商品のサイズ感や使い心地は、商品説明や公式写真だけでは伝わりにくいものです。お客様のレビューや着用写真、使用動画などの「UGC」は、購入前の疑問を補う情報になります。
ShopifyではアプリによるUGCの収集・掲載が可能です。本記事ではUGCが購入判断に役立つ理由や集め方、掲載方法、対応アプリ3選を紹介し、Shop関連のアップデートや運用時の注意点も解説します。
UGCとは
UGCは「User Generated Content」の略で、ユーザーが作成したコンテンツを指します。SNSの投稿や口コミサイトのレビューなどがUGCにあたります。
ユーザーが作成したレビュー・写真・動画などのコンテンツ
UGCの代表例はお客様が投稿した商品の感想、Instagramの着用写真、購入商品の開封動画などです。文章だけのレビューも、写真や動画を含む投稿も対象になります。
ECに関係する主な例は以下のとおりです。
商品のレビューや星評価
SNSに投稿された感想や購入報告
洋服の着用写真やコーディネート写真
家具や雑貨を実際に使っている写真
商品の開封動画や使い方を紹介する動画
個人ブログなどに投稿された体験談
ユーザーの視点から、商品の使用感や使い方を伝えられる点が特徴です。
ストアが公式アカウントで作成したSNS投稿は、自社制作のコンテンツにあたります。SNS連携アプリには公式投稿とUGCの両方を表示できるものもあるため、掲載したい投稿の種類に対応しているかを確認しましょう。
ECサイトでUGCが重要な理由
商品を手に取れないECサイトでは、お客様が使った感想や写真も商品選びの判断材料になります。レビューを参考にするお客様の割合やUGCの掲載効果を検証した事例から、購入判断との関係を紹介します。
お客様のレビューや口コミが商品選びの参考になる
株式会社ラクスが2025年6月に実施した調査では、月2回以上ネットショッピングをする20〜60代の1,053人のうち、「とても参考にしている」(38.1%)と「やや参考にしている」(48.3%)を合わせて、86.4%が商品購入時にレビューや口コミを参考にすると回答しています。

画像出典:株式会社ラクス「ネットショッピングにおける購買心理と顧客対応が与える影響」に関する調査
たとえば、自分に近い身長のお客様による着用写真は、洋服の丈やサイズ感を判断する手がかりになります。商品の仕様に加えて購入後の使用感を伝えることで、購入前の疑問を解消しやすくなります。
UGCの掲載でコンバージョン率が改善した事例も
UGCは商品選びの参考になるだけでなく、購入の後押しにもつながります。アライドアーキテクツが2023年10月に公表したチョコレート専門店「Minimal」の事例では、UGC表示ツール「Letro」を使い、オンラインストアにInstagram投稿を掲載しました。トップページで投稿をタブ別に表示する形式と、Letroを表示しない形式でA/Bテストを実施したところ、表示した形式のコンバージョン率は1.34倍となっています。
出典:アライドアーキテクツ「スペシャルティチョコレート専門店『Minimal(ミニマル)』がオンラインストアにLetro導入」(2023年10月公表)
成果は商品や掲載内容によって異なります。自社のユーザーが購入前に知りたい情報を考え、投稿の選び方や掲載場所を検証する必要があります。
ShopifyでレビューやUGCを集める方法
購入後のレビュー依頼やSNSでの案内をすることで、お客様が投稿するきっかけにつながります。すでにブランドや商品に関する投稿があれば、投稿者にレビュー掲載を依頼するのもUGCを集める方法の一つです。
商品到着後にレビューを依頼する
レビューアプリの自動配信機能を使うと、商品発送後や配達後など、設定したタイミングで依頼メールを送信できます。使用後の感想を集めたいときは、商品が届いてから試すまでの期間も考慮しましょう。依頼文には「サイズ感」「使い心地」など、感想を書いてほしい項目を添えます。投稿フォームへのリンクも設けると、お客様が対象商品を探し直す手間を減らせます。
レビューアプリによっては、Shopify Flowで使えるトリガーやアクションを用意していたり、アプリ内から任意のタイミングでレビュー依頼を送れたりする機能もあります。
ハッシュタグや写真投稿キャンペーンで投稿を促す
Instagramなどでブランド独自のハッシュタグを案内すると、関連する投稿を探しやすくなります。商品ページや同梱物には、ハッシュタグに加えて投稿のテーマも記載しましょう。
アパレルなら「購入商品のコーディネート」、雑貨なら「自宅で使っている様子」など、参加方法を具体的に示します。写真投稿キャンペーンを行う場合は、応募方法とあわせて、投稿の掲載先や利用条件を事前に示すことも必要です。
キャンペーン参加後に商品のプレゼントやポイント付与などのインセンティブを用意すると、参加者を集めやすくなります。ただし、2023年10月に施行されたステルスマーケティング規制(景品表示法)では、事業者が投稿内容の決定に関与した投稿は「事業者の表示」に当たり、広告であることが分かるよう明示する必要があります。謝礼の条件を高評価や商品を推奨する表現にしないようにしましょう。また、投稿内容を指定しなくても、報酬や商品提供の目的、投稿者との取引関係などによっては「事業者の表示」に当たるため、施策の実態に応じた確認と広告表示が必要です。
参考:消費者庁「『一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示』の運用基準」/消費者庁「ステルスマーケティングに関するQ&A」
すでにあるSNS投稿を探して掲載を依頼する
ブランド名や商品名、ハッシュタグ、アカウントへのタグ付けから既存の投稿を探す方法もあります。投稿を見つけたらストアで紹介したい旨と掲載先を伝え、利用許諾を得ます。
SNS連携アプリを使う際は、取得できる投稿の種類や対象アカウントが確認のポイントです。アプリで投稿を取得できることと、転載の許可を得ていることは別です。許諾の取り方は「投稿の利用許諾と掲載範囲を確認する」で解説します。
ShopifyでUGCを掲載・活用する方法
集めたUGCは商品ページのレビュー欄やSNSギャラリー、ショッパブル動画などで活用できます。投稿を見て興味を持ったユーザーが、対象商品の情報を確認できるように配置しましょう。
商品ページに写真・動画付きレビューを掲載する
レビューアプリを使うと商品ページに星評価やお客様の感想を表示できます。写真・動画付きレビューに対応していれば、文章だけでは伝わりにくい使用場面も掲載可能です。
バッグなら荷物を入れた写真と「何が入るか」を説明した感想が収納量の判断に役立ちます。使用条件や具体的な感想が分かるレビューを掲載すると、ユーザーが自分の使い方と照らし合わせやすくなります。
SNS投稿を商品と紐づけて表示する
SNS投稿の掲載に対応するアプリでは写真やリールをギャラリー形式で表示できます。投稿に商品を紐づけると、着用写真などから商品ページへ移動する導線も作れます。
トップページにはブランド全体の使用例、商品ページには該当商品の投稿を表示する、といった使い分けが可能です。コーディネート写真に複数の商品が写っている場合は、それぞれの商品情報を確認できるようにしましょう。
動画から商品確認・カート追加へつなげる
動画に商品を紐づけ、視聴中に商品情報の確認や購入操作ができる形式を「ショッパブル動画」と呼びます。対応アプリでは動画から商品情報を開いたり、カートへ追加したりできます。
洋服なら歩いたときのシルエット、生活雑貨なら操作方法など、動きによって特徴が伝わる商品に適した形式です。視聴後に紹介商品を探し直す手間も減らせます。
2026年のアップデートでShopへの掲載方法も拡大
Shopifyのショッピングアプリ「Shop」では、2026年3月25日に商品ページへブロックを追加する機能が発表されました。Shopチャネルの「Shop Editor」から、画像・動画・スライドショー・商品グループ・ショッパブル動画の5種類のブロックを、1ページにつき最大2つまで追加できます。表示先はShopアプリで、Web版のshop.comには表示されません(2026年10月30日確認)。
参考:Shopify公式ヘルプ「商品ページのカスタマイズ」
自社のオンラインストアとは別に、Shopの商品ページでも使用場面を伝えられます。お客様の写真や動画を使う場合は、掲載先にShopを含めて許諾を得ておきましょう。
ShopifyでUGCを活用できるアプリ3選
UGCを活用できるアプリはShopify App Storeの「ソーシャルプルーフ(社会的証明)アプリ」カテゴリーで、UGC機能に絞り込んで探せます。本記事では商品レビュー、Instagram投稿、動画の活用に対応するアプリを3つ紹介します。
Judge.me|商品レビューや写真・動画を収集・表示する
Judge.meはレビュー依頼の送信から商品ページへの掲載まで対応するアプリです。購入後の感想を継続的に集め、商品ごとに蓄積したいストアに向いています。

画像出典:Shopify App Store「Judge.me」
無料プランには、写真・動画付きレビューやレビューウィジェット、星評価の表示などが含まれます。有料のAwesomeプランは月額15ドル(米ドル、2026年10月30日確認)です。Klaviyoなど外部サービスとの連携や、ウィジェット・メールデザインの全面的なカスタマイズ、Googleショッピングへのレビュー連携などを利用できます。なお、収集したレビューをShopアプリへ配信する機能は無料プランにも含まれます。
レビュー依頼の自動化や設定方法は、以下のJudge.meの解説記事で紹介しています。
Instafeed ‑ Instagram Feed|Instagram投稿やUGCをストアに掲載する
InstafeedはInstagramの写真やリールをグリッドやスライダー形式で表示するアプリです。Instagramに集まったユーザーの投稿を、ストアの商品紹介へ使いたいときに適しています。

画像出典:Shopify App Store「Instafeed ‑ Instagram Feed」
無料プランでは、自社アカウントの写真投稿やリールを表示できます。商品・コレクションのタグ付けやカート追加ボタンは、月額8ドル(米ドル、2026年10月30日確認)のProプランが対象です。タグ付けされたユーザーの投稿を扱うUGC機能や商品別フィードは、月額20ドル(米ドル、2026年10月30日確認)のPlusプランに含まれます。ユーザーの投稿を掲載する目的で導入する際は、Plusプランの機能を確認してください。
Instafeedをはじめ、ShopifyとSNSを連携できるアプリは、以下の記事でも紹介しています。
Tolstoyショッパブルビデオ|動画に商品を紐づけて購入につなげる
TolstoyはInstagramのリールやTikTokの動画、Googleドライブなどから取り込んだ動画を掲載できるアプリです。カルーセルやポップアップなどの表示形式があり、動画から商品確認やカート追加につなげられます。

画像出典:Shopify App Store「Tolstoyショッパブルビデオ」
動画を見た後の行動を把握したいストアにも適しています。視聴数やクリック数、カート追加、売上への貢献を確認できる分析機能が特徴です。
Starterプランは月額19ドルで、月間5,000視聴者を含みます。超過分は1,000視聴者当たり10ドルです(いずれも米ドル、2026年10月30日確認)。無料で開始でき、対象アカウントには14日間の試用が用意されています。試用後の継続利用条件は、導入前に確認しましょう。
Tolstoyの機能や導入の流れは、以下の解説記事で紹介しています。
UGCアプリを選ぶときの確認ポイント
アプリの比較では表示できるコンテンツだけでなく、日々の作業や追加料金も確認します。既存のレビューアプリがあれば、レビュー依頼メールや表示機能の重複にも注意が必要です。
自動化できる作業と担当者の作業を確認する
レビュー依頼の送信やSNS投稿の取得を自動化できても、掲載内容の確認や利用許諾の取得、商品との紐づけには手動で作業が必要な場合があります。
導入前に掲載予定の投稿を使い、収集から公開まで一連の操作を確認しましょう。投稿を追加する頻度や担当者も決めておくと、継続して運用できるかを判断しやすくなります。
日本語対応と追加料金を確認する
管理画面、ユーザー向けの表示、問い合わせ対応が日本語対応されているかを確認します。ユーザーに送るレビュー依頼メールや投稿フォームは、実際に表示される文面も確認しましょう。
料金は基本料金に加え、掲載数や表示回数、視聴者数による制限が比較のポイントです。無料プランがあっても、必要な収集機能や商品連携は有料というケースがあります。
Shopとの連携条件を確認する
Shopify公式ヘルプ「Shopの商品レビューとパートナーアプリの同期」に連携アプリが収集したレビューの掲載条件について公開しています。
Shopのレビュー表示要件を満たし、検証済みの顧客に紐づいている
顧客ID、注文ID、商品IDの3つがすべて紐づいている
英語以外の言語コードを含まない
CSVでアップロードしたレビューや、アプリ間でCSV移行したレビューではない
すべてのレビューがShopに掲載できるとは限らないため、日本語レビューを掲載したいストアは、自社ストアでの表示とShopへの同期を分けて検討する必要があります。
UGCを掲載・運用するときの注意点
利用範囲や掲載内容を確認し、公開後の修正・削除にも対応できる運用を用意しましょう。
投稿の利用許諾と掲載範囲を確認する
ブランドのハッシュタグやアカウントへのタグ付けは、転載を許可する意思表示とは限りません。SNS投稿を利用する際は自社ストア、Shop、メールなど掲載先を伝えて許諾を取る必要があります。
投稿文面をそのままではなく写真の切り抜きや文章の抜粋を行うときは、利用方法を共有します。レビュー投稿フォームで集める場合は、投稿規約や同意文面で認められた範囲の確認が必要です。
掲載基準と削除依頼への対応を決める
掲載基準は事前に定め、評価が低いという理由だけで除外しない運用にしましょう。削除依頼に備え、許諾の記録と掲載先を紐づけて管理します。複数のページやメールで使用する投稿は、利用先を一覧にしておくと対応しやすくなります。
また、公開前には該当商品についての投稿か、個人情報や無関係な内容が含まれていないかを確認します。旧仕様や旧パッケージの写真を使う際は、現在の商品と誤認されないようにする必要があります。
購入への影響とスマートフォンでの表示を確認する
掲載後は閲覧数だけでなく、商品クリックやカート追加、購入につながったかも検証しましょう。掲載場所や投稿ごとの違いを比較できる分析機能は、改善の判断材料になります。
UGCを見たユーザーの購入率が高くても、掲載効果とは断定できません。購入意欲が高いユーザーほど詳しく閲覧する可能性もあるためです。効果を検証する際は、可能な範囲で表示あり・なしのA/Bテストを行いましょう。
スマートフォンで閲覧しているユーザー向けに、読み込み速度や動画の大きさも確認が必要です。商品情報や購入ボタンを隠さずに閲覧できる配置に調整します。
まとめ
ShopifyでUGCを活用する際は、購入前に伝えたい情報から掲載素材を選びましょう。サイズ感なら着用写真、操作方法なら動画など、商品説明で補いたい点を決めると、必要なアプリも絞り込めます。収集方法と利用許諾の確認手順を用意し、まずは一部の商品で掲載を試してみてください。


