対面やイベント、SNSでの販売など、「まずは手軽に売ってみたい」という場面は少なくありません。そんなときに役立つのが、Shopifyアプリで使える販売機能「クイックセール」です。
「クイックセール」という名前から割引セールの設定機能と誤解しがちですが、実際は素早く販売を始めるための機能です。ネットショップを本格的に作り込む前でも、スマートフォンのShopifyアプリから販売を始められます。
この記事では、クイックセールでできることや決済方法、基本的な使い方、利用前の注意点までをわかりやすく解説します。
Shopifyのクイックセールとは?
クイックセールは、Shopifyアプリ(iPhone・Android向けのモバイルアプリ)から利用できる、モバイル専用の販売機能です。商品やカスタム金額を簡易的なカートに追加し、そのまま支払いを受け付けられます。
Shopify POS(実店舗向けのレジ機能)や下書き注文(手動の受注処理)といった仕組みを使わなくても、シンプルな操作で販売を進められるのが特徴です。そのため、対面販売やイベント・ポップアップストア、SNSやDMを通じた販売など、すばやく販売を始めたい場面に向いています。
クイックセールはShopifyが利用できるすべての国で利用できます。
クイックセールの決済方法
クイックセールでは、主に決済リンク・現金・タッチ決済の3つの決済方法が用意されています。ただし、2026年7月時点で日本はタッチ決済の対応国に含まれていません。そのため、日本で利用できる決済方法は、決済リンクと現金です。
なお、決済リンクを使えばカード決済に対応できます。決済リンクは、QRコードでの表示のほか、SNSやSMSでの共有にも対応しています。
Shopify POS・下書き注文との違い
Shopifyには似たような販売機能として、「Shopify POS」と「下書き注文」があります。ここでは、それぞれの主な用途と向いている場面を整理します。
| 項目 | クイックセール | Shopify POS | 下書き注文 |
|---|---|---|---|
| 主な用途 | その場でのシンプルな販売 | 継続的な実店舗での販売 | 管理画面での手動の受注作成 |
| 向いている場面 | イベント・対面・SNSなど | レジを構えた店舗運営 | 電話・メール注文や請求書の送付 |
クイックセールは、Shopify POSのような詳細な現金管理や商品単位の課税設定、取引前のお客様情報の関連付け、自動ディスカウントの適用、カートの下書き保存などには対応していません。継続的に実店舗で販売する場合や、こうした細かな管理が必要な場合は、Shopify POSの方が適しています。
Shopifyのクイックセールでできること
クイックセールでできることを紹介します。具体的には、商品・カスタム金額の追加、ディスカウントの適用、配送先の設定や税・メモの管理の3つです。
商品・バリエーション・カスタム金額を追加する
クイックセールでは、Shopifyに登録済みの商品を検索して追加したり、色やサイズなどのバリエーションや数量を選んだりできます。スマートフォンのカメラでバーコードを読み取って追加することも可能です。
Shopifyに登録していない商品や一度限りの料金は、「カスタム金額」としてその場で金額を入力し、追加できます。
複数のロケーション(店舗や倉庫)がある場合は、販売元のロケーションを選択可能。選択したロケーションは在庫の表示・更新先となり、クイックセールに表示・適用される税率にも影響します。
定額または割合のディスカウントを適用する
カートには、手動でディスカウント(割引)を適用できます。「500円引き」のような定額の割引と、「10%オフ」のような割合の割引のどちらも設定可能です。複数の割引を適用した場合は、順番に計算されて反映されます。
ただし、条件を満たすと自動で適用される「自動ディスカウント」や、お客様がコードを入力する「ディスカウントコード」は、クイックセールでは利用できません。
配送先と配送料を設定して後日発送する
その場で商品を渡さず、後日発送する販売にも対応しています。カートに「配送」の項目を追加し、配送先や配送料を設定できます。決済リンクを使う場合は、配送詳細を空欄のまま送信し、お客様自身に配送先を入力して配送料を選んでもらうことも可能です。
このほか、クイックセール全体に適用する税率を選択・解除したり、販売に関するメモを残したりもできます。ただし、特定の商品だけを課税対象から外すといった、商品単位での細かな税設定には対応していません。
Shopifyのクイックセールの使い方
基本的な流れは次のとおりです。
- Shopifyアプリをインストール
- アプリの管理画面に表示される「クイックセール」をクリック
- 必要に応じて、販売元のロケーションを選ぶ
- 商品またはカスタム金額を追加する
- 割引や配送などを設定する
- 決済方法を選んで支払いを受け付ける
- 必要に応じて、お客様に領収書を送信する

画像出典:Shopify|App Store



商品の追加から支払いの受け付けまで、数ステップで進められます。日本では、専用のPOS端末やカードリーダーを用意しなくても、Shopifyアプリから販売を進められます。
クイックセールの取引を確認・管理する
販売後の管理も、Shopifyアプリでまとめて行えます。決済が完了すると、メールやSMSでお客様に領収書を送信できます。
取引履歴は、「支払い済み」と「保留中のリンク」に分かれており、別のチャネルでの注文とは区別されます。
返金が必要になった場合は、全額または一部の返金に対応。ただし、送料・関税・税金を個別に指定した返金や、ギフトカード・ストアクレジットへの返金はできません。
クイックセールを使う前に知っておきたい注意点
最後にクイックセールの注意点を確認しておきましょう。
ShopifyプランとShopifyペイメントが必要
クイックセールを利用するには、Shopifyプランの契約と決済サービスの設定が必要です。Shopifyペイメントが使える国では、Shopifyペイメントの利用が求められます。日本もこれに該当するため、日本のストアではShopifyペイメントの設定が必要です。
このほか、Shopifyアプリのインストール、バーコードを読み取る際のカメラの許可、スタッフが使う場合の「クイックセール」権限の付与なども必要になります。
Shopifyペイメントについて詳しくは、以下の記事をご覧ください。
Shopifyペイメントについて徹底解説 - 決済手数料・メリット・デメリットまで
対応していない機能や操作がある
クイックセールでは、自動ディスカウントやディスカウントコードを利用できません。また、取引を完了する前にお客様のプロフィールを関連付けたり、カートを下書きとして保存して後から編集したり、商品単位で税設定を変えたりといった操作にも対応していません。
継続的な実店舗運営や、こうした細かな管理が必要な場合は、Shopify POSの利用も検討しましょう。
Shopifyのクイックセールでスマホから販売を始めよう
クイックセールは、Shopifyアプリからすばやく簡単な販売を始められる機能です。基本的な準備は、ShopifyプランとShopifyペイメントの設定、そしてShopifyアプリのインストールです。
対面販売やイベント、SNSでの販売など、その場で注文や決済を受け付けたい場面で活用できます。日本では販売者のスマートフォンにカードをかざすタッチ決済こそ使えませんが、決済リンクを使えばお客様はカードでも支払えます。
気になった方は、まずShopifyアプリからクイックセールを試してみてください。