Shopify明細表のカスタマイズ手順|アプリやコードを使った具体的な手順を解説

Shopify明細表のカスタマイズ手順|アプリやコードを使った具体的な手順を解説

明細表は顧客との重要な接点の一つです。しかし、Shopify標準の明細表では最低限の情報しか表示されず、ショップの独自性を表現することが難しいです。

この記事では、Shopify標準の明細表の出し方から、カスタマイズすることで得られるメリットまで詳しく解説します。また、初心者向けのアプリを使ったコード不要のカスタマイズ方法から、上級者向けのコードを使ったカスタマイズ方法も紹介します。

ECサイトでは明細書の発行は義務ではない

ECサイトでは、領収書や明細書などの発行は法律などで定められた義務ではありません。ただし、カスタマーサポートの一環で顧客から発行を希望された場合、対応するショップも少なくありません。

Shopify標準の明細表の出し方

Shopifyのショップで注文を受けると、自動的に注文の明細表が作成されます。明細表には顧客に通知する情報が含まれており、購入された商品や支払いの詳細が記載されます。

Shopify標準の明細表の確認は、管理画面から行うことができます。ここでは、明細書の確認手順を紹介します。

明細表の確認手順

(1)Shopify管理画面にログイン

Shopifyの管理画面にログインし、注文管理のセクションにアクセスします。ここでは、すべての注文情報が一覧で表示され、各注文の詳細を確認できます。

Shopifyの管理画面にログインし、注文管理のセクションにアクセスします。

(2)注文詳細ページを開く

注文リストから対象の注文を選択し、詳細ページに移動します。ここには、注文内容や顧客の情報、配送先などが表示されます。

注文リストから対象の注文を選択し、詳細ページに移動します。

(3)明細表の確認と印刷

注文詳細ページには、明細表を表示するオプションが用意されています。”印刷 > 明細表を印刷” を選択することで、顧客に提供する明細表を出力できます。

”印刷 > 明細表を印刷” を選択することで、顧客に提供する明細表を出力できます。

Shopify標準の明細表はシンプルなデザインとなっており、基本的な情報が反映されています。これを基に、ショップに合ったカスタマイズを行い、独自の明細表を作成しましょう。

Shopify標準の明細表

Shopify明細表をカスタマイズするメリット

Shopifyの明細表は、デフォルトのもので必要最低限の情報を備えていますが、カスタマイズするショップもあります。ここでは、明細表をカスタマイズすることによる具体的な効果について説明します。

ブランドイメージの強化

明細表にロゴやブランドカラーを追加することで、顧客にブランドイメージを伝えることができます。ショップのデザインから、商品、明細表まで一貫性を感じてもらうことで、顧客のブランドに対する印象や信頼が高まり、ファン化につながる可能性があります。

顧客との持続的なつながり

明細表は購入後の顧客とやりとりができるツールにもなります。

明細表をうまく活用すれば、商品購入後も顧客とショップとのつながりを継続させることができます。たとえば、購入履歴に応じたおすすめ商品や、次回購入で使えるクーポンを明細表に追記することで、顧客のショップへの関心を持続的に高めることができます。

特に、対人販売でないオンラインショッピングでは細かい配慮が顧客のファン化につながる可能性があります。

業務効率の改善

明細表は、配送業務効率の向上にも関係します。例えば、明細表に顧客からの特記事項や配送情報、注文番号を見やすく配置することで、梱包や配送業務などの時間短縮が期待できます。

また、商品情報などを整理して表示することで、スタッフの確認業務が軽減され、配送関連のミスも減らすことができます。

【コード修正不要】Shopify明細表をアプリでカスタマイズする

Shopifyでは、アプリを利用して明細表をカスタマイズできます。ここでは、コードの知識がなくても明細表をカスタマイズできるアプリを紹介します。

Order Printer: PDF Invoice App

Order Printer: PDF Invoice App

画像引用:Order Printer: PDF Invoice App

「Order Printer: PDF Invoice App」では、PDF形式の明細表や領収書を作成することができます。

コードを変更せずにアプリの管理画面上で視覚的にカスタマイズが可能です。無料〜月額$69.99までのプランがあり、無料プランでも十分な機能が備わっています。ロゴやショップ名を追加するほか、レイアウトを変更して、ショップのブランドイメージに合った明細表を作ることができます。

また、明細表に記載する情報も細かく設定ができるのも特徴の一つです。 (2024年10月時点の情報)

Order Printer: PDF Invoice App | テンプレート選択画面

画像出典:Order Printer: PDF Invoice App | テンプレート選択画面

 

Order Printer: PDF Invoice App | 明細表の表示項目選択画面
Order Printer: PDF Invoice App | 明細表の表示項目選択画面

画像出典:Order Printer: PDF Invoice App | 明細表の表示項目選択画面

Quick Order Printer かんたん帳票出力

Quick Order Printer かんたん帳票出力

画像引用:Quick Order Printer かんたん帳票出力

「Quick Order Printer」は、日本国内向けの帳票出力アプリです。税務対応の明細表や領収書を作成することができます。

日本市場に合わせた機能が充実しており、消費税や送料の記載など、柔軟なカスタマイズも可能です。アプリの使用料は月額$9です。

(2024年10月時点)

Quick Order Printer かんたん帳票出力 | テンプレート選択画面

画像出典:Quick Order Printer かんたん帳票出力 | テンプレート選択画面

Quick Order Printer かんたん帳票出力 | 明細表の表示項目選択画面

画像出典:Quick Order Printer かんたん帳票出力 | 明細表の表示項目選択画面

【コード修正あり】Shopify明細表をコードでカスタマイズする

ショップ独自の明細表にカスタマイズしたい場合は、LiquidやCSSをなどを変更して対応する必要があります。ここでは、基本的なカスタマイズ方法について紹介します。

明細書のカスタマイズ画面は、「設定 > 配送と配達」の順にアクセスし、明細表セクションの「明細表のテンプレート」をクリックすることでアクセスできます。

Shopifyの明細表のテンプレート

商品情報や金額表示の基本カスタマイズ

明細表に表示させる情報を自由にカスタマイズするには、Shopifyの独自コードであるLiquidの変更や、CSSを使う必要があります。例えば、購入商品のサイズや数量、価格や割引額などを表示するにはLiquidが必要です。ここではカスタマイズでよく使用するLiquidを紹介します。

表示項目 Liquid
注文番号 {{ order.name }}
顧客名 {{ customer.name }}
顧客のメールアドレス {{ customer.email }}
注文日 {{ order.created_at }}
商品名 {{ line_item.title }}
商品の数量 {{ line_item.quantity }}
商品の価格 {{ line_item.price }}
合計金額 {{ order.total_price }}
送料 {{ shipping_line.price }}
支払方法 {{order.payment_gateway_names }}

他のコードも知りたい方は、Shopify公式のオブジェクトサイトを参照してください。

Liquidを使用して主要な情報を表示させることができたら、顧客に見やすい明細表を提供するためにCSSで微調整をしましょう。

ロゴの追加方法

明細表にロゴを追加するだけで、印象がガラッと変わります。 視覚的な印象を強化し、顧客にショップを覚えてもらいましょう。ここではショップのロゴの追加手順を紹介します。

  1. ロゴ画像をShopifyの管理画面の”コンテンツ>ファイル”にアップロードし、画像のURLを取得する。
  2. 管理画面から”設定 > 配送と配達” に移動する。
  3. 明細表のセクションで ”編集”をクリックする。
  4. ロゴを実装したい部分に下記コードを挿入する。
<img src="ロゴ画像のURL" style="width: 100px; height: 100px;">

※画像の高さと幅はショップのロゴのサイズに調整してください。

カスタマイズされた明細表でブランドを強化しよう

ECサイトの明細表は、スーパーやコンビニのレシートとは違います。単なる取引記録にとどまらず、ブランドの印象や信頼を深め、顧客との持続的な関係を築くための重要なツールです。

各ショップには、それぞれの顧客に伝えたいメッセージや取り組みたい施策があるはずです。ぜひ、今回紹介したカスタマイズの方法を参考に、ショップならではのオリジナル明細書を作り上げてみてください。

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