Shopifyの「Shop」は商品検索から購入、配送追跡までできるショッピングアプリです。要件を満たすストアの商品は、Shop販売チャネルを追加していなくても掲載される場合があります。自社のオンラインストア以外でも商品を見つけてもらえるサービスです。
本記事ではShopの基本機能と最近のアップデートを紹介し、日本のストアが確認したい利用条件や設定方法を解説します。
※本記載は2026年10月時点の情報を基にしています
Shopアプリとは
Shopはお客様が複数のストアの商品を探して買い物をするサービスです。ストア側はShopify管理画面から商品を公開したり、Shop内のストアページを編集したりできます。

画像出典:Shop|Shopifyアプリストア
iOS・Androidアプリとウェブで利用できる
ShopはiOS・Androidのアプリのほか、ウェブサイトのshop.comでも利用できます。Shopを通じて注文が入った場合も、発送、問い合わせや返品への対応は各ストアが担当します。

画像出典:App StoreのShop紹介ページ
世界で利用されているShopアプリ
Shopifyは2026年の公式記事で、Shopアプリの星5評価が600万件以上あると紹介しています。評価件数は利用者数を示すものではありませんが、世界での利用規模を知る参考になります。商品検索のほか、荷物の追跡を目的に利用するお客様もいます。
参照:Shopify「Buyer Recognition: The Growth Lever Hiding Inside Shop」
Shopアプリ・Shop Pay・Shop販売チャネルの違い
Shopアプリはお客様向けのアプリ、Shop販売チャネルはストア側の管理機能です。Shop Payは、購入時に保存済みの配送先・決済情報を使うための機能を指します。
| 名称 | 役割 | 利用する場面 |
|---|---|---|
| Shopアプリ | 商品検索、購入、配送追跡 | お客様が商品や注文を確認するとき |
| Shop Pay | 配送先や決済情報の入力を省略 | お客様が支払うとき |
| Shop販売チャネル | 商品公開、ストア表示、投稿などの管理 | ストア担当者がShopを設定・運用するとき |
Shop Payは自社のオンラインストアでも利用できます。「Shop Payで支払われた注文」と「Shopアプリから入った注文」は同じではありません。Shopからの売上を確認するときは、支払い方法だけで判断しないようにしてください。
Shopアプリでできること
お客様はShopで商品を検索・購入し、配送状況やレビューを確認できます。ストア側には、投稿や広告を通じて商品を紹介する機能も用意されています。
複数のストアから商品を探して購入する
お客様は複数のストアの商品を検索・比較し、気になった商品を保存できます。保存した商品をコレクションにまとめ、ほかの人と共有することも可能です。
購入先は商品の公開設定とストアの販売方法によって異なり、Shop内で直接購入できる商品もあれば、販売元のオンラインストアへ移動して購入する商品もあります。

画像出典:Shopアプリ
注文履歴や配送状況を確認する
購入した商品や配送状況をShopアプリで確認できます。お客様が注文メールを探したり、配送会社のサイトを開いたりする手間を減らせます。
Shop内で直接販売していないストアの注文でも、有効な追跡番号があれば配送状況を確認できます。

Shopアプリ:過去の注文
ストアをフォローして商品や投稿をチェックする
お客様はストアをShopアプリ内でフォローし、商品や画像・動画の投稿を確認できます。ストア側は新商品の紹介やコーディネート、商品の使い方などを発信できます。
メールやSNSに加え、Shopを利用するお客様へ情報を届ける方法の1つです。フォローした人向けの表示と、まだストアを知らない人にも表示されるホームフィードがあります。

Shopアプリ:フォロー欄
商品レビューを確認・投稿する
Shopの商品ページには、お客様のレビューや平均評価が表示されます。Shopまたはオンラインストアで購入したShopユーザーが投稿でき、配送後にレビュー依頼の通知が届きます。
対応するレビューアプリで集めたレビューをShopに表示することも可能です。すでにレビューアプリを使っている場合は、対応状況と同期条件を確認してください。

Shopアプリ:評価レビュー
Shop Campaignsで広告を配信する
ストア側は「Shop Campaigns」を利用して、Shopアプリやshop.comに広告を配信できます。商品が自然に検索・おすすめ表示されるのを待つだけでなく、費用をかけてお客様に商品を紹介する方法です。広告の配信対象地域は媒体ごとに異なります。X・Snapchatなどは米国、Bing・Google・Metaはオーストラリア・カナダ・英国・米国が対象です(2026年10月30日確認)。
利用時は、予算と平均顧客獲得単価(CAC)を設定します。キャンペーンの対象条件を満たすお客様がオファーを使って注文した場合や、広告を見た後に注文した場合に費用が請求されます。注文ごとの請求額は、設定した平均単価を上回る場合も下回る場合もあります。任意で利用する機能のため、Shopに商品を掲載するだけで広告費が発生することはありません。
参照:Shopifyヘルプセンター「Paying for Shop Campaigns」(2026年10月30日確認)

画像出典:Shopify
Shop Cashを獲得・利用する
Shop CashはShopアプリやshop.comでのお買い物に使える、Shopifyが提供する還元残高です。イメージとしては「Shop内で使える買い物ポイント」に近いですが、注文上はクーポンではなく支払い方法として扱われます。
対象のお客様がShopアプリやshop.comで対象オファーを利用し、Shop Payなどで支払うと獲得できます。購入すれば必ず付与されるわけではなく、自社のオンラインストアでShop Payを使って購入しただけでは獲得対象になりません。
獲得した残高は条件を満たす注文に利用でき、Shopから移動したオンラインストアの決済で使える場合もあります。ただし、利用時の決済通貨はUSD・CAD・GBP・AUD・EURが対象で、日本円(JPY)は含まれません。
参照:Shopifyヘルプセンター「Shop Cash at checkout」(2026年10月30日確認)
Shopアプリの最近のアップデート
2025年後半以降、商品の掲載範囲や商品ページの編集や投稿などの機能が拡充されています。以前にShopを設定したストアも、アップデート情報を参考に追加の設定を検討してみてください。
Shopify Catalogとの連携で商品が見つかる範囲が拡大
2025年10月29日、ShopがShopify Catalogを利用するようになったことが発表されました。Shopify Catalogは、ShopやAIによるショッピングサービスなどへ商品情報を提供するカタログです。
現在はShop販売チャネルで公開していない商品でも、オンラインストアで公開されてCatalogの対象となっていれば、Shopに掲載される場合があります。
また、公開設定により購入先が異なります。
| 商品の公開設定 | 購入先 |
|---|---|
| Shopに公開し、Shop内の直接販売を有効化 | Shop内で購入 |
| Shopに未公開で、Catalogの対象となる商品 | オンラインストアへ移動して購入 |
Shopify Catalogの機能や使い方について詳しくは、以下の記事をごらんください。
会話型検索やShop Minisによる商品探しが拡充
会話を通じて商品を検索・比較する機能が追加されました。現在の対象は米国・カナダのお客様です。日本のお客様は、通常のキーワード検索を利用します。

Shopアプリ:商品検索・提案画面
対象地域では、「雨の日の通勤に使うバッグ」のように用途を伝えると、購入履歴や好みなどを踏まえた提案を受けられます。
Shop MinisはShopアプリ内で動くミニアプリです。公式にはバーチャル試着などの例があり、お客様が商品を試したり、条件に合わせて探したりする機能を提供します。ホームフィードやナビゲーション、商品ページなど、利用できる場所が拡充されました。

Shopアプリ:Minis機能一覧
ストアが独自のShop Miniを開発しなくても、掲載対象の商品がShop Minis内に表示される場合があります。自社商品がShop Minis内に表示されること自体は停止できませんが、自社のShop商品ページに関連するShop Minisを表示する機能は、Shop販売チャネルの設定で無効化できます。
商品をタグ付けした投稿をShopのフィードへ掲載
画像や動画に商品・コレクションをタグ付けし、Shopアプリ内で商品紹介を投稿できるようになりました。投稿はフォロワー以外にも、ホームフィードを通じて届くようになっています。

画像出典:Shopify
現行の投稿機能は、公開予約や終了日時の指定、対応アプリからの動画連携にも対応しています。Instagramのクリエイター・ビジネスアカウントを連携すれば、画像やリールなどの取り込みも可能です。
Instagramとの連携後は新しい投稿を自動公開する設定があるため、連携時に確認しましょう。Shopでは自動公開を止めて、内容を確認してから公開する運用も選べます。投稿の表示先はShopアプリ内で、ウェブ版のshop.comには表示されません。

画像出典:Shopify
実店舗の発見・店舗受け取り・返品への対応
お客様はShopアプリで近隣の実店舗を見つけ、店舗での受け取りや返品を利用できます。実店舗のあるブランドにとっては、オンラインのお客様が店舗を利用するきっかけになります。実店舗での受け取りや返品を提供する場合は、対象ロケーションや受付条件も設定します。
Shopのカート同期・ログイン機能の改善
Shopユーザーのカート同期やログイン、チェックアウトが改善されました。Shopアカウントを持ち、Shopでのログインやお客様の識別などの条件を満たす場合、端末間やShopアプリとオンラインストアの間でカートを引き継ぐことができます。
パソコンでカートに入れた商品の購入をスマートフォンで続けるなど、買い物を中断した後も再開しやすくなる変更です。ただし、すでにあるカート同士は結合されません。地域や商品の公開先によっても制限があります。
オンラインストアのカートに商品を残したまま離れたお客様には、Shopからメールやプッシュ通知でリマインドが届く場合があります。オンラインストアで設定しているカゴ落ちメールとは別の仕組みで、内容やタイミングは変更できません。オンラインストアでの行動をきっかけにしたShopの通知は、Shop販売チャネルの設定にあるマーケティングの項目でオフにできます。Shopアプリ内での行動による通知や、別に設定したShopifyの自動化は停止しません。
参照:Shopifyヘルプセンター「Manage your Shop marketing settings」(2026年10月30日確認)
日本のShopifyストアで利用するための条件と注意点
日本のストアもShopを利用できます。ただし、ストアの掲載要件に加え、利用中のアプリや独自の購入項目がShopでどう扱われるかを確認する必要があります。
ストアと商品がShopに掲載されるための要件
主な掲載条件は以下のとおりです。
| 項目 | 主な条件 |
|---|---|
| 契約プラン | 有効なStarterプラン以上 |
| 決済 | Shopify ペイメントを有効化 |
| チャージバック | Shopify ペイメントで処理された取引について、過去6カ月間のチャージバック率が1%未満 |
| 商品 | 1商品以上がShopの商品掲載要件を満たす |
| 公開状態 | オンラインストア販売チャネルがあり、ストアが非公開状態ではない |
| 利用アプリ | パスワード管理・年齢確認アプリ(Advanced Registrationなど)を使っていない(Locksmithは利用可) |
| 規約 | Shopifyの利用規約・適正利用規約などを遵守 |
掲載に必要な条件は、Shopify管理画面からも確認できます。

画像出典:Shopify
Shopの利用には、Shopify Network Intelligenceの有効化も必要です。設定はShopify管理画面の「設定」から「お客様のプライバシー」で確認できます。
顧客データの取り扱いについては、Shopify公式の「Shopify Network Intelligenceが有効な場合の要件」を確認してください。
Shopへの掲載と検索結果への表示は条件が異なる
Shopに商品が掲載されていても、商品検索に表示されるとは限りません。検索結果に商品を表示するには、Shopの掲載要件に加えて、以下の条件を満たす必要があります。
-
独自ドメインを接続していること
自社で取得したドメインをShopifyストアに接続している必要があります。
-
自社のストア名を設定していること
Shopでお客様がストアを識別できるよう、ストア名を設定します。
-
販売実績とお客様からの評価があること
Shopifyでの長期の販売履歴、安定した注文量、肯定的なレビューが求められます。
販売期間や注文数、レビュー評価について、公式ヘルプには具体的な数値基準が示されていません。独自ドメインとストア名を設定するだけで、商品検索に表示されるわけではない点に注意が必要です。
ポイントやギフト指定など、ストア独自の機能を確認する
テーマやアプリで追加した表示・入力欄が、Shopでも同じように使えるとは限りません。Shop内で直接販売する前に、オンラインストアで使っている機能を確認してください。
| 利用中の機能 | 確認したいこと |
|---|---|
| ポイント・会員ランク | Shop経由の注文での付与・利用条件 |
| ギフト包装・名入れ | 必須の選択肢や入力欄が表示されるか |
| 配送日時指定 | お客様が指定でき、注文へ正しく保存されるか |
| 定期購入 | 利用中の定期購入アプリがShopに対応しているか |
| 商品の注意事項 | テーマに追加した情報をShopでも確認できるか |
機能ごとの対応は、利用中のアプリや実装方法によって異なります。たとえば名入れの入力が注文に欠かせないストアでは、Shop側でも必要事項を受け取れるかを確認したうえで、直接販売を選びます。自社サイトで購入してもらいたい場合は、オンラインストアへ誘導する販売方法を選択できます。
Shopの利用料金とShop Cash・Shop Campaignsの費用
Shop販売チャネルとShop Cashは無料で利用できます。マーケットプレイス手数料などの追加費用はかからず、Shop経由の注文にかかるのは通常のShopify ペイメントの決済手数料です。Shop Cashの原資はShopifyが負担します。
一方、Shop Campaignsはストアが費用を負担する任意の広告機能です。日本のストアも対象で、利用した費用はShopifyの請求に加算されます。利用にはShop内の直接販売やShopify Network Intelligenceの有効化、通貨などの条件があります。
Shop販売チャネルの設定方法
Shopify管理画面でShop販売チャネルと商品の掲載状況を確認します。販売チャネルがない場合は、Shopを追加してください。

画像出典:Shopify
Shop販売チャネルと掲載状況を確認する
Shopify管理画面の販売チャネルからShopを開き、Catalogの欄で商品の状態を確認します。主な表示は以下です。
| 商品の状態 | 意味 |
|---|---|
| Shop内で直接販売している商品 | Shop内で購入できる商品 |
| 未公開の商品 | 掲載対象の場合、Shopに表示され、購入時にオンラインストアへ移動する商品 |
| 対象外の商品 | 掲載条件を満たしていない商品 |
| 禁止されている商品 | Shopのガイドラインなどにより掲載できない商品 |
対象外と表示されている商品は、ステータスから理由を確認できます。前述のとおり、「未公開」の商品もCatalogの対象であればShopに表示されます。
Shop上で商品自体を表示させたくない場合は、商品ステータスを「未掲載」にする方法があります。ただし、未掲載にした商品は検索エンジンやストア内検索にも表示されなくなるため、自社サイトでの集客への影響も考えて判断してください。
公開する商品と購入方法を設定する
Shop内の直接販売を始める場合は、次の順に設定します。
Shopify管理画面からShop販売チャネルを開きます。
「設定」を開き、「Shopで販売」の「販売方法」で「Shopで直接販売」を選択します。
「カタログ」からShopに未公開の商品を開きます。
公開する商品を選択し、公開操作を確定します。
購入先を自社のオンラインストアに統一する場合は、同じ販売方法の設定で、オンラインストアへリンクする方法を選択します。
特定の商品だけ直接販売を止める場合は、ShopのCatalogから対象商品を選び、一括編集で販売チャネルのShopを外して保存します。

画像出典:Shopify
Shopストアと商品ページを編集する
Shop販売チャネルからストアのプロフィール、画像、問い合わせ先、SNSリンクを設定します。Shopエディタでは、ホームページのコレクションや商品ページのブロックも編集できます。

画像出典:Shopify
自社サイトと同じ商品でも、Shopでは表示される情報が異なる場合があります。販売開始前に、価格やバリエーション、商品説明、送料、返品条件をお客様の画面で確認しましょう。
配送追跡への案内や店舗受け取り・返品を設定する
注文状況ページにShopでの追跡リンクを表示する設定は、初期状態で有効です。変更する場合は、Shopify管理画面の設定からチェックアウトを開き、顧客の連絡方法の欄でShopの追跡リンクを確認して保存します。
配送情報を正しく表示するには、発送時に有効な追跡番号と配送会社を登録します。分割発送する注文は、発送ごとの追跡番号を登録してください。
実店舗がある場合は、店舗受け取りの対象ロケーションと在庫を確認します。店舗返品を受け付ける場合は、セルフサービス返品と実店舗のロケーションを用意し、Shop販売チャネルの設定で店舗への返品を許可します。
Shop経由の売上や施策の成果を確認する
Shop販売チャネルではShop内の注文・売上、オンラインストアへ送客した注文・売上、商品の表示回数などを確認できます。Shopの利用者が少ない場合は、一部の指標が表示されないことがあります。確認するときは、Shop内の売上だけでなく自社サイトへの送客も含めて見ます。
また、Shop Campaignsを利用する場合は、広告費と売上、顧客獲得単価も合わせて確認します。費用対効果を確認し、広告を続けるか商品や投稿を見直すかを判断します。
まとめ
Shopをまだ運用していないストアも、まずは自社商品がどう掲載され、どこで購入できる状態かを確認してみてください。ポイントやギフト指定などの独自機能を利用している場合は、Shop内で直接販売する前に対応状況を確認しましょう。商品ページや投稿を整え、広告も利用する場合はShop Campaignsの費用と成果を確認します。Shop内の売上と自社サイトへの送客を分けて把握すると、運用にかける時間や費用を判断できます。
