贈り物(ギフト)として商品を購入するお客様にとって、ラッピングやのし(熨斗)対応があるかどうかは大きな判断材料のひとつで、ギフト対応の有無が購入率に直結するケースも少なくありません。しかし、Shopifyのデフォルト機能にはラッピングやのしへの対応機能がなく、アプリの導入が必要です。
この記事では、手軽にラッピング・熨斗対応機能を導入できる「ギフトラッピング&のし専用アプリ」を紹介。このアプリの主な機能や導入メリット、使い方の流れ、注意点をわかりやすく解説します。 Shopifyストアでラッピングや熨斗対応を提供したい方は、ぜひ参考にしてください。
Shopifyのギフト対応アプリ「ギフトラッピング&のし専用アプリ」とは?料金も紹介

画像出典:ギフトラッピング&のし専用アプリ|Shopifyアプリストア
「ギフトラッピング&のし専用アプリ」はShopifyストアでギフト向けの包装サービスを簡単に提供できるアプリです。
お客様は商品購入時に、ラッピングや熨斗の有無、種類、メッセージなどを選択できます。ショップ側は設定したオプションに応じて受注管理ができるため、ギフト対応の手間を減らしつつ、購入体験を向上させられます。特に、季節イベントや贈答用商品の多いストアに最適なアプリです。
「ギフトラッピング&のし専用アプリ」の利用料金は月額9.80ドルです。14日間の無料体験期間がありますので、気になった方は試してみるといいでしょう。
※本記載は2025年10月時点の情報を元にしています。
「ギフトラッピング&のし専用アプリ」の主な機能・できること
「ギフトラッピング&のし専用アプリ」の機能やできることを紹介します。
カート画面へのラッピング・熨斗選択の追加
「ギフトラッピング&のし専用アプリ」を導入することで、顧客はカート画面でラッピングや熨斗対応の有無を選べるようになります。ラッピングや熨斗は数量を選択することもでき、複数商品の同時購入にも対応可能です。
ラッピング・熨斗の「無料 / 有料」設定
ストア運営者は、ラッピングや熨斗を無料で提供するのか、有料で提供するのかを自由に決められます。たとえば「ラッピングは有料、熨斗は無料」といった分け方も可能です。
ラッピングや熨斗対応にかかるコストを顧客に負担いただくことで、利益率の悪化を防ぐことができます。
熨斗の表書きのカスタマイズ
あらかじめ用意された「御祝」「寿」などの表書きに加えて、ショップ独自の文言を自由に追加できます。さらに「内のし / 外のし」の選択もでき、贈答シーンに応じた柔軟な対応が可能です。
Shopifyに「ギフトラッピング&のし専用アプリ」を導入するメリット
Shopifyストアに「ギフトラッピング&のし専用アプリ」を導入することで得られるメリットについて解説します。
ギフト需要への対応で売上アップ
ギフト対応を整えることで、誕生日や記念日、季節イベントなどの“贈るニーズ”を取り込めます。特に、贈答文化の根強い日本市場では、ラッピングや熨斗の有無が購入を左右することも多いです。
ギフト需要に応えられる体制を整えれば、新規顧客の獲得やリピート率の向上につながるでしょう。
業務の効率化と満足度低下の防止
アプリを導入していない場合、ラッピングや熨斗の対応を「カートのメモ欄」やメールで受け付ける必要があります。そのため、どのような要望かが顧客にとってわかりづらく、連絡が何度も往復してしまうことも少なくありません。こうしたやりとりが増えると、顧客の満足度が下がる可能性があります。
一方、「ギフトラッピング&のし専用アプリ」を導入すれば、注文画面でラッピングや熨斗の選択を行った情報がそのまま注文内容に反映されます。スタッフは確認や処理をスムーズに進められるため、対応漏れや入力ミスのリスクも抑えられます。
また、顧客側も余計なやり取りが減ることで、満足度低下の防止につながるでしょう。
Shopifyアプリ「ギフトラッピング&のし専用アプリ」の導入方法と使い方
「ギフトラッピング&のし専用アプリ」の導入方法と具体的な使い方について解説します。
導入と準備
はじめにShopifyアプリストアより、「ギフトラッピング&のし専用アプリ」をインストールします。

画像出典:ギフトラッピング&のし専用アプリ|Shopifyアプリストア
Shopifyストアで再度インストールの確認が表示されますので、「インストール」をクリックします。

続いて定期購入を承認します。これで14日間の無料体験期間が始まります。

ラッピングサービスを運用する場合には、ラッピングを商品として登録しておきましょう。有料にする場合には、価格を入力します。「在庫」は追跡しないのがおすすめです。

これで導入と準備は完了です。
具体的な使い方
ここからはアプリの使い方を画像付きで解説します。アプリ画面はシンプルで、以下のような構成です。
- ①公開 / 非公開切り替えスイッチ
- ②ラッピング
- ③のし
- ④備考欄

②のラッピングから解説します。
ラッピング
ここではラッピングに関する設定を行います。ラッピングサービスを提供する場合には、「ラッピングの表示・非表示を切り替える」のスイッチをオンにします。

「ラッピング商品を追加する」をクリックし、事前に登録しておいたラッピング商品を選択し、「保存する」をクリックします。


ラッピング商品は複数登録しておくことも可能です。ラッピングの設定は以上です。
のし
続いて熨斗(のし)の設定です。熨斗サービスを提供する場合には、「のしの表示・非表示を切り替える」のスイッチをオンにします。

「のしのかけ方」では以下の3パターンから選択できます。
- 内のしと外のしから選択する
- 内のしのみ
- 外のしのみ
「価格(一律料金)」で熨斗サービスの提供価格を設定可能です。有料にする場合には、料金を入力して、「保存する」をクリックします。
続いて「のしを追加する」をクリックし、提供する熨斗のタイプを選択。「保存する」をクリックします。

表示される熨斗タイプの鉛筆マークをクリックすると「表書き」を編集することが可能です。また、カメラマークをクリックすると画像の変更もできます。


のしの設定は以上です。
備考
カートのラッピング・熨斗選択画面には「備考」が表示されますが、その箇所にプレースホルダーを設定できます。プレースホルダーとは、ユーザーが入力すべき値の例などを仮のテキストで表示するものです。ユーザーが値を入力すると表示が消えます。
必要に応じてデフォルトのプレースホルダーを書き換えましょう。

公開 / 非公開切り替えスイッチ
全ての設定が完了したら、最後に「公開・非公開を切り替える」のスイッチをオンにし、「公開中」に切り替えます。

カートページへのアプリ追加
最後にカート画面にアプリを追加します。
Shopifyの管理画面より「オンラインストア」 > 「テーマ」 > 「カスタマイズ」の順に選択し、テーマのカスタマイズ画面を表示します。

画面上部より、「カート」のページを選びます。

「セクションを追加」をクリック。「アプリ」から「ギフトラッピング&のし専用アプリ」を選択し、保存します。

画面の確認
実際の画面で表示を確認してみましょう。カート画面を見てみると、「ラッピング・のしを設定する」のボタンが表示されています。

ボタンをクリックすると、設定どおりに、ラッピング、熨斗の追加ができました。


使い方の解説は以上です。
Shopifyアプリ「ギフトラッピング&のし専用アプリ」の注意点
日本語で設定でき、使い方も簡単な「ギフトラッピング&のし専用アプリ」ですが、利用には注意点もあります。
※本記載は2025年10月時点の情報を元にしています。
開発ストアでは試すことができない
このアプリは公開済みのストアでのみ利用可能です。開発ストアの場合、インストールはできますが、請求を承認できないため、試すことができません。公開してから、本番ストアで試すようにしましょう。
ただし、公開しているテーマでアプリを有効にすると、もしも誤った設定をしてしまっていた場合に事故が起こりかねません。非公開のテーマで動作確認をしてから、公開テーマにアプリのセクションを設置するようにしましょう。
特定の商品にのみラッピングや熨斗を適用することはできない
「ギフトラッピング&のし専用アプリ」は注文全体に対してラッピングや熨斗の設定をします。そのため、単品ごとにラッピングや熨斗の設定をすることはできません。
しかし、顧客によっては「複数名分のギフトを同時に購入し、商品ごとにラッピングや熨斗の内容を変えたい」というニーズもあるでしょう。この場合、ラッピングや熨斗の数量を追加することはできるため、ラッピングや熨斗を複数注文してもらいましょう。ただし、どの商品にどのラッピングや熨斗を適用するかは、備考欄に記載してもらうといった対応が必要です。
商品ごとにラッピングや熨斗を選択できるようにしたい場合には、オプション選択アプリ「Infinite Options」がおすすめです。以下の記事を参考にしてください。
【画像付き】Infinite Optionsの使い方!Shopifyに商品オプションを追加
テーマ・ストアとの相性がある
「ギフトラッピング&のし専用アプリ」の公式サイトによると、このアプリが対応しているのは「OS2.0」対応テーマです。OS2.0は2021年にリリースされたテーマ基盤で、以降にリリースされたテーマは基本的にはOS2.0に対応しています。
ただし、今回の解説で使用したテーマ「Dawn」の画面ではカート画面にボタンは表示されたものの、クリックしてもラッピング、のし選択の画面は表示されませんでした。ストアによって相性がある可能性もあるため、無料体験期間に自社ストアでの表示を確認することをおすすめします。
なお、2025年5月にリリースされた新テーマ基盤「Horizon」にも利用できることが確認できました。ただし、「Horizon」で利用した場合、ラッピングや熨斗の選択箇所が他のセクションと重なって表示されてしまいました。カート画面には他のセクションを設置しない、などの対応が必要そうです。またラッピングは選択できるものの、熨斗は選択できませんでした。

参考:選択画面の上に別のセクションが重なって表示されている画像
ギフト対応を強化して、選ばれるショップを目指そう
この記事では、Shopifyアプリ「ギフトラッピング&のし専用アプリ」について解説しました。
ギフトラッピングや熨斗対応は、単なるオプションではなく「お客様の想いを形にするサービス」です。「ギフトラッピング&のし専用アプリ」を導入すれば、専門的な知識がなくても簡単にギフト対応をストアに実装でき、売上アップや業務効率化といったメリットを享受できます。
ただし、いくつか注意点もあるため、導入前にしっかり確認しておくことが大切です。
ラッピングや熨斗対応アプリを活用して、ギフト需要に応えられるストア運営を目指しましょう。