Shopify Admin APIとは?RESTとGraphQLの違い・使い分けと活用例を解説

Shopify Admin APIとは?RESTとGraphQLの違い・使い分けと活用例を解説

「管理画面で毎日やっている作業を自動化したい」「外部システムとデータをつなぎたい」と考えたときに、最初に学ぶ技術がShopify Admin APIです。

本記事は、Shopify Admin APIとは何かを調べる方向けに作成しています。「Shopify Admin APIは何に使うか」「どの場面で使うか」を中心に整理します。

Shopify Admin APIとは?

Shopify Admin APIとは、Shopify管理画面のデータをプログラムから操作するための仕組みです。通常、商品や在庫を変更するときは管理画面から手動で更新しますが、管理画面の作業をプログラムで処理できる点がShopify Admin APIの特徴です。

Shopify Admin APIが動くイメージとしては、次のような流れです。

  1. 管理画面のデータを外部から読み取る
  2. 管理画面のデータを外部から書き換える
  3. 定期処理で更新作業を自動化する

ただし、何でも自由に触れるわけではありません。アプリに設定した権限(スコープ)の範囲でだけ操作でき、アクセスできる範囲を制限できます。

Shopify Admin APIで操作できる主な機能

Shopify Admin APIでできる操作を、実務でよく使う形にまとめると次のとおりです。

例:

  • 商品の登録・更新
  • 在庫数の取得・更新
  • 注文情報の取得
  • 顧客情報の取得・更新
  • メタフィールドの読み書き

Shopify Admin APIが必要になる場面

Shopify Admin APIは、主に次のような場面で利用されます。

ストア運営を自動化したい場合

Shopify管理画面では、多くの作業を手動で行います。

例:

  • 毎朝の在庫同期を自動化
  • キャンペーン開始時刻に商品公開を切り替え
  • 条件に合う顧客へ自動でタグを付与する

ストア運営で行う手動作業を自動化することで、作業時間の削減やミスの防止につながります。Shopifyでは、Shopify Admin APIの権限を付与したカスタムアプリなどを利用することで、ストア内の運営業務や日々の作業を自動化できます。

外部システムとデータを連携したい場合

Shopifyのデータを他のシステムと連携する場合にも、Shopify Admin APIが利用されます。特に、Shopifyストアとは別に基幹システムが存在する場合、ECのデータと社内システムのデータを連携するために活用されるケースが多くあります。

例:

  • 注文データを基幹システムへ送信
  • 基幹システムと在庫を同期
  • 会計ソフトと売上データを連携
  • CRMと顧客情報を同期

Shopify Admin APIを利用することで、Shopifyと外部システムのデータを連携し、業務全体の効率化を図ることができます。

REST Admin APIとGraphQL Admin APIの2種類

Shopify Admin APIには、REST Admin APIとGraphQL Admin APIの2種類があります。

Shopify REST Admin APIとは

REST Admin APIは、URLごとに機能が分かれているAPIです。

操作 意味
GET /products 商品一覧を取得
POST /products 商品を新しく作成
PUT /products/123 商品情報を更新
DELETE /products/123 商品を削除

RESTは構造がシンプルなため、APIを初めて扱う場合でも理解しやすい方式です。一方で、複数のデータをまとめて扱うときは、リクエスト回数が増えやすくなります。

なお、Shopify公式ではREST Admin APIはレガシー扱いになっています。公式ページ「REST Admin API reference」と「GraphQL Admin API reference」を確認してください。

Shopify GraphQL Admin APIとは

GraphQL Admin APIは、取得したいデータを指定して取得するAPIです。

次のように、必要な項目だけを取得できます。

  • 商品名だけ取得
  • 在庫数だけ取得
  • 注文番号と顧客名だけ取得

必要なデータだけ取得できるため、通信量を減らしやすくなります。また、1回のリクエストで複数データをまとめて取得できる点も特徴です。

例えば商品一覧を取得する場合、以下のクエリを実行するとデータを取得できます。

{
  products(first: 10) {
    edges {
      node {
        id
        title
        handle
        status
        totalInventory
        priceRangeV2 {
          minVariantPrice {
            amount
            currencyCode
          }
        }
        featuredImage {
          url
          altText
        }
        createdAt
        updatedAt
      }
    }
    pageInfo {
      hasNextPage
      hasPreviousPage
    }
  }
}

RESTとGraphQLの違いと選び方

RESTとGraphQLの主な違いは次のとおりです。

項目 REST GraphQL
API設計 リソースごと・操作ごとにエンドポイントが分かれる。HTTP メソッドで操作を表現。 1つのエンドポイント。スキーマ(型)と Query/Mutation の集合として設計。
データ取得 まとめて取得される。 必要な項目のみ取得。
リクエスト数 増えやすい。関連リソースをまたぐときは 複数回の HTTP リクエストが必要。 少なくしやすい。関連オブジェクトを 1 リクエストで取得できる。

なお、2025年4月1日以降、新規パブリックアプリのApp Store申請にはGraphQL APIの使用が必須となっています

REST Admin API は、2024 年 10 月 1 日をもってレガシー API となります。すべてのアプリと統合は、GraphQL Admin APIを使用して構築する必要があります。

引用:About REST to GraphQL migrationより

RESTは既存の実装で問題なく動作している場合はそのまま使い続けられますが、これから新規開発や機能追加を行う場合は、GraphQL Admin APIを使用しましょう。

まずはGraphiQLアプリで試してみる

Shopify Admin APIを利用するシーンはいくつかあります。ここではShopifyストア内の設定だけで完結できる「Shopify GraphiQLアプリ」を紹介します。

Shopify GraphiQLアプリとは

Shopify GraphiQLアプリは、Shopify Admin APIをテストおよび探索するための開発者向けツールです。

このアプリを使用すると、以下のことができます。

  • GraphQLクエリの実行とテスト:ストアデータを取得するクエリを直接実行して結果を確認できます
  • APIスキーマの探索:利用可能なすべてのデータフィールドやオブジェクトを確認できます
  • クエリの構築と検証:自動補完機能を使ってクエリを作成し、エラーをチェックできます
  • 開発とデバッグ:カスタムアプリや統合を開発する際の動作確認に役立ちます

Shopify GraphiQLアプリを利用するにはまずアプリをインストールする必要があります。「Shopify GraphiQL App Installer」から必要な設定を入力し、ストアにインストールすることで利用できます。

インストール後は、アプリ一覧から「Shopify GraphiQL App」を選択でき、いつでもShopify Admin APIを実行可能です。

GraphiQLアプリ:インストール設定画面

GraphiQLアプリ:インストール設定画面

GraphiQLアプリ:インストール設定画面2

GraphiQLアプリ:インストール設定画面2

GraphiQLアプリ:インストールするShop URLを指定

GraphiQLアプリ:インストールするShop URLを指定

GraphiQLアプリ:「インストール」をクリック

GraphiQLアプリ:「インストール」をクリック

GraphiQLアプリ:クエリ入力画面

GraphiQLアプリ:クエリ入力画面

GraphiQLアプリ:利用するAPIを選択も可能

GraphiQLアプリ:利用するAPIを選択も可能

アプリ:インストール後は「Shopify GraphiQL App」から選択可能

アプリ:インストール後は「Shopify GraphiQL App」から選択可能

Shopify GraphiQLアプリ上では、注文データや顧客データがクエリを利用して取得できるようになります。

参考までに「ShopifyのGraphQL Admin API で顧客総数を取得する」の記事も合わせて確認してください。

Shopify Admin APIのレート制限

Shopify Admin APIにはレート制限があり、どのような挙動をするかに限らずエラーになる可能性もあるので設計段階で対策が必要です。

Shopify公式の制限値はAPIの種類やストアプラン毎に異なります。例えば、GraphQL Admin APIではクエリコスト(Query Cost)というクエリの処理量に応じてコストが計算される仕組みになっています。

GraphQL Admin APIを効率よく使うためには、次のポイントを意識するとレート制限に達しにくくなります。

  • 必要なフィールドだけ取得する
  • 不要なネスト構造を避ける
  • connectionの取得件数(first / last)を最小限にする

各APIのレート上限の詳細は「API limits」「REST Admin API rate limits」をご確認ください。

また、Shopify APIは四半期ごと(3か月ごと)に新バージョンが公開され、安定版は最低12カ月サポートされます。定期的にバージョン更新をチェックする運用が重要です。

参考:Shopify Dev MCP serverを使ったShopify Admin APIの活用

Shopify Admin APIを利用してストアの情報を取得し、カスタムアプリの開発を行う際に「クエリの書き方が分からない」「どのフィールドを使えばいいか迷う」といった場面に遭遇することがあるかと思います。こうした場面で役立つのが Shopify Dev MCP server です。

Shopify Dev MCP serverは、CursorやClaude Desktopなど対応AIツールから、Shopifyのドキュメント検索・APIスキーマ調査・GraphQLクエリ生成補助ができる開発支援ツールです。AIがGraphQLクエリの生成をサポートしてくれます。Admin APIを使った開発を効率化できるため、AIエディターを利用している方は試してみると便利でしょう。

出典:Shopify公式 YouTube

詳しい設定方法は、公式ドキュメント 「Shopify Dev MCP server」 を確認してください。

まとめ

Shopify Admin APIを活用することで、ストア運営の多くの作業を自動化でき、より効率的なEC運営が可能になります。

GraphQLでは必要なデータだけを取得できるため、通信効率を高めながら柔軟にデータを扱える点が特徴です。初めてAdmin APIを触る場合は、GraphiQLアプリでクエリを試しながらデータ構造を理解する方法がおすすめです。小さな読み取り処理から始めることで、Shopifyのデータ構造やAPIの使い方を安全に学ぶことができます。

まずは簡単なデータ取得から試し、少しずつ自動化の範囲を広げていきましょう。

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