オンライン書店の開業ガイド!開業ステップや必要な許可まで徹底解説

オンライン書店の開業ガイド!開業ステップや必要な許可まで徹底解説

本を通じて読書の楽しさを広めたいと考えている方にとって、ネット書店の開業は夢を実現する第一歩です。ネット書店は実店舗よりはコストを抑えて出店できるメリットがありますが、初期費用や仕入れ方法、集客の仕組みなど、準備すべきポイントが多いのも事実です。 本記事では、ネット書店開業に必要な基礎知識や具体的な手順、運営のコツをわかりやすく解説します。

オンライン書店の魅力|低コストで全国に届ける自由な販売

オンライン書店には「低コスト」「柔軟な運営」「広範囲な販売網」などの魅力があります。それぞれを具体的に見ていきましょう。

メリット オンライン書店 実店舗
開業コスト EC構築費・ドメイン代のみ 賃料や内装費が高い
固定費 ほぼゼロ 賃料・光熱費が必要
商圏 全国・海外へ販売可能 地元顧客中心
営業時間の制約 24時間365日営業可能 営業時間内のみ対応可能
在庫管理 予約販売などで柔軟対応可能 スペースの制約あり

1. 低コストで開業&運営できる

オンライン書店の最大の魅力は、比較的安価にスタートできることです。

初期費用が安い

実店舗では賃料や内装工事費で数百万円かかることもありますが、オンライン書店ではECサイト構築費やドメイン代を含め、10~20万円程度で始めることができます。例えば、Shopifyでサイトを構築する場合は、月額3,650円から利用できます。

固定費が少ない

店舗維持費や光熱費がかからず、月々の運営コストを大幅に抑えられます。

簡単に開業できる

ShopifyやBASEなどを活用すれば、専門知識がなくても簡単にオンライン店舗を構築できます。

2. 海外にも商品を届けられる広い商圏

オンライン書店は実店舗のように営業時間を気にする必要がなく、顧客は好きな時間に注文が可能です。また、実店舗が地元の顧客に限られるのに対し、全国、さらには海外の顧客に商品を販売可能です。

3. 在庫管理が柔軟で効率的

実店舗だとスペースに限りがあるため余剰在庫が発生する可能性がありますが、オンライン書店であれば仕入れ数を調整したり、予約販売を活用したりして、無駄な在庫を減らすことができます。

4. マーケティング戦略が立てられる

オンライン書店は、実店舗では実現が難しいマーケティング戦略を活用できる点が大きな魅力です。

SNSを活用した集客が簡単

InstagramやX(旧Twitter)を使えば、ターゲット層に直接アプローチできます。「#読書好き」や「#おすすめ本」などのハッシュタグを使うことで、興味を持つ顧客に情報を届けられます。

データに基づいたターゲティング

オンライン書店では、顧客の購入履歴や閲覧履歴をもとにしたレコメンド機能を活用できます。例えば、「この本を買った人におすすめ」といった提案で追加購入を促せます。さらに、トレンドデータを分析することで、時期に応じた売れ筋の本を効果的に特集できます。

コンテンツマーケティングができる

ブログや特集ページを作成し、検索エンジンからの集客を狙えます。「おすすめのビジネス書」や「母の日に贈る小説特集」など、SEOを意識したコンテンツを作成することで、新しい顧客層を取り込むチャンスが広がります。

メールマーケティングでリピーターを確保

新刊情報や特別セールの案内をメールで配信することで、顧客との関係を継続できます。特に、購入履歴に基づいてパーソナライズされたメールを送ることで、リピーターの育成につながります。

有料広告で効率的に顧客にリーチ

Google広告やSNS広告を活用すれば、年齢層や興味、地域を絞ったターゲティングが可能です。例えば、絵本を親世代に宣伝したり、話題の小説を若年層に届けるなど、効率的な集客が期待できます。

ネット書店開業までの4つのステップ

ネット書店を開業するには、具体的な手順を一つずつ進めることが成功への近道です。ここでは、初めての方でも取り組みやすい4つのステップをご紹介します。

手順1. 店舗名やブランドイメージを決める

店舗名とブランドイメージは、お店の個性を表現する重要な要素です。顧客に覚えてもらいやすいシンプルで魅力的な名前を選びましょう。また、取り扱うジャンルが連想できる名前にすると、ターゲット層の関心を引きやすくなります。

さらに、店舗名はドメイン名として使用することも想定して、すでに使われていないか事前に確認しておくことが大切です。ブランドイメージに合わせて、ロゴやカラーを決めることで、視覚的にも統一感のある店舗作りができます。

手順2. 販売サイトを構築する

次に、オンラインで商品を販売するためのサイトを作ります。現在では、初心者でも簡単にサイトを構築できる便利なプラットフォームがあります。

Shopify

Shopify

画像出典:Shopify

Shopifyは豊富なテンプレートと直感的な操作で、デザイン性の高いサイトが構築可能です。支払い方法もクレジットカードやPayPalなど多様に対応し、在庫管理機能や予約販売設定で効率的な運営が実現します。

さらに、SEO対策が充実しており、「絵本 通販」などのキーワードを活用して検索エンジンからの集客も期待できます。SNS連携やメールマーケティング機能を活用すれば、ターゲット層へのアプローチも簡単です。

Shopifyについて詳しくはこちらの記事をごらんください。

Shopifyとは?ショッピファイのメリットやデメリット

BASE

冒険研究所書店

画像出典:冒険研究所書店

BASEは、初期費用や月額費用が0円から始められるため、初心者でもリスクを最低限に抑えて開業することができます。直感的な操作でデザイン性の高い店舗を簡単に作れるうえ、商品レビューやクーポン発行など便利なアプリで機能を拡張可能です。

さらに、クレジットカードやコンビニ払い、キャリア決済など多彩な支払い方法に対応している点も魅力です。BASE独自のマーケットプレイスや集客サポートがあるため、初心者でもアクセスを集めやすく、小規模な書店運営に最適です。

手順3. 開業届や古物商許可を申請する

ネット書店で中古本を扱う場合、「古物商許可」の取得が必須です。一方、開業届の提出は義務ではありませんが、いくつかのメリットがあるため、税務署に提出しておくことをおすすめします。

開業届の提出

事業の証明書として活用できる

開業届を提出すると、個人事業主としての開業が正式に認められるため、融資の申し込みや取引先との契約時に事業を証明する資料として活用できます。

青色申告が可能に

開業届を出しておくと、青色申告を選択できるようになり、最大65万円の控除が受けられるなどの節税効果があります。

古物商許可の申請

中古本を販売する場合、都道府県の警察署で「古物商許可」を取得する必要があります。申請には以下の書類が必要です。許可取得まで数週間かかる場合があるため、早めの申請を心がけましょう。

必要書類 詳細
手数料 19,000円
許可申請書 申請届出様式等一覧(古物商・古物市場主用)
誓約書 本人と営業所の管理者のものが必要
住民票 本籍が記載されたもの
本人と営業所の管理者のものが必要
身分証明書 運転免許証やマイナンバーカードのコピー
URLの使用権限があることを疎明する資料 該当する営業形態のみ必要

参考:警視庁「古物商許可申請」

手順4. SNSや広告を活用した集客をする

お店を開業した後は、顧客に知ってもらうための集客が重要です。SNSや広告を活用して効果的にお店をアピールしましょう。

SNSの活用

InstagramやX(旧Twitter)では、おすすめの本や新商品の写真を投稿して、本の魅力をビジュアルで伝えましょう。「#読書好き」「#おすすめの本」などのハッシュタグを使えば、特定の読者層にアプローチできます。また、「今週の新刊」や「季節に合った一冊」などテーマを決めた投稿は関心を引きやすく、エンゲージメントを高めます。

有料広告の活用

Google広告やFacebook広告を使えば、ターゲット層に効果的にリーチできます。広告は年齢層や興味で絞り込むことで、効率的に集客できます。たとえば、30代の子育て世代には「おすすめ絵本」、若年層には「話題の青春小説」など、ニーズに合ったテーマを選びましょう。

メールマガジンの配信

メールマガジンはリピーターを増やす強力なツールです。新刊情報やセール案内、ジャンル別のおすすめ本を定期的に配信することで、購入者に継続して関心を持ってもらえます。たとえば、「この本を買った人におすすめの3冊」や「会員限定の割引クーポン」を添えると、再購入のきっかけになります。

本の仕入れ方法|新刊と中古本

新刊書籍は、少量から仕入れられる取次店や出版社を利用して仕入れを行います。中古本は、古本屋で直接購入するほか、メルカリやヤフオクなどのフリマアプリを利用する方法もあります。それぞれの仕入れ方法を活用して、店舗のコンセプトや顧客ニーズに合った品揃えを整えましょう。

新刊仕入れ|ことりつぎ

ことりつぎ

画像出典:ことりつぎ

「ことりつぎ」は、Webから簡単に申し込みができ、専用アプリを使って本の仕入れ・販売・在庫管理まで一括で管理できます。選書や注文機能、販売管理機能をはじめ、本棚の作り方や販売ノウハウもサポートします。

新刊仕入れ|Foyer(ホワイエ)

新刊仕入れ|Foyer(ホワイエ)

画像出典:Foyer

Foyerは「1冊からでも本を卸売りする」というポリシーのもと、シンプルなサービスを提供しています。初期費用(信認金)が不要で、お申し込みから約3週間で利用を開始できます。専用の無償商品発注システムを使えば、300万冊(50万アイテム)の在庫から本を選び、魅力的な売り場を作ることが可能です。また、返品サービスも利用できるため、柔軟な商品入れ替えが行えます。

中古本の仕入れ|古本屋やフリマアプリ

BOOK・OFF

画像出典:BOOK・OFF

中古本の仕入れは、古本屋やフリマアプリを活用するのが一般的です。中でもブックオフは、初心者でも手軽に仕入れを始められるおすすめの選択肢です。店頭では、状態の良い本を手頃な価格で購入でき、セールやまとめ買い割引を活用すれば、さらにコストを抑えられます。

仕入れの際は、トレンドや人気ジャンルを意識しましょう。例えば、ビジネス書や絵本、話題の小説は幅広い読者層に支持されやすく、売れ筋になりやすいジャンルです。

ブックオフのオンライン通販を利用すれば、大量仕入れがスムーズに行えます。店舗のコンセプトや客層に合った在庫を効率的に揃えられるため、限られた予算でも魅力的な売り場を作ることができます。

オンライン書店事例|東洋館出版社

オンライン書店事例|東洋館出版社
画像出典:東洋館出版社

東洋館出版社は教育書の専門出版社で、オンラインサイトはShopifyで構築をしています。新刊などの販売だけでなく、雑誌の定期購読、ユーザー向けコンテンツの発信など、訪れるだけで楽しくさまざまな書店の体験ができるサイトになっています。

まとめ|オンライン書店開業の第一歩を踏み出そう

ネット書店は、低コストで全国の顧客に本を届けられる魅力的なビジネスです。本記事では、ネット書店の基礎知識や開業までの手順、仕入れ方法、運転資金の準備、効果的な集客方法など、成功するためのポイントを具体的に解説しました。

「ことりつぎ」や「ホワイエ」などの取次サービスを活用し、初期費用を抑えながら効率的に本を仕入れることも可能です。また、SEOやSNS、メールマーケティングを組み合わせて集客を強化すれば、売上アップに繋がります。一つずつ準備を進め、あなたの理想のネット書店をスタートさせましょう!

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編集プロセス

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