Shopifyの注文管理画面で「オーソリ済み」という表示を見て、何をすればいいのか手が止まった方は多いのではないでしょうか。ストアの設定によっては見かけることのない表示のため、初めて目にすると戸惑いやすい部分です。
オーソリはクレジットカード決済の途中段階であり、この状態のままではストアに代金が入りません。しかもShopifyペイメントのオーソリ期間は通常7日間で、期限を過ぎると元のオーソリでは回収できない可能性があります。
この記事では、オーソリの仕組みと期限、支払いを確定する4つの方法、そして出荷まで7日を超える場合の選択肢を整理します。
クレジットカード決済のオーソリとは?
クレジットカード決済は、「承認(オーソリ)」と「売上確定」という2つの段階に分かれています。
オーソリは利用枠を一時的に確保する処理
オーソリとは、クレジットカードの利用枠のうち商品代金分を一時的に確保する処理です。日本語では「与信」「仮売上」とも呼ばれます。
オーソリでは、まずクレジットカードが有効かどうかを確認し、次に取引に必要な資金があるかどうかを確認します。この時点ではまだ請求は確定していません。売上を確定して初めてお客様に請求されます。
Shopifyの管理画面で支払いを確定すると、カード情報がお客様のカード発行会社へ送られて請求処理が行われます。その代金がストアの口座に振り込まれるのは、さらにその後です。
Shopifyで「オーソリ済み」と表示されるのはどんなときか
Shopifyのデフォルト設定であるチェックアウト時の自動確定では、オーソリに続いて支払いが確定されるため、通常は「支払い済み」と表示されます。多くのストアがオーソリを意識せずに運用できているのはこのためです。
「オーソリ済み」が表示されるのは、支払いの確定を後にする設定を使っている場合です。フルフィルメント時の自動確定や手動確定がこれにあたり、確定されるまでこの状態が続きます。
つまり、「オーソリ済み」は、オーソリ期間が終了する前に支払いを確定する必要があることを示す表示で、支払いはまだ確定していません。この表示が出ている場合には、オーソリの有効期限と、ストアで設定している確定方法を確認しましょう。
Shopifyペイメントのオーソリ期間は通常7日間
オーソリには有効期限があり、期限を過ぎると代金を回収できなくなる可能性があります。この章では、Shopifyペイメントの期間と、Shopify Plusや外部決済サービスを使う場合の違いを見ていきます。
7日以内に売上を確定する必要がある
オーソリ期間の長さは、クレジットカード決済サービスによって異なります。Shopifyペイメントでは7日間のオーソリ期間が設けられています。
注文の代金を回収するには、この期間内に支払いを確定しなければなりません。オーソリ期間が終了すると、注文の代金を回収できなくなる可能性があります。
Shopify Plusでは延長オーソリ期間が適用される場合がある
「延長オーソリ期間」という仕組みもありますが、誰でも使えるものではありません。利用できるのはShopifyペイメントを使用しているShopify Plusプランのストアのみで、チェックアウト時に特定のクレジットカードが使われた場合に適用されます。
延長オーソリの期間は、カードブランドによって異なります。
| カードの種類 | オーソリ期間 |
|---|---|
| Visa | 最大30日 |
| Mastercard | 最大30日 |
| American Express | 最大30日 |
| Discover | 最大10日 |
| JCB | 最大10日 |
| Diners Club | 7日 |
| China Union Pay | 7日 |
ただし、この表がそのまま適用されるとは限りません。延長オーソリの期間はカード発行会社によっても異なり、一部のカードは対応していない場合があります。注文管理ページで有効期限が切れていないか、こまめに確認する必要があります。
通常の7日間を過ぎた手動確定には1.75%の追加手数料がかかる【Plus限定】
通常の7日間の期間が経過した後に手動で支払いを確定すると、通常のクレジットカード手数料に加えて1.75%の手数料が取引に適用されます。対象となるのはShopifyペイメントを利用するShopify Plusストアで、対応カードに延長オーソリが適用され、なおかつ7日間を過ぎてから手動で確定した場合です。
非Plusストアや延長オーソリが適用されていない取引では、7日を超えた確定を前提に運用できません。なお、7日以内に確定されなかった支払いがあり、この手数料を避けたい場合は、注文をキャンセルして新しい注文を作成する方法があります。
外部決済サービスのオーソリ期間は各社で異なる
Shopifyペイメント以外の決済サービスを使っている場合、オーソリ期間は契約している事業者の仕様に従います。
外部決済サービスの一例であるKOMOJUでは、Shopifyの手動確定(Manual Capture)を有効にした場合、クレジットカード決済のオーソリ期間は48時間です。Shopifyペイメントの7日間より短く、決済サービスによって前提が大きく変わることがわかります。
公式ページには決済方法ごとの一覧もあり、PayPay・Merpay・楽天ペイ・Paidyは30日、au PAYは90日と、同じサービス内でも決済方法によって期間が異なります。仕様が変更される場合もあるため、利用中の決済サービスの最新ヘルプを確認してください。
Shopifyで支払いを確定する4つの方法
Shopifyでは、支払いをいつ確定するかを設定で選べます。用意されている方法は次の4つです。
| 確定方法 | 確定されるタイミング | 対象プラン |
|---|---|---|
| チェックアウト時に自動で | 販売時 | すべてのプラン |
| 注文全体のフルフィルメントが完了したときに自動で | 注文全体がフルフィルメントされたとき | すべてのプラン |
| フルフィルメントごとに自動で | 各アイテムが発送されたとき | Shopify Plusのみ |
| 手動で | 管理画面で確定操作をしたとき | すべてのプラン |
設定は管理画面の「設定」から「決済」に移動し、「決済の確定方法」セクションで変更できます。


ただし、利用できる確定方法は決済サービスや決済方法によって異なります。ストアを手動確定に設定していても、手動での確定をサポートしていない追加の決済サービスでは、支払いが自動的に確定されます。外部決済サービスを利用している場合は、各サービスが対応する確定方法も確認してください。
自動で確定する3つの方法
チェックアウト時の自動確定は、販売時に支払いが確定される方法です。これはデフォルト設定であり、注文処理の時間を節約できるため、ほとんどのマーチャントが利用しています。
注文全体のフルフィルメントが完了したときの自動確定では、チェックアウト時は「オーソリ済み」となり、オーソリ期間内に注文全体がフルフィルメントされると自動的に確定されます。ただし、部分的にフルフィルメントされた注文は確定されません。
3つ目のフルフィルメントごとの自動確定は、Shopify Plusプランでのみ利用できます。分納が発生する商材を扱うストア向けの設定です。
手動で確定する
決済状況が「オーソリ済み」の注文について、管理画面で確定操作を行う方法です。確定するか注文をキャンセルするかを判断する前に、不正注文分析を確認したい場合などに使われます。一方で、注文処理のワークフローには遅延と追加のステップが生じます。
注意したいのは、手動確定にしてもオーソリ期間そのものは変わらない点です。設定名から「自分の好きなタイミングで確定できる」と受け取られがちですが、いつまでも待てるわけではありません。クレジットカード決済はオーソリ期間内に確定する必要があり、期間が終了する前に確定しなければ代金を受け取れない可能性があります。確定漏れが起きやすい設定でもあるため、運用ルールとセットで導入してください。
オーソリの期限が切れるとどうなる?
期限切れは、代金の未回収だけでなくお客様からの問い合わせにもつながります。ここでは実際に起きることと、期限切れを未然に防ぐ設定を確認します。
元のオーソリで売上を確定できない可能性がある
オーソリ期間が終了すると、そのオーソリを使って代金を回収できなくなる可能性があります。商品を出荷したあとに気づいた場合、代金を回収できないおそれがあります。
「期限切れ」と表示された注文で支払いをまだ確定できるかどうかは、決済サービスへの問い合わせで確認します。期限後の取り扱いは決済サービスによって異なるため、外部決済サービスを利用している場合は契約中の事業者の最新ヘルプも確認してください。
キャンセルしてもお客様の明細からすぐには消えない
キャンセルしたあと、お客様から「まだ請求が残っている」と問い合わせを受けることがあります。
支払いがオーソリされると、カード発行会社によって保留中の請求が表示される場合があります。この保留は、支払いが確定されたり注文がキャンセルされたりした場合でも、最初のオーソリから最大30日間、お客様の利用明細に残ることがあります。
タイミングはカード発行会社によって異なります。問い合わせがあった場合は、カード発行会社側で解除される一時的な保留であることを説明するとよいでしょう。
警告メールと「期限間近」バッジで確定漏れを防ぐ
期限切れを防ぐ仕組みは2つあります。
ひとつが警告メールです。「決済の確定方法」で「注文全体のフルフィルメントが完了したときに自動で」または「フルフィルメントごとに支払いを確定する」、「手動で」を選ぶと、「承認の有効期限が切れる1日前に[ストアのアドレス]に警告を送信する」を選択できます。

ただし、選択してもShopifyペイメントを使用していない場合は届きません。
もうひとつが管理画面の表示です。決済状況が「オーソリ済み」の注文には、支払いを確定する期限の2日前に「期限間近」バッジが表示されます。バッジは2日前、メールは1日前と時間差があるため、両方を活用すると確定漏れを防ぎやすくなるでしょう。
出荷まで7日を超える予約販売・受注生産の選択肢
ここからが、予約販売や受注生産を扱うストア向けの内容です。前述のとおり手動確定に切り替えてもオーソリ期間は延びないため、出荷までに時間がかかる場合は別の対処が必要になります。取れる選択肢は主に3つです。それぞれの特徴と注意点を見ていきましょう。
注文時に全額を確定して先払いにする
チェックアウト時に自動で確定する設定にして、注文と同時に代金を受け取る方法です。オーソリ期間を気にする必要がなくなり、設定も最もシンプルです。
一方で、商品がまだ手元にない段階で全額を請求するため、購入をためらうお客様が出る可能性があります。発売までの期間が長い商材ほど、この影響は大きくなりやすいでしょう。
Shopify Plusの延長オーソリ期間を利用する
Shopify PlusとShopifyペイメントを利用しているストアであれば、延長オーソリ期間が選択肢に入ります。
ただし、Shopify Plusは月額費用が大きく上がる上位プランです。この機能のためにプランを切り替えるのは現実的ではなく、すでにPlusを利用しているストア向けの選択肢と考えてください。
さらに、長期の予約販売に対する万能な解決策でもありません。期間はカードブランドによって最大30日から7日まで幅があり、カード発行会社によっても異なります。また、一部のカードは対応していません。
加えて、7日間を過ぎてから手動で確定すると1.75%の追加手数料がかかります。さらに、数か月先の出荷を前提とした受注生産では、期間が足りない可能性もあります。
予約注文アプリの後払い機能を利用する
後払い機能の実装はアプリによって異なりますが、共通するのは、注文時にオーソリを保持せず、出荷が近づいた時点で決済を実行する方式であるという点です。注文時点では代金の請求が発生しないため、購入のハードルを上げにくいという利点があります。
一方で、支払期日が来ても自動では請求されないため、回収操作や決済失敗への対応など、運用面での手当てが必要になります。たとえば後述するRuffRuff 予約販売が、この方式を採用しています。
| 方法 | 代金を受け取るタイミング | 主な注意点 |
|---|---|---|
| 注文時に全額確定 | 注文時 | 購入のハードルが上がりやすい キャンセル時は返金対応が必要 |
| Plusの延長オーソリ | 支払いが確定されたとき | Plus限定 カードブランド・発行会社により期間が異なる 7日超の手動確定は1.75%の追加手数料 |
| RuffRuff 予約販売の後払い | 回収操作をしたとき | 利用できる決済方法が限られる 手動回収が必要 後日の決済が失敗する可能性がある |
| 手動で | 管理画面で確定操作をしたとき | すべてのプラン |
RuffRuff 予約販売の後払い機能
Shopifyアプリ「RuffRuff 予約販売」では後払いを提供しています。RuffRuff 予約販売の後払い機能の特徴は以下の通りです。
- 全額後払い(注文時の請求は0円)、一部先払いなどの設定が可能
- 注文時のオーソリを保持せず、支払い確定のタイミングで決済を実行するため、注文時点を起点とした7日間の期限がそのまま当てはまらない
- 利用できる支払方法はShopifyペイメントまたはPayPal Expressに限られる(後払い機能利用時はこの2つ以外で決済方法は非表示になります)
なお、支払期日を迎えても自動では請求されません。注文管理画面から1件ずつ、または当アプリから一括(最大50件)で支払回収処理を行います。回収時にあらためて決済を実行するため、その時点でカードが使えない場合には失敗することもあるので、注意してください。
このほかの仕様についてはRuffRuff 予約販売 ヘルプセンターを確認してください。
オーソリの期限を前提に支払い方法を選ぼう
オーソリは代金を仮に押さえている途中段階で、売上を確定して初めて請求が成立します。Shopifyペイメントのオーソリ期間は通常7日間です。
自社の注文から出荷までの日数が7日以内なら、フルフィルメント時の自動確定と警告メール、「期限間近」バッジの活用で取りこぼしは防ぎやすくなるでしょう。7日を超える場合には、全額先払いや予約注文アプリの後払いから、商材とリードタイムに合う方法を選ぶのがおすすめです。
長期間の予約販売で注文時の全額請求やオーソリの失効を避けたい場合には、RuffRuff 予約販売の後払い機能を検討してみてください。