国内大手の宅配事業者である「佐川急便」は、料金が他社よりも比較的安く、大型配送に強いのが特徴です。日本全国に営業所があるため、Shopify運営者の中で利用を検討している方もいるでしょう。
しかし、いざ設定を始めると「3辺合計のサイズに基づいた運賃をどう再現するのか」「離島で発生する中継料はどう設定するのか」といった、Shopifyの標準機能だけでは解決しにくい課題に直面するかもしれません。
本記事では、佐川急便の基本サービスから、Shopifyにおける佐川急便の送料設定のポイントや、運用上の注意点などをわかりやすく解説します。
※本記載は2026年1月時点の情報を元にしています。
ヤマト運輸の基本サービスや送料設定については以下の記事をご覧ください。
佐川急便の基本サービス

画像出典:佐川急便公式サイト
佐川急便の配送サービスは、ヤマト運輸と並び日本全国を網羅しており、私たちの生活に身近な物流インフラです。最大の特徴は、一般的な宅配便サイズから、他社では対応が難しい「大型荷物(最大260サイズ)」まで幅広くカバーしている点にあります。
Shopifyで佐川急便を利用する際は、まず商品のサイズや重量に応じて「飛脚宅配便」と「飛脚ラージサイズ宅配便」を使い分けることがポイントです。特に160サイズを超える商品は送料が大きく跳ね上がるため、送料設計や注文制御を事前に整理しておくことが重要です。
他にも、メール便や郵便局のネットワークを活用した配送など、配送コストを抑える選択肢も豊富です。
本記事で解説する、Shopify運営でよく使われる主要なサービスは以下の通りです。
- 飛脚宅配便 / 飛脚ラージサイズ宅配便
- 飛脚クール便
- 飛脚航空便 / 飛脚ラージサイズ航空便
- 飛脚メール便
- 飛脚ゆうパケット便
- 飛脚ゆうメール便
飛脚宅配便 / 飛脚ラージサイズ宅配便|60〜260サイズ
佐川急便の中でも、Shopifyストアで最も利用される標準的な配送サービスです。
3辺合計が160cm以内の荷物は「飛脚宅配便」、それを超え260cm・50kgまでの大きな荷物は「飛脚ラージサイズ宅配便」として扱われます。家具やスポーツ用品など、大型商品を扱うショップにとって非常に強力な味方となります。
宅配便の対象となる荷物のサイズは、縦、横、高さの合計値で算出します。 例:縦30cm × 横40cm × 高さ20cm → 100サイズ(80cm以上〜120cm未満)

飛脚宅配便 / 飛脚ラージサイズ宅配便の料金
料金は「発送元から送り先までの距離」と「荷物のサイズ(または重量)」で決まります。サイズと重量で異なる料金に該当する場合、大きい方の料金が適用されます。
Shopifyではサイズ判定ができないため、実重量のまま登録していると、特にラージサイズ便で送料の赤字が発生しやすくなります。
<参考料金:関東から関西へ発送の料金例>
| サイズ・重量 | 料金例(税込) | 区分 |
|---|---|---|
| 60cm・〜2kg | 1,040円 | 飛脚宅配便 |
| 80cm・〜5kg | 1,340円 | 飛脚宅配便 |
| 100cm・〜10kg | 1,630円 | 飛脚宅配便 |
| 140cm・〜20kg | 2,310円 | 飛脚宅配便 |
| 160cm・〜30kg | 2,570円 | 飛脚宅配便 |
| 170cm・〜50kg | 3,360円 | 飛脚ラージサイズ宅配便 |
| 180cm・〜50kg | 3,660円 | 飛脚ラージサイズ宅配便 |
| 200cm・〜50kg | 4,480円 | 飛脚ラージサイズ宅配便 |
| 220cm・〜50kg | 5,240円 | 飛脚ラージサイズ宅配便 |
| 240cm・〜50kg | 6,830円 | 飛脚ラージサイズ宅配便 |
| 260cm・〜50kg | 8,420円 | 飛脚ラージサイズ宅配便 |
※サイズが60cmで重量が5kgの場合、1,340円が適用される
(例:上記の表において、サイズが60cmで重量が5kgの場合、1,340円が適用)
自身の所在地から、特定のエリアへの運賃を確認したい場合には、佐川急便の公式ページで確認してください。
飛脚宅配便 / 飛脚ラージサイズ宅配便の制約
- 飛脚宅配便: 3辺合計160cm以内、重量30kgまで。
- 飛脚ラージサイズ宅配便: 3辺合計260cm以内、重量50kgまで。
注意点
Shopifyでは「サイズ」を自動判定できません。そのため、商品登録時には実重量ではなく、送料区分に合わせた「みなし重量」を設定し、サイズ基準の運賃を再現する必要があります。
(例:140サイズの商品であれば、実重量に関わらず20kg相当として登録する など)
また、一部離島への配送では、別途「中継料」が発生し、高額になるケースがあります。
詳しくは、宅配便の公式ページ、飛脚ラージサイズ宅配便の公式ページを確認してください。
飛脚クール便|冷蔵・冷凍商品
冷蔵(2℃〜10℃)または冷凍(-18℃以下)の温度帯で配送するサービスです。
ヤマト運輸のクール宅急便が最大120サイズ(15kg)までなのに対し、佐川急便の飛脚クール便は最大140サイズまで対応しており、重量区分に応じて20kg・30kgの料金体系が設定されています。
飛脚クール便の料金
通常の飛脚宅配便(または航空便)の運賃に、以下のオプション料金を加算します。
| サイズ・重量 | 追加料金(税込) |
|---|---|
| 60cm・〜2kg | 275円 |
| 80cm・〜5kg | 330円 |
| 100cm・〜10kg | 440円 |
| 140cm・〜20kg | 880円 |
| 140cm・〜30kg | 1,320円 |
飛脚クール便の制約
- サイズ: 最大140サイズまで(重量は20kg・30kgで料金区分あり)
- 注意点: 予冷(発送前に冷やしておくこと)が必須
- 利用できないもの:冷蔵品のケーキ、冷凍品のデコレーションケーキ、アイスクリーム、大きさの異なる多重梱包品など
詳しくは、飛脚クール便の公式ページを確認してください。
飛脚メール便|法人向け小型商品
雑誌やカタログなど、受領印を必要としない軽量な荷物をポストへ投函する、法人限定のサービスです。非常に安価ですが、他社のメール便・ポスト投函型サービスと比べて、厚さが2cm以内と制限が厳しい点には注意が必要です。
飛脚メール便の料金
全国一律料金で、重量によって決まります。
| 重量 | 料金(税込) |
|---|---|
| 300g以内 | 168円 |
| 600g以内 | 220円 |
| 1kg以内 | 325円 |
飛脚メール便の制約
- サイズ: 3辺合計70cm以内・最長辺40cm以内(厚さ2cm以内)
- 重量: 1kgまで
信書・現金・小切手などは送れません。また、離島など一部配達できない地域もあります。
詳しくは、飛脚メール便の公式ページを確認してください。
飛脚ゆうパケット便|小物商品
佐川急便が荷物を預かり、日本郵便の配送網で届けるサービスで、小さな荷物を配送するのに適しています。
飛脚ゆうパケット便の料金
飛脚ゆうパケット便の料金は、全国一律で厚さによって異なります。
| 厚さ | 料金(税込) |
|---|---|
| 1cm以内 | 250円 |
| 2cm以内 | 310円 |
| 3cm以内 | 360円 |
※専用ケースの利用は必須ではありませんが、利用する場合は1個44円(税込)
飛脚ゆうパケット便の制約
- サイズ: 3辺合計60cm以内(厚さ3cm以内)。
- 重量: 1kgまで。
飛脚ゆうパケット便ケースには、以下の2種類がありますが料金は同じです。
- 厚さ30mm用:縦240mm × 横330mm × 高さ28mm
- 厚さ20mm用:縦245mm × 横335mm × 高さ18mm
注意点として、郵便局を経由するため、お届けまでに3日〜7日程度の日数がかかります。
詳しくは、飛脚ゆうパケット便の公式ページを確認してください。
飛脚ゆうメール便|書類・CD・DVD類
雑誌やDVD、CDなどを安価にポスト投函するサービスです。こちらも佐川急便が引き受け、日本郵便が配達します。発送元は法人限定です。
飛脚ゆうメール便の料金
重量制の全国一律料金です。
| 重量 | 料金(税込) |
|---|---|
| 200g以内 | 115円 |
| 500g以内 | 168円 |
| 1kg以内 | 299円 |
| 2kg以内 | 330円 |
| 3kg以内 | 456円 |
飛脚ゆうメール便の制約
飛脚ゆうメール便を利用する際の制約は以下の通りです。
- サイズ: 縦34cm・横25cm・厚さ3cm以内。
- 重量: 3kgまで。
注意点として、内容物が確認できるように、梱包に一部「切り込み」を入れるか、中身が確認できる窓付き封筒を使用する必要があります。
詳しくは、飛脚ゆうメール便の公式ページを確認してください。
飛脚航空便 / 飛脚ラージサイズ航空便|翌日配送
航空機を利用して、条件を満たせば翌日中に荷物を届けるスピード配送サービスです。遠隔地(東京〜九州、北海道など)への急ぎの注文に対応する場合に活用すると良いでしょう。
飛脚航空便 / 飛脚ラージサイズ航空便の料金
通常の宅配便運賃に、航空運賃が加算されます。
<参考料金:関東から関西へ翌日中配達(航空便)で発送した場合の料金例>
| サイズ・重量 | 料金例(税込) | 区分 |
|---|---|---|
| 60cm・〜2kg | 1,914円 | 飛脚宅配便 |
| 80cm・〜5kg | 2,013円 | 飛脚宅配便 |
| 100cm・〜10kg | 2,552円 | 飛脚宅配便 |
| 140cm・〜20kg | 3,619円 | 飛脚宅配便 |
| 160cm・〜30kg | 4,686円 | 飛脚宅配便 |
| 170cm・〜50kg | 9,086円 | ラージサイズ |
| 180cm・〜50kg | 11,286円 | ラージサイズ |
| 200cm・〜50kg | 15,686円 | ラージサイズ |
| 220cm・〜50kg | 20,086円 | ラージサイズ |
| 240cm・〜50kg | 28,886円 | ラージサイズ |
| 260cm・〜50kg | 37,686円 | ラージサイズ |
「翌日午前中配達」「翌日時間指定配達」を指定した場合には、さらに料金が加算されます。なお、「翌日時間指定配達」は上限30kgまでです。
(例:60サイズで関東から九州の場合、通常運賃+航空加算で約2,000円〜)
自身の所在地から、特定のエリアへの運賃を確認したい場合には、佐川急便の公式ページで確認してください。
飛脚航空便 / 飛脚ラージサイズ航空便の制約
飛脚航空便 / 飛脚ラージサイズ航空便を利用する際の制約は以下の通りです。
- サイズ: 飛脚宅配便・ラージサイズ宅配便の規定に準じます。
- 航空法による制限:高圧ガス、火薬類など一部の貨物は航空機に搭載できません。またリチウム電池を含む製品の中には、航空便で扱えないものがあります。
詳しくは、飛脚航空便 / 飛脚ラージサイズ航空便の公式ページを確認してください。
Shopifyで佐川急便の送料設定をする際のポイント
佐川急便は大型商品の配送に強い一方で、離島の中継料など運用上の注意点がいくつかあります。Shopifyで佐川急便の送料設定を最適化するための、3つの重要ポイントを解説します。
「みなし重量」を活用して送料の逆ザヤを防ぐ
佐川急便の運賃は、荷物の「サイズ」と「重量」のうち大きい方の区分で決まります。Shopifyにはサイズ判定機能がないため、商品重量を、実際の重さではなく「そのサイズ区分で想定される重量」を基準に登録する「みなし重量」の活用が有効です。
例えば、140サイズ(20kgまで)なら実重に関わらず「20kg」と登録し、Shopifyの重量別設定と連動させることで送料の赤字を防げます。ただし、複数購入時に同梱して安く送れる場合は送料が高額になりすぎるため、実態に合わせた重量の微調整を検討してください。
飛脚ラージサイズ宅配便やクール便は「配送プロファイル」を分ける
佐川急便の強みである「飛脚ラージサイズ宅配便(160〜260サイズ)」や、「飛脚クール便」を扱う場合は、通常商品とは別に配送プロファイルを作成するのもおすすめです。
大型商品や温度帯が異なる商品は、配送料金や梱包コストが大きく異なります。
配送プロファイルを分けることで、特定の商品にのみ専用運賃を適用したり、通常便との同梱不可(結果的に送料が分かれる)を制御したりすることが可能です。特にラージサイズ便は運賃が高額なため、配送プロファイル活用による正確な送料設定が利益の確保に直結します。
離島への「中継料」の対策
佐川急便の運用で最も注意が必要なのが、離島へ配送する際に発生する「中継料」です。これは都道府県別の送料とは別に加算されるもので、全国の離島が対象となります。
Shopifyの標準機能では、特定の郵便番号(離島)だけに中継料を自動加算することができません。「注文後の追加請求(ショッピング体験を損ねる)」や「中継料を含めた送料設定(送料が高額になり、購入率に影響する)」は現実的ではないため、一般的には以下のいずれかの対策が取られます。
- 有料アプリを利用する
- ショップ側で負担する
離島注文の頻度が低い場合はショップ側負担、一定数以上ある場合はアプリ導入、という判断が現実的でしょう。
アプリの導入を検討する場合には、以下の記事を参考にしてください。
Shopifyで佐川急便の重量制限を遵守する方法
佐川急便を利用する際、荷物の重量やサイズに応じた運賃体系での運用をすることが求められます。
しかし、Shopifyの標準設定では、重量ごとに送料を分けることは可能ですが、規定を超えた注文を制限する機能が備わっていません。そのため、想定外の大口注文が入った際に「送料が赤字になる」「発送自体が困難になる」といった運営上のリスクが生じます。
具体的には、以下のようなケースです。
-
送料一律設定で赤字が発生
「全国一律送料」を謳っている場合、大口注文により複数個口やラージサイズ便への変更が必要になると、実費が設定送料を大きく上回り、利益が削られてしまいます。
-
飛脚ゆうパケット等の小型便運用
厚み制限がある小型配送サービスを利用している際、複数購入によって規定サイズをオーバーしてしまうと、通常の宅配便へ切り替える手間とコストが発生します。
-
重量上限(50kg)やサイズの超過
佐川急便の最大サイズ(ラージサイズ宅配便・50kgまで)を上回る注文が入ると、分割発送の手配や費用請求など、多大な事務工数がかかります。
アプリを使って重量制限を行う
Shopifyアプリ「RuffRuff 注文制限」は、配送ルールに基づいた柔軟な制限をかけることができ、上記のようなトラブルを未然に防げます。
例えば、カート内の合計重量が規定(例:0g〜50kg以内)から外れた場合に、チェックアウトを制限することが可能です。また、「1梱包の制限を超えているため、複数回に分けて決済してください」といった専用メッセージを表示させることで、ユーザーにスムーズな再注文を促せます。
このようにシステム側で制限を設けることで、送料の逆ザヤや発送トラブルを回避し、健全なストア運営を維持できます。
具体的な設定手順については、以下の解説記事も併せてご確認ください。
Shopifyストアで佐川急便を活用しよう
佐川急便の基本サービス、Shopifyにおける送料設定のポイントや、重量制限を遵守するための具体的な方法を解説しました。
佐川急便は、ヤマト運輸よりも配送料金が安く(特に大型商品)、またヤマト運輸が対応していないサイズの大型商品(200サイズ以上、30kg以上)の配送にも対応しているサービスです。ただし、「離島への中継料」や「重量制限」といった課題もあります。これらの課題には、Shopifyアプリの活用による解決がおすすめです。
まずは自社の主力商品のサイズ・重量を整理し、最適な配送パターンを一つずつ構築してみてください。


