Shopifyで会員ランク制度を実装したいと考えていませんか?会員ランク制度は、顧客のロイヤリティを高め、購買意欲を促進する効果的な施策です。本記事では、Shopifyの標準機能であるセグメントとFlowを使用して、購入金額に応じた会員ランク制度を無料で実装する方法をご紹介します。
会員ランク制度とは
購入数や購入金額などの条件に応じて、利用者をブロンズ会員やシルバー会員、ゴールド会員などランク分けすることです。会員ランクに応じて割引クーポンの配布や限定販売、先行販売、ポイント倍率増加など様々な特典を設定します。
Shopifyに会員ランク制度を構築するのにおすすめのShopifyアプリは以下のブログ記事をご参考にしてください。
前提
本記事では、下記の会員ランク制度を実施する方法を紹介します。
また、条件を満たしたお客様に対しては、会員ランクを表す顧客タグを自動付与します。
会員ランクと条件
会員ランク | 条件 | 顧客タグ |
---|---|---|
ノーマル | 累計購入金額 1万円未満 | ノーマル |
ブロンズ | 累計購入金額 1万円以上〜3万円未満 | ブロンズ |
シルバー | 累計購入金額 3万円以上〜10万円未満 | シルバー |
ゴールド | 累計購入金額 10万円以上 | ゴールド |
会員ランク制度を設定する方法
ステップ1. 各会員ランクの条件を満たすセグメントを作成
まずは、会員ランクごとのセグメントを作成します。
ここでは、「ノーマル」「ブロンズ」「シルバー」「ゴールド」の各会員ランク用の4つのセグメントを作成します。
セグメントの作成手順
今回は「ノーマル」会員用のセグメントを作成する方法を紹介します。
「ノーマル」以外のセグメントに関しては、(各会員ランクごとの絞り込み条件)を変更するだけです。

(1) 「顧客管理 > セグメント」の順にアクセス
(2)「セグメントを作成」をクリック

(3)セグメントの絞り込み条件に【各会員ランクごとの絞り込み条件】の条件を入力
【各会員ランクごとの絞り込み条件】
- ノーマル: amount_spent < 10000
- ブロンズ: amount_spent >= 10000 and amount_spent < 30000
- シルバー : amount_spent >= 30000 and amount_spent < 100000
- ゴールド : amount_spent >= 100000
(4)「適用」をクリック

(5)意図したとおりにお客様が抽出されたら、「セグメントを保存する」をクリック

(6)セグメント名を入力し、「保存」をクリック
以上で、セグメントの作成は終了です。
「ブロンズ」「シルバー」「ゴールド」も同様の手順で作成してください。
ステップ2. ユーザーへ顧客タグを一括付与
次に、ステップ1で作成した各セグメント内のお客様へ顧客タグを一括で付与します。
例えば、ブロンズ会員向けのセグメントに存在するお客様に対して、「ブロンズ」という顧客タグを一括で付与します。
顧客タグの付与手順
今回は「ノーマル」会員に対して、一括で「ノーマル」という顧客タグを付与する手順を紹介します。

(1)ステップ1で作成した「ノーマル」のセグメントを開く
(2)セグメント内のお客様全員にチェックをつける
(3)画面右の「…(三点リーダー)」をクリック
(4)「タグを追加」を選択

(5) 表示されたポップアップから「ノーマル」という名称のタグを選択(または、追加)
(6)「保存」をクリック
以上で、顧客タグの一括付与は終了です。
「ブロンズ」「シルバー」「ゴールド」も同様の手順で顧客タグを付与してください。
ステップ3. 自動で顧客タグを付与および削除するワークフローを作成
最後に、各セグメントへのエントリーをトリガーとして、該当セグメントに対応する顧客タグを自動で付与し、それ以外の顧客タグを自動で削除するワークフローを作成します。
例えば、ブロンズ会員向けのセグメントに新しくお客様がエントリーしたタイミングで、エントリーしたお客様には「ブロンズ」という顧客タグを付与し、「ノーマル」「シルバー」「ゴールド」の顧客タグを削除します。
ワークフローの作成手順
今回は「ノーマル」セグメントにエントリーしたお客様に対して、「ノーマル」という顧客タグを自動で付与し、「ノーマル」以外の会員ランクを表す顧客タグを自動で削除するワークフローの作成手順を紹介します。

(1)Flowを開き、「ワークフローを作成」をクリック

(2)トリガーで「Customer joined segment」を選択
(3)「Customer joined segment」の項目を選択し、ステップ1で作成した「ノーマル」のセグメントを選択

(4)アクションに「Add customer tags」を追加
(5) 「Add customer tags」アクションにて、「ノーマル」タグを追記

(6)アクションに「Remove customer tags」を追加
(7) 「Remove customer tags」アクションにて、「ブロンズ」「ゴールド」「シルバー」タグを追記

(8)ワークフローの名称を変更
(9)「ワークフローをオン」をクリック
以上で、ワークフローの作成は終了です。
「ブロンズ」「シルバー」「ゴールド」も同様の手順でワークフローを作成してください。
会員ランク制度導入後に導入したいShopifyアプリ
会員ランク制度導入後は、エンゲージメントの高い会員(会員ランクの高い会員)にだけ商品を販売したいケースがあるかと思います。そのような時は「RuffRuff 予約販売」や「RuffRuff 注文制限」を利用することで簡単に実現することができます。また、「RuffRuff 購入特典」を利用することで、会員ランク別に割引率を変えて設定することができます。
RuffRuff 予約販売 - 限定販売や限定セールに
「RuffRuff 予約販売」はShopifyストアで簡単に予約販売を実現できるShopifyアプリです。本アプリを上手く活用することで「期間限定販売」や「期間限定セール」、「発売前予告」、「繰り返し販売」、「会員限定セール」、「VIP限定販売」、「後払い」などの様々な販売も可能です。
他の予約販売アプリにはない商品出荷前に支払回収できる「後払い」機能などのユニークな機能もたくさん存在します。
スピード、使いやすさ、安心性などの基準を満たしたShopify公式の最高品質アプリの証「Built for Shopify」も獲得しています。
下記の商品は、実際にRuffRuff 予約販売を利用してVIP会員限定販売を実施ているデモ商品になります。ぜひ一度お試しください。
RuffRuff 注文制限 - 限定販売に
「RuffRuff 注文制限」はアプリ1つで個数制限や金額制限、同梱制限、会員制限を実施できるShopifyアプリです。
日本初のCart and Checkout Validation APIを利用したShopify アプリで、これまでフロントでしか対応できなかった注文制限の処理をサーバサイドで実現しました。そのため、既存の注文制限アプリに比べ、より突破されにくい堅牢な注文制限を実現することが可能です。
前述のRuffRuff 予約販売では顧客タグを利用した会員限定販売のみ実施できますが、顧客メタフィールドを利用した会員限定販売は実施できません。
一方で、RuffRuff注文制限では顧客タグだけでなく、顧客メタフィールドを利用した会員限定販売を実施できます。
下記の商品は、実際にRuffRuff 注文制限を利用してVIP会員限定販売を実施ているデモ商品になります。ぜひ一度お試しください。
RuffRuff 購入特典 - 会員ランク別の割引に
RuffRuff 購入特典は、あらゆる条件で様々なディスカウント施策を実施できるShopifyアプリです。
顧客タグや顧客メタフィールドなど顧客データを利用してあらゆるディスカウント施策を実施できます。下記のブログ記事では、RuffRuff 購入特典を利用して会員ランク別に割引率を設定する方法を紹介しています。
他にもたくさんのディスカウント施策を実施でき、例えば下記のような割引施策を実現できます。
- VIP会員限定で送料無料
- ゴールド会員以上は割引
- ボリュームディスカウント
- 特定商品を含む場合は割引
- 過去の購入回数が10回以上で割引
- 先着順に割引(先着10名まで20%OFF、先着20名まで10%OFF)
など
詳しくは以下のボタンよりサービスページをご確認ください。
最後に
Shopifyのセグメント機能とFlowを組み合わせることで、購入金額や購入数に基づいた会員ランク制度を簡単に構築できます。この仕組みにより、顧客ごとに適切なランクを自動で割り当て、ランクに応じた特典を提供することで、顧客満足度の向上やリピート購入の促進が期待できます。
また、顧客タグの自動付与や削除を行うワークフローを設定することで、運用の効率化も実現可能です。今回紹介した手順を参考に、自社のニーズに合った会員ランク制度を構築し、顧客との関係性をさらに深めていきましょう。
最後に、下記のブログ記事では会員ランクのシルバー会員以上に限定セールを実施する方法を紹介しています。会員ランクに応じた販促施策のご参考にしてください。