Shopifyでは、在庫や発送を管理する単位として「ロケーション」が用意されています。ECサイトでの販売だけであればロケーションを意識しなくとも運用できますが、倉庫拠点や店舗を分けて管理する場合、発送や在庫管理のために必要となる機能です。
本記事では、Shopifyロケーションの基本的な考え方から、管理画面での操作方法、在庫やフルフィルメントへの影響までを実務目線で整理します。
Shopifyロケーションとはなにか
Shopifyにおけるロケーションとは、在庫を保管・管理する拠点の単位です。
ストアを開設すると、デフォルトで1つのロケーションが自動的に作成されます。自社倉庫や実店舗、外部の配送代行倉庫などを個別に登録でき、商品ごとに在庫数を分けて管理できます。
Shopifyでは在庫は「商品単位」ではなく、「商品 × ロケーション単位」で管理されています。この仕組みにより、拠点ごとの在庫状況を正確に把握できます。

商品詳細:各ロケーションの合算で総在庫数が管理される
Shopifyロケーションを設定する意味
ロケーションを設定すると、以下のようなことができるようになります。
在庫管理
各物理的なロケーションで在庫を個別に追跡できます。複数のロケーションを設定することで、ビジネス全体の在庫をより明確に把握できるようになります。
また、店舗、倉庫、ポップアップショップ、ドロップシッピング業者など、商品を管理または在庫を保管する場所であれば、どこでもロケーションとして設定できます。
住所情報に合わせたロケーションから発送
お客様に最も近いロケーションから注文を発送できます。1つのロケーションで在庫切れでも、別のロケーションに在庫がある場合、注文は複数のロケーションから分割して発送されます。
実店舗での販売
Shopify POSなどを使用して店舗の注文データを紐づけて、小売店舗で対面販売を処理できます。POSデバイスにロケーションを追加することで、在庫を正確に追跡できます。
アプリ連携
ドロップシッピングアプリやサードパーティのロジスティクスサービスと統合できます。
注文ルーティング
注文ルーティングは、設定したルールに基づいて、どのロケーションから発送するかを自動で割り当てる仕組みです。
在庫の可用性、配送先との距離、分割フルフィルメントの回避などを基準に優先順位を決定できます。これにより、手動で発送拠点を判断する必要がなくなり、複数拠点運用でも効率的な出荷管理が可能になります。
Shopify ロケーション 設定が必要になる代表的なケース
以下のようなケースでは、ロケーション設定が欠かせません。
- 複数の倉庫や店舗から発送する
- 3PLパートナーと連携して在庫を分散管理する
- 実店舗とオンラインストアの在庫を別々に管理したい
- 地域ごとに最適な発送拠点を使い分けたい
最初はECサイトのみの販売であっても、将来的な拡張を見据えて設定しておくと運用変更が簡単になります。
発送拠点を分けることで得られる運用上のメリット
ロケーションを分けて管理することで、在庫管理と発送判断が明確になります。
- 発送元の判断を自動化できる
- 店舗在庫とEC在庫を分離できる
- 在庫ズレを防ぎやすくなる
複数拠点を持つ運用では、ロケーション設定は必須といえます。
Shopifyフルフィルメントのロケーションとしての役割
ロケーションは、発送元を決定するための判断材料としても使われます。注文が入ると、Shopifyは在庫のあるロケーションや配送設定をもとに、どこから出荷するかを割り当てます。
ロケーション設定が適切でない場合、在庫が存在していても発送対象として認識されず、手動対応が必要になることがあります。商品追加後は、どのロケーションに在庫を割り当てるか必ず確認しましょう。
発送の優先順位を決定できる
注文ルーティングルールを使用して、在庫の可用性や近接性に基づいてオンライン注文を自動的に割り当てることができます。
管理画面の「設定」>「配送と配達」>「注文のルーティング」から、ロケーションに割り当てる際のルールを設定できます。ルールには優先順位を設定でき、例えば「分割フルフィルメントを最小限に抑える」の優先順位を高く設定すると、1つのロケーション内で注文商品を発送できるように、配送元のロケーションを割り当てます。
フルフィルメント
このロケーションの在庫をオンライン販売に使用しない場合は、「このロケーションの在庫はオンライン注文のフルフィルメントに使用できます」オプションを無効化(デフォルトでは有効)
実店舗
実店舗として表示する場合は、「実店舗」セクションで設定を有効化すると、Shopアプリでお客様が見つけられるようになります 「保存」をクリック

オプション:ロケーション住所を編集より住所など住所情報を登録

配送と配達:注文のルーティングを選択

注文のルーティング:発送に関するルールを設定

ルールの追加:追加できるルールの一覧
Shopify ロケーションの追加方法
ロケーションの追加は、管理画面の設定から行います。
Shopifyロケーション 追加の基本手順
操作の流れは次のとおりです。
1.管理画面「設定」> 「ロケーション」から「ロケーションを追加」を選択

設定:ロケーションを追加を選択
2.「ロケーションを追加する」よりロケーション名と住所を編集

ロケーションを追加する:ロケーションの詳細よりロケーション名と住所を変更
2‐1.ロケーション名を追加

ロケーション名を追加:ロケーション名を記入
2‐2.ロケーション住所を追加

ロケーション住所を編集:住所など住所情報を記入
追加直後のロケーションには在庫が割り当てられておらず、既存商品の在庫が自動で移動・複製されることもありません。
また、「発送に使用する」設定を無効にしたままにすると、在庫があってもフルフィルメントに利用されません。発送拠点として使う場合は、設定漏れがないか確認が必要です。
Shopify ロケーションを追加すると在庫はどうなるのか
新しいロケーションを追加すると、在庫は以下のように扱われます。
新規商品の場合
新しいロケーションを追加すると、新規商品はデフォルトでそのロケーションに在庫数量0で自動的に登録されます。その後、管理画面の「商品」>「在庫」から在庫数量を調整できます。
既存商品の場合
ロケーションを追加しても既存の在庫が移動したり消えたりすることはなく、新しいロケーションには在庫0の状態で商品が登録され、必要に応じて在庫を割り当てていく形になります。
各ロケーションでどの商品を在庫として持つかは後から選択でき、在庫数量も個別に調整可能です。
主な注意点は以下です。
- 各ロケーションの在庫は独立して追跡され、他のロケーションと共有やプールはされません
- 新しいロケーションは、注文ルーティングリストの最下部に追加されます
- デフォルトでは、各新規ロケーションの在庫はオンライン購入に利用可能な状態になります
- 大量の在庫更新が必要な場合は、一括エディターやCSVファイルを使用できます
商品の在庫をロケーションに割り当てる方法
在庫の割り当て方法は主に2通りあります。
- 商品管理画面から個別に設定する方法
- 在庫一覧画面でロケーション別に一括編集する方法
商品数が多い場合は、在庫管理画面での一括調整が効率的です。拠点ごとの実在庫に合わせて数値を入力します。
Shopifyロケーションで在庫が反映されない主な原因
ロケーション設定後に「在庫があるのに発送できない」「在庫が反映されない」といったケースが発生することがあります。主な原因は以下です。
- 商品がそのロケーションに割り当てられていない(在庫数量0のまま)
- 「このロケーションの在庫はオンライン注文のフルフィルメントに使用できます」が無効になっている
- 注文ルーティングの優先順位により別ロケーションが選ばれている
- 在庫追跡がオフになっている
ロケーションを追加した直後は、在庫の割り当てとフルフィルメント設定を必ず確認しましょう。
特に「在庫があるのに購入できない」「発送拠点として表示されない」といったケースの多くは、ロケーション設定の見落としが原因の可能性があります。
Shopify ロケーションに関するよくある疑問
ロケーションを設定する際、よくある疑問をまとめました。
Shopify ロケーションの削除
ロケーションは削除が可能です。ただし、削除前には在庫の有無を必ず確認します。そのロケーションに在庫が残っている商品がある場合、削除できません。在庫をゼロにするか、他のロケーションに移動してから削除する必要があります。
ロケーションは削除だけではなく無効化することもでき、アクティブなロケーションのみがプランの上限にカウントされます。削除理由がなければ、無効化することをおすすめします。
削除時の注意点は以下です。
- 削除後、商品自体は残りますが、削除したロケーションとの紐付けは失われます
- 商品は他の有効なロケーションで引き続き管理されます
- 最低1つのロケーションは必須なので、すべてのロケーションを削除することはできません
- 削除したロケーションに関連する過去の注文履歴は保持されますが、そのロケーションからの新規発送はできなくなります
Shopify ロケーションの上限
ロケーション数には、Shopifyのプランごとに上限があります。
- Shopify Starter:2か所のロケーション
- Basic Shopify:10か所のロケーション
- Grow:10か所のロケーション
- Advanced Shopify:10か所のロケーション
- Shopify Plus:200か所のロケーション
上限に達すると、新しいロケーションを追加できません。不要なロケーションを定期的に整理し、運用に必要な拠点だけを残すことが重要です。
※ロケーション上限はプランや仕様変更により変わる場合があります。最新の上限数はShopify公式ヘルプもあわせて確認してください。
Shopifyロケーションを活用する
Shopifyロケーションは、在庫管理と発送判断の基盤となる設定です。追加や削除の操作自体は簡単ですが、在庫が自動で移動しない仕様を理解していないとトラブルにつながります。
管理画面での操作と、その結果どう影響するのかをセットで把握し、自社の運用に合ったロケーション設計を行いましょう。
ロケーション設計は、単なる在庫管理ではなく、将来的な拠点追加や3PL連携、実店舗展開を見据えた基盤設定でもあります。
拡張を前提とした運用を行う場合は、ロケーション管理や注文ルーティング機能を活用できる設計を意識しましょう。