オンライン講座を作りたいと思っているのに「何から始めればいいかわからない」、あるいは「作ったけれど申込みが来ない」という人は少なくないでしょう。動画を撮影してプラットフォームに公開するだけでは、なかなか受講者が集まらないのが現実です。
この記事では、講座を作る前の設計から、教材の作り方、提供方法の選び方、そして公開後につまずきやすいポイントまで解説します。
売れるオンライン講座は作る前の設計で決まる
オンライン講座が売れにくい背景には、作り始める前の設計不足が関係していることがあります。「とにかく作ってから考えよう」と動き出すと、完成しても誰に届けるかがあいまいなまま公開することに。結果として、申込みが来ない状態が続きやすくなります。
目的・受講者・テーマ・需要・売り方、この5点を先に整理しておくだけで、作ったのに売れないという状況はかなり防ぎやすくなります。
何のために誰に教えるのかを明確にする
最初に決めておきたいのは目的と受講者像。つまり、「誰に・何を・なぜ教えるか」です。
たとえば「収益化したい」という目的があっても、受講者像があいまいなままでは、講座の内容も価格設定も定まりません。「副業を始めたい会社員」なのか「育児中に自宅でスキルアップしたい方」なのかによって、伝えるべき内容も提供する価値もまったく変わります。
受講者像を具体化するほど講座の内容が絞り込まれ、「自分のための講座だ」と感じてもらいやすくなります。それが、申込みにつながる第一歩です。
需要があるテーマかを先に確かめる
次はテーマと需要です。自分が教えられることと、求められていることは必ずしも一致しません。そのため、講座を作り始める前に、そのテーマに需要があるかどうかを確かめておくことが大切です。
SNSやQ&Aサイトで同じような悩みを持つ人がいるか、検索されているキーワードかどうか、既存の有料講座が存在するかどうか。こういった観点で調べると、そのテーマが求められているかどうかが見えてきます。
需要があってもすでに競合が多い場合は、受講者像や切り口を絞って差別化しましょう。
講座内容と売り方をセットで考える
最後に売り方です。講座の中身だけを考えて、販売方法は後回しにすると、完成後に「どうやって売ればいいかわからない」という状況になってしまいます。
たとえば、SNSで集客して購入につなげるのか、既存のプラットフォームの検索流入を活用するのかによって、講座の見せ方や説明文の書き方も変わります。そのため、講座内容と売り方は最初からセットで考えるのが基本です。
自分の講座内容に合う配信形式を選ぶ
売り方を考える際には、配信形式の違いをおさえておきましょう。オンライン講座の配信形式は、大きく「ライブ配信」と「オンデマンド配信」の2つに分かれます。
ライブ配信は、ZoomなどのWeb会議ツールでリアルタイムに実施する形式。受講者との双方向のやり取りができるため、質問への対応や反応を見ながら進めやすいのが特徴です。一方で、日程調整が必要になるため、スケジュール管理の手間が生じます。
オンデマンド配信は、録画した動画を好きなタイミングで見られる形式です。受講者が自分のペースで学べるため、繰り返し視聴したい内容や体系的なカリキュラムに向いています。
どちらが優れているということはなく、教える内容の性質と自分の提供スタイルに合う形式を選ぶことが大切です。
オンライン講座の作り方の全体像
設計が終わったら、構成づくり、教材作成、提供準備、公開という順番で進めます。全体の工程を頭に入れておくと、今どこで止まっているかが把握しやすくなるでしょう。
1.講座のゴールと学習内容を整理する
ゴールから逆算すると、何を教えるべきかが絞れて、詰め込みすぎの防止にもなります。
2.カリキュラムとシナリオを設計する
受講者がつまずきやすいポイントを想定しながら、理解の流れに沿った構成にすることが重要です。
3.動画や資料などの教材を作成する
最初から高品質なものを目指すよりも、内容が伝わるかどうかを優先するとスムーズに進みます。
4.講座を見せる形に合わせて素材を整える
使用するプラットフォームやツールに合わせて、動画のファイル形式・サムネイル・説明文などを整えます。ここが受講者の第一印象を左右します。
5.提供方法に合わせて公開準備を進める
講座ページの設定、価格の設定、申込みフォームや決済の準備などを行います。
6.申込み後の案内や受講開始までの流れを確認する
申込み完了後の流れを受講者目線で一度確認しておくと安心です。意外と見落としがちな工程なので、公開前に必ず通しで確かめておきましょう。
オンライン講座の提供方法
オンライン講座を提供する方法は、大きく「独自サイト」「Web会議ツール」「講座プラットフォーム」の3つがあります。どれが正解というわけではなく、講座の形式や自分の運営スタイルによって向き不向きがあります。
Shopifyなどの独自サイトで販売する方法
自分で運営するECサイトやWebサイト上で講座を販売する方法です。価格設定・デザイン・販売ページの構成・メールの内容など、販売にかかわるあらゆる要素を自分でコントロールできます。

ShopifyはEC機能とコンテンツ発信機能をひとつのプラットフォームで運用できるため、講座の販売ページとブログ記事による集客を組み合わせた設計がしやすい構成です。
動画コンテンツの販売についても、専用アプリを組み合わせることで、会員専用ページからの動画配信や進捗管理、サブスクリプション課金などに対応できます。
また、独自サイトは受講者リストを自分で保有できるため、関連講座の案内やリピート促進といった次の販売につなげやすいのも特徴です。設計の自由度が高い分、動画配信や受講者管理の方法は自分で組み立てる必要があります。
Shopifyの始め方について、詳しくは以下の記事をご覧ください。
ZoomなどのWeb会議ツールで実施する方法
ZoomやGoogle MeetなどのWeb会議ツールを使って、ライブ形式で講座を実施する方法です。無料または低コストで始めやすく、受講者とのやり取りもしやすいのが特徴です。
一方で、通常の会議機能を使って運用する場合は、申込み受付や決済の仕組みを別途整える必要があります。たとえば、申込みフォームはGoogleフォームなどで用意し、決済はPayPalや銀行振込を使う組み合わせや、STORES 予約のように申込み受付と決済をひとつにまとめられるサービスを使う方法があります。また、ライブ配信のみで完結するため、録画・オンデマンド配信の仕組みは別で用意することになります。
Udemyなどの講座プラットフォームを使う方法
Udemyなどの講座プラットフォームは、講座の公開・受講環境・決済の仕組みがひとつにまとまっています。アカウントを作成してコンテンツをアップするだけで講座を開設でき、技術的な準備の手間が少ないのが特徴です。
また、プラットフォーム自体に集客力がある点もメリットです。Udemyにはプラットフォーム側が主導するセールの仕組みがあり、集客力の高さにつながる一方で、講師が想定する価格より低い金額で販売されることもあります。価格設計の自由度よりも集客のしやすさを優先したい場合の選択肢になりやすいでしょう。
ただし、価格設定やデザイン、受講者への連絡方法などは、プラットフォームのルールに沿う必要があります。自分で販売導線を設計したい場合や、受講者リストを自分で管理したい場合は、独自サイトとの組み合わせも選択肢になります。
オンライン講座でつまずきやすいポイント
設計ができていても、制作や公開の段階で手が止まることはよくあります。どんなポイントで詰まりやすいかを事前に知っておくと、対処がしやすくなります。
教材づくりに時間をかけすぎると公開が遅れやすい
「完璧な教材を作ってから公開しよう」と考えると、公開まで必要以上の時間がかかってしまいます。動画の画質・編集・スライドのデザインにはこだわりすぎず、肝心の内容が伝わるかどうかを優先しましょう。
まずは内容の骨格が伝わる状態で公開し、受講者の反応を見ながら改善していくほうが、結果的に質の高い講座に近づきやすいです。
集客の準備がないと申込みにつながりにくい
講座を公開しても、存在を知ってもらえなければ申込みは来ません。講座の内容と知ってもらうための手段は、セットで考える必要があります。
SNSでの発信、ブログ記事、メールリスト、既存のコミュニティへの告知など、申込みまでの流れをあらかじめ設計しておくことが重要です。「公開してから集客を考える」では遅く、集客の準備が整った状態で公開に踏み切るほうが、申込みにつながりやすいです。
最初から広げすぎると続けにくい
複数の講座テーマ・幅広い対象者・さまざまな提供形式を一度に用意しようとすると、公開前の準備量が増えるだけでなく、公開後の運営負担も大きくなります。
最初は1つのテーマ・対象者・提供形式に絞るのが、続けやすい運営の基本です。受講者の反応を見てから、少しずつ広げていくほうが無理なく続けられます。
オンライン講座は小さく作って改善しながら育てる
オンライン講座は、最初から完成度の高いものを作ろうとしなくて大丈夫です。設計した内容をもとに公開まで進め、受講者の声や行動を見ながら手を加えていく。そのくり返しが、講座の質を上げていきます。
完璧な準備を待っていると、公開のタイミングが遅れ、その間に状況や需要が変わることもあります。まずは最小限の構成で動かし、受講してもらった人の反応を次に活かしていくほうが、結果的に早く前に進めるでしょう。
作り方に迷ったときは、まず「誰に・何を・なぜ教えるか」に立ち返ってみてください。
