Shopifyでストアを運営していて、「一部のページを一般顧客には見せたくない」「価格情報の公開範囲を限定にしたい」といった課題はありませんか?特に、B2B販売や会員制ストアを検討している場合、アクセスを制限する仕組みは欠かせません。
そこで役立つのがShopifyの閲覧制限アプリ「Easy Wholesale Lock for B2B(旧:EasyLockdown)」です。このアプリを使えば、ページや価格の公開範囲を柔軟に制御でき、B2BとB2Cを同じストアで効率よく両立できます。
本記事では、アプリの特徴やメリット、具体的な使い方をわかりやすく解説します。B2B販売や会員制ストアを検討している方はぜひ参考にしてください。
Shopifyの閲覧制限アプリ「Easy Wholesale Lock for B2B」とは?

画像出典:Easy Wholesale Lock for B2B|Shopifyアプリストア
「Easy Wholesale Lock for B2B」は、主にB2B(Business to Business)販売向けにShopifyストアにアクセス制限をかけられるアプリです。B2Bとは卸売などの法人向け販売のことで、一般消費者向け販売のB2C(Business to Customer)と対比されます。
このアプリを用いれば、特定のページや商品を会員限定にしたり、価格をログイン後のみ表示させたりと、ストアコンテンツの閲覧権限を柔軟にコントロールできます。
たとえば、卸売専用ページを取引先企業だけに公開したり、会員向けの先行販売を行うといった使い方が可能です。B2B販売や会員制ストアを運営する際に便利なアプリです。
「Easy Wholesale Lock for B2B」の利用料金
「Easy Wholesale Lock for B2B」の利用料金は、月額9ドルです。このアプリには14日間の無料体験期間がありますので、気になる方は気軽に試してみるといいでしょう。
※本記載は2025年10月時点の情報を元にしています。
【注意点】設定画面は日本語に非対応
「Easy Wholesale Lock for B2B」の設定画面はShopifyの管理画面内にありますが、現状は日本語には対応していません。ブラウザの自動翻訳を利用しても、この設定画面は翻訳できません。
そのため、アプリが対応している英語や中国語などが苦手な方は内容を理解するために外部の翻訳ツールを併用する必要が生じます。操作や設定に時間がかかることや、誤った設定をしてしまう恐れがあるため注意してください。
「Easy Wholesale Lock for B2B」の主な機能・できること
「Easy Wholesale Lock for B2B」の主な機能、できることを紹介します。
ページの閲覧制限
「Easy Wholesale Lock for B2B」では、特定のページや商品、コレクションなどへのアクセスを制限できます。例えば、卸売用の商品ページを一般顧客には非公開にし、取引先だけがログイン後に閲覧できるように設定可能です。
また、会員制コンテンツや社内専用ページのように用途を限定することで、公開情報と非公開情報を明確に分けられます。これにより、ストアを効率的に管理しつつ、顧客ごとに最適な情報提供が行えます。
ログインユーザー限定で価格表示
この機能を使えば、商品価格をログインユーザーのみに表示でき、取引先や会員だけが価格を確認できます。一般ユーザーには価格が一切表示されないため、卸売価格や特別条件を外部に知られる心配がありません。
B2B取引においては、顧客ごとに異なる価格体系を持つケースも多く、この機能により安全に価格情報を管理できます。
注文数や購入金額によるアクセス制御
一定の注文回数や購入金額を条件にして、限定商品を公開することができます。リピーターや大口顧客だけが特別な商品や割引を見られる仕組みを作れるため、顧客ロイヤルティ向上につながるでしょう。シンプルな会員ランク制度としても活用できます。
Shopifyに「Easy Wholesale Lock for B2B」を導入するメリットと活用例
B2B(卸売向け)とB2C(一般消費者向け)の両方を対象としてストア運営をする場合、通常は別々のストアを用意する必要があります。しかし、このアプリを使えば一元化が可能です。
結果として、サイト運営の効率化や更新作業の手間削減につながり、余計なストア維持費や人件費も抑えられるでしょう。
「Easy Wholesale Lock for B2B」の活用例は以下の通りです。
卸売専用ページの公開
卸売取引先だけがログイン後に閲覧できる商品ページを用意。一般顧客には見せず、取引先ごとに特別な価格を提示できます。
会員限定の先行販売
新商品や限定商品を、会員やリピーターだけに先行公開。特別感を演出し、リピート購入やファン化を促進できます。
購入条件による限定公開
一定の購入金額や回数を満たした顧客だけが特典商品や割引商品にアクセス可能。会員ランク制度のような使い方ができます。
他にも多様なページに閲覧制限を設けたり、閲覧権限を付与するユーザーを柔軟に設定したりできます。これにより、ストアの公開範囲を思い通りにコントロールでき、目的に応じた販売戦略が実現可能です。B2Bや会員制ストアを効率的に運営したい場合に、とても有効なアプリといえるでしょう。
Shopifyアプリ「Easy Wholesale Lock for B2B」の導入方法と具体的な使い方
「Easy Wholesale Lock for B2B」の導入方法と具体的な使い方について解説します。
はじめにShopifyアプリストアより、「Easy Wholesale Lock for B2B」をインストールします。
画像出典:Easy Wholesale Lock for B2B|Shopifyアプリストア
Shopifyの管理画面で再度インストールの確認が表示されますので、「インストール」をクリックします。

画像出典:Shopify
インストールが完了すると、アプリの画面が表示されます。

使い方を解説していきます。アプリのトップ画面より、「Create first lock」(最初のロックを作成する)、または「+ New lock」(新しいロック)をクリックします。

まず、「Name of lock」(ロックの名前)には識別用の名前を入力します。
「Who can access locked content?」(ロックされたコンテンツにアクセスできるのは誰ですか?)では、閲覧できる対象者を選択できます。選択できる対象者の項目は以下の通りです。
- Logged in customers only(ログインしている顧客のみ)
- Non-logged in customers only(ログインしていない顧客のみ)
- Selected customers only(選択された顧客のみ)
- Everyone except selected customers(選択された顧客以外のすべての人)
- Customers from selected locations only(選択された地域の顧客のみ)
- Everyone except selected locations(選択された地域以外のすべての人)
- Any visitor with password or access link(パスワードまたはアクセスリンクを持つ訪問者)
選択項目により、追加で設定項目が表示される場合があります。今回は、「Logged in customers only」(ログインしている顧客のみ)を例に解説します。

続いて、「Content to lock」(ロックするコンテンツ)の項目で、ロックする対象コンテンツを選択します。
選択肢は以下の通りです。
- Whole Website(サイト全体)
- Selected Content(特定のコンテンツ)
- Hide Purchase form(購入フォームを非表示)
- Prices(価格)

今回は「Selected Content」(特定のコンテンツ)を選択します。
「Lock content」(コンテンツをロックする)の項目が表示されますので、以下の中からロックしたいコンテンツを選びます。
- Collections and Products(コレクションと商品)
- Collection Pages only(コレクションページのみ)
- Products(商品)
- Pages(ページ)
- Blogs(ブログ)
- Blog posts(ブログ記事)
- URLs(URL)

こちらも選択した項目に応じて、設定項目が可変します。
今回は特定の固定ページに閲覧制限を設けます。「Pages」にチェックを入れると「Select」(選ぶ)が有効化。クリックすると、ページの種別を選択できます。
今回は「Selected Page」(選ばれたページのみ)にチェックを入れ、「Select Pages」(ページを選ぶ)をクリックします。

閲覧制限を設けたいページにチェックを入れ、「Select Pages」をクリックします。

続いて設定画面右側の「Enable or disable the lock」(ロックの有効化/無効化)にある「Enabled」(有効化)のトグルスイッチをオンにします。

これでロックが有効化されました。
「When the lock should be activated?」(ロックを有効にするタイミングはいつですか?)では、ロックの有効化タイミングを設定できます。
- Immediately once enabled(有効化するとすぐに)
- On schedule(スケジュールに従って)
「On schedule」を選択すると、ロックの開始時間、終了時間、繰り返しなどを設定できます。
最後に、「Locking behaviour」(ロック時の挙動)では、ロックされたページに、閲覧権限がないユーザーがアクセスした際にどのような挙動をするかを設定可能です。
「Redirect Mode」(リダイレクトモード)でリダイレクト設定ができます。リダイレクトとは別のページへ転送することです。
- Redirect to login page:ログインページへリダイレクト
- Redirect to page:ページへリダイレクト
- Redirect to URL:URLへリダイレクト
今回はログインページへリダイレクトさせます。
「Hide links to locked content?」(ロックされたコンテンツへのリンクを非表示にしますか?)では、ロックされたコンテンツへのリンクを非表示設定できます。アクセスが許可されていないユーザーの混乱を招かないためにも、非表示に設定しておくとよいでしょう。

設定が完了したら、「保存」します。
実際の画面で確認してみましょう。今回の設定では、特定ページにロックをかけており、ログインしているユーザーだけがアクセスできます。また、ログインユーザーでない場合にはリダイレクト先として、ログインページを設定しています。
ヘッダーメニューより、ロックしたページ「特定ユーザー向け」へのアクセスリンクをクリック。

ログインしていない状態では閲覧制限にひっかかり、アクセスができませんでした。また設定通り、ログインページにリダイレクトされました。

再度ログインしてからアクセスすると、今度はページにアクセスできました。

このように、アクセスしたユーザーの状態によって、ページの閲覧許可を設定することが可能です。使い方の解説は以上です。
「Easy Wholesale Lock for B2B」でB2BとB2Cを効率的に両立しよう
この記事では、Shopifyストアのページに閲覧制限を設けられるアプリ「Easy Wholesale Lock for B2B」の特徴や機能、メリット、使い方について解説しました。
このアプリを導入すれば、ページや価格の公開範囲を自在にコントロールでき、卸売向けの特別価格や会員限定商品を安全に管理できます。その結果、複数のストアを運営する必要がなくなり、コスト削減と運営効率化を同時に実現可能です。
「日本語に対応していない」という注意点はありますが、B2BとB2Cを両立したいストアにとって有力な選択肢になるでしょう。B2B販売や会員制ストアを検討している事業者は、ぜひ導入を検討してみてください。