複数ストアの商品を比較するショッピングAIなどに向いています。

Storefront Catalog MCPは、特定の1ストアに範囲を限定して商品を探すためのMCPです。自社ストア専用の商品検索AIなどに利用できます。

Shopify Catalogの仕組みやストア運営者が確認したい対応については、次の記事をご覧ください。

Catalog APIについて詳しく知りたい場合は、開発者向けの次の記事も参考になります。

Cart・Checkout・Order MCP|商品発見から購入後までをつなぐ

Cart MCPは、商品の追加や数量変更など、購入前のカートを管理するMCPです。購入者が商品を比較している段階では、カート内容を変更しながら合計金額などを確認できます。

Checkout MCPは、購入者が購入する商品を決めた後にチェックアウトセッションを作成するMCPです。Cart MCPで作成したカートをチェックアウトへ変換し、Shopifyストア側の購入画面へ誘導できます。利用するエージェントや権限によっては、エージェント側でチェックアウトを完了する仕組みにも対応します。

Order MCPは、AIエージェント経由で作成された注文の現在の状態を取得するために利用されます。商品、フルフィルメント、購入後の変更などの注文情報を確認できます。なお、Order MCPで取得できるのはエージェント自身が作成した注文であり、顧客が過去に別の販売チャネルで購入した注文を横断して検索する仕組みではありません。

Storefront MCP|特定のShopifyストアとAIをつなぐ

Storefront MCPは、特定のShopifyストアとAIエージェントを接続するためのMCPサーバーです。ストアの商品カタログやポリシーなどをAIから利用できるため、「おすすめの商品を探す」「商品について質問する」「配送や返品条件を確認する」といったAI接客機能を構築できます。

Storefront MCPでは、UCPに準拠した仕組みを使ってストアの商品を検索できます。従来提供されていたカート関連機能は非推奨となっており、現在はUCPに対応したCart MCPへの移行が案内されています。非推奨ツールの維持期限は2026年8月31日と案内されています。

AIを通じた商品発見や購入の仕組みについて詳しくは、次の記事をご覧ください。

Customer Accounts MCP|顧客の注文やアカウント情報を扱う

Customer Accounts MCPは、認証済みの顧客に関する情報をAIから扱うためのMCPサーバーです。たとえば、「注文した商品はいつ届く?」「過去の注文内容を確認したい」といった問い合わせに対して、認証済みの顧客情報をもとに回答するAIアシスタントを構築できます。注文だけでなく、顧客アカウントに関する操作にも利用されます。

個人にひもづく情報を扱うため、誰でも自由にアクセスできるわけではありません。OAuth 2.0による顧客認証に加えて、アプリ側でもShopifyが定める保護された顧客データへのアクセス要件などを満たす必要があります。

Shopifyストア運営者がMCPに備えてできること

Shopify MCPの多くは開発者向けの仕組みであるため、一般的なShopifyストア運営者がMCPサーバーを自分で構築する必要はありません。重要になるのは、AIが商品を理解しやすい状態を整えることです。

商品情報を正確かつ具体的に登録する

AIがユーザーの希望に合う商品を探すには、商品の特徴を判断できる情報をShopify上に登録しておくことが重要です。

商品タイトルや説明文だけでなく、カラー、サイズ、素材、商品カテゴリー、価格、在庫、バリエーションなども正確に登録しておく必要があります。たとえば、商品タイトルが「ABC-001」だけでは、AIが商品の種類や特徴を判断しにくくなります。

AIショッピングでは、「黒色」「Mサイズ」「コットン素材」といった条件を指定して商品を探す場面も考えられます。購入者が商品を比較しやすいように、商品の特徴を具体的に登録し、価格や在庫を含めて最新の状態に保つことが大切です。

自社ストアでAI接客を活用するか検討する

MCPは外部のAIチャネルだけでなく、自社ストア向けのAIショッピングアシスタントを開発する場合にも利用できます。

Storefront MCPやStorefront Catalog MCPを利用すれば、自社の商品を検索したり、商品やストアポリシーに関する質問へ回答したりするAIを構築できます。Customer Accounts MCPを組み合わせれば、ログイン済み顧客への注文案内などにも機能を広げられます。商品数が多い、購入前の質問が多い、商品選びに比較や相談が必要といったストアでは、AI接客を活用しやすいでしょう。

まとめ

Shopifyでは、開発支援や商品検索、カート、チェックアウトなど、用途に応じた複数のMCPサーバーが提供されています。

ストア運営者がMCPを直接実装する必要はありませんが、AI経由の商品発見や購入を見据え、商品情報を正確に管理しておくことが重要です。

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