Shopifyアプリ「日本インボイス領収書」とは

日本インボイス領収書は、日本のインボイス制度(適格請求書等保存方式)に対応した領収書を、Shopifyの注文からそのまま発行できるアプリです。消費税額は明細行ごとではなく、1つの書類につき税率ごとに1回だけ端数処理します。軽減税率8%の対象品目には※印と注記を自動で付け、宛名を省略する適格簡易請求書にも対応します。宛名と但し書きは発行のたびに指定でき、その場で印刷またはPDFとして保存できます。注文一覧から複数の注文をまとめて印刷することもできます。購入者ご自身が注文番号とメールアドレスで領収書を発行できるページも用意しているため、領収書のご依頼に一件ずつ対応する必要がありません。
日本インボイス領収書の特徴
消費税額を、明細行ごとではなく税率ごとに1回だけ端数処理します

インボイス制度では、消費税額の端数処理は1つの適格請求書につき、税率ごとに1回と定められています。明細行ごとに丸めてから合計すると、税率ごとに計算した金額とずれが出ます。このアプリは、8%対象と10%対象をそれぞれ合計してから1回だけ端数処理する方式で消費税額を出します。端数処理の方式は、切り捨て・切り上げ・四捨五入から選べます。
軽減税率8%の対象品目を自動で判別し、※印と注記を付けます

適格請求書には、軽減税率の対象である旨を書類上で判別できるように記載する必要があります。このアプリは注文の税率から8%対象の品目を判別し、品目に※印を付けたうえで、書面の下部に「※印は軽減税率(8%)対象品目」という注記を自動で入れます。食品と食品以外が同じ注文に入っていても、税率ごとの対価の額と消費税額を区分して表示します。
宛名と但し書きを発行のたびに指定でき、適格簡易請求書にも対応します

宛名は注文から自動で入りますが、購入者から会社名を指定された場合は、発行の画面でその場で書き換えられます。但し書きも発行のたびに指定でき、未入力のときは「お品代として」と印字します。小売や飲食、ECのように不特定多数を相手にする取引では、宛名を省略した適格簡易請求書の形式でも発行できます。宛名の指定があるときは、簡易請求書の設定より指定を優先します。
購入者ご自身が領収書を発行できるため、依頼への個別対応がなくなります

購入者向けの発行ページのURLを、注文確認メールやFAQに載せておくだけで、購入者が注文番号と注文に使ったメールアドレスで本人確認を行い、自分で領収書を発行できます。宛名と但し書きもその画面で指定できます。同じ注文からの再発行にも対応しているので、紛失したので再発行してほしい、という連絡にも個別に対応する必要がありません。
購入者の個人情報をアプリ側に保存しない設計です
領収書は、発行のたびにShopifyから注文を読み取ってその場で組み立て、表示したあとは破棄します。購入者の氏名・住所・メールアドレスをアプリ側に保存しません。アプリが保持しているのは、発行者(店舗)の設定と、無料プランの発行件数だけです。預けるデータが少ないほど、事故が起きたときに漏れるものも少なくなります。
こんな企業・ストアにおすすめ
- 食品や飲料を扱っていて、8%と10%が同じ注文に混ざるストア
税率ごとの区分と端数処理が最も面倒になるのがこの形です。合計が合わない、という事態を避けられます。 - 法人や個人事業主のお客様が多いストア
購入者が仕入税額控除のために適格請求書を必要とします。宛名の指定や登録番号の記載が求められます。 - 領収書のご依頼が日常的に届いているストア
購入者ご自身での発行に切り替えることで、対応の件数そのものを減らせます。 - 経理をご自身で行っている小規模なストア
制度の要件をアプリ側が満たすため、記載事項の抜けを気にせず発行できます。
日本インボイス領収書のおすすめ機能
注文一覧からの一括印刷

注文一覧で複数の注文にチェックを入れ、プリントメニューから領収書をまとめて印刷できます。月末にまとめて処理したい場合や、同じ購入者の複数の注文を続けて発行したい場合に、注文を1件ずつ開く必要がありません。
登録番号(T+13桁)をその場で検証

発行者設定で登録番号を入力すると、形式とチェックデジットをその場で確認します。誤った番号のまま発行してしまう事故を、入力の時点で防げます。なお個人事業主の番号はチェックデジットの規則に沿わない場合があるため、不一致は入力を止めずに注意の表示にとどめています。
端数処理の方式を選べる設定

切り捨て・切り上げ・四捨五入から選べます。すでに運用しているルールがある場合は、それに合わせられます。あわせて、価格を税込で計算するかどうかも設定できます。
和様式の角印などの印影画像
印影画像のURLを設定しておくと、発行される領収書に印影が入ります。和様式の角印を使っている場合、書面の見た目をこれまでの運用に近づけられます。
セットアップガイド
インストール直後の画面に、発行者設定の登録・注文からの発行・購入者向けURLの案内という3つの手順が表示され、完了したものから消えていきます。何から手を付ければよいかを探す必要がありません。
日本インボイス領収書の料金プラン
無料プラン(0ドル)
月10件の注文まで領収書を発行できます。同じ注文の再発行は件数を消費しません。集計は日本時間の月単位で、翌月1日に戻ります。
スタンダードプラン(月7.99ドル、または年79.99ドル・14日間の無料トライアル)
発行できる件数の制限がありません。
機能はどちらのプランでも同じで、違いは月あたりに領収書を発行できる注文数だけです。登録番号の検証、税率ごとに1回の端数処理、軽減税率の自動注記、適格簡易請求書、購入者ご自身での発行は、無料プランでもすべてお使いいただけます。プランの変更と解約はアプリのプラン画面から行え、料金はShopifyの請求にまとめて計上されます。
日本インボイス領収書のセットアップ方法
アプリをインストールする
Shopify App Storeのページからインストールします。テーマの改変は行いません。管理画面にアプリが追加され、注文詳細と注文一覧のプリントメニューに領収書の項目が加わります。
発行者設定を登録する

アプリの設定画面で、発行事業者の氏名または名称と、登録番号(T+13桁)を入力します。登録番号は適格請求書の必須記載事項です。登録を受けていない場合(免税事業者など)は空欄のままで、適格請求書ではない旨を明記した通常の領収書として発行できます。住所、電話番号、印影画像のURLは任意です。登録番号は入力したその場で形式とチェックデジットを確認します。
端数処理の方式と、適格簡易請求書の既定を決める

同じ設定画面で、端数処理を切り捨て・切り上げ・四捨五入から選びます。不特定多数を相手にする取引が中心の場合は、既定で適格簡易請求書(宛名省略)として発行する設定も選べます。宛名を指定して発行したときは、その指定が優先されます。
注文から領収書を1件発行してみる

注文一覧から注文を開くと、必須記載事項を満たした領収書がその場で組み上がります。宛名と但し書きを指定して、印刷またはPDFとして保存できます。8%と10%が混ざった注文で試すと、税率ごとの区分と消費税額の計算を確認できます。
購入者向けの発行ページのURLを案内する

設定画面に、購入者向けの発行ページのURLが表示されます。注文確認メールやショップのFAQ、特定商取引法に基づく表記のページなどに載せておくと、購入者が自分で領収書を発行できます。ここまでで設定は完了です。
アプリ開発のストーリー・裏側
アプリを開発したきっかけは?
インボイス制度の要件を読んでいて、消費税額の端数処理が1つの書類につき税率ごとに1回と定められている点が目に留まりました。明細行ごとに丸めてから合計すると、税率ごとに計算した金額と合いません。金額が1円合わないだけでも、受け取った側は確認の手間が発生します。日本の制度に的を絞れば、この種の正確さで役に立てると考えて開発を始めました。
アプリ開発で一番印象に残ったこと
Shopifyが返す税率が、8%なら0.08という小数だったことです。百分率だと思い込んだまま計算に渡すと、消費税額が桁で狂います。実際の注文で電卓を当てて検算したときに気づきました。制度の解釈よりも、こうした足元のデータの形のほうが事故になりやすいと実感した場面でした。以降は、税額の計算をアプリ本体から切り離し、単体で検証できる形にしています。
アプリ開発で苦労したこと
宛名の扱いです。宛名を省略する適格簡易請求書の設定と、購入者から会社名を指定された場合の指定が衝突します。省略の設定を優先すると、指定した意味がなくなってしまうため、指定があるときは常にそちらを優先する形にしました。
もう1つは、但し書きにShopifyの注文メモを自動で流し込んでいたことです。注文メモは店舗の内部的な覚え書きが入る欄で、それがそのまま購入者に渡る書面に出るのは事故になります。テスト中に気づき、注文メモは取得も表示もしない方針に変更しました。
アプリ開発で最も力を入れていること
購入者の個人情報をアプリ側に持たないことです。領収書は発行のたびに注文を読み取って組み立て、表示したあとは破棄します。保存しているのは発行者の設定と、無料プランの発行件数だけです。書類を長期保存する機能を付けなかったのも同じ理由で、保存の義務は事業者側にあるため、できないことは先に明記するようにしています。
アプリの今後の展開や挑戦したいこと
登録番号の照合です。現在は形式とチェックデジットの検証までで、国税庁の適格請求書発行事業者公表システムのWeb-APIによる実在確認は、アプリケーションIDの交付を待っている段階です。交付されしだい、入力された登録番号が実際に公表されているかどうかまで確認できるようにする予定です。
その他、よくある質問
問い合わせや導入サポートはありますか?
アプリ内のサポートページから日本語でお問い合わせいただけます。開発者が直接お答えします。設定でつまずいた箇所や、書面の記載事項についてのご確認も承ります。
途中でプランの変更はできますか?
できます。アプリのプラン画面からいつでも変更でき、無料プランに戻すこともできます。料金はShopifyの請求にまとめて計上されます。有料プランには14日間の無料トライアルがあります。
連携可能なShopifyアプリやサービスはありますか?
特別な連携設定は必要ありません。Shopifyの注文データをその都度読み取って領収書を組み立てるため、ストアのテーマや他の設定を変更することはありません。
導入事例などありますか?
2026年8月に公開したばかりのアプリのため、ご紹介できる導入事例はまだありません。無料プランで月10件まで発行できますので、8%と10%が混ざった注文でお試しいただき、税率ごとの区分と消費税額をご確認いただければと思います。
最後に
インボイス制度への対応は、機能の多さよりも、書面に出る金額と記載事項が正しいかどうかに尽きると考えています。判断の材料として、8%と10%が混ざった注文を1件だけ発行してみて、税率ごとの合計と消費税額が合っているかをご確認いただくのが、いちばん早い確かめ方だと思います。無料プランで月10件まで発行できますので、費用をかけずにお試しいただけます。